色々なIF集   作:超人類DX

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はしょってるし、ほぼおふざけ


にゃんこに好かれるけど実はワンコ派な副担任

 

 

 ギャスパー

 アイツが拠り所だった場所を追い出され、死にかけていた所を偶々俺が見つけてアザえもんことアザゼルさんの所に連れ帰った時から関係は始まった。

 

 

「コイツは、サーゼクスの妹の僧侶だな……」

 

「え!? てことは野郎が寄生してる悪魔ン所のか!? 俺もしかしてやらかしちゃいました?」

 

「……いや、いざとなれば記憶をめちゃくちゃにしてしまえば良い。

それより何故コイツがこんな重症を負った状態で捨てられているかのように倒れていたかだ。

そもそもコイツは主の力量の問題で表には出てこれなかったと聞いている」

 

「む、ということは強いのか?」

 

「落ち着けヴァーリ。

潜在的な能力は確かに相当なものだろうが、確かこの小僧の性格はかなりのビビりで――」

 

「ワッツ!? 小僧ォ!? アザゼルさん、今この子のこと小僧って言ったのか!? て、てことは……」

 

「あ? ああ、お前気付いてなかったのか? コイツ男だぞ?」

 

「ナンダッテー!?」

 

 

 ボロボロになっていた見た目が女の子な……しかし実は普通に男であるギャスパーとの最初。

 目覚めた頃は全てにたいして怯えきっていて、その理由も語るだけで胸糞悪くなる理由で……。

 

 

「おいーっすギャスパー……だったよな?

これスーパー○ップ(バニラ味)なんだけど食うか? 安いしうめーぞ?」

 

「あ、は、はい……」

 

 

 このまま元の主共の所へ返したら今度こそ死ぬと思ったからこそ、何よりもっとガキの頃だった俺に似ていた気がしたので放ってはおけなかった。

 

 

「き、聞いてた話と違いました。

アナタ達の事は狂暴な集団だとか、放っておいたら世界を壊す危ない人達だって聞いてましたから……」

 

「あんのクソ野郎、ブーメランって言葉を知らねーのか? 好き勝って抜かしやがって。

まあしかし、ある意味ではそうなのかもしれないな――で、ギャスパーから見て俺達はその狂暴でやばい集団に見えるのか?」

「……いえ、普通にお菓子食べたり、普通にご飯食べたり、普通にゲームして遊んでる楽しそうな人達にしか今のところは見えません」

 

 それがギャスパーとの始まり。

 ただ自由に生きたいという当たり前を剥奪された俺と友達になってくれた……大切で大好きだった人達の一人。

 そんなギャスパーの持っていた神器を――それも紆余曲折あって真の力へと辿り着いたそれを何故エヴァが扱い始めたのか……。

 

 

『イッセー君は一人じゃないです。

僕達は皆、イッセー君が生きて欲しいから全てを託しました。

だから、どこかでイッセーくんが『僕達』のような人達と出会ったら、今度こそ独りにさせないために力となってください』

 

 

 わからない。

 俺だけがあの時何で生き残れてしまったのか。

 いっそあの時同じように死んでしまえたらと何度思ったのか。

 

 なぁ……ギャスパー、ヴァーリ、神牙(曹操)、元士郎、アザゼルさん。

 

 

 

 

 

 ハイになりすぎたせいなのか、それとも定期的にイッセーの血を取り込み過ぎたからなのか。

 エヴァンジェリンにかつての親友の一人の神器が宿ってしまった事を受け、イッセーは割りと本気のドラゴン波で丸焦げにしてしまったエヴァンジェリンを一晩中看病し、明くる日には傷を含めて素面に戻っていた彼女に確認をしていた。

 

 

「金髪で赤目の尖った耳をした女のような小僧の姿をした意識が私の中に流れ込んだ感覚がした。

恐らくその意識そのものが『神器』として私に宿ったのかもしれん」

 

「………。もろイメージキャラがギャスパーじゃねーか」

 

 

 エヴァンジェリンの話を受け、イッセーは絶妙に喜んで良いのか焦って良いのかよくわからない気分になりながら――されど何時ものエヴァンジェリンであることにホッとする。

 

 

「しかし便利なものだな神器というのは。

無詠唱で時の流れを停止させることが出来るようになるとはね……」

 

「それだけじゃない、お前あの時真の力を使ってたからな。

わからんけど、ギャスパーの神器はエヴァの魔力性質を考えたら引くほど相性が良すぎるんだよ」

 

「ああ、闇の力を操れるという奴か? 試してはないが、私の闇の魔法の力がかなり底上げされるかもしれないな」

 

「わかってるとは思うが、制御だけはしてくれよ? その神器を全解放されたら止めるにしても手加減できるシロモノじゃあないんでな」

 

 

 時折エヴァンジェリンの瞳の色がギャスパーと同じ色に変わるのを見ながら、イッセーはコントロールを覚えさせる決意をする。

 すると、そんなイッセーの言葉が意外に聞こえたのか、エヴァンジェリンがこちらを見ているではないか。

 

 

「? 何だよ?」

 

「……。怒ってないのか?」

 

「怒る? 俺が?? なんで???」

 

「お前にとってもっとも触れて欲しくない過去の……それも親友の一人が持っていた力を私が使えるのだぞ? 殺してでも取り返したくはないのか?」

 

 

 どうやら本人なりにイッセーの過去についてはデリケートなものだと考えていたらしい。

 しかしイッセーはそんなエヴァンジェリンの言葉に対して首を横に振る。

 

 

「そりゃあ、お前がただの他人だったら話す間もなくぶち殺してたかもな。

けどなエヴァ……お前は他人じゃないし、少なくともお前ならと俺は納得しているよ。

ちょうどギャスパーもお前も吸血鬼だしなぁ」

 

 

 他人だったら警告もせずにさっさと殺していたと、かなり物騒な事を平然と宣うイッセー的には、むしろエヴァンジェリンで良かったと言う。

 

 

「まいったね、悪い癖というか、俺の致命的な弱点ってやつだな。

『好き』になった相手にはとことん無力になっちまう」

 

「…………」

 

「けどこれで決まりだな。

今後お前が俺に嫌気が差してどこに逃げようが、もう俺はお前との縁は切らしゃしねぇ。

どこに行こうが、どこかに隠れようが、俺は地獄の果てまでもお前を追いかけて捕まえてやらぁ」

 

 

 へっへっへっ! と悪戯小僧みたいな笑みとは正反対極まりない重すぎる言葉だが、不思議なものでエヴァンジェリン的には重さをほとんど感じず、思わず顔を背けるのであった。

 

 

「それはこっちの台詞だ。アホイッセーめ」

 

 

 こうしてこの世界の存在としては初の神器使いへとなったエヴァンジェリンに徹底的な制御の術を叩き込むイッセー

 とはいえ、伊達に永く生きてはいない彼女はすんなりとイッセーからの術を吸収しすぐに神器のコントロールをモノにした。

 

 

神器(セイクリッドギア)……?」

 

「ああ、昨日エヴァがハイになって暴走させた力は魔法じゃなくてその神器って力だ。

一応お前等を遠くに逃がした後、数時間でコントロールも出来るようになったし、今後はああはならないとだけ目撃者の神楽坂とネギ先生には教えておこうとな」

 

「それはわかったけど神器ってなんなのよ? その感じだともしかしてアンタもその神器ってのを……」

 

「……。ホント察しの良い奴だな神楽坂?

お前なんで普段あんな成績悪いんだ? 最近不思議に思うぞ」

 

「茶化すな!! こっちは真面目に聞いてるのよ!」

 

 

 目撃者のアスナとネギにだけは触りの部分だけ教えておくことにしたイッセーは、珍しくアスナ達の居る寮の部屋を訪ねて説明をしている。

 

 

「残念だが俺はアザえもんみたいに神器の研究をしてた訳じゃないから詳しく説明しろ言われてもわかんねーよ。

あー……あれだな、魔法の道具的なあれだと思っとけ」

 

 

 しかし説明するのも面倒だし、別に神器を宿していない――そして宿すこともないであろうアスナ達に言うのが面倒だったので、適当に魔法的道具の一種で纏めてしまう。

 

 

「アザえもんて……。アンタあの人の事そう呼んでたの?」

 

「まぁね。

だってあの人、ドラ○もんみたいに便利な道具開発して出してくれるんだぜ? つい呼びたくもなるだろう?」

 

「あんなちょいワルっぽい――それも声もイケてる人のことをそういう風には呼べないでしょ普通は……」

 

「……。お前が見たって夢ってのは嫌にリアリティがあるんだな」

 

 

 一度は過去に触れた瞬間、殺されそうになったアスナも時間の流れがそうさせているのか今では過去の一部に触れてもイッセーがキレることはなくなっている。

 

「でもアンタの話が本当だったら、昨日みたいな危険な事にはならないって訳ね? わかったわ、今はそれで納得しておく――アンタもそれで良いわねネギ?」

 

「はい。

どちらにせよ今の僕は魔法使いとして鍛えるだけですから」

 

 

 ガサツではあるが、土足で踏み込もうとはしてこないアスナを多少信用したからなのか。

 それともアザゼルをイケメン呼ばわりして割りと好意的に見ているからなのか……。

 

 

(神器って力の事もそうだけど、イッセーはまだ別のナニかを隠しているわ。

最近また頻繁に見るようになった『夢』での出来事が本当なら、イッセーは……いいえ、イッセー達には――)

 

 

 どちらにしてもアスナらしからぬ慎重さでイッセーの過去に続く真相について考えるのである。

 

 

 

 

 

 

 ネギにとって偉大にて尊敬する存在は当然父であるナギだ。

 

 父の様な立派な魔法使いになりたいという夢も本物だ。

 

 されど日本で出会った青年の存在が、ネギのそれまであった価値観を塗り替えたのかもしれない。

 

 

「外で騒がしくされると面倒だからな。

取り敢えず今度のトレーニングはこの別荘でやれ」

 

「お? 早いねエヴァ、もう直したのか?」

 

「当然だろ。そして前より更に強化した。

まあ、そこのぼーや達の相手をするだけなら過剰な強化だがな」

 

 

 圧倒的な攻撃力。

 あらゆる魔法を力で捩じ伏せ、一撃で粉砕するパワー

 

 

「それに、私とて神器の制御をより完全なものにしたいからな。

ぼーや達の相手が終わったら、私の相手になれよ?」

 

「当然、どんと任せろ」

 

 

 ネギの目にはイッセーという青年がどうにも父と重なって見えてしまう。

 それこそタイプこそ違えど偉大な男のように……。

 

 

「最近エヴァンジェリンにますますイッセー君が取られてしまってるアル……」

 

「更に距離感が近いでござる……」

 

「言われてみれば確かに……」

 

「ほ、本当に近いかも……」

 

(多分、エヴァンジェリンさんはイッセーの過去を本当の意味で知ってるのでしょうね。

それだけ信頼されているって事でしょうけど……)

 

 

 たまにだがネギは少しだけ考える事がある。

 今より更に幼い頃、故郷の町が襲われた時に現れた父。

 そして修学旅行の際に鬼神を一方的に破壊し、自分達がどれだけ死力を尽くしても傷ひとつ負わせることが叶わないイッセー

 

 その二人が何かの拍子でもしも戦ったら……。

 

 

「どっちが強いのでしょうか……」

 

「? どうしたんネギくん?」

 

「あ、い、いえ! なんでもありません! さぁ修行です修行!!」

 

 

 どちらもネギにとってベクトルこそ違えど『偉大』に思えるからこそ気になってしまう―――この年頃の男の子的な素朴な疑問。

 

 父と先輩が戦ったらどっちが強いのか……。

 

 

「私が会った当時のナギは雷系統の魔法をメインにしていた。

ぼーやもその特性は受け継がれている筈だから、試しに体術に組み込め。

もっと言えば無詠唱で行使しながらだな」

 

「はい! では早速イッセー先生、お相手……を……?」

 

「………………………………」

 

「む? なんだイッセー? どうした急に?」

 

「………。ネギ先生の親父さんの名前ってナギっつーんだっけか?」

 

「そうだがそれが……」

 

「いや、わかってるわ。マジで頭では理解してるんだよ俺は。

何をそんなくだらんことでってのはわかってるんだよ。

でもやっぱり……チッ、エヴァの口から実に親しそうにネギ先生の親父さんの名前が出てくるとムカッとするんだよ」

 

 

 別にそんなつもりなんて無かったエヴァンジェリンがイッセーの中にある殺戮スイッチを入れちゃったせいで、今はとにかく生き残る事に全力を注がなければならなくなってしまったので、目が龍の瞳を思わせる金色に輝き、ギラギラと血走っているイッセーを前にネギは――いやネギ達は考えるのを辞めさせられた。

 

 

「手加減はしねぇ。

死にてぇ奴だけ――かかって来い!!」

 

 

 こうしてネギは――というネギのみならず従者契約すらしてない古菲や楓や夕映達を含めた少女達全員が………描写不能レベルにボッコボコにのされたのであった。

 

 その裏で、あるワンコが那波千鶴と村上夏美に保護されていたるすることなんて知らず。

 

 

 

「龍拳! 爆撃ィ!!」

 

「んなっ!?」

 

「い、イッセーくんから黄金に輝くドラゴンが出て来たアル!?」

 

「あ、あんな技もあったのか!?」

 

「お、驚いてる場合じゃないわよ! そのドラゴンが私達に――」

 

「ぎゃー!? 追いかけてくるー!!?」

 

 

 

 皮肉にも、ネギだけではなく少女達も肉体派の世界に引きずり込まれて……。

 

 

 そして時は少しだけ流れ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「暫くエヴァの神器制御の手伝いをしている間に、随分と面白い事になってるじゃんか」

 

 

 ネギは修学旅行の際に出会った年の近い少年との再会と少年を追ってきたついでにネギ自身の今を見定めようと現れた『悪魔』との戦いにて、今一度兵藤一誠の『殺意』を体感するのだ。

 

 

「む……貴様は……!?」

 

 

 へルマンという名の、悪魔を名乗る――それもかつてネギの故郷を襲った者の一人と知ったネギが、怒りによって潜在能力を解放しても尚致命傷とまではいかず、修学旅行の時に出会った少年――小太郎や捕らわれ中のアスナ達のお陰で正気に戻ったと同時に、周囲を覆っていた結界を破壊しながら現れし青年。

 

 

「あー!! 龍みたいな奴や!! やっと見つけたでー!!」

 

「ちょ、小太郎君!?」

 

「忘れもせん! 化け物みたいな力で式神をなぎ倒してたんやからなぁ!」

 

「……………。想定外だ、出来れば貴様とは会いたくはなかったのだがな―――ヒョウドウイッセー」

 

 

 

 何故かピキった顔をしているイッセーの出現に、ネギと小太郎を相手に楽しむ余裕があったへルマンの表情に初めて明確な『焦り』の色が見えた。

 

 

「ここで会ったが百年目や龍男ーー!!」

 

 そんなへルマンを他所に、ネギと同じかそれ以上にイッセーを探していた小太郎は疲弊した状態のまま飛び掛かった。

 

 

「……………」

 

「………え?」

 

 

 渾身の一撃を込めた拳がイッセーの頬に突き刺さる。

 しかしイッセーは一切微動だにせず、まるで小太郎のことなぞ一切見えてないとばかりにへルマンなる初老の男の姿をした悪魔をしげしげと眺めながら口を開く。

 

 

「俺の知ってる『悪魔』とは微妙に違うようで同じ……か」

 

「? 何を言っているのかわからぬが、見ての通り私は貴様に敵意もないし、ここに居る理由も今キミにじゃれついている狼男の少年を回収するつもりなのだ。

つまり、戦うつもりは無いのだよ」

 

「う……ぜ、全然効いとらん」

 

 

 そんなイッセーにへルマンは自分の攻撃が一切通用してないとショックを受けている小太郎の回収について言及すると、ここで始めて小太郎を見下ろす。

 

 

「………………」

 

「っ!? な、なんや!?」

 

 

 じーっと見るその目に感情が感じられず、思わず身体を硬直させる小太郎はファイティングポーズを取って威嚇するように睨んでいると、徐にイッセーが小太郎と目線を合わせるように片ひざを付きながらしゃがみこむ。

 

 

「?」

 

『??』

 

「????」

 

 

 誰もがイッセーの読めない行動にクエスチョンマークを頭の上に連発していると……。

 

 

「お手」

 

 

 右手を差し出し、まるでワンコと接するかの如くお手と小太郎に命じたのだ。

 あまりにも突拍子もない行動に、相対中のへルマンなる悪魔も、捕らわれの身であるアスナ以下女子生徒達も、実はイッセーとの鬼畜トレーニングのお陰で割りとへルマンを追い詰めていたネギも目が点になった。

 

 

「お、俺を犬扱いすんなやボケェ!!」

 

 

 勿論、言われた当人である小太郎からしたら屈辱以外の何物でも無いので激昂するのだが……。

 

 

「……………………………………」

 

「っ!? (な、なん……や……!?)

 

 

 爬虫類のような目をしたイッセーの無言の圧力に小太郎の戦意は一瞬にして粉々に粉砕され、見える筈もない『巨大な赤い竜』の幻影が手を差し出したままこちらを見るイッセーの背から浮かび上がっているように見えてしまう。

 

 

「お手」

 

「うっ!?」

 

 

 二度目となるお手の命令に小太郎は放たれる圧力も相俟って完全に圧されてしまう。

 

 

(ふ、ふざけんなや、俺がぶっ倒したい奴になんでこんな……)

 

「…………」

 

(こ、こんな……!)

 

「………………………………………………………」

 

(こ、こん……な……!)

 

 

 プライドで断固拒否の姿勢を貫かんとする小太郎だが、それに比例してイッセーの圧力もそれこそその場で吐いてしまう程の恐怖となる程に強まる。

 

 そして……。

 

 

「………………………」

 

「………………」

 

(お、お手しちゃった……小太郎君が……)

 

 

 

 これ以上は心が折れそうになった小太郎はつい無意識の内にイッセーの右手の上に自身の手を置いてしまった。

 

 

 

(あ、アカン……俺は今完全にこの男に『勝てない』と思ってしもうた……)

 

 

 勿論己の行為を恥じる小太郎。

 

 

「おすわり」

 

「…………」

 

「伏せ」

 

「………………。(か、身体が勝手にこの男の言葉に従ってまう!)」

 

 

 

 まさに芸を仕込まれた犬のようにイッセーの声に対して身体が勝手に反応までしてしまう小太郎は屈辱の極みだったし、そんな小太郎を見て悪魔を名乗るへルマンも地味に同情のようなものを覚えるし、ネギ達はなんとも言えない顔だった。

 

 

「……………」

 

 

 そんな小太郎にあれこれ言っていたイッセーは飽きでもしたのか、命令するのを止めると、既に屈辱で半泣きになっている小太郎の頭に手を伸ばし、なんと撫で始めた。

 

 

「良ぉ~~~~~し! よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし」

 

「ぎゃう!? な、なにすんねん!?」

 

 

 それも、どこぞのゲスなカビスタンド使いが相棒に角砂糖を投げた後にする感じであり、その表情は死ぬほどデレデレしていた。

 

 

「決めた。俺、コイツ飼う」

 

『はぁっ!?』

 

 

 挙げ句の果てには飼うとか言い出す始末。

 実はこのイッセー、猫に好かれまくる謎体質を持ちながら無類の犬好きだったらしい。

 

 

「ウェアウルフってことは犬の形態になれんだろ? 頼むから犬形態になって肉球をぷにぷにさせて欲しいんだが……」

 

「お、俺はペットちゃうぞ!?」

 

「そ、そうですよイッセー先生、小太郎君を飼うなんて言い方は流石に……」

 

「む……? そうか、コタロウって名前なんだな? そっか~コタロウかぁ……うへへへへ」

 

「ひいっ!? ね、ネギ! コイツキモいぞ!? なんやねん!?」

 

「あ、いや僕もまさかイッセー先生が犬好きだとは思わなくて……」

 

「俺は犬やないわ!?」

 

 

 こうしてイッセーが犬好きだったという幸運(?)により、小太郎の身柄の安全はある意味で確約されたのだが……。

 

 

「エヴァが結界を張り直してくれた訳だが、これがどういう意味かわかるか悪魔野郎?」

 

「あ、あまり想像はしたくない―――」

 

「もう……だぁれも逃げられない」

 

「―――――――――で、ですよねー?」

 

 

 代わりに悪魔さんが地獄を見ることになるのだった。

 

 

「もっとも、ネギ先生とこのコタロウに追い詰められてたっぽいし? 俺の仕事場に入った時点でテメーは詰みなんだよボケが」

 

「ごぼぇあ!?」

 

 

 目を覆いたくなる殺戮ショーが始まってしまい、抵抗しようとしてもイッセーにダメージが通らず逆にタコ殴りにされ……。

 

 

「旧禁手化・赤龍帝の鎧」

 

「!? な、なんやあの男の全身に赤い鎧が……ちょ、ちょっと格好ええやんけ!?」

 

「ぼ、僕も初めて見た……」

 

 

 

 わざわざ旧禁手化まで解放し……。

 

 

「チェンジ硬度10#・ロンズデーライトパワー……!」

 

 

 鎧の硬度をダイヤモンドを超えた硬度へと変化させ……。

 

 

「地獄の九所封じその1・大雪山落としー!!!」

 

 

 へルマンさんは地獄のフルコースをきっちりと味わう羽目になるのであったとさ。

 

 

「地獄の九所封じその2とその3! スピン・ダブルアームソルトォ!!」

 

「げげー!?」

 

「その4とその5! ダブル・ニークラッシャー!」

 

「うげぇ!?」

 

「その6! 兜割りィ!!!」

 

「おげぇっ!?」

 

「その7! ストマッククラッシュ!!!」

 

「ひぎぃ!?」

 

「その8! おぉ~っと悪魔野郎? ここで終わりだと思ってんなよ?」

 

「も、もう……やめ――」

 

「ん~~~~?? 聞 こ え ん な ぁ ?」

 

「」

 

「地獄の九所封じのラストワン――否! 完璧壱式奥義!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神威の断頭台ーー!!!!!」

 

 

 

 こうして悪魔より悪魔な男のマッスル技のフルコースを食らったへルマンは再起不能になるのであったとさ。

 

 

 

「お、おお……!」

 

「な、なんや変態男やと思っとったけど、あの技は凄いやん」

 

「う、うん……! 何故かは知らないけど心が燃えてくる気がするよ!」

 

 

 

 男の子達の心をむっちゃ擽るというオマケ付きで。




補足


エヴァンジェリンさんが使役している従者と他の連中には見なされているのが副担任くん。

そして実は猫に好かれる体質なのに犬派でもある。

当然マッスル技も必死に特訓して覚えている。

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