色々なIF集   作:超人類DX

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続き。
はっちゃけ続ける


大誤算なシネマ村での件

 

 

 イッセー師匠を師として尊敬するようになったその理由は、物凄い力があるからだとか、龍を宿しているからだとか、無限に自己を進化させ続ける異常性(アブノーマル)があるからという訳ではない。

 

 まあ確かに師匠は強い。

 物凄く強い。

 未だに師匠が本気で戦う姿は見た事すらない。

 

 しかし私が師として尊敬する所はそういった物ではない。

 

 

 師匠の生き方そのものに私は憧れるのだ。

 

 

 その正体が悪魔であるリアス先生の為だけにその力を無尽蔵に高めようとする一種の狂気的執念。

 先生を守る為なら誰であろうと――それこそ殺人すら辞さない漆黒色の精神。

 

 何より、師匠はある意味では誰に対しても『平等的』で『偏見の目』が無い。

 

 私の身の半分は人ならざる血が流れている。

 それが原因で今よりもっと幼い頃は迫害の対象にもされていた。

 それが怖くて、私なんかを親友と言ってくれた木乃香お嬢様にすら言えずに居た。

 

 

 

『ちょ、ちょっと待ってくださいイッセー師匠!? わ、私には私なりの考えがあってお嬢様とは距離を――』

 

『黙れ。頼んでもないのに俺を勝手に師匠呼ばわりする対価だと思え』

 

『対価と仰るのなら別の対価を払いますから――』

 

『じゃあ今すぐ1000億相当の金の延べ棒でも持ってこいや?』

 

『そ、そんなのある訳が――』

 

『なら黙って大人しく俺の言うこと聞けやこのガキァ!!』

 

 

 ……まあ、今にして思えば師匠が言っていた通り、それは単なる杞憂だったのだけど。

 

 

 

『はぁ……せっちゃんは人と鳥人のハーフなんや?』

 

『は、はい……あ、あの……申し訳ありません今まで言えずに――』

『つまり刹那はその事に後ろめたさと、正直言えばお前に拒絶されるのが怖かったんだと。

一応俺とリアスちゃんはコイツがハーフであることは知ってたんだが―――おっと誤解するなよ? 別に意地悪で黙ってた訳じゃねぇ。

コイツは今より更にガキの頃にそれが原因で大分迫害されてきたってのがトラウマで言うに言えなかったんだし、それを思えば本人の意思も関係なく言うわけにもいかないだろ?

だから、どうしてもお前に拒絶されてしまうかも――考えてしまう事は許してやれ』

 

『そ、そりゃあ勿論や。

そもそもウチ、せっちゃんがそうだったとしても、せっちゃんはせっちゃんやと思うし……』

 

『―――だ、そうだ』

 

『お、お嬢様……!』

 

『だから言ったろ? コイツのこの底無しの能天気さ加減を思えばカミングアウトした所で変わる訳がないって』

 

『底無しの能天気さって失礼やな!?』

 

『事実だろが』

 

『要約すると『俺はお前等が仲良しの方が良い』……って言いたいのよ?』

 

 

 

 

 とにかく私の抱えるモノに関しても、師匠は普通に初対面の時点で見抜いていたらしく、その上で師匠は何てことはないといった顔で言ったのだ。

 

 

 

『イッセー君とリアスおねーちゃんはどうやって知ったん? 教えて貰ったとか?』

 

『大体初見で俺に宿ってるドライグが察知してたからそん時だ。

確かに刹那がただの人間ではないってのはなんとなく分かってたけど、それがなんだってんだ? 生憎俺はそういう手合いの奴等は見慣れてるんでね』

 

『悪魔である私がこうしてイッセーの傍に居られてるのが何よりの証拠にならない?』

 

『でも師匠みたいに、意味他人に対して『平等的』な目線とは限らないじゃありませんか……』

 

『アホか、俺ほど平等って概念からかけ離れてる奴は居ないっての。

俺は『気に食うから殴らない』か『気にくわないからぶち殺すか』か『毒にも薬にもならないから興味ない』の三択でものを決めてるだけだ』

 

『要約すると、『仲の良かった二人が何時までもすれ違うのは良くない』って言いたいのよイッセーは』

 

『むぅ、それならそうともっと素直に言うて欲しいんやけど……?』

 

 

 そう私と言いながら純粋悪魔であるリアス先生と一緒にかき氷を食べる師匠に、私は初めて心の底から安心をした。

 純粋悪魔を愛する人間である師匠にとって、半分が人ではないという事なぞ些細な事であるのだと。

 

 

『じゃあウチとせっちゃんの事はどう思うんや? 気に食う? 気にくわない? それとも毒にも薬にもならん?』

 

『……………。お前等の事は正直嫌いではない。リアスちゃんが悪魔だと聞かされてもお前等はリアスちゃんに対して変わらなかったからな。

つまりなんだ……一々そんな事で悩むなって話だし、それで周りがなんかゴチャゴチャとほざくなら中指立てて『ファッキュー』とでも言ってやれ。 なんならサービスで、オメーを迫害だいじめだした連中を二度とオメーの前に面ァ出せなくさせてやるぜ』

 

 

 言葉遣いは荒いけど、私を気遣って言ってくれたのだけは頭では無く心で理解できた。

 だから私はこの人のようになりたいと思った……。

 

 自分の身体が人でなくなろうとも、好きな人を死んでも守はんとする執念を持つこの人のようになりたい。

 あらゆる理不尽に対して真っ向から立ち向かえるようになりたい。

 

 

『師匠って……バカなのかお前は? 俺はお前や詠春さんのように棒持って戦うタイプじゃねーんだぞ。他当たれ他を』

 

 

 初めてイッセー師匠と呼んだあの日、嫌そうな顔をしながらも何だかんだで『守る為の戦い方』しか知らなかった私に、『共に生きる為の戦い方』を教えてくれたから。

 

 

『仮にその刀を折られたら殴り殺せ。殴る拳が砕かれたら蹴り殺せ。蹴る脚を折られたら噛み殺せ。噛み殺す歯を失ったら睨み殺せ。失いたくないなら『綺麗事』を捨てろ。

これだけは覚えておけ、殺し合いも単なる喧嘩も最後まで『張り続けられなかった奴』が負けるんだ』

 

 

 何もかもが極端だけど、大切な人の為ならば世界にすら中指を立ててしまえるイッセー師匠の様になりたい。

 

 

『それを理解した上で、まずは良く食って寝てデカくなるんだな。

今のお前じゃあ俺達のトレーニングで簡単にくたばってしまうからな――基礎を付けられたら……まあ、考えてやるよ?』

 

 

 それが私の――ただの桜咲刹那として決めた生き方。

 

 

 

 

 つい数年前までは近衛詠春個人の下で主に彼の娘である木乃香や刹那のお目付けなようなバイトをしていたイッセーとリアス。

 故に近衛詠春とは実を言えば普通に顔見知りであり、近衛近右衛門による『仕事』の命を受けて京都へとやって来た二人は、関西呪術協会の総本山にて木乃香の実家へとやって来ていた。

 

 時を同じくしてネギ達は現在映画村辺りで一騒動に巻き込まれているのはさておき、数年の間近衛近右衛門の紹介でこの場所に厄介になっていたイッセーとリアスは、木乃香の父である詠春とだだっ広い本堂で再会トーク中だった。

 

 

「お義父さんから大体の事は聞いているよ。

まずは礼を言わせてくれ、木乃香と刹那君をこれまで通り守ってくれて……」

 

「いえ、お礼を言うのはこちらですわ。

外様も外様の――それも魔に属する私達を受け入れて頂いたのですから」

 

「まあ、受け入れてくれてるのは正直詠春さんくらいでしょうけどね……」

 

 

 年若き青年と女性に頭を下げる詠春に、リアスとイッセーは朗らかに笑う。

 近衛近右衛門もそうだが、どこから出てきたのかも分からない――リアスに至っては純粋悪魔であると承知の上である意味で急所になりかねない孫娘ないし娘を任せてくれたというのはこの上ない信頼の意思であることはイッセーもリアスも分かっている。

 

 故に二人は近衛近右衛門と同様に詠春に対してもリスペクトがあるのだ。

 

 

「ネギ・スプリングフィールド君が親書を持ってくるという話だが、二人は彼と接触は?」

 

「していませんわ」

 

「それどころか彼とは学園内においても一度も接触はしてません。

…………どう見ても関わると厄介そうなんで」

 

「あー……まあ、否定は出来ないかもしれないかな? ははは……」

 

 

 相変わらず関わる相手とそうではない相手への対応が極端なイッセーに詠春は困ったように笑う。

 

 

「今後も彼とは関わらないつもりかい?」

 

「ええまあ……。

彼がどこかの誰かさんが尊敬する息子だったとしても、俺には関係の無い話ですから」

 

「それに、変に関わると誤解されかねませんわ。

主に私の正体的な意味で……」

 

「あー……それを言われたら納得する他無いね」

 

 

 あくまでも理由もない限り最後まで関わらないつもりでいる意思で居るリアスとイッセーに詠春も、ついこの前電話で義父から聞いた話を思い返す。

 

 

 

「しかし義父が言うには、闇の福音とネギ君が戦っていた際、乱入したらしいが?」

 

 

 エヴァンジェリンとネギが小競り合いをした際、突然乱入したイッセーがエヴァンジェリンを半殺しにしてしまったという件。

 極限まで関わらないと言っている上に、イッセーの性格を考えたらあり得ない行動について訊ねる詠春にイッセーは軽く視線を落としながら口を開く。

 

 

「個人的に『ムカついた』事がありましたのでね……」

 

「ムカついた……か」

 

 

 詳しく話す気が無さそうに言葉を濁すイッセーに対して、詠春は義父との電話で聞かされた話を思い出す。

 

 曰く、イッセーとリアスの存在に自力でたどり着いたとある女子生徒がネギへの挑発目的で襲われたせいで、イッセーが出撃した件を。

 

 

(キミがわざわざ正体を知られるのを承知で動くのには理由がある。

なるほど、リアス君は勿論、木乃香と刹那君以外でキミが『動く』と思わせる子が出来た訳か……)

 

 

 決して長くは無いが、ある程度はイッセーの性格を把握している詠春。

 基本的にリアスを第一に考え、その時点で木乃香と刹那の身に危機が訪れれば、それこそ殺人すら辞さない極端な行動を躊躇無しに起こせる男だ。

 

 

「逆にキミに『行動』をさせてしまえる者の事が少し気になるよ」

 

「………。活字アレルギーの俺を矯正させてこようとする時だけは妙に自己主張が強くなるくせに、普段はそれこそ虫も殺せなさそうな子供ですよただの。

まあ……その子とその友達がリアスちゃんを慕ってくれるものだからね……」

 

「と、言いますが、基本的にイッセーはこういう人です」

 

「うむ、実にキミらしい理由で安心したよ」

 

「…………」

 

 

 その極端さにこれまで何度も娘と刹那が守られてきたという事実がある以上は否定できない詠春は、若さを存分に発揮しているイッセーに少しの羨望を抱きながら笑いかけると、居心地が悪そうに目を逸らされてしまった。

 

 

「その内後ろから刺されないようにね?」

 

「はい?」

 

「いや、なんとなくそう思っただけで他意は無いよ?」

 

 

 その極端な行動力と、基本ぶっきらぼうな態度の割には律儀な面が多々あるイッセーに嵌まる者は嵌まるだろうと考えた詠春は、クスクスと隣で笑っているリアスを横に目を丸くするイッセーにはははと笑うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シネマ村での騒動を乗り越えたネギ一行は、関西呪術協会の総本山までの道案内を、普通に怪しいと思っていた相手でありシネマ村での騒動においてなんか普通にバッタバッタと――

 

 

『むぅ、こういう時に限って師匠と先生に見て貰いたかったのだがな……』

 

『は? 刀を捨てるなんてなんのつもり――――っ!?』

 

『そろそろウォーミングアップも飽きたからな。

師匠と先生も見てない今、これ以上長引かせても無意味なので、そろそろ終わらせて貰う』

 

 

 

 途中から得物である刀を放り捨て、ネギ的には『デジャビュ』を感じた徒手空拳で襲撃者をぶちのめしていた刹那と、同じように途中までは敵に捕まりかけていた筈の木乃香すら――

 

 

『あー、なんやウチを人質にしたい様やけど、せっちゃんがちょこ~っと『やる気』出したみたいやし、ウチも少し真面目にやらせて貰うえ?』

 

『なっ!?』

 

 

 ニィ~と……キレたイッセーが敵を徹底的に破壊する前触れの際によく見せる笑みに然も似たりな『獰猛な笑み』を浮かべると、襲撃者の片割れであった式神使いに対して全身から『魔力』を闘気のように放出させながら構え始めたのだ。

 

 

『え? ……えっ!? こ、このかさん?』

 

『えーと、ごめんなネギ君? あんまり信じてる人の前以外では見せるのは嫌やったんやけど、そうも言ってられなさそうやし―――』

 

 

 『何時までもせっちゃんやイッセー君やリアスおねーちゃんに守って貰ってばかりじゃダメなんや』

 

 

 ネギが驚く程の量の魔力を放出させながら、内心そう呟きつつ構える木乃香に襲撃者の片割れである天ヶ崎千草は想定外の展開に完全に狼狽える。

 

 そればかりか、それまで互角の剣術勝負をしていた月詠という少女を頭から地面にめり込ませて無力化させた刹那が傍まで跳んで来たのだ。

 

 

『遅くなりました木乃香お嬢様』

 

『ええよせっちゃん。

こっちも丁度スイッチを切り替えた所やもん』

 

『な……こ、こんな、聞いてないえ!? 何も教わらずに育った筈やのに! こんな……こんな事……!』

 

 

 ネギやアスナ――というかこの状況を見てるクラスメート達ですら驚愕しているのだから、千草なる女は余計パニクるのも無理はない。

 何故なら木乃香は現関西呪術協会の近衛詠春の意向により、闘う術を知らずに育ったただの魔力総量が豊富なお嬢様と聞いていたのだから。

 

 それがこんな――

 

 

『ふふ、ひとつ教えてやろうえ………せっちゃん!!』

 

『……うん! このちゃん!!』

 

 

 獲物を喰らう猛獣のような好戦極まりない笑みを浮かべるなんて。

 

 本当に聞いても無いし知りもしなかったのだから。

 

 

 

 

 

 こうして見事なまでの連携プレーでぼっこぼこにされた襲撃者はなんとか隙を見て逃げたのだが、ネギはネギで木乃香と刹那が普通に強い事にただただ驚愕させられたのと同時に、何故か二人の戦い方が誰かに似ている気がしたのだという。

 

 そんな引っ掛かりを感じながら、取り敢えず敵ではないという事だけは理解したネギは木乃香と刹那の案内の下、何故か着いてきてしまった――この修学旅行中に正体を知られてしまった面々と共に木乃香の実家にて関西呪術協会の総本山へとやって来て、出迎えた長である近衛詠春――つまり木乃香の父に学園長に託された親書を漸く渡せたのであった。

 

 

「あ、あの……桜咲さんはこのさんの護衛なので納得しますが、このかさんは――」

 

「え? あー……まあ、これまでの通り娘は色々と狙われやすい立場だからね。

だからある『家庭教師』に娘に自衛の手段を教えて貰っていたのだよ」

 

「自衛とは思えない程でしたけど……」

 

 

 木乃香と刹那が詠春に耳打ちされた瞬間、突然大部屋を飛び出る勢いで出ていったのを見送ったネギとアスナの疑問に、詠春は言葉を濁しながらも『約束』の為に決してイッセーとリアスの事は言及しなかった。

 

 

「ふむ、宮崎のどかさん、綾瀬夕映さん、早乙女ハルナさんはどちらかな?」

 

「え?」

 

「はい」

「それは私達ですけど、なにか……?」

 

 

 それから暫くは詠春と色々話しをした後、そのまま宿泊することになったネギ達は歓迎の宴と聞いて楽しみになっている所に、突然詠春が三人の名前を呼ぶので軽く手をあげながら前に出る。

 

 これには呼ばれた本人達もそうだが、ネギ、アスナ、それから朝倉和美も顔を見合わせながら首を傾げていると、詠春は数秒程三人を見てからフッと顔を緩ませる。

 

 

「なるほどね……キミ達が」

 

「は、はぁ……」

 

「一体なんなんのですか?」

 

「私達、何かやっちゃいました?」

 

「いいや……ただ、少し気になっただけだから気にしないでくれ。

それより、少しいいかな?」

 

 

 手招きをする詠春に、のどか、夕映、ハルナは若干の警戒心のようなものを抱きつつ顔を見合わせてから、恐る恐る詠春の前まで立つ。

 すると突然詠春は三人にだけ声が聞こえる距離まで顔を近づかせると、三人にとって驚く事を聞かされる。

 

 

「今ここに『イッセー君』と『リアス君』が居る」

 

「「「!?」」」

 

 

 詠春の口から出てきた二人の名前に三人はびくっと反応する。

 

 

「ネギ君達に二人の事が知られると『死ぬほど怠い』とイッセー君が言うものだからネギ君達には聞こえないようにしているけど、キミ達は自力であの二人を知ったのだろう? だから先に木乃香と刹那君に教えてしまった形で悪いが、キミ達の耳にも入れておこうと思ってね」

 

 

 そう言って人の良さそうな笑みを溢す詠春に、のどか、ハルナ、夕映は目線のみで『二人はどこですか?』と訴える。

 

 

「離れの部屋に居る。

認識阻害の結界を張ってはいるが、二人を『知る者』ならその結界を通り抜けられる」

 

「「「…………………」」」

 

 

 その言葉を聞いた瞬間、三人は無言で頷き合うと、怪しむネギ、アスナ、和美の方へと振り返り……。

 

 

「「「急用にてお先に失礼!!!」」」

 

 

 ビシッ! と無駄に揃った敬礼をしてから全力疾走で部屋を飛び出すのだった。

 

 

「え、えぇ……?」

 

「ほ、本屋ちゃん達があんなマジ走りするって……」

 

「女性には色々あるものなのさ……」

 

「いや、同姓のアタシ達でもわかんないんですけど……」

 

 

 

 取り残されたネギ達はただただアグレッシブに走り去るのどか達に茫然とするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 凄く静かでのどかな一時を送っていたイッセーとリアスだったが、突然部屋の襖を蹴り壊す勢いで開かれたかと思ったら、まずは木乃香と刹那が飛び込んできて、その30分後にはのどか、ハルナ、夕映までもが飛び込んできた。

 

 

「詠春さんめ、言わんで良いことを言ってくれたな……」

 

「まあまあ……」

 

「むぅ、せっちゃんとウチにだけやと思ったのに、お父さんめ……」

 

「しかしよく此処がわかったな……?」

 

「イッセーさんとリアス先生のことを『知っている』人なら結界をすり抜けられるって言ってました」

 

「というか不思議なことにこの凄い広い木乃香の実家の何処に二人が居るのかが頭の中に浮かんできたお陰ですぐにたどり着けたよ」

 

「あ……私があげた本を読んでくれてるのですね? ふふふ……♪」

 

 

 またしても押し掛けてくる小娘達に辟易した顔をするイッセーは、嬉しそうに笑うのどかの言うとおり、本を読んでおり、リアスはイッセーが普段仕事で着ている作業着の補修の為の縫い物をしていた。

 

 

 

「今日はここに泊まっていきなさいって木乃香のお父さんが言ってました。

しかしどこの部屋に泊まるかまでの指定はありませんでしたので、このままこの部屋で寝ます」

 

「おおっ! さんせーさんせー!」

 

「しかし7人が寝るには少し狭い気がしないか?」

 

「…………。ちっ、じゃあ俺が外で寝れば良いんだろ? もしくはそこの押し入れだ某ネコ型ロボットみてーに……」

 

「せやったらウチとせっちゃんも押し入れで寝るえ? そうなれば残り5人で充分寝れるえ?」

 

「じゃ、じゃあ念の為私も押し入れで……。

そうしたら四人になるし、充分過ぎる広さを確保――」

 

「それなら私も押し入れで――」

 

「流れで私も押し入れで――」

 

「そして私も押し入れに――」

 

「押し入れがそんなに好きなのかお前ら!? 入れるかアホ!! リアスちゃん以外は普通に寝ろ! 俺はリアスちゃんと何時も通りに寝るから!!」

 

 

 

 押し入れで寝ると言い出した途端、リアスまでもがノリ良く押し入れで寝ると言い出したせいで普通に突っ込んでしまうイッセーはついリアスと寝る時の体勢について言ってしまう。

 

 

「何時も通りに寝る?」

 

「それってどんなの?」

 

「普通に寝ないのですか?」

 

 

 素朴といえば素朴な疑問につい言ってしまったイッセーはハッと自分の失言に気付き、リアスはあははと恥ずかしそうに笑っていると、実は何度か数年前に見たことがある木乃香と刹那がぼそっと言ってしまう。

 

 

「イッセーくんとリアスおねーちゃんは寝る時何時も抱き合いながら寝てるんよ」

 

「しかもわざわざ布団やベッド等に横にはならず、一枚のシーツに二人で蓑虫みたいにくるまってな」

 

「「「ええっ!?」」」

 

 

 知らなかった三人は驚きつつも二人の仲を考えたらまあ妥当でもあると妙に納得してしまう。

 

 

「そ、それってどんな風なんですか?」

 

「く、口で説明されてもわかんないなー?」

 

「お、教えて欲しいです……!」

 

 

 ドキドキワクワクな顔で説明を求める三人にイッセーが何かを言いかけた瞬間、リアスが唐突にイッセーと向かい合うように抱き着く。

 

 

「大体こうして寝ているわ」

 

「「「お、おっふ……」」」

 

「「何時見てもええなぁ……」」

 

「えーと、先に断っておくけどこうやって寝るのって私が散々我が儘言って聞いて貰ってるから……」

 

 

 そう言いながらイッセーの胸元に顔を埋めるリアスの赤い髪を撫でつつ背中を優しく叩くイッセーの表情は、嘘みたいに優しい青年そのものだったと、のどか達はただただ羨ましそうに指を咥えながら思ったのだという。




補足

実は『家庭教師時代』に既に魔力制御の術をリアスさんから教え込まれていたりするこのちゃん。

主に身体能力の底上げなんかに使います。


そしてせっちゃんは京都神鳴流をベースにしているものの、赤龍帝式我流喧嘩術を学んでいるので、実は得物を手放した時の方が強かったりする。
 もっとも、赤龍帝式我流喧嘩術の要となるドラゴン波やら何やらはまだ使えませんが。

その2
うじうじしてなので、割りと強引に二人を話し合わせてさっさと仲直りしているので、もうこの時点で昔の様な『コンビネーション戦闘』が復活している。

具体的には某モモちゃんを某火影&うちはさんが二人でぼこぼこにした程度の阿吽呼吸で。

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