色々なIF集   作:超人類DX

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続きっつーかなんつーか


お砂糖対応とお塩対応なイッセーさん

 

 

 

  

 

「『遠慮は要らねぇぞ……! 喰らぇぇぇっ!!!」』

 

 

 完敗だ……。

 

 『補正』という名の理不尽を持つあの男と、それに与する全ての存在と世界そのものとの戦争以来感じる事がなかった『死』へのイメージを植え付けられてしまう程に兵藤一誠は強かった。

 

 師に教えられ、理不尽に全てを奪っていった奴等に勝つために鍛え続け、歴代最強最悪の白龍皇だなんで呼ばれていてイイ気になっていたのが恥ずかしいとすら思ってしまう。

 

 フェイトとして生まれ変わった事で、オレは確かに本当の意味での『全戦力』を引き出せなくなってはいた。

 ヴァーリであった頃と比べたら弱くなったと指摘されても否定さえ出来ない。

 

 だがそれを差し引いてもあの男の立つ領域はまるで師であったコカビエルやガブリエル――そして義父でもあったアザゼルが立つあの領域とほぼ同等の高みへと至っている。

 

 オレと違って師に恵まれた訳でもないというのに……。

 

 

 ああ、悔しい……死ぬほど悔しい。

 

 オレがヴァーリであった頃の最期の最期で漸く到達した、コカビエルやガブリエルやアザゼル――そして妹を守れなかった贖罪の為に総てを捨てて娘と共に辿り着いたあの領域。

 

 安心院なじみによって到達した『真の超越者(ジンガイ)》』の領域にあの男は自力で到達したのだ。

 きっと恐らくサーゼクスの妹……ミリキャスにとっては叔母にあたるあのリアス・グレモリーもそうなのだろう。

 

 ふふふ……完敗だ赤龍帝。

 素直に敗けを認めるよ。

 

 

 

 

 

 だがな―――

 

 

 

『ヴァーリ……生きてるよな?』

 

「当然……だ。

ふふ、奴の攻撃でトドメを刺される直前に、アイツ等がオレを転移させてくれた……らしい。

とはいえ……これは暫く休まないと……な。正直動けんよ……ははは」

 

 

 どこかの森林地帯へと飛ばされたオレは、相棒であるアルビオンと声に答えながら、清々しくて嫌味にも思える程に清んだ夜空を見上げている。

 寸前で命だけは拾ったオレはまだ生きている。

 

 

「ぐ……動けん……!」

 

『まさか奴等があそこまでの力にまで到達していたとはな。

癪な話ではあるが、もしもあの時奴等と組めていたら……』

 

 

 とはいえ、今言った通り全身がズタズタになった挙げ句無理矢理全力を引き出した反動のせいで殆ど動けない。

 

『奴等もオレ達同様、一体どれ程の『代償』を払ったのか……』

 

「さてな……。

少し聞いていた限り、奴もリアス・グレモリーもあの世界では碌な人生ではなかっただろう……オレ達のようにな」

 

 

 敗けは認める。

 けれど一度喧嘩に負けたから敗者になる訳じゃあない。

 

 

「今回は完敗だ。

けれど命ある限り、何度でも這い戻ってやる……」

 

 

 どんな屈辱であろうと、どんな惨めであろうと、どんなに負け続けても、オレはぜったいに『張り続ける』事を辞めない。

 

 

「ヴァーリ!!」

 

「これはまた派手にやらましたな~?」

 

「師匠が負けるなんて信じられへんわ……」

 

 

 

 

 

『来たか……』

 

「ふっ、負けたオレなぞ切り捨てて逃げれば良いものを。変な奴等だ……」

 

 

 

 幸い、オレは『縁』というものには恵まれているからな。

 待っていろ赤龍帝―――必ず這い上がってやる。

 

 

「ぎゃー!? か、右半身が消し飛んどるやないか!?」

 

「……なに? だから右側の視界が妙に暗かったのか……」

 

「気づとらんかったんですか? ほんま天然というか鈍いというか……」

 

「だ、大丈夫なんかヴァーリ師匠?」

 

「ああ、少し時間は掛かるが完全に再生する……。

完全なる完敗だったよ、あの赤龍帝には」

 

 

 去っていった者達から受け継いだ『意思』を無にしない為にも。

 オレが生き続ける事こそが師達の生きた証となるから。

 

 

 

「まずは傷を癒そう。

ふふ、すまなかったなチクサ? お前の復讐の力になれなかった」

 

「っ!? あ、アンタが一々気にせんでええ! ま、まったく! 変な所で律儀な男え……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 トドメを刺した相手には寸前で逃げられ、その代わりに攻撃の余波で約二匹程の生物が巻き込まれたのだが、その元凶であるイッセーは気にも止めずに、しつこく絡んできた龍宮真名を男女平等パンチで黙らせてやると、後からやって来たチャイナ娘と似非忍者に『誘拐犯』か女子を襲う『変態男』と誤解されたので『プッツン』した。

 

 

「おいそこの砂利共」

 

「じゃ、砂利呼ばわりでござるか……」

 

「へ、変態の癖に超強いアル……」

 

「人をいきなり変態呼ばわりしてくれたのは別にどうでも良いし、この辺で勘弁してやるから、とっととこの砂利を連れて消え失せろ」

 

 

 そう苛ついた様子で、目を回して泡まで吹いて気絶している龍宮真名の首根っこを猫でも掴むかのように持ち、膝を付いている似非忍者言葉をつかう女子とカンフー女子の目の前に投げ捨てるように寄越す。

 

 

「ま、待つでござる! お主は一体何者だ……?」

 

「真名をこんなあっさり倒すなんて只者じゃないアル……」

 

「お前らの知らない誰か」

 

 

 呼び止めてくるのを完全に無視するイッセーは堂々と無防備に背中を晒しながらてくてくと歩いて去るのであった。

 

 

 

 

 

 

 それまで互いににらみ合っていた小太郎、月詠、千草が突然パニックになったと思ったら、止める間もなくクラウチングスタートで走り去っていくのを思わずそのまま見送ってしまったネギ等は、その直後にほぼ無傷で戻ってきたイッセーにわらわらと駆け寄っていった。

 

 

「イッセー師匠!」

 

「帰って来たという事は勝ったんやね?」

 

「……。勝った、とは言えないな。

トドメを刺す寸前で逃げられたし」

 

 

 少々不満そうな顔で逃げられたと言うが、追い払っただけでもスゴいし、もっと言えばついでに復活しかけていたリョウメンスクナも完全に消滅させていたのは見ていた。

 だからこそネギは特にキラキラキラキラとイッセーを見ているわけで……。

 

 

「おかえりなさいイッセー。

今さっき学園長さんから連絡があったのだけど、リョウメンスクナの近くにエヴァンジェリンさんを派遣したらしいけど、見なかった?」

 

「は? エ―――なんだって? だれ?」

 

 

 そう問いかけるリアスに対して、エヴァンジェリンをただのそこら辺の吸血鬼認定していたせいか、名前をすっかり忘れていたイッセーは本気で誰の事だと首を傾げると、アスナが若干突っ込み気味にエヴァンジェリンについて説明する。

 

 

「前にアンタがビーム出してぶっ飛ばした金髪の女の子よ。

悪の魔法使いで吸血鬼って言ってたけど……」

 

「………………あぁ、吸血鬼のことか。

なんだ、ここに来てたのか? 俺は見てないけど―――――――あ、もしかして白龍皇にトドメ刺した攻撃に巻き込まれたかもな……」

 

 

 そう悪びれもせず言い放ちながら、いそいそと缶ジュースを差し出してきたのどかに『ありがとう』とお礼を言いながら受け取り、グビグビと飲んでいるイッセーにアスナとカモは引いていた。

 

 

「じゃ、じゃあもしかしたらエヴァンジェリンさんは――」

 

「リョウメンスクナみたいにバラバラの粉々に……」

 

「さてな。

けど吸血鬼はそれなりの再生力があるんだろ? 『不可逆の状態』では攻撃してないしどこかで再生してんだろ多分」

 

「不可逆……?」

 

 

 意味深な言葉を含みながら話すイッセーに若干の引っ掛かりを感じるものの、多分死んではないという発言取り敢えずホッとなるネギ。

 

 

「さてと、逃がしたとはいえ奴を九分殺しには出来たから多分例の石化の呪いだかなんだかも無くなってる筈だ。

という訳で早速詠春さんに特別ボーナスを貰いに行くぜ……ふふふふふ。

そうすればリアスちゃんに新しい服をプレゼントして……にゃははははは!」

 

 

 

 こうして予想外な展開や事実があれど、石化騒動はちょっとだけ静かに終わりを向かえるのだった。

 

 

「あー……大変申し訳ないのだけど、総本山の修繕費が割りと笑えない金額であり、そして私のポケットマネーではこれしか渡せないのだが……」

 

「ご、50円……だと……」

 

「す、すまない! 後払いにしてくれ! この通りだ!!」

 

 

 喧嘩の余波で総本山がほぼ全壊したせいで、デフレすぎるボーナスしか貰えなかったというオチも付けて。

 

 

 

 

 

 ひと度牙を剥けば、相手をとことん追い詰めて徹底的に叩き潰す狂犬のような男。

 その戦力は個人でありながら異次元であり異常でもあり、超越している。

 

 その上かなり大人気ないし、なんかムカつく。

 

 

 と、言うのが初対面の際に両腕をヘシ折られた龍宮真名による用務員兼『傭兵』である兵藤一誠に対する感情である。 

 理不尽に強いのは最早疑う余地は無いしそれは認める。

 

 相棒である赤髪の保険医さんことリアスの『正体』を感覚的に見抜いてしまい、つい反射的に銃を向けてしまったからこそ敵意を向けられた事も含めて塩な対応をされる理由にも理解はしている。

 

 

「ヒック……エグッ……!」

 

「げ、元気出すアル……」

 

「あの男にナニをされたにせよ、まさかうちの学園の用務員だったらしいあの男があれ程の実力者であったとはな……」

 

 

 じゃあそれなら他の全員にも塩で無いのはどういう了見なんだ。

 刹那や木乃香は千歩譲って昔からの顔馴染みだったらしいのでまだ良い。

 しかしのどか、ハルナ、ゆえの三人はどうなのだ? あの三人はどう考えても一般人だし、その縁も所縁も無かった三人になんで絶妙に対応が蜂蜜を思わせる甘い対応であるのかが真名的にはどうしても納得できないのだ。

 

 

『なんだ、またお遊戯好きの小娘か。なんの用だ?』

 

 

 挙げ句の果てになんか騒々しい外の状況を無視して、バシバシと感じるイッセーの強すぎる気配を辿ってみれば、手から光る剣みたいなのを出して敵を超スピードで切り刻み、地面から生えてでてきたデカい何かを一撃で葬り去っているし、追い付いたと思って声を掛けたら『虫を見るような冷たい目』をされるし、挑み掛かったら案の定ボコボコにされるし、果てには『話し相手が欲しいのならそこら辺の雑草にでも話しかけてろボケ』と塩の対応そのままだし……。

 

 

(そ、相当に心を折られたのだろうな……)

 

(こんなに落ち込むなんて初めて見るアル……)

 

 

 友人二人からの生暖かい視線を受けながら、無限に出てくる涙をポロポロ流しながら、真名はお部屋の隅っこで絶賛体育座りをするのであった。

 こうして、長いようで短かった修学旅行は終わりへと向かうことになるのだが……。

 

 

 

「ねぇ、聞いた? ネギ先生が知らない男の人と女の人と一緒に歩いてたらしいよ?」

 

「………!?」

 

 

 龍宮真名のお話はまだ終わらないのだった。

 

 

 

「という訳で今回の運命的な出会いを記念して『男同士!』、夜更かしなんかしちゃいながら語り合いませんか!?」

 

 

 龍宮真名が心をブチ折られて絶賛体育座りである頃、別の場面――具体的にはネギ達が泊まる旅館の別館部屋においてイッセーとリアスは――――――主にイッセーは盛大に目が死んでいた。

 

 

 まさかの白龍皇という自分とリアスが生きた世界の存在との邂逅と戦い。

 派手にやりすぎたせいで詠春から50円しか貰えなかった上に遂にネギに己の存在を知られてしまった―――というだけでも正直割りに合わなすぎる仕事だったというのに、そのネギから何故かぐいぐいと絡まれるのだ。

 

 

「…………」

 

「お、落ち着きなさいよネギ」

 

「そ、そうだぜ兄貴……」

 

 

 キラキラな目をしているネギとは正反対に、完璧に目が死んでいるイッセーの様子を見て、先日見たイッセー化け物そのものの力を怖がるアスナとカモはハラハラしながらネギを宥めようとしている。

 下手にイッセーをここで怒らせたら、自分達もあの白髪の少年やらリョウメンスクナやら、エヴァンジェリンのような目に逢わされるかもしれないのだから当然でもある。

 

 

「断っておきますがネギ先生。

イッセー師匠の弟子は私ですから」

 

「ね、ネギ先生よりも先に私の方が早くイッセーさんと知り合いましたから……!」

 

 

 そんなネギの迫りっぷりに、なにを感じたのかイッセーの一番弟子である事を強調する刹那や、知り合ったのは自分の方が早い等と言うのどかが牽制するような事を言う。

 

 

「困っとるなぁイッセーくん」

 

「他人からは悪意や殺意向けられるとか、恐怖を抱かれるといった感情に慣れすぎたせいでもあるからねイッセーの場合……」

 

「あ、だから本屋ちゃんの時や私達の時も戸惑っていたんだ?」

 

「あのフェイトって人と戦っていた時のイッセーさんは確かに自然体な気はしました」

 

 

 そんなイッセーを取り囲む状況を見守りながら仲良くお茶を飲んでいる木乃香、リアス、ハルナ、夕映。

 

 

「頼むから静かにしてくれよ。

てか自分の部屋に帰ってくれないか? 俺とリアスちゃんの部屋なんだけど……」

 

 

 リアスの言う通り、悪意を向けられた方が寧ろ存分に捻り潰せるのだが、逆の感情を向けられることにはリアスとドライグ以外の耐性があまり無いイッセーは、最近になって余計に子供が近くに増えていく状況にただただ戸惑う。

 

 

「わかりました、静かにします。

では今から静かに本を一緒に……」

 

「む、ダメだぞ宮崎さん。

今から師匠は私と瞑想の修行をだな……」

 

「違います! 男同士の語らいを今から……」

 

「……………………」

 

 

 なんなんだコイツ等は――心底訳がわからん……と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 イッセーが最近の子供はよくわからんと思っているまさにその頃……。

 

 

「………………………………」

 

「ふむ、間違いなくあの男でござるな」

 

「アスナやネギ坊主達も居るアル」

 

 

 偶々クラスメートの一人から噂話を聞いた長瀬楓、古菲………そして体育座りから取り敢えずの復帰をした龍宮真名の三名は丁度イッセー達が居る部屋の様子が見える位置から、例の男ことイッセーの姿を覗いていた。

 

 

「しかし、拙者ともあろうものが、彼と保険医の先生の存在に気付けなかったのは不覚でござる」

 

「マナは何で知ってたアル?」

 

「……偶々顔を合わす機会があったから」

 

 

 古菲の質問に、ちょっと苦そうな顔をする真名がネギやアスナやといった今回が初対面の相手に対して塩ではあるものの確実に自分よりはマシな態度であるイッセーを見て実に複雑そうな顔をしている。

 

 

「なんだかネギ坊主が頗る懐いている様に見えるアル」

 

「うむ、あの凶悪的な殺意を持った男にしては不思議でござるよ」

 

「………………」

 

 

 古菲や楓の言う通り、イッセーはあれだけの狂犬めいた気性の持ち主だというのに、どういう訳かのどかやハルナや夕映といった一般人の女子に何故か懐かれている。

 それも恐らく、イッセー自身の凶悪めいた非現実的な力を目の当たりにしていても尚だ。

 

 まあ、それを恐れないというのならのどか達が思いの外度胸のある女子なのだろうとは思う。

 しかし真名的にどうしても理不尽に思うのだ。

 

 

「なんで、あんな普通の態度……」

 

 

 そう、イッセーが彼女等に向ける態度があまりにも普通というか塩ではない。

 それがどうにも納得できない。

 

 初対面の時、自分の行動が原因でイッセーに両手を潰されたのは確かに此方の落ち度ではあるのかもしれないが、それでも今に至るまでその態度が一切変わらずの塩なのは何でなのか。

 

 

「む、あの男が部屋を出るぞ? 何か買いに出るつもりか?」

 

「どうする? すぐ気付かれてしまう気がしないでもないけど、後を付けてみるカ?」

 

「……………」

 

 

 常にそこら辺に落ちてる消ゴムの欠片でも見るような目。

 憐れむでも、蔑むのでもなく、ただただ興味のない玩具を見るような『無』の目。

 

 その目があらゆる意味で龍宮真名のプライドをズタズタにするからこそ、逆に彼女は徹底的な敗北以降、イッセーという男の存在が頭から離れないのだ。

 

 だからこそ……。

 

 

 

「はぁ……結局リアスちゃんと二人きりだったのって初日だけだったか……」

 

 

 

 

 

 

 

「「「…………」」」

 

 

 居ると分ければその後をつけたくなるのである。

 

 

「はぁ……まさか源先生の方がまだマシだと思う日が来るとはね……。

で、今度は何の用だガキ共?」

 

 

 もっとも、全力で気配を絶って近づいたつもりが速攻バレてしまったのだが……。

 

 

「ふむ、気配は完全に絶ったつもりだったのだがな……」

 

「やはり只者ではないアルな」

 

「………………」

 

 

 何やら部屋の外から視線を感じたので、そのままわざと外に出たら普通に付いてきた気配の主達に辟易とした顔をするイッセーに、隠れても無駄と悟った楓、古菲――そして真名が姿を見せる。

 つい先日白龍皇を仕留め損ねた帰りに襲ってきた小娘共であることは当然イッセーとて覚えてはいるし、恨まれてる自覚もある。

 

 大方先日軽く捻った事への恨みか仕返しのつもりなのだろう。

 

 そう考えているイッセーは、特に覚えるつもりもない背の高い女子、金髪で褐色肌女子、黒髪で褐色肌な女子の三人組に対して実にかったるそうな態度だ。

 

 

「今お前等と遊んでやる気分では 無いんだ。

だからとっとと帰ってとっとと寝て――」

 

「流石にお主との今の力量差がわからぬ程間抜けではない」

 

「マナは無茶苦茶泣いてたけど……」

 

「………」

 

「あ、マナ? ……誰だそれは?」

 

 

 敵意は無いと訴える楓と古菲に内心肩透かしを喰らうイッセーは、ここで初めてなんとも言えない顔をしていた真名と目が合う。

 

 

「ああ、鉄砲ごっこ好きの小娘か……」

 

「……………………………………」

 

 

 あくまでお遊びと称すイッセーに、普段なら憤慨でもしそうな真名だが、それだけの差がイッセーとの間にはある以上、そう思われても仕方ないと自分の中で飲み込みつつ、刹那、木乃香……そしてのどか、ハルナ、夕映とはやはり違う刺々しい態度に、真名は複雑な気持ちを抑えながら頭を下げた。

 

 

「初めてアナタと会った時、グレモリー先生にしたことは謝る」

 

「「……?」」

 

 

 何の事だかわからず、首を傾げる楓と古菲を横に頭を下げた真名にイッセーはフンと鼻を鳴らす。

 

 

「何を言い出すのかと思えば……」

 

「…………」

 

「別にあの子は――まあ俺より年上なんだけど、あの子は優しいからな……。

別にオメーがしたことなんて気にしてはいねーよ」

 

「でも、私があんな真似をしたからアナタは私を嫌ってるんでしょう?」

 

「嫌う? なんだそれは? 俺は昔から大なり小なり、あの子にふざけた真似をする奴は脊髄反射的に殺してしまう癖があるだけだ……」

 

「……。じゃあ何であの子達には優しくて私にはずっこそんな態度なの?」

 

「逆になんで俺がどうでも良いそこら辺のガキに対して優しくしなきゃならないんだ?」

 

 

 明らかにのどか達とは真逆な淡々とした物言いのイッセーに、楓と古菲も微妙に気まずい気分になりつつも二人のやり取りを見ている。

 

 

「あの子達はアナタにとってどうでも良い訳じゃないのか……?」

 

「……。まあ少なくとも、変わった子達だなとは思っている。

………リアスちゃんの事を慕ってくれてるし」

 

「っ! じゃあ何で気にしてないのにアナタはそんなにも私に――」

 

「じゃあお前は! 俺の大切な人に武器を向けたクソガキとでも言えば良いのか? それともあの時は仕方のない事だったからお前のせいじゃないとでも言って欲しいのか?」

 

「そ、そんなつもりは……」

 

「悪いが、俺にはお前の中にあるよくわからん『罪悪感』だか自己憐憫だかに付き合ってやる暇なんて無いんだよ。

そんなものは俺とは無関係な所で自分で勝手に処理してろ」

 

「…………………」

 

 

 徹底的な塩対応の極みとも言える台詞に、真名は再び精神的にへし折られとうとう着ていた旅館の浴衣の裾を握りながらプルプル震えて涙を目に溜めていた。

 

 

「お、おう……あの、お主と真名との間になにがあったのかは知らないがその辺で勘弁してやってはくれぬか?」

 

「普通に泣いちゃってるアル……」

 

「知るか。それこそテメーで勝手に処理しとけ、一々俺に関わるな」

 

 

 流石に見ていられなくなった楓と古菲が真名をフォローしようとイッセーに話しかけるがイッセーはそれすらも一蹴すると、スタスタと去ってしまった。

 

 

「う、ううむ、まるで懐かぬ犬のような男でござるな……」

 

「大丈夫アル真名?」

 

「…………………………………うん」

 

 

 まあ、言ってしまえばネギ達のせいで戸惑っていてちょっと機嫌が悪かったからこその対応だったという――どこまでの間が悪かったという理由なのだが、真名の心は再びボコボコにされるのであった。

 

 

「小娘相手になんという器量の狭い奴だ……。

あんな男に私は……!」

 

「落ち着いてくださいマスター。

再び魔力が封じられている今のマスターではどう逆立ちしても彼には――」

 

「ちっ、わかっている。

だが必ず奴を私の前で這いつくばらせてやる……!」

 

 

 そんな様子を遠くから見ていた吸血鬼さんもまた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「テメー木乃香ァ!! なんでオメーがリアスちゃんに膝枕して貰ってんじゃあ!!」

 

「怒らんといてーなイッセーくん? だってリアスせんせーが良いって言うんやもん……へへへ~」

 

「が! ぐ……! ぐぬぬ……!」

 

「あ、後でイッセーにもしてあげるから……ね?」

 

「そんなに膝枕して欲しいなら私がしてあげようか?」

 

「今なら私達の中から選び放題ですよ?」

 

「わ、私も……! い、イッセーさんが良ければしてあげますよ?」

 

「師匠が望むのならやりましょう!」

 

「それは別に要らんわ」

 

「「「「塩対応!!」」」」

 

 

終わり

 




補足

ネギきゅんにぐいぐい来られて割りと戸惑うイッセーくん。

それを見てるカモくんとアスナさんは常にハラハラドキドキよ。


その2
とにかく頑張れたつみー
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