色々なIF集   作:超人類DX

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続きっつーか蛇足っつーか


少年の目指す先

 

 

 

 今よりもっと小さかった時に初めて見た偉大な父の強さを思い出させる。

 

 どんな相手でも、どんなに多くの敵を前にしても決して退く事はせず、前進勝利する偉大な強さ。

 

 そんな父と、普段は学校の用務員として働く青年の背中がどうしても少年(ネギ)の目には重なって見えてしまう。

 

 

『私がここに来た理由は、我々の同族を迎えに来ただけだ。

キミ達に用は無いし、事を荒立てることもしない』

 

『同族……?』

 

『む、気づいていないのか? この学園に我々の同族である悪魔が居る事を。

名はそう――リアス・グレモリーだ』

 

『……!』

 

 

 

 父を知る人達は決して青年と父が同じではないと言う。

 

 

『残念だけど、私とアナタ達は『同族』ではないわ。

そしてグレモリーの姓も便宜上名乗っているだけ。

私はただのリアスよ』

 

『ただの理屈ではないかねそれは? キミがどう言おうともその身に流れるモノは間違いなく魔のモノだ。

それにキミは素晴らしく美しい……もし我等の下へと来てくれたらキミは間違いなく我等のアイドル的存在になれるぞ?』

 

『そんなものに興味なんて無いわ。

それと……うん、最初で最後の親切心で言ってあげるけど、そろそろ喋るのは止めた方が良いわよ?』

 

『? キミを縛る例の男の事か? 彼の事なら私の同行者が今足止めを――――――』

 

 

 

 

 

 

『死刑決定その2……発見~』

 

 

 

『………へ?』

 

 

 

 けれどその強さだけは。

 どんな絶望をも希望へと変えてしまう程の『力』だけは同じなんだと。

 

 

 

『おおっと? ついうっかり殴りすぎて肉片にしてしまった。

いやー、ダメだなぁ俺って奴ァ……。

こういう時は必ず返り血まみれになるからタオルくらいは用意しないとって思ってるのについ忘れてしまう……』

 

 

 

 幼き頃見た父のように強い青年を見つめる少年(ネギ)は、その心を猛火のように滾らせていくのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「リアス先生とイッセーさんが全く見えない……」

 

「一瞬現れては消えての繰り返しで、ぶつかり合うような音と凄い衝撃波だけが発生しているとしかわかりません……」

 

「ホント漫画からそのまま飛び出したとしか思えないわー……」

 

「……むむ、せっちゃんは二人の動きは見えるん?」

 

「本当にギリギリです。

二人の気配を物凄く集中して察知して漸く少し……といった所ですか」

 

「なら同じやね。

はぁ……まだまだ修行が足りんって事やなぁ……」

 

「ええ……」

 

 

 

 

「只者ではないとは思ってたけど、あのリアスって保険医も相当じゃねーか。

あの男と真正面からやりあえるって……」

 

「凄い……」

 

「ま、全く動きが目で追えないアル……」

 

「我々を文字通りただの小娘扱いするだけの事はあるな……」

 

「……………」

 

「………ま、まあまあだな。(こ、この私が奴等の動きを全く捉えられない……だと……)」

 

 

 

「はははは! また強くなったなリアスちゃんよぉ!!」

 

「当然よ。

イッセーに守って貰ってばかりじゃダメだって誓ったあの時の事は忘れてないわよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 用務員としての仕事は年中割りと忙しいのだが、年一に開催される学園祭の時期は特に忙しくなる。

 とはいえ、10代の頃から色々なバイトを経験し、時には2週間――つまり336時間を風呂や食事を抜かしてぶっ続けでバイトに費やしたりもしたことがあるイッセー的にはちと忙しくなる時期程度にしか思ってはおらず、なんならこうしてリアスと共に割りと本気の組手を楽しんでいる余裕もある。

 ちなみに、その流れで武道大会なるイベントもあるのだが、学園長から直々に出場禁止を頼まれてるのと、本人が目立つのを避けているので今年も出るつもりは皆無だ。

 

 優勝賞金が1000万円であったとしても、そこら辺の線引きは弁えているつもりではあるのがイッセーとリアスだ。

 

 

「いよっしゃー!! 今日は俺の勝ちだなリアスちゃん!」

 

「ふー……ええ、私の負けだわイッセー」

 

 

 故にこうして日曜の朝っぱらから現在に至るまで――約12時間以上もの間トレーニングの組手をぶっ続けたイッセーとリアスの、端から見れば本当の殺し合いにも見える模擬戦は、タッチの差でイッセーに軍配が上がったらしく、組手の余波でお互いに着ている服や身体のアチコチを傷を作りながら、その場に座り込むリアスの目の前で子供のように跳び跳ねて喜んでいる。

 

 

 

「じゃあ俺が勝ったって事で………」

 

「ん、約束した通りなんでも言って頂戴」

 

 

 その理由はどうやらトレーニングの前に交わした約束だったらしく、期待に胸膨らませ顔のイッセーにリアスはニコリと微笑みながら頷く。

 

 

「よーし……それじゃあ――」

 

 

 普段、刹那や木乃香やのどか達にはほぼ見せる事の無い――言い換えれば10代思春期の男子学生みたいなニヤケ顔をしながら座り込むリアスに手を差し出したイッセーが、実は前々からリアスにやって貰いたい事として暖めていた事をやって貰おうと口を開き掛けると、それまで――というか朝からずっと見ていたその刹那やら木乃香達がぞろぞろと集まってくる。

 

 

 

「お疲れ様です師匠!」

 

「12時間以上ぶっ通しで戦っとるのに二人とも割りとピンピンしてるのは流石やわぁ」

 

 

 ハーフ鳥人なのにワンコ宜しくに真っ先にイッセーとリアスに近づき、目をキラッキラさせまくる刹那に苦笑いしつつなんやかんや似た者同士である木乃香が用意していた水の入ったペットボトルを二人に差し出す。

 

 

「す、凄かったです……!」

 

「殆ど見えませんでしたが、とにかく異次元の光景なのだというのだけは理解しました」

 

「本音を言うと、私達にも見える『方法』を教えてくれたらもっと楽しかっただろうなとは思ったかな?」

 

 

 刹那と木乃香に続き、のどか、ハルナ、夕映がこれまた用意していたタオルを二人に渡しながら感想を言っている。

 

 

「セツナかコノカに教えて貰えなかったの?」

 

「一応教えては貰いましたよ? なんか目で追うんじゃなくてお二人の気配を感じ取れ……とか」

 

「正直全然わからなかったわね……」

 

「頑張ったのですけど、無理でした……」

 

 

 一応一般人である三人的には高難易度であったらしく、特にのどかは悔しそうに肩を落としているので、水を片手に顔や首回りやらを拭いていたイッセーが、何時もの表情と声のトーンに戻しながら口を開く。

 

 

「言われてすぐ出来たのならそれは紛れもなく天才だ。

出来ないのが普通だ普通」

 

 

 なんやかんや三人娘に対しても態度が甘くなっていっているイッセーが難しいんだから仕方ないとフォローする。

 

 

「そもそもキミ達は一般人だし、こんなの覚える必要も無いだろ」

 

「「「…………」」」

 

 

 イッセー的には『此方側』に踏み込んでも良いことなんてあんまりないから、そのまますくすく育っとけ的な意味で言ったつもりなのだが、三人娘的には見所が無いから無理だお前らにはと言われたと思ったのか、更に落ち込んでしまう。

 

 

「そうね、三人には後でコツを教えてあげるわ。

一回感覚を掴めたら意外と出来るし」

 

「「「!」」」

 

「お、おいおい……」

 

 

 それを見て察したリアスが助け船を出す。

 こうして一般人の枠に入る三人娘は少しずつその枠を飛び越える為の基礎を固めていく事になるのである。

 

 

 

 故郷を襲った悪魔が同族と見なすリアスを連れ出そうと現れた。

 が、そんなのを狂龍化したイッセーが許す訳もなく、ネギにとってすれば故郷の仇の一人である悪魔は呆気なく目の前で泣き叫びながら嗤うイッセーの拳で解体されてしまった。

 

  

「基礎からして僕は全然足りてません。

エヴァンジェリンさんはイッセーさんのリアス先生の模擬戦が見えていたんですよね?」

 

「え? ……………あ、お、おう! 当然だろ!? 余裕だ余裕! ははははは!」

 

 

 力が圧倒的に足りない。

 あの力に近づければ、どんな理不尽にも立ち向かえるしはね除けられる。

 故にネギは今居るメンツの中で唯一イッセーとリアスの高速戦闘に追えていたエヴァンジェリンに『基礎から徹底的』に学び直す道を奇しくも選んだ。

 

 

「ふむ、確かに今のネギ坊主が基礎学ぶにはエヴァンジェリンから教わる方が良いかもアル」

 

「まあ、直接あのバケモノ二人にこのまま近づくよりは良いかもしれないな」

 

「私もそう思うわ。

私からしたらアンタ等魔法使いも異常だけど、あの二人はそれ以上に異常に見えるもの」

 

 

 基礎を固めてから改めてイッセーの背を追う。

 そして父を見つける。

 両方を同時に選んだネギの妙な決意の固さに、実は全然見えてなかったエヴァンジェリンは内心かなり焦ったが、今更自分も見えませんでしたなんて言うのはプライドが許さなかったので、取り敢えず魔法に関する面倒を見る形で誤魔化す事になるのであった。

 

 

「ぼーやは魔法使いだからな。

だからまずは魔法に関する事からだ」

 

「はい!」

 

 

 そうとは知らずにネギはエヴァンジェリンを師匠と呼ぶようになるのだ。

 

 

 

 

 殆どネギ達に関しては意識もなかったので、居たことすら実は気づいてなかったイッセーがトレーニング後の風呂から戻ると、用務員室内ではリアスによる三人娘へのレクチャーが行われていた。

 

 

「目では無く気配を辿る……」

 

「バトル漫画ではよくあるネタだけど、実際あるとは思わなかったわね……」

 

「むむむ……」

 

 

 アイマスクで目隠しをしているのどか、ハルナ、夕映が各々思い思いの集中をしているので、邪魔するのもアレだと思って静かに入ろうとした瞬間、アイマスクで目が隠れている三人が一斉にそっと入ったイッセーの方を向く。

 

 

「あ、イッセーさん……?」

 

「今絶対、イッセーさんが帰ってきたよね?」

 

「なんかわかりませんけど、イッセーさんの気配的なものを感じます」

 

「凄いわ! 大正解よ三人とも!」

 

「まあ、師匠の気配は隠さないと結構わかりやすいですからね」

 

「でも少なくともイッセー君の気配は三人共感じられるようになってきたって事やな」

 

 

 感心するリアス、刹那、木乃香が三人を褒めると、どういう訳かアイマスクで目を隠した状態の三人娘が若干恥ずかしそうに口を開く。

 

 

 

「け、気配じゃないです……実は」

 

「なんというか……その、イッセーさんの匂いがしたから……」

 

「さっき汗を拭いたタオルで覚えたといいますか……」

 

「あら……」

 

「なんや、リアクションに困る理由やなそれ……」

 

「私はわかりますよ。

私も通った道ですし」

 

 

 

 いそいそとアイマスクを外し、目を伏せる三人娘にイッセーは、さっき汗を拭いたタオルを何故かまだのどかが持ってる事に気付く。

 

 

「もう一回入り直すついでにそのタオルも洗うよ……」

 

 

 要はまだ臭いますと言われたと解釈し、入り直す事にしたイッセーはのどかにそのタオルも寄越せと言うが、何故かのどか――どころか夕映やハルナまでもそのタオルを庇うように背に隠した。

 

 

「い、イッセーさんの気配を掴める為のしゅぎょーに使えるので……!」

 

「まずはイッセーさんの気配を完璧に捉えられるようにするには割りと必要かなと……」

 

「これも修行の為だから! ねっ!?」

 

「…………」

 

 

 一応理には叶ってる気がしないでもない理由で拒否する三人に、イッセーは絶妙に恥ずかしい気分になりつつも、まあ修行になるのなら仕方ないのかと納得すると、わかったと言って再び用務員室を出ていく。

 

 

「修行を理由に出すと割りと納得してくれるんですね……」

 

「そうだね……よ、良かった……」

 

「でもなんであんな事言っちゃったんだろ……?」

 

 

 ほっとしながらイッセーの使ったタオルを大事そうに抱えつつ、然り気無く順番にスンスンとするのどか達。

 

 

「ちょっと、長いですよのどか。

早く貸してください」

 

「ま、待って! も、もう少しだけ……。

うぅ……イッセーさんが近くに居る気がしてドキドキする……」

 

「な、なんだか冷静に考えると普通に変態みたいだねアタシ達……?」

 

「こ、ここだけの話にすれば大丈夫だよきっと……」

 

「ええ……それになんというか、凄く安心するんですよね……イッセーさんの匂い」

 

「確かに。

なんでか知らないけど近くに居るとすっごく安心するのよねぇ……」

 

 

 

 

「…………………」

 

「いやせっちゃん? 『そ、その手もあったか!?』みたいな顔するのやめーや?」

 

「ま、まあ……視覚に頼らずにするには嗅覚からもアリかもしれないわ」

 

 

 いたいけな少女のナニかをめちゃくちゃ拗らせている青年。

 普通にアウトな案件はこうしてひっそりと――しかし確実に進んでいくのだ。

 

 

 

 

「よし、これで大丈夫だろ―――あれ?」

 

『? なんだイッセー?』

 

「一回目に入った時に使ったバスタオルが無い

洗濯し直そうと思って別に置いたのに……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エヴァンジェリンに修行をつけて貰う? そうか……それは良いかもしれない。

私もうかうかしていられないな」

 

「ええ! 絶対にイッセーさんに近づきますよ!!

それより龍宮さん? そのバスタオルはどうしたんですか?」

 

「…………………。綺麗なまま落ちてたから勿体ないと思って拾った。

良い匂いもするし……」

 

「へぇ? どんな匂いなのよ?」

 

「っ!? 触るな!! こ、これは私のタオルだ! 触ったら銃殺刑にしてやる!!」

 

「わ、わかったわかった! わかったからそんなマジな目しないでよ!? 」

 

「ふー!! ふー!!!! ふぅ……すまない、今タオルの匂いで落ち着いたから……」

 

「な、なんなのよ……?」

 

 

 

終わり




補足

武道大会には出られません。
1000万は欲しいけど、お世話になってる学園長さんに言われちゃったので出れませんでした。

まあ、今年は知らんけど。


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