色々なIF集   作:超人類DX

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彼はそれが『苦手』だった。




テンパった用務員

 

 

 

 この日、用務員は何時もの様に誰にも目撃されることなく仕事をし、何時もの様に学園長に報告書を提出しつつ他愛の無い話をし、本好き少女にすっかり影響されたことによる読書をしたり、隠れてトレーニングをしたりといった一日を送っていた。

 

 

「はぁ? 幽霊だって?」

 

 

 なんか最近すっかり溜まり場になりつつある用務員室に雪崩れ込んで来た女子中学生達の話を聞くまでは……。

 

 

「ええ……学園祭の準備をする為に深夜までうちのクラスの教室に残っていた者達が見たと大騒ぎしていまして」

 

「これがその幽霊と思われるものが写った写真です」

 

「写真て……んなアホな」

 

 

 やっぱり弟子を自称する刹那や、 活字を読むと熱が出るイッセーに根気強く活字アレルギーを克服させることに成功した本屋ちゃんことのどかが学園の新聞部が発行している校内新聞をイッセーに見せながら、3-Aの教室に出没した幽霊について話してくるので、イッセーは馬鹿馬鹿しいという感情をもろに顔に出しながらも、渡されたその校内新聞を受け取り、目を通す。

 

 

「なんか、こう、それっぽい人影的なのが写ってるっぽく見えなくもないのは確かだが、これが幽霊だって言いたいのかお前達は?」

 

「ええ、見ようによっては人型に見えるでしょう?」

 

「そしてこの人影の周りに浮いているのは人魂にも見えませんか?」

 

「人魂ねぇ……」

 

 

 ぼんやり――でもなく割りとはっきりと亡霊のような写真写りに見える心霊写真(仮)をアホを見る目で見ていたイッセーに説明するように、ハルナと夕映が横から身を寄せてくるので、イッセーは二人に『一々近い』と言いながら鼻を鳴らす。

 

 

 

「偶々クラスの誰かが通ったのが写っただけなんじゃないのか?」

 

 

 自分も大概どこかの某社長が言うような『非ィ科学的だ!』な存在なのは認めるが、幽霊だのなんだのといったのは基本信じない。

 実態があってぶん殴れるだけまだ神だなんだの存在の方が信憑性があるとすら考えているイッセーからすれば、幽霊といった類は何故か信じなかった。

 

 

「それが何年も前からウチ等の教室に出るって噂自体はあったんよ。

ここ数年は出てなかったけど……」

 

「だからこれは幽霊だってか? 馬鹿馬鹿しいなオイ」

 

 

 意外にも信じてない事に対して逆に驚くのどか達と共に、木乃香が怪談話として何年も語り継がれているのだと話すも、イッセーの表情は依然として信じようとはしないものだった。

 

 

「ここ数年出てこなかったその幽霊様が、何故か突然出てくるものなのか? はん、アホらしい。そんなものは非ィ科学的だ!!」

 

 

 どこぞのカードゲーム世界の社長のように全否定の意思を崩さずに校内新聞を適当に机に放ると、のどかから渡された恋愛要素がなぞに強めな小説の続きを読もうと頁を開く。

 

 

(おかしいな。

師匠がこうも信じないとは……)

 

(非科学的なんて言うけど、イッセーくん自体が非科学的なのになぁ?)

 

(でもどうしよう? イッセーさんがダメとなると、リアス先生に相談してみる?)

 

(まー、リアスおねーちゃんでも全然なんとかできそうやけど……)

 

(イッセーさんかリアス先生なら幽霊も片手間に消滅出きると思ったのですがね……)

 

(いや、単純に信じてないというよりは、信じたくないって気がするような……。

まさか……?)

 

 

 ひそひそと話し合う女子中学生達を気にせず本を読むイッセーの『異様な否定』に対して真っ先に違和感を感じたハルナが、カマをかけるつもりでイッセーに問いかける。

 

 

「あー……まさかとは思うけど、ひょっとして幽霊とかが怖いなんて事が?」

 

「…………………………は?」

 

 

 ハルナの言葉に、それまで我関せずで本を読んでいたイッセーが反応する。

 

 

「誰が、何を、怖がってる……だって?? 最近勝手にぞろぞろ来るようになってるからかしらないがな、俺を嘗めてんのかガキ……?」

 

『……………………』

 

 

 突然のチンピラ感丸出しな口調でハルナに対してメンチを切るイッセーに、女子中学生達は速攻で理解した。

 

『………あ、絶対図星だ』と。

 

 

 

「や、本当にそうは思ってないってば? ただ、ひょっとしたら? って思っただけだし?」

 

「俺がそんな毒にも薬にもならん存在なんぞに怯える訳がないだろが」

 

「そうだよねー? ごめんごめん」

 

「以後気を付けるんだな……」

 

 

 

 軽い調子で謝るハルナにフンと鼻を鳴らしながら再び本へと視線を戻すと、ちょうどそのタイミングでハルナがニンマリとした笑みを浮かべる。

 

 

「だからさー、この本当なのか結局ただの見間違いかわからない幽霊調査に協力して欲しいんだよねー? そうじゃないとウチ等のクラスだけ学園祭の準備に遅れちゃう事になるからさー?」

 

「あのネギとかいう担任に言え、そんな事は――」

 

「いやー、ネギ君達も勿論調査するみたいだけど、ほら、ネギ君達だけじゃあちょーっと頼りないというかー?」

 

「そんなの知るか。だったら他の先生にでも――」

 

 

 煽るような笑みを向けてくるハルナを一蹴しようとしたイッセーだが、隣に居たのどかと夕映が小さ声を出す。

 

 

やっぱり実は苦手なんだ………

 

意外な弱点を見つけてしまった……

 

「余程俺を幽霊嫌いに仕立ててやりたいらしいな?

上等だぜ小娘共、今すぐその幽霊だかなんだかを消し飛ばしてやるぜコノヤロー」

 

 

 のどかにすら幽霊が苦手なのだという認識を持たれるのがなんとなく嫌だったのもあり、持っていた本にしおりを挟んでから閉じると、左右の指を鳴らし始める。

 

 変な所で意地を張ろうとするというか、変に強がるというか……。

 基本的にドライグとリアス以外の相手には虚勢を張る悪癖があるイッセーはこうしてゴーストバスターに巻き込まれてしまうのであった。

 

 

「おい、付き合ってやりはするが、リアスちゃんには黙ってろよな。

こんなアホみてーな話に巻き込む必要はないしな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 約60年前の生徒の幽霊が3-Aの教室に出現した――のかもしれないという件について、あれよあれよとリアル肝試し&討伐という展開になってしまったネギは、はしゃぐ生徒達を宥めることに四苦八苦していたのだが………。

 

 

「みんなー! 最強の徐霊師さんを連れてきたでー!」

 

「……………………………」

 

 

 他の生徒達が騒ぐ――言ってしまえばその存在すら知らない生徒達の前に、このか、刹那、のどか、ハルナ、夕映に連れられる形で現れたグラサンを掛けた茶髪の青年にネギは勿論、アスナやカモも……ついでに古菲や楓―――そして真名といったイッセーの存在を知る者達は驚いた。

 

 

「徐霊師~?」

 

「せやせや。

ウチの知り合いなんよ」

 

「腕は保証しますよ」

 

「サングラス掛けてて怪しさしか感じないんだけどー?」

 

 

 多くの女子生徒達は、グラサンを掛けた――見てくれだけは多分若い青年に対して胡散臭いものを見るような目を向ける。

 

 

「い、イッセーさんが来た……」

 

「このかが無理矢理連れてきたのかしら……?」

 

「いやまあ、確かにあの化け物男なら幽霊くらいワンパンで消し飛ばせるだろうがよ……」

 

「真名、頼むから暴走するなよ?」

 

「わかって……る……」

 

「探しても見つからないのに、こんな形で会うなんて変な気分アル」

 

 

 殆どの女子生徒達から胡散臭い視線を向けられるイッセーに、ネギ達はソワソワしてしまう。

 

 

「そんなに疑るなら早速その腕を見て貰おうやないの? なぁ?」

 

「…………………………」

 

「さっきから一言も喋らないのも怪しいなぁ?」

 

「というか、心なしか顔色が悪いよーな……」

 

 

 そんなネギ達を他所に、イッセーはといえばグラサン越しにさっきから喋らないことを良いことに勝手なことばかりを言うこのかの額に向かって軽く小突きつつ、ハッキリ言えばどうでも良い認定側である多くの女子中学生達の視線を受けながら、まずは3-Aの教室内を歩いて回る。

 

 

「? なにしてるの?」

 

「幽霊の気配を辿っとるんや」

 

「ええ? じゃあ本当に幽霊がこの教室に……」

 

「それを調べるのが師――んんっ!! あの徐霊師さんのやり方なのだ」

 

 

 

 

「煽っておいて今更だけど、大丈夫かなぁ……」

 

「徐霊のやり方を知ってるとも思えないし……」

 

「あ、あの時私が変な事を言っちゃったせい……だよね?」

 

 

 

 うろうろと見るからに怪しい出で立ちの男が女子中学生の教室内を徘徊するという――字面からしてもアウトな光景に対して、木乃香と刹那がフォローをしながら、ゆっくりと教室内を歩き回るイッセーが、木乃香達のもとへと戻ってくる。

 

 

「…………特に気配は感じないんだが」

 

 

 それまで一言も喋らなかったイッセーがやっとその口を開いたかと思えば、どうやら幽霊の気配は無いとのらしく、それを聞いた一般女子達は『えぇ~?』と何故か寧ろ残念そうな声を出す。

 

 

「本当ですか~?」

 

「単に徐霊師さんの修行が足りてないから感じてないだけなんじゃありませんか? 見た感じ若そうですしー?」

 

「…………………………」

 

 

 仕方ないとはいえ、何でこんなガキ共にこんな事を言われなきゃいけないんだと……内心ちょっとだけイラッとしたイッセーだが、どうせ後少ししたらこの生徒達全員を木乃香と刹那と共に『記憶シェイク(物理)』をしてこの件の全てを忘れさせてやるつもりなので我慢していると……。

 

 

 

「きゃあ!!?」

 

「つ、机や椅子が浮いてるよ!?」

 

「どこが気配は無いよ!? 完全に居るじゃない!!」

 

 

 所謂ポルダーガイスト現象が発生し、机や椅子といった備品が重量の法則を無視して浮き上がるという現象が発生することで、生徒達はパニックに陥るのだが………。

 

 

「ガァァァァッ!!!!」

 

『』

 

 

 それ以上に、突然胡散臭いグラサン似非徐霊師と思われた男が獣のような咆哮を上げると共に教室内を超高速で飛び回りながら、浮かび上がった机や椅子を超強引に床に設置し直すという謎行動に出る。

 

 

「……………ふっ、ほらな? 今のは多分目の錯覚さ」

 

 

 あまりの脳筋的なやり方に目が点となる生徒達は、何故かどや顔で床に強引に設置し直した椅子に座りながら『ただの錯覚だと』言い出す。

 

 

「いやいやいや!」

 

「今完全にポルダーガイスト的な現象――」

 

「一瞬!!! ……一瞬だけ直下型の大地震が起きたんだろう!」

 

「そんな訳――」

 

「うるせぇ!! 幽霊なんぞ居る訳ねぇんだよ!! なっとくしとけガキ共ォ!!」

 

 

 まだ何か言おうとする生徒達を強引にねじ伏せるように言いきろうとするイッセーだが……。

 

 

 ア,アノゥ……

 

 

 

 ちょうどイッセーがどや顔で腰かけた席。

 巷では座らずの席呼ばわりされた席に座っていたイッセーの真後ろから聞こえるか細い声に、イッセーは一瞬でその場から消えたかのような速度でたまたま近くに居たハルナの背後に回る。

 

 

「…………………………………………」

 

「え、ど、どうしたの?」

 

「いや……大声出したら頭がクラクラして変な幻聴が――」

 

 

 背後には誰も居なかった。けど声が聞こえた気がしたイッセーは割りと本気でハルナの着ていた制服の袖辺りを握りながら恐る恐る自分が座っていた椅子を見るが、当然何もない。

 ただの気のせいか……と内心ちょっぴりほっとするイッセーは、既に8割方徐霊師でもなければ、ただのビビり疑惑を持ち始めた女子生徒達の視線を無視して、取り繕おうとハルナから離れようとしたその瞬間。

 

 

【あ、あのぅ……聞こえてたら嬉しいなぁって……】

 

「!!!!?」

 

「ひゃっ!? ちょ、ちょちょっ!?」

 

 

 今度は先程よりもより近く――それこそまさに耳元で囁かれるような近距離から女の声がはっきり聞こえてしまったイッセーは掛けていたグラサンを吹き飛ばす勢いで、離れ掛けたハルナに対して全力で抱きついた。

 

 

「……………………」

 

「……………………」

 

『わーぉ……』

 

「………………………」

 

「………………」

 

「う……もっと近くに居れば良かった……」

 

「完全に抱きついてる……」

 

 

 実に居たたまれない空気が教室内に広がりまくる中、張本人であるイッセーは嫌な汗をだらだら流しながらハルナに全力で抱きついて離れようとせず、ハルナはハルナであまりにも予期せぬ展開に割りとテンパってしまっていた。

 

 

 

「い、イッセーさん……? ち、近いというか、近すぎるというか……」

 

「や、やめろ! お、俺から離れるな! い、今完全に声が……」

 

 

 完全にテンパり過ぎているせいなのか、普段なら絶対にやらない真似をしている自覚も無いイッセーは、ハルナに抱きつきながら周囲を伺う。

 

 

【わ、私とお友だちに―――】

 

「ひょわぁぁぁっ!?!?」

 

「ひんっ!? ちょ、ちょっとどこ触って……ぇ……」

 

「聞こえたんだっての!? 今聞こえたろ!? 寧ろ聞こえたって言ってくれ! 頼むから!!!」

 

 

 

 気づけばハルナを抱えたまま、豪快に教室の備品を破壊しまくるイッセー。

 

 

「ちょおイッセーくん!?」

 

「し、師匠がこんなに取り乱すなんて……」

 

「まずいです。

ハルナを抱きつきながら教室を破壊してます……」

 

「と、止めないと! で、でもちょっと羨ましいかも……」

 

 

 あまりの暴走っぷりに女子生徒達やネギ達も止めに入れなくなる中、テンパりがピークに達したイッセーはハルナを抱えたままとんでもない行動に出始めてしまった。

 

 

 

「な、嘗めんなクソ幽霊が!! この場所ごと消してやる!!!」

『Boost!!』

 

「ビッグバン―――」

 

「あかーーん!!」

 

「師匠! それはマズイです!!」

 

 

 

 果てには声が聞こえる方向目掛けてマジの必殺技をぶっぱなしてしまったせいで、教室は二秒でめちゃくちゃにされるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、幽霊退治というのにイッセーを連れ出したら、思っていたよりもイッセーが幽霊嫌いだったせいで教室が破壊されちゃったと……」

 

 

 数十分後、テンパり過ぎて理性を飛ばしたイッセーが危うく学園ごと本気で消し飛ばそうとしていた所に騒ぎを聞き付けてやってきたリアスと他の魔法先生達によりなんとかイッセーは落ち着きを取り戻した。

 そして魔法関連に関する記憶を生徒達の記憶から消去する作業をしつつリアスが木乃香や刹那達から事情を聞く。

 

 

「まさかあそこまで師匠が幽霊を苦手としているとは思わなくて……」

 

「途中からそうなんやないかなとは思ったけど、そこまでとは思わなくて……」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

「無理強いさせるつもりはなくて……」

 

「…………」

 

 

 気絶している一般生徒達の記憶の処置がされる中、タカミチに肩を叩かれながらちゃっかり逆側に座っているネギと一緒に缶紅茶を飲んで項垂れるイッセーを見ながらリアスは深くため息を吐く。

 

 

「別に貴女達のせいじゃあないわ。

昔、イッセーと暇潰しに呪○ってホラー映画を見たら、完全にトラウマになってしまったみたいなのよ。

だから幽霊が苦手になった元凶は私だし、ハルナは大丈夫だった? 大分テンパっちゃったイッセーに巻き込まれたらしいけど……?」

 

「え? ……あ、は、はい! だ、大丈夫………かなー!? あははは! ちょっとびっくりはしましたけど、気にしてないと言いますか!!」

 

『…………』

 

「……………ぅ。

ご、ごめんなさい、嘘です……凄く気にしてます。

さっきからイッセーさんが直視できなくなってます……はい」

 

 

 項垂れてるイッセーに向かって、古菲と楓の制止を振り切り、よせば良いのに真名が何か言った瞬間、空になった缶を顔面にぶち当たり、鼻血を出しながらロケットのように吹っ飛ばされる姿を、他の魔法先生達にギョッとされていても気にせず再び項垂れるイッセーを見つめながらリアスはブツブツと『ど、どうしよ……ほ、本当に困ったことになったかも……』と顔を赤くしながら呟くハルナに声をかける。

 

 

「そう……ありがとう。

私もイッセーも他人に嫌われやすいせいか、どうしても気にしてしまうのよ。

だから、ありがとう……」

 

「う……先生は怒らないんですか? だって私はイッセーさんに――」

 

「怒らないわよ。

こんなことになってもイッセーを好いてくれる子が居るのが私は嬉しいもの……」

 

 

 

 嫌味を一切感じないリアスの言葉に、ハルナやのどか達は『か、敵わないなぁ』という気持ちになってしまう。

 

 

「はぁ……」

 

「あ、イッセーさん……。

大丈夫でしたか?」

 

「リアス先生から聞きました。

その……ごめんなさい……」

 

「あ? ……ああ、別に。

寧ろ俺の方が悪かったっつーか……すまん早乙女さん」

 

「う、うん……」

 

 

 こうして盛大にまたやらかしたイッセーはその背後になぞの女幽霊が引っ付いてしまっている―――ということにまだ気づいてはいない。

 

 

『うぅ、さっきまで私の声が聞こえてたと思ったのに……』

 

『……………おい小娘』

 

『!? え、えっ!? だ、誰ですか!?』

 

 

 気づいているのはドライグだけ……であるわけで。

 

 

 

『貴様がいるとイッセーが困る。

だからとっとと消えろ』

 

『い、嫌です! やっと私の声が聞こえる人と会えたのに! 絶対にお友だちに――』

 

『貴様なぞイッセーの趣味にもならんし、居ても邪魔だ』

 

『な、なんで貴方にそんなことまでいわれなくちゃいけなぃんですかー!!』

 

 

 密かに幽霊vsドラゴンのバトルが開始された――かどうかもイッセーは気づいてないのだった。

 何故なら妙にそわそわしているハルナにただただ謝りまくっているのだから。

 

 

「本当に悪かった」

 

「い、いいよ別に謝らなくても」

 

「今後幽霊が出てまた女子にセクハラでもしたら大変だ。

だから仕方ないので皆を守る為に私が人柱となってアナタに――ぶべっ!?」

 

「た、龍宮さーん!?」

 

「真名の奴、彼と会うたびに言動や行動がますます吹っ飛んでいくでござる」

 

「幽霊は怖くても強いのが理不尽アル」

 

 

 

 復帰した真名を、ノールック裏拳で吹き飛ばしながらひたすら謝り倒すイッセーにハルナはどうにも怒る気にはなれず、寧ろ『やばい、勝ち目なんて無いのに嵌まりそう……』と、思うのだった。

 

 

終わり




補足

元の世界において、ちょっと生活に余裕が出てきたこそレンタルビデオ屋で借りたホラー映画のせいで割りと霊的なものがなぞに苦手となったらしい。

……まあ、観た直後にマジ幽霊と出くわしたから――というのもあるらしいが。

例えば全身真っ黒な女幽霊だとか
ダウンロードした覚えのない着メロを携帯に鳴らしてから赤い飴玉を渡そうとしてくる女児幽霊だとか
井戸から這い出てきた女幽霊だとか

 その幽霊達はリアスに謎に攻撃的だったので、キレたイッセーによってなんとか消し飛ばされたらしいのですが、トラウマになるレベルで苦戦したので、それ以降は霊的なものに対してかなりの苦手意識が……。
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