色々なIF集   作:超人類DX

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続きです。

何故か突然たつみーが急上昇したの巻


急激にデレる男(需要ゼロ)

 

 

 少女の幽霊一人に対して、それまで毛嫌いを越えて無関心であった龍宮真名の協力により干渉可能となったイッセーが、わざやざ単体奥義でオーバーキル的な徐霊をした後日のこと、報告を受けた何故か学園長は『どこか寂しげ』であった。

 

 

『うむ、お主なら視認した上で受け入れて貰えると思ったのじゃが……』

 

 

 どうも学園長は相坂さよという幽霊のことを知っていた様だが、物理干渉可能と同時のオーバーキルで消し飛ばしてしまった後の事であり、あまりにも複雑そうな顔と声だったものだがら、絶妙に気まずくなってそれ以上の事は聞けなかった。

 

 もっとも、過去にあの幽霊とどんな関係であったにせよ、幽霊の類が苦手な上に頼んでもないのに取り憑かれていたイッセー的には身体も気分も楽になっていたので、あまり後悔自体はしなかったのだが……。

 

 

 

「と、いう訳で約束の20万だ」

 

 

 そんなイッセーはといえば、『タダでも良い』と言っていた真名に対して、やはり相応の報酬は渡さなければならないという、変な生真面目さと潔癖さが出てきた結果、コンビニのATMから引き下ろした20万円の入った封筒を用務員室へと呼び寄せた真名に渡そうとしていた。

 

 

「た、タダで良いと言った筈だが……?」

 

 

 基本的に仕事に対する報酬等はきっちりきっかり受けとるタイプである真名だが、イッセーに対しては『色々迷惑もかけたからタダで良い』と言った手前受け取る気は無い様子だ。

 

 

「正直、キミの力がなけりゃああの幽霊をぶちのめすことは出来なかった。

最初は胡散臭いとは思ってたけど、事実キミの言うとおりにしてみたらその通りになった。

だからタダって訳にはいかねぇと判断したまでだ」

 

 

 他人に貸しも借りも作りたくないし、受けた恩や恨みは良くも悪くも忘れないイッセーとしては、忌々しい幽霊を消し飛ばせる要因となれた時点で、借りと判断したらしい。

 

 

「…………」

 

 

 しかし真名からすれば受け取る訳にはいかなかった。

 というのも、ここまで来てやっと『まともな会話』が出来るようになったのに、ここでこのお金を受け取ればまた元の関係に逆戻りしてしまう―――つまり早い話が真名は恐れているのだ。

 

 

「「「「…………」」」」

 

 

 自分と自分にお金の入った封筒を差し出そうとするイッセーを面白くないぜ的な顔をしながら見ている、このか、夕映、ハルナ、刹那、木乃香と同等の認識をされなくなるのではないのかという恐怖が。

 

 

 

「か、金は要らない。

そんなに借りとアナタが思っているのなら、別の報酬を提案したいのだが……」

 

「別?? なんだ、どうしても殺せない存在でも居て、そいつをぶち殺してやりてぇとかか? まあ、一人くらいなら――」

 

「そ、そうじゃない!!」

 

 

 思わぬ展開の連続ではあったが、こんなチャンスはもう二度と巡っては来ない。

 このチャンスを手放せば最後、自分はもう二度とこの人に触れることも、近づくことも出来なくなる。

 だからこそ真名は言うのだ。

 

 首を傾げ――冷たくなく、無機質でもなく、今この瞬間だけは確かに自分を真っ直ぐ見つめる、背に『赤い竜』が見える赤き龍の帝王に……。

 

 

 

「わ、私もその……アイツ等みたいに用務員室(コノバショ)に来て良いって許可が欲しい……」

 

 

 

 とてもいじらしく、とても繊細な少女のように……。

 

 

「………………。なんて言ってるけど、どうするよリアスちゃん?」

 

「私は構わないわよ? ふふ……」

 

「………そうか。

まあ、あんまり喧しくしないってんなら別に―――」

 

「…………!」

 

 

 

 この瞬間、少女の不憫な日常が報われるのだった。

 

 

 

 

「「「「異義ありーーー!!!!」」」」

 

 

 

 もっとも、ここからが色々と大変なのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 刹那……というか基本的に用務員室許可組達はとても気にくわなかった。

 確かに自分達ではイッセーに取り憑いていたらしい幽霊を徐霊どころか視認もできなかったのは認めるし、真名のお陰でイッセーの最近悪すぎた血色が戻った。

 

 しかしそれとこれとは別というか、割りきれないのが思春期女子達なのだ。

 

 

「あの、改めてあの時は本当にすいませんでした」

 

「大丈夫よ。

寧ろイッセーに協力してくれてありがとうね? 最近本当に具合が悪そうだったから……」

 

 

 元々銃を向けられた事自体全く気にしてなかったリアスはすんなり受け入れちゃってるし、余程幽霊を消し飛ばせたのが良かったのか、この前まで塩通り越してハバネロ対応オンリーだったイッセーも、女子寮にて真名を背負いながら単体奥義をぶっぱなして以降は、嫌に真名に対してマイルド対応になっている。

 

 

 

「アナタに手持ちの武器を全て無効化されてからは、きちんと体術も鍛えたのだけど、どうしてもアナタには届かないんだ。

逆にお金を払うし、少しで良いからこのままの鍛え方で良いのかだけ見て欲しい…」

 

「金は別に良い……が、まあ少しだけなら…」

 

「!? ほ、本当か!? じゃ、じゃあ早速今晩にでも――」

 

「ダメだ!!!」

 

 

 特に刹那的には、イッセーに鍛えて貰うという点についてはとてもではないが簡単に許容できる訳ではなく、嘘みたいに少女めいた顔をしながら喜ぶ真名に割って入る。

 

 

 

「師匠は私の師匠だ! ぽっと出のお前にそう簡単に渡すわけないだろう!!?」

 

「せやせや、幽霊の件で妙にイッセー君がデレてるようやけど、黙って見てる訳にもいかんしなぁ?」

 

 

 

 イッセーとリアスに幼少期から鍛えられてきた刹那と木乃香が珍しく飼い主を取られて嫉妬する犬みてーにイッセーの前に立ちながら真名に威嚇をしていると、呆れた顔をしたイッセーに揃って軽く頭を叩かれる。

 

 

「黙れガキ共。

オメー等だって頼んでもねーのに勝手に弟子を自称してたろうが」

 

「で、ですが最終的には認めてくださったではないですか!?」

 

「あまりにもしつこいからだ。

まあその……反射的にとはいえ、その子に対しては腕とか折ったし、何回か顔面に入れちまってるし……」

 

「ちょっと前までだったら全然気にせんかったやろ!? 何を急に『悪いことしちゃったかも』的な事言うとんねん!?」

 

 

 

 まずい、何か知らないけど急激にイッセーが真名に対してデレ入った! と余計に危機感を覚えた刹那と木乃香に続き、のどか、ハルナ、夕映も揃ってのほほんと、何故か楽しそうにお茶をのみながら見ているリアスを背にイッセーに詰め寄る。

 

 

 

「幽霊の徐霊をたつみーのお陰と思うのは良いけど、流石にずるいというかさ……」

 

「正直、今本気で泣きそうです」

 

「や、やっぱり大人っぽい人が良いんですか……?」

 

「あ、ああ……?」

 

 

 思春期女子達の複雑なる心を一切理解していないイッセーからすれば、三人からも同じ様な事を言われてしまい余計困惑する。

 そんなイッセーの困惑顔に『こんな顔もするんだな……』と、今まで冷徹顔しか見られなかった真名は、ちょっとほっこりした気分になりつつも、5人のクラスメートに声をかける。

 

 

「皆がそこまで言うのなら先程兵藤さ――――――あ、あの、下の名前で呼んでも……?」

 

「は? …………まぁ別に呼ばれ方に拘りは特に無いし」

 

「じゃ、じゃあ……お、おほん、えと……い、イッセーさんに対して言ったことは取り消すぞ?」

 

「「「「「」」」」」

 

 

 下の名前で呼ぶだけで頬を染め始める真名に、若干その気持ちがわかってしまうのどか辺りは絶妙に声に詰まってしまう。

 

 

「私はこの人に『私』であることを見て貰えたらそれで良い。

自惚れた考えはしないつもりだから……」

 

「「「「「う……」」」」」

 

 

 

 そう、こう、とても儚げな表情で告げる真名に、それまでのジェラシー的な勢いが一気に削がれる刹那達。

 というのも、リアスという負けイベ確定女性が居る時点で、自分達の想いは永遠に届かない事は、彼女達とて『痛い程』わかるのだから。

 

 

 

「正直、今までの事を考えれば、この場に居ることが出来る事自体が奇跡だと思っているし、これ以上の事を望むのは烏滸がましいからな……」

 

「「「「「(つ、強い……!)」」」」」

 

 

 

 妙に退くところは退こうとする姿勢に、逆に強敵感を覚える刹那達に、それまで静観していたリアスがパンと手を叩く。

 

 

 

「ならこうしましょう? 今日の晩は私とイッセーの模擬戦をする日だし、その後皆で遊びましょうよ?」

 

「「「「「「!」」」」」」

 

 

 その一言により一気に沈静化することになった訳で……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、刹那と同じで多少戦う手段はその鉄砲――というか飛び道具全般以外にもあるって訳だな」

 

「ぐ……ぐふっ!」

 

 

 蹴散らされるではなく、正面から見るぶつかり合いを初めて真名は体験するのだ。

 

 

 

「ま、まだ……まだだ……!」

 

「相変わらず変に根性は据わってんな……」

 

「あ、アナタを仕留める為になんでもやって来たからな……! も、もっともそれでもアナタには全く届いてすら無い。

だからこそここで終わりたくはないんだ!!」

 

「…………………」

 

 

 

 どれだけ鍛えても届かない遥かなる領域。

 どれだけ走っても見えない領域。

 

 本来知る筈もなかった領域を知ってしまったからこそ。

 

 

「さ、さぁもう一度頼むぞイッセー!」

 

「完全に呼び捨てかよ。

まあ、ガキに敬われるような人格しちゃいねーし、それでも構わないが……」

 

 

 龍宮真名は己の殻を破らんと――その名を冠する龍の様に飛翔せんとするのである。

 

 

 

「気が変わったぜ。

もう少し付き合わせてやる―――ただし、今からは簡単には寝かせねぇ。

寝た瞬間たたき起こしてでも付き合わせてやる……!」

 

「え……!?」

 

「は?」

 

「そ、そんな……!

こ、こんな皆に見られてるのに、さ、流石の私でもそんなアブノーマル的なそれは恥ずかしいというか……!」

 

「??」

 

「で、でも、そ、それもまた経験というのなら仕方ないのか……?

わ、わかった……で、でも少しだけ優しくして――」

 

「…………………………………………待てオイ、何突然脱ごうとしてやがる?」

「え? だ、だって意識が吹き飛ぶくらい激しいことを今からされるのだろう? こ、こんな皆に見られる前で……」

 

「…………………………………………………………………………………………………………………。……………………!? バカ! そんな意味じゃねーわガキ!! 今から徹底的にぶちのめして身体に覚えさせるって意味だっての!!」

 

「ええっ!? か、身体に覚えさせるって……一体どれ程激しいことを!?」

 

「……………。もう良い、とにかく普通に服着ろバカ」

 

「ちゃ、着衣しながらの方が好きなのか……な、なるほどそういう事なら―――へぶっ!?」

 

 

 

 頑張れたつみー 負けるなたつみー 終わり

 

 

 

「な、なんかマナ突然向こう側に行っちゃったアル」

 

「一体全体何があったのだろうか……?」

 

「あ、相変わらず容赦しないわねあの男は……って、ネギ?」

 

「ナンデボクジャナインダナンデボクジャナインダナンデボクジャナインダナンデボクジャナインダナンデボクジャナインダ」

 

「」

 

 

終わり




補足

急にフィルターを突破すると、その者に対する以前の態度なんかに対して罪悪感を感じるらしい。

加えて借りまで作ったので、絶妙に、そして嘘みてーに態度がガラッと変わる
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