色々なIF集   作:超人類DX

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育ってた環境がちがったせいか、距離感がバグってる副担任編のネタ


爆弾ポイポイ副担任さん

 

 

 良く言えば平和。悪く言えば張り合いと刺激が薄い。

 

 異世界へと流れ着いた事で殺るか殺られるかといった極限の緊張感から解放された青年は少しずつながら己の異常性が『薄れ』ていっていた。

 

 永遠に進化し続ける異常。

 永遠に極める事無く昇り続ける異能。

 永遠に到達出来ない呪い。

 

 

 世界への反抗と生きる事への執念こそが青年が確立させた無神臓《アブノーマル》の糧である以上、今の生活はあまりにも平和で、停滞を呼び寄せるものであるのは必然なのだ。

 

 

 

「ドライグ」

「ああ」

 

 

 

 事実、彼は異世界にて平穏にも近い生活を続けていく内に、少しずつながら進化の速度が鈍化していた。

 

 

 

「突然で悪いが、お前達にちと頼みたい事がある」

 

「? 頼みたい事―――っ!?」

 

 

 

 だがしかし、青年は無自覚ながらも薄れ始めていた己の精神(アブノーマル)を更なる領域へと続く扉の前まで引きずり寄せたのかもしれない。

 

 

「エヴァ、神楽坂、ネギ先生、長瀬、古菲、茶々丸、チャチャゼロ、小太郎―――そしてその他小娘共。

今日はそんな気分だからよ、全員纏めてかかってこいや!!」

 

『Welsh Dragon Fusion!!』

 

 

 新たな出会いと小さな刺激――そしてその出会いによって確立させた新たな『覚悟』によって。

 

 

 

「『久々の解放なんだ、だから死ぬ気で俺に食らい付けよ? さぁ――――――――――始めようかァ!!!』」

 

 

 託されし最後の赤龍帝の物語はまだ終われない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 京都以来見せなかった異質な形態。

 人と龍が融合した――まさに龍人ともいうべき姿のまま、ヒャッハーした傍迷惑副担任ことイッセーは、破裂しかけていた己の性を解消した事である程度の落ち着きを取り戻した。

 

 その代償にいたいけな少年二人やらいたいけな女子中学生達やらいたいけな吸血鬼やらいたいけな絡繰やお人形さん達がお察しな事になってしまったのはご愛敬だ。

 

 

「あの姿のイッセー先生には近づくこともできませんでした……」

 

「アンタ、本当に反則よ」

 

「死にたく無さすぎてガキん頃から必死に鍛えてきたからな。

そう簡単にゃあ追い付かせんよ」

 

 

 身体のあちこちに傷テープを張りまくるネギやアスナ達と共に出勤をするイッセーはヘラヘラと笑っている。

 

 

「速すぎて掴まえられなかったアル」

 

「そもそも攻撃の動作すら見えずじまいだったでござる」

 

「ギリギリで食らい付けていたのはエヴァンジェリンちゃんくらいだもんね」

 

「当然だ―――と言いたいが、正直動きを捉えるのに精一杯だったよ、この私ですらな」

 

 

 今のメンツにおいて最上位の実力者であるエヴァンジェリンですら動作を微かに捉える事が限界だったと珍しく吐露している。

 それ程までに切り札を解放した状態のイッセーの力は他とは隔絶したものだった。

 

 

「アザゼル先生が夢で言ってたけど、『オレがくたばる前のイッセーとは次元が話にならねぇ程の進化だ』って言ってたわね」

 

「久々にアザゼルさんに褒められたって事かな。

へへへ、ちょっと嬉しいな」

 

「そんなアンタでも逃げなきゃいけなかったって、アンタの居た世界ってのはどんな化け物が居たのよ……?」

 

「まー……気ィ抜いたら手足が吹っ飛ぶは日常茶飯事だったかなぁ」

 

 

 そんなイッセーですら逃げの一手に追い込む、イッセー達の生きていた世界はどれ程の修羅っぷりだったのか。

 

 

「エヴァンジェリンちゃんも、よくこんな変態を手懐けられたわね? はっきり言ってイッセーが人の言うことを聞くようなタイプには思えないんだけど……」

 

「受けた恩に対して潔癖なまでに返そうとする奴だった……というのもあるが、本人曰く『なんか波長が合う』んだとさ」

 

「へぇ……? まあ、無いとはアタシも思ってるんだけど、力で無理矢理言うことを聞かせようとかしてこなかったの?」

 

「トレーニング以外でアイツに手を上げられた事は一度も無い。

私も正直、あれだけの力があるのならと思って聞いたことはあるんだが……」

 

 

 

 彼等が出会ってしまった怪物(ビースト)の君臨する領域はまだまだ高すぎるのである。

 

 

 さて、ここ最近はネギに対するレクチャーだったり、ネギのパートナー的な立ち位置にならんとする少女達への鬼畜レクチャー話ばかりだが、明々後日と迫った学祭についてもきちんと見守っているのだ。

 

 

「ダメだー!! 間に合わないよー!!」

 

「これじゃあ明日も明後日も徹夜だよー!!」

 

 

 出し物をお化け屋敷に決めた3-Aの賑やかすぎる悲鳴をBGMに……。

 

 

「おーおー、頑張れよー」

 

「『頑張れよー』じゃなくて先生もこっち手伝ってよー!!」

 

「手伝ってんだろうが。

誰が材料をここまで運んでやってると思ってんだ? てか今もこうして飾り付けの製作やってやってんだろうがよ」

 

「そっちじゃなくて、もっと力仕事的な……」

 

「俺は居ねーと思ってやるんだな」

 

 

 と、お化け屋敷の飾り付けに使う小物を、意外にも器用にせっせと内職のようにエヴァンジェリンと茶々丸の二人で作りながら、わーきゃー言う生徒達の叫びを流し続けていると、担任のネギが現れる。

 

 

「あ、ネギ先生ー、私達学祭のライブイベントに出るんだよー」

「先生も見に来てよ!」

 

「え、あ、はい……」

 

「あ、そこずるいですー! さんぽ部の学園一周さんぽイベントにも来てよー!!」

 

 

 イッセーとは正反対に多くの女子生徒達からのお誘い話に、人が基本的に良すぎて断れなくなっている状況に、遠くから見ていたイッセーとエヴァンジェリンと茶々丸。

 

 

「おーおー、モテモテだねぇネギ先生は」

 

「なんだ、ああして誘って欲しいのかお前は?」

 

「いや? ………あ、でも年上のOLアラサーのお姉さんにお誘いされたい感はあるな!」

 

「その確率は0%という結果が出ましたが……」

 

「言うだけならタダで良いだろ? え、というか今0%って言ったのかちくしょー!!」

 

 

 基本的に精神年齢が低いと見なされ、元用務員から副担任になった人と言うことしか知らない多くの女子生徒達割りと舐められている感もあるイッセーは、茶々丸から告げらた『非情なる現実』に対して肩を落とす。

 

 多くの女子生徒達取り囲まれ、すっかりネギの取り合い状態となっている中、ネギ――ではなく、細々と作業をしていたイッセー達に近づく二人の女子生徒が。

 

 

「あ、あのイッセーくん……」

 

「取り込み中の所失礼するぞ」

 

「んあ?」

 

 

 実は初対面の時点でイッセーの性格やら何やらにやられた側である古菲と楓だ。

 

 

「が、学祭の日は暇なのか?」

 

「暇? んー、多少時間はあるっちゃああるかもな」

 

「や、そ、その……もし良かったら中武研の演武会を見て欲しいアル……」

 

「で、出きれば拙者の所属するさんぽ部のイベントにもきて欲しかったりするでござる……」

 

 普段のバカレンジャー呼ばわりされる二人とは思えぬいじらしい態度にイッセーは特に気にした様子も無く、何故か無言で作業をしているエヴァンジェリンの方を見る。

 

 

「て、今二人に言われたんだけど、少しだけ行って良いかエヴァ?」

「好きにすれば良いだろ。一々何故私に聞くんだ?」

 

「「………」」

 

 

 まるで母親からの許可を貰うかのような会話に、ぐっと色々と言いたい衝動を我慢する古菲と楓。

 

 

「だって当日はエヴァも暇だろ?」

 

「は? 暇でもないんだが? 私とて所属しているクラブ活動のイベントが……」

 

「囲碁部と茶道部だろ? オーケーわかった、今すぐ其々にナシつけてくるから休め」

 

「「…………………」」

 

 

 

 凄まじく抗議的な声を出したくて仕方ない二人を背に、一応教師の肩書きをもつ者とは思えない事を平然と言い放つイッセーにエヴァンジェリンは呆れた顔だ。

 

 

「イッセーお前、そう言って当日はナンパにでも行くつもりだろう?」

 

 

 お前の考えなぞお見通しだとばかりなエヴァンジェリンに、古菲と楓が『ぐぬぬ……!』している事に気づかないイッセー

 

 

 

「あのな……お前は一応教師なんだぞ? 用務員の頃ならいざ知らず、今のお前は――」

 

「いや、単に当日は学祭ネギ先生達も『トレーニング(アレ)』してる暇なんてねーだろって思ったから、久々に俺とドライグとチャチャゼロと茶々丸だけで遊ばねーかなぁって思っただけなんだが……」

 

「…………え?」

 

「「…………………………」」

 

 

 

 そんな状況で、しれーっと言い放つものだが、てっきりナンパに行こうとしていたと思っていたエヴァンジェリンは、口を三角おにぎりの様な形に開きながらイッセーを見る。

 

 

 

「ナンパじゃないのか……?」

 

「そもそも小遣い減らしてるから金ねーし、最近はナンパする気も無くなってるんだよ。

てか、そんなんしてるくらいならお前の膝を枕にして寝てる方が良いし」

 

「…………………………………………………………………………………………………」

 

「「…………………」」

 

『……………………』

 

 

 気づけばネギを取り囲んでいた女子生徒達も含めた3-A全員の声がピタリと止むと同時に、とんでもねぇ事を涼しい顔して言いやがった副担任を見る。

 

「あ、あのさー先生?」

 

「んぁ? なんだよ?」

 

「今、サラリととんでもない台詞が飛び出た気がしたんだけど?」

 

「?? ナンパはしねぇって話か? マジでやらないつもり―――」

 

「じゃなくてその後、なんかエヴァンジェリンさんの膝で寝るとかなんとか……」

 

 

 殆ど事情を知らない多くの生徒達の目線的には、確かにイッセーとエヴァンジェリンは妙に距離感が近い様な気がするといった認識まではしていた。

 だが、今イッセーが吐いた台詞は距離感が近い処ではなく寧ろ――

 

 

「きょ、興味本位で聞いて良い?? 先生ってさ、まさかエヴァンジェリンさんのこと好きなの?」

 

 

 そんな中、好奇心に負けた一人の女子が恐る恐る訊ねる。

 その時点で『事情』を知るアスナやネギ達は『あ、ヤバイかもしれない』的な顔をしながら、咄嗟に話題を変えようと口を開きかけるのだが……。

 

 

「おう、結構――いや、かなり好きだぜ? それが何だよ?」

 

「」

「」

『』

 

 

 それよりも早く、ノータイムで返してしまったせいで教室内の時は完全停止してしまった。

 

 

「あ、あのおバカ……! ここでそれを平然と言うのはマズイっての……!」

 

 

 アザゼルとの邂逅とイッセーという理不尽で常識外れを相手にしたせいで、基礎IQが急上昇しっぱなしのアスナは、自分には無い勇気をもつイッセーをある意味で尊敬しつつもこの空気で言うのはマズイだろうと天を仰ぐ。

 

 何故ならほぼドストレートに言われたエヴァンジェリンの顔がとんでもない事になっているし……。

 

 

「時よ停まれぇぇっ!』

 

 

 そりゃあ当然、ギャスパーから継承した停止結界の邪眼だってフル発動するのも仕方ないのだ。

 

 

「こ、こ、こここ、こ、ここここここここ!!!」

 

「は? どうしたエヴァ?? 鶏の物真似か? てか、なんで時間を止めたんだよ?」

 

「この大馬鹿者ォォォッ!!! な、なんで今言ったァァァッ!!!?」

 

 

 そりゃあ恥ずかしくもなるし、怒るのも無理はないわ………と、首を傾げるイッセーに真っ赤っかな顔で怒鳴り散らすエヴァンジェリンに対して、そしてその言葉によって真っ白になっている楓と古菲に対して、実は停止の影響を受けてないアスナは同情の念を抱く。

 

 

「なんでって、なんか聞かれたからだけど……てか、停止解除すればよ?」

 

「で、出きるかアホ! バカ!! バカァ!!」

 

 

 多分停止を解除した瞬間、大騒ぎになるのは目に見えるので限界まで停めていたいというエヴァンジェリンの気持ちは何となくアスナにもわかる。

 

 

「そりゃあ、アンタが考え無しに皆の前であんな事言うからに決まってるでしょうが……」

 

「っ!? か、神楽坂アスナ! お、お前、私の神器の力に影響が……」

 

「あー……私もまだ良くわからないけど、なんか私の体質? ってのと、私の中に居るアザゼル先生が手助けしてくれてるからっぽいわ」

 

「くっ、じゃ、じゃあまさか今のやり取りもアザゼルは……」

 

「えーっと、ちょっと待ってて…………うん、うん……………………『イッセーがガキの頃から言ってた女の趣味とは正反対だが、まあ、ある意味で安心したわ』……ですって?」

 

「おお、アザゼルさんとそんな簡単に意志疎通できるのか?」

 

「アンタとドライグの関係性をちょっと参考したのよ。

まあ、軽い会話くらいなら起きてる間でも出きる様になったわ」

 

 

 地味にエグい事をしてのけているアスナに、イッセーは『普通にすげー』と感心する横で、エヴァンジェリンは恥ずかしそうにイッセーの背中を叩きまくる。

 

 

 

「ど、どうするんだ! この騒がしい連中の事だ!! 停止を解除した瞬間にはギャーギャーと騒ぎ立てるぞ!?」

 

「騒ぐのは何時もの通りじゃね? なぁ神楽坂?」

 

「そうだけど、方向性ってのが違うと思うわ……」

 

 

 やはりアザゼルとイッセーの影響で基礎知識が上がっている今のアスナだからこそ、この後完全にエヴァンジェリンが弄られると察しているらしく、割りと本気でエヴァンジェリンに同情している。

 

「あーぁ、クーフェと楓が灰になりかけてるし……」

 

「別に騒がれても良いじゃん。何が悪いんだよ?」

「騒がれるのが嫌なんだよ!!」

 

「む……嫌って事はエヴァは俺の事嫌いなのか? ………普通に考えたら好かれる要素なんて無いけどよ」

 

「そ、そうじゃない! そうじゃないが……ってこらイッセー!?」

 

「まあ、嫌いって言われても俺は離れる気は無いし、別に良いけどよ」

 

「や、やめろ!! こ、この力はまだ集中してないといけないんだ! こんな所で………ひんっ!? ど、どこに顔……をぉ……!!」

 

「あーいや、どうせぶっ飛ばされるんならと思って……」

 

「…………。アンタ、私が見てる事忘れてない?」

 

 

 完全にじゃれ合ってるイッセーとエヴァンジェリンを見て何とも言えない顔をしながらため息を吐くアスナ。

 

 

 

(これが所謂『重い』って奴なのね……)

 

(イッセーの場合は育ってきた環境が環境だからな。

昔もヴァーリ達の事になると後先考えなくなってたからなぁ。

しかしあのエヴァンジェリンとか言うお嬢ちゃん、よくまああそこまでイッセーを懐かせたもんだ)

(あ、そっか。先生の方がエヴァンジェリンちゃんより年上なんだっけ?)

(生きた年数って意味でならな)

 

 

 もっとも、現在そんなアスナも色々と揺れまくりな状況なのであまり人の事は言えなかったりするのだが……。

 

 

(あの二人はあのままにしても問題ねーだろ。

そんな事より、タカミチ……だったか? ソイツを誘うって話は大丈夫なのか?)

 

(え? あー……うん、多分誘わないかも)

 

(は? お前さんは確かタカミチって奴に……)

 

(そうなんだけど……その筈なんだけど……さ)

 

(?)

 

 

 

終わり




補足

用務員ルートとは違い、最早オカン化してるエヴァにゃん。
相坂さんは龍拳で成仏してないから安心せよ。

その2
最近最早ナンパもしなくなったらしい。

そのせいでエヴァにゃんが大変な目に遇わされるんだが……
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