色々なIF集   作:超人類DX

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タイトル通りなんだけど……


単純に匙きゅん×カテレアさんという意味不明組み合わせをイチャイチャさせてみたかっただけというね……


一発ネタ・一誠や一部以外のシリーズ設定をぶちこんだ話

 暗黒に染まろうとも……

 

 その身が闇に堕ちようとも……

 

 変わらない心はちゃんとある。

 

 

 希望は闇の贄になる……いや、そんな事は無い。

 

 俺は俺……他の誰でもない俺自身だ。

 

 

 

 お前は病気と言われて施設にぶちこまれてからもうかなり時間が経った気がするが、俺は生きてる。

 

 施設でも周囲から化け物だと言われ、結局直ぐに自立する事になってしまったけど俺は生きている。

 

 じゃあ開き直って化け物より強くなってやろうと、バカみたいに鍛えてかなり経つけど俺は生きている。

 

 つまり俺は生きている。

 

 

「会長~ 花壇の鉢植え全部変えときました~」

 

 

 学生やって、生徒会やってるし、オマケに悪魔になって寿命も伸びたぜ。

 なぁ、生きてるか生きてないんだかわからん父と母よ……今日も俺は生きてるぜ?

 

 

「ご苦労様」

 

「いえいえ~」

 

 

 学生をやる事になって一年ちょい。

 知らない間に生徒会に推薦で入れられ、知らない間に悪魔と拘わる様になって、知らない間にそのまま転生してという数奇な体験をしている俺こと匙元士郎は、今日も今日とて会長兼王様のシトリー先輩の下で雑用に勤しんでいる。

 

 

「じゃあ俺はこれで帰りますね」

 

「あ、匙……もしこの後も時間があるなら皆とご飯にでも――」

 

「あ、すいません。

ちょっと野暮用がですね……」

 

「あ……そ、そう。

それは残念ね……」

 

 

 理由としては一つ。

 悪魔に転生して寿命を増やす事だ。

 悪魔にも色々とあって、偉い悪魔は自分の眷属を増やす為に悪魔の駒っていうのを使って他生物を悪魔に出来る訳で、このソーナ・シトリーって悪魔もまた俺や他の生徒会のメンバーを悪魔にして眷属にしている。

 

 

「付き合い悪いですね……彼」

 

「用って、何なのかしら……?」

 

 

 偶々彼女が悪魔でしかも王の位置に居ると知ったからこそ俺は『わざと』目立って有用性を示し、下っぱでも良いから悪魔に転生したんだ、寿命を伸ばすのを目的にね。

 

 従って他のメンバーとは違い、確かに王のシトリー会長に忠誠を誓ってるつもりではある。

 しかし彼女の為に死ねるかと問われたら俺は否定するだろう。

 

 理由? 彼女は俺の力を従える。俺は寿命を伸ばすというので十分にWinWinの取引だと思ってるのと……。

 

 

「ただいまー……」

 

 

 これは誰にも――それこそ会長達にも内緒なんだけど、俺には秘密がある。

 父と母に捨てられ、化け物扱いされてからは開き直って一人でわが道を進んでた俺の誰にも言えない秘密……。

 

 

「おかえりなさい元士郎」

 

 

 その秘密とは、実は俺は会長達悪魔からすれば『反対側』に位置してる悪魔を一人密かに……それも何年も前から匿っていたりするのだ。

 バレたら当然ヤバイ……多分最悪今の悪魔達から敵意を持たれること間違いない。

 しかしそんな危険を覚悟でわざわざ会長さんに取り入って悪魔に転生して寿命を伸ばしたのはまさに今、オンボロ激安アパート宅に帰ってきた俺をエプロン姿で出迎えてくれたこの悪魔の女性を少しでも長く守れたらなぁ……という理由である。

 

 

「ご飯の準備が出来てます」

 

「ありがとございます……カテレアさん」

 

 

 暗めの長い金髪、褐色の肌の美人悪魔のカテレアさん。

 この人を人間界で匿ってるなんて連中が知ったらまず間違いなく俺もカテレアさんも良いこと無し。

 しかし人であるままでは余りにも彼女の盾になれる時間は短く、また現悪魔政府の真逆の位置に居た彼女は四大魔王の一人が考案した悪魔に転生させる駒を持ってない。

 

 故に俺は現政府の誰でも良いから悪魔に取り入り、自分自身を悪魔に転生させて寿命を増やしたって訳だ。

 最悪バレたとしても……殺る覚悟の上でな。

 

 

 匙元士郎

 種族・シトリー兵士の転生悪魔

    切り裂き騎士(ナイト・ザ・リッパー)

 

 備考・ボロクズになって人間界に流れ着いていたカテレアと知り合い、そして守りたいが為に長寿を求めて転生悪魔となりし少年。

 

 備考2・ヒーローになりそこなった暗黒騎士(ダークヒーロー)

 

 

 

 

 カテレアの血にはかつての魔王の血が流れている。

 レヴィアタンという、今でこそその座は現レヴィアタンに奪われたのだが、間違いなくその血には魔王の力が流れていた。

 

 故に当初は政権を転覆させ、新たな魔王となった四名のやり方が嫌で自らを旧魔王派と名乗って現政権と完全に袂を別った。

 しかし、日を追う毎に自分からレヴィアタンを奪ったとある悪魔が許せず、ある時カテレアは一人でその悪魔に戦いを挑んで全てを取り返そうとした。

 

 だが駄目だった。

 戦いに敗れ、致命傷を負ったまま惨めに逃げたカテレアは同志であった旧魔王派の面子からも『恥』と断ぜられ、傷を癒す暇もなく追われ……意識が遠退く前の最後の力で一人になれる場所に転移した。

 

 転移した先は人間界。

 数の多いだけの脆弱な生き物と見下す以前に眼中すら無かった生物達の住まう世界に傷だらけのままたどり着いたカテレアは、当時まだ一人で生きていた幼き匙少年と出会った。

 

 

『うわ! お、お姉ちゃん大丈夫!? え、ええっとほ、包帯……!』

 

『………』

 

 

 一人で……文字通り『何でもして』生きていた匙少年の目の前に現れしボロボロのカテレアは、人間ごときが触るなという言葉すら出ないまま彼の前で完全に意識を失い、下手くそ過ぎる治療を受けた。

 

 悪魔故に少し休めば自然治癒するので、2・3日もしたらカテレアは全快した訳だが、その間幼い匙少年はずっと付きっきりでカテレアを看病しており、当初カテレアはさっさと捨て置いて何処かに消えるつもりだった。

 

 だがカテレアはその途中で知った。

 この匙少年の異常性を。

 強い力を宿している事を。

 

 

『え、俺が……?』

 

『そう、私はとある者に負けてしまいましてね。

そのやり返しをしようと思うのだけど、その為にはアナタの様な力が必要なの』

 

 

 レヴィアタンを取り戻す為の戦いに負けたカテレアは、今度は人間の宿す力を利用して軍団を作り、リベンジしてやろうと考え、偶然その力を宿していた匙少年を言葉巧みに誘導し、自分の手駒にしてやろうと勧誘してみた。

 どうせ子供だし騙すのは簡単だと内心ほくそ笑みながら……。

 

 

『うん良いぜ! 力がお姉ちゃんの役に立てるならやるぜ!』

 

 

 結果、思わず呆れてしまうほどにアッサリと少年は自分の為に、例えそれが悪だろうとやると頷いた。

 カテレアはこの時気付いてなかったのだ……。

 

 

『よっしゃあ! 俺やるぜー!!』

 

『……。(馬鹿な子供……。でもこれで……)』

 

 

 目の前ではしゃいでる子供がその力を持つゆえに実の親や周りの全てから迫害されいた事を。

 そして初めて自分が必要とされていると言って貰えた事に心底喜んでいるという事を。

 

 だから匙少年はカテレアの取り繕った台詞にも喜び、カテレアの為にその力を更に伸ばしていき、本来の力を別次元に進化させるまでに至った。

 

 全てはカテレアの為に。

 ただそれだの為に力を磨いていく姿は、徐々にカテレアの心情を変えていく程に……。

 

 

「目的は果たしましたし、後は物凄い災害でも降ればそれを利用して死を偽装出来るんですけどねー」

 

「セラフォルーの妹の眷属になるって……世の中は狭いわね」

 

「俺も知った時はかなり驚きましたよ。

まあ、転生するだけしか用も無いし特にどうとも思いませんけど」

 

 

 そんな出来事を経て、月日を重ねていったカテレアの今。

 人間界に溶け込みながら復讐の機会を伺っている……様にはとても見えず、青年へと成長した匙少年の為にやったことすら無い家事を独学で学んで勤しむ姿は、かつての彼女を知る者からすれば偽物を疑う程に変化しており、今も元士郎の為に作ったご飯を食べてから、かつての自分なら居ることすら嫌悪する狭くて古い建物の一室でのんびりとしているなんて、特にレヴィアタンをカテレアから勝ち取った宿敵のセラフォルーが見たら驚くのは間違いないだろう。

 

 

「今日もカテレアさんは柔っこい……」

 

「それ、太ってると言いたいの?」

 

 

 転生した元人間の事を愛しそうに膝枕なんかしながら優しく頭を撫でてるのなんて見たらひっくり返るかもしれない。

 それほどまでにカテレアは、利用してやるつもりだった少年の馬鹿が付くほどに自分に対して真っ直ぐな姿に惹かれてしまったのだ。

 

 

「あ、そういえば赤龍帝ってのが……ええっと何でしたっけ? グレモリーって所の眷属になったらしいっすね。しかも兵士」

 

「ふむ、それで……?」

 

「で、この前シトリー会長とそのグレモリーって先輩の眷属同士の顔合わせの時にちょっと話したんですけどね? 何つーか、普段からそいつ変態扱いされてるんですけど、まんまその通りだったというか。

俺見て『お前より俺の方がハーレム王に相応しい!』とか何とか」

 

「あ、セラフォルーの妹の眷属も女性が多いから……」

 

「多分それで勝手に勘違いしたっぽいんです。

いや、興味ねーよと言ってやりましたけどね」

 

「あら、アナタも年頃なのだからそういうのは好きじゃなくって? 元士郎?」

 

 

 黒い騎士となり、どんな相手からでも必ず守る元士郎にカテレアは惹かれてしまった。

 だから本音をいうとセラフォルーの妹であるソーナ・シトリー含めた眷属達と仲良くなって自分から離れていくのでは無いかと心配になるし、また彼女達の話題を聞くとモヤモヤしてしまって心にもない事を強がって言ってしまう。

 

 

「無い無い。

好きでも何でもない奴等に言い寄られてもしょうがないっしょ……言い寄られた事は無いですけど」

 

 

 カテレアの膝の上で心地良さそうに目を細める元士郎のキッパリした言い方に内心ホッとする。

 元士郎少年は通ってる学園の男子達から『美少女目的で生徒会に入った』と言われてるのだが、本人からすれば鼻で嗤うレベルのくだらなさだ。

 

 美少女? おいおい、やめてくれ……会長以下仲間達が俺に対してそんな事思うわけも無いし、1億歩譲ってそうだとしても俺は断る。

 

 寧ろ自慢したいね……俺の初恋相手がこんな美人なんだぜ。

 

 

「そろそろ寝ましょう元士郎」

 

「はーい」

 

 

 つまり元士郎は、当初は使い捨ての戦力として利用されていたと思うこと無く、ただただ普通にカテレアの事だけが好きなのだ。

 その好きっぷりは多分、カテレア以外のどんな美少女やら美女が真っ裸で迫ってこようが『結構』の一言で切り捨てられるほどの筋金入りであり……。

 

 

「ちょっと待ってて……今服を脱ぐから」

 

「あのカテレアさん? そんな簡単に言うけど、俺もそれなりの歳になったし……そろそろ色々と持たないといいますか―――あ、あぁ……」

 

「ふふ、そうなったら何時でも好きにして良いわよ? ほら、抱き合いましょう?」

 

 

 赤龍帝の少年の予測を遥か先の道に既に元士郎が立ってたりする等という話しは野暮なのかもしれない。

 

 すっかり慣れた布団に服を全部脱いで入り込んだ眼鏡を外したカテレアが元士郎に抱き締める事を命じれば、何やかんやで元士郎は喜んで彼女の身体を抱き締め……そしてそのまま寝る。

 

 

「んっ……」

 

「ん、ん……元士郎……んぅ……!」

 

 

 抱き合ってる内に目が合い、見つめ合っている内に互いの唇の距離が近付き、そして何度も何度も重ね合わせいく内に…………。

 

 

「元士郎との子供なら強い子になれるわ……ふふ♪」

 

 

 そういう事になっていたとしても、赤龍帝の少年には関係の無い話だろう。

 例え血の涙を流して地団駄踏もうが知ったことではないのだ。

 

 

 カテレア・レヴィアタン

 種族・悪魔

 

 備考・自由時在(チェンジアップ・タイム)

 

 その2・光源氏計画に然り気無く成功せし天然能力保持者。

 そしてショタ時代の元士郎少年を食べてしまった。

 

 

終わり

 

 

 

 暗黒騎士としての力は使わず、わざと最初の力のみで眷属仕事をこなす元士郎だったが、やがて隠し事はバレてしまう。

 

 

「カ、カテレア・レヴィアタンが匙と……ですって!?」

 

 

 真実を知ったソーナや仲間達だが、それ以上の難敵が現れたせいで更なる事実が元士郎の知らぬ所で発覚してしまう。

 

 

「コカビエルおじさん!」

 

「む、朱乃か。

暫く見ない内に大きくなったが……バラキエルのバカからまだなにも?」

 

「良いもん、あの人なんて知らないし。おじさんが傍に居てくれたら私は――」

 

「いやおい……もうお前には仲間が居るだろうに。

というかリアス・グレモリーや仲間達が大ショックを受けた顔を……」

 

「うおぉぉっ!! この悪人顔ぉぉっ! 姫島先輩から離れろぉぉぉっ!!」

 

「特に一人は殺意すら向けてるし……」

 

「やめて兵藤君! おじさんを傷つけたらいくらアナタでも絶対に許さないわ!!」

 

「がびーん!!」

 

 

 近所のおじさんに実は恋した副部長に始まり。

 

 

「おじさんは渡しませんから」

 

「何故アナタの許可が必要なのか、甚だ疑問ですね」

 

 

 天使と修羅場ったり。

 

 

「匙、どうして言わなかったの?」

 

「いや、言ったらカテレアさんと一緒に居られなくなると思って。

俺……あの人の事死ぬほど好きになってるんで」

 

「なっ……!?」

 

 

 こっちもこっちで修羅場ってたり……。

 

 

「バルパーおじさーん!!」

 

「む!? お、お前は祐斗か!? い、生きていたのか……!」

 

 

 バルパーさんが普通にコカビエルの後ろ楯を獲て、おぞましい計画から救い出した子供達を保護しながら孤児施設の園長をしてたり……。

 

 

「コカビエルにバルパー聖剣を返せ!」

 

 

 騙されたままやって来た悪魔祓い相手に四苦八苦したり……。

 色々あったけど……。

 

 

「あの時とは違った意味でリベンジさせて貰うわセラフォルー。

一秒と十秒自由に入れ替える力を使ってね!」

 

 

 彼女はリベンジを開始する。

 

 

……以上、似非でした。




補足

自由時在(チェンジアップ・タイム)

一秒を十秒に、十秒を一秒にといった具合に、時間を瞬時に入れ替えるカテレアさんの能力。

例えば、十秒間に起きた全てを一秒の間に全て起きた事にしたり、逆に一秒の出来事を十秒掛けて行う様にしたりとする感じ……。

ええっと、十秒間に繰り出したパンチが一秒となって相手にぶつけられ、逆に相手の攻撃を十秒にコマ割りさせてしまう……的な。

アレです、植木の法則でググればわかるかも。


 まあ、もっと簡単に言えば、匙きゅんはカテレアさんが大好きなんだと。

朱乃さんはコカビエルおじさん巡って天使とやり合いするんだと。

バルパーさんは良いおじさんなんだと。

曹操はアホでヴァーリはコカビエルの弟子を自称してる素直な少年なんだと……。


そして、この世界の何処かで『もう一人の一誠』がロリ龍神ちゃんとイケナイ事をしてのんびりしてたりと……。


まあ、簡単に言えばごちゃ混ぜした世界なんですと……そんな感じ。
まあ、ふざけただけですわ。

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