鳥猫で悲惨に書いちゃった反動をこれにぶつけてもええやん?
どこかで見た世界とかはお察しにしてもええやん?
短すぎたからオマケ追加したらカオスになっちまったやん……
D×Sチームルート
ゼノヴィアとイリナという少女は、とある少年に物凄く過保護だった。
いや、というよりは危なっかしくて心配だからといった方が正しいのか。
悪魔に使い潰されていた時に再会したという経験があるからより余計に……。
それこそ世界が変わろうとも変わらない。
何故か自分は二人にしょっちゅう心配される。
例えば外に出て日当稼ぎの労働をして普通に帰ってきても、二人は毎回『怪我はなかったか?』とか『誰かに変な事されなかったか?』とか、高々安い仕事をしてきただけなのに、日当の少なさ云々よりも俺の身を心配する。
その理由は長い付き合いだからわかってるんだけど、アレからもう相当な年月が経ったのだし、そろそろ心配しなくても良いんじゃないかと思うんだ。
寝てたら変な奴にこの世界に連れてかれた事だしさ。
私、紫藤イリナと相棒のゼノヴィア・ルイゼンバーンには『共有』という意味で同じ人に想いを寄せ、一緒に暮らしてる男の子が居る。
その男の子はその昔悪魔に無理矢理転生させられ、無理矢理力を使役され、無理矢理関係を持たされて縛り付けられていたという経験をさせられた為、その業から解放された今でも心配で心配で堪らない。
ひょんな事からこの世界に飛ばされ、その日暮らしでのほほんと生きていても、そのスタンスはどうやら変えられそうも無く、今日はソロでお仕事に行ったイッセー君が帰ってきた時も、私とゼノヴィアはまず怪我はしてないかとかの確認をし、その後三人でお風呂に入り、そしてご飯食べて一緒のお布団で眠った。
勿論イッセー君を真ん中にして私とゼノヴィアがその横を挟んで抱きながら寝るのも忘れない。
何年経っても悪魔共に無理矢理受けた仕打ちがトラウマになって魘されるイッセー君に出来る事はこれしか無いのだから。
私とイリナはイッセーという男が好きだから共に居る。
決して過保護にしたいからとかじゃなく、単純にイッセーという男と永遠に共に在りたいという気持ちもあるからである。
それこそ世界が変わろうともそのスタンスは変えないし、仕事をしてお金を稼ぐのも一緒だ。
「蛙狩りか……一匹当たり5万」
「これで良いんじゃない?」
「えー? それよかグリフォンとか狩りたいんだけど」
三人でひとつという、昔から変わらない関係でな。
簡単に説明するなら、イッセー、イリナ、ゼノヴィアの三人は所謂異世界に居た。
その異世界というのは、魔王の支配がうんぬんかんぬんで危機に陥っているらしいのだが、三人にとってはそこは全然重要じゃなかった。
「グリフォン生け捕りで100万なんて良い世界だなここって」
「これだけあれば暫く仕事せずに暮らせそうだ」
「じゃあ明日は三人でのんびりしましょうよ?」
職業案内施設とイッセーが呼ぶ施設内にある食事スペースにて、先程得た日当で飲み食いしながら明日は仕事せずに何をしようかと話し合う。
殺伐としまくっていた世界で生きてきただけに、危険生物の排除程度の仕事なぞ三人にしてみれば片手間にもならない事であり、ぶっちゃけ魔王軍を潰せるかもしれないが、三人にそんなつもりは全く無く、日々を暮らせるお金だけ稼げればそれで良かった。
お陰で変わり種の三人組と同じ職に付く人々から見られるけど、本人達はまったく気にしてない。
「そこのアナタ! 私はアクア、アクシズ教団の崇める御神体、女神アクアよ!汝、もし私の信者ならば………!お金を貸してくれると助かります……」
「は?」
それこそ例え、急に変なのに絡まれたとしてもマイペースは崩さない。
まあ、今回はあまりに急に変な輩に絡まれたせいで面を食らうわけだが。
「は、なに? 宗派? 俺別にどこの宗派に属して無いけど……」
「私はカトリックだが……」
「同じく」
「え、あ、はい……すいません」
水色の髪をした少女に絡まれ、つい普通に宗派を答えた三人に、どうやら思っていた答えを得られなかった様なのか、急に態度を変えて謝られ、そのままトボトボと行ってしまった。
「……? 何だったんだ今の?」
「さぁ? アクシズ教で自分を女神アクアなんて言ってたけど……」
「お金を得るための方便か何かだろう。……というか深く考えては駄目な気がする」
この世界の情勢はある程度既に把握している。
アクシズ教、そして女神アクアの意味も勿論知っている三人は金に困っての行動か何かだと深く考えずに納得し、そのまま食事に戻る。
「……。わずかにさっきの奴から普通じゃない気配が感じたのって気のせいじゃないよな?」
「気のせいじゃないかもしれないけど、深く考えるなイッセー、首を突っ込んだら厄介な事になるかもしれん」
「そーそー、女神様は偶像として考えないとダメよ?」
「……おう」
ちょっと後ろ髪を引っ張られる気分だが、二人が関わるべきじゃないと言うのでイッセーも考えるのを止めて食事に専念する。
ちょっと可愛いかったかも……等という考えも永久的に封印だ。
「さて、そろそろ家に帰ろう」
「そうね、ほらイッセー君」
「んー」
この先また再会する事になるなんて……この時三人は思いもせずに。
100万という大金を手にしたチームD×Sの住む家は、三人で毎日仕事をして貯めたお金で購入したものであり、以前の世界でも無かったマイホームであった。
無駄に広くても意味なんて無い……というイリナとゼノヴィアの意見により、以前の世界でイッセーが住んでたボロアパートの一室を模した間取りの家に帰ってきた三人は、服を洗濯篭に入れると、そのまま浴室に入る。
男女だから別という考えは今更過ぎて誰も言わない。
互いに背中を流し合い、互いに並んで湯船に浸かり、ボーッとしながら疲れを癒して上がり、そのまま眠る為に布団を敷く。
ベッドじゃなくて布団なのはイッセーのこだわりであり、この世界では探すのに苦労した逸品を畳を模した床の上に敷くと、例の如くイッセーを真ん中にイリナとゼノヴィアがそれぞれ左右について横になる。
「この体制じゃないと眠れなくなってしまったな」
「そうね、こうしないと落ち着かないわ」
「俺は毎晩ムラムラするんだけど……」
それもこれも未だにイッセーに対してイリナとゼノヴィアが過保護なせいだったりするのだが、イッセーにしてみれば10代後半の容姿から一切変わってない美少女二人に密着されるとなれば、色々と大変な気持ちになってしまうのは必然。
それでも手を出さないのはそれでどうなんだ? と思うのだが、イッセーにとって二人はそれ程大切だからこそ安易に手を出してはいけないと思っているのだ。
それを世間ではヘタレと言うが、イッセーはそこら辺をある程度自覚してるので実に複雑だ。
「すーすー……」
「む……今日も寝てしまったか」
「うーん、慣れすぎちゃったかしら?」
二人からすれば逆にとっとと手を出して貰いたいからこその行動なのに、結局イッセーは二人に挟まれながらスヤスヤと寝てしまうのでイリナもゼノヴィアもちょっと欲求不満だった。
「でもそろそろ………っと」
しかしそれでもイッセーに文句を言うつもりは無い。
例えそうでなくてもイッセーが自分達を大切に想ってくれてるのは知ってるし、何よりイッセーは意識が無いと実に大胆な事も知っている。
そう、今も呟いたイリナに寝ぼけたイッセーが『放さん』とばかりに抱き着いたのだ。
「んー……」
「む、今日もイリナか……」
「三日連続でゼノヴィアだったんだから文句言わないでよ」
「わかってるさ……でもそろそろ意識がある上で手を出して欲しいものだがな」
「それは同意する――んっ……!」
ピクンとイリナが僅かに身を捩る。
「ふふ……昔からほんと胸が好きだねイッセーくんは?」
抱き着き、胸に顔を埋めるイッセーに頬を緩めながら優しく頭を撫でるイリナ。
お腹の下辺りがじんわりとした熱を感じて切なく思うけど、何時かイッセーが決心をする時までは気長に待つつもりだ。
「この世界にあの白い猫がいない事を祈りたいが……」
「出たらイッセーくんが大荒れしちゃうもんね……。ただ、あの白い猫の子の気持ちも分からないでも無いから複雑よね」
「いっそ狂気ともいえる程イッセーに執着しているしな。
世界を飛び越えたとしても奴なら容易に追い掛けて来そうだ」
何せ、イッセーに自分達並みの執着を見せる白い猫妖怪の事がまだ終わってないのだ。
安心して子供を作るには時間が掛かるのだ。
「ぁ……も、もう……ちゅーちゅーしたら我慢できなくなるのにぃ……」
「なら私に代わって――」
「嫌よ、今日は私の所に来たんだもの……えへへ」
「ちぇ……」
D×Sチームに平穏を。
只のオマケ……ドコニイコウトモ
与えられる全てを愛と決めつけ、覚悟と自覚により悪魔を越えたネオへと進化してしまった少女が居た。
その少女は文字通り際限無き進化をし続け、何時しか全世界の中でも一番の危険生物へとなっていた。
それこそ無限の龍神すらをも食い殺せる程に……。
「へぇ、なるほどなるほど、魔王軍ですか……へぇ?」
「も、もう全部話した! だ、だから見逃してくれ!」
「ん、良いですよ。アナタは不味そうなので見逃します、お好きなところに行きなさいな」
とある場所のとある城。
そこが一体何処かなのかは不明だが、『ほぼ全壊』しているお城の玉座にて、白髪の小柄な少女は恐怖におののいて逃げ惑う一人の人間では無い種族の男をつまらなそうに見逃すと、退屈そうに椅子に座る。
「……」
よくわからないけど、自分はある人を追い掛けて次元の壁をぶち破ったら、この世界に辿り着いた。
勿論この世界がどんな世界かなんて知らないし、今逃がしてあげた男の人は自らを魔王軍所属と言ってたので、もしかしたらと思ったけど、どうやら自分の知る『魔王』とは毛色が違うらしい。
静かに月の光がダイレクトに射す天井を見上げながら考える少女は静かに目を閉じ、世界全体の気配を感じとる。
「……………」
確かに先程見逃してやった男の言うとおり、様々な種族が自分達の世界と同じように多少程度は違えど住んでいるらしいのが気配でわかる。
しかし問題はそこじゃない。自分がわざわざ次元の壁をぶち破ってこの世界に迷い込んだのは、この世界でただ生きる為じゃない。
全ては愛しき人を追いかけてきたからに他ならない。
「………………………。ふふ、みーつけた♪」
そして感じ取れた愛しき人の気配。
間違えようもない愛する先輩の気配。
「はぁ、はぁ……あは、あはは! かくれんぼなんて洒落てますね先輩。お陰で先輩の気配だけでお風呂に入らないといけない事になっちゃいましたよ……」
瞳は潤み、頬は上気し、小さな少女ながらも男の劣情を刺激させる様な妖艶な気配を醸し出す白髪の少女は、自身の熱の籠る腹部に手を置きながら誰も居ない全壊した城の玉座でただただ呟く。
「逃がさない。どこに行こうが、どこに隠れようが、あのお二人と一緒だろうが、例えあの世だろうと私は先輩を探しだします。
ふふ、そうですねぇ……例えば先輩と同じ事をしてバッタリ出会したらそれはとても劇的な再会になりません?」
狂った想いを。
「……。と、いう訳で行きますよオーフィス、先輩を見付けましたので」
そうと決まれば少女の行動は速い。
この世界のある程度の状況は掴めたし、愛しき人が何をしているのかも感覚的に理解した。
と、なれば敵じゃなく味方側に潜伏し、その前に姿を見せる。そうなれば愛しき先輩は絶対にあの二人よりも私見てくれる筈だからと、最早何をどうやっても『愛情』と解釈するほど狂ってしまってる白髪の少女は、元の世界からそのまま付いてきた者の名前を呼ぶ。
「ん……会ってまた殺し会うの? 我は賛成しかねる……」
長い黒髪に黒い真珠を思わせる漆黒の瞳。
白髪の少女と同じ……いや下手したらそ以上に幼い見た目をしているオーフィスなる少女が、反対する様な言葉を発しているが、白髪の少女はクスクスと笑ってとりあうつもりは無さそうだ。
「へぇ? じゃあオーフィスはここに居たら良いんじゃないですか? 私だけ先輩に愛して貰いに行くだけですし?」
「……!? そ、それも嫌だ。我も愛されたい……!」
「なら行くしか無いでしょう?」
「うん……我も行く」
無限の龍神と恐れられた少女は、かつて世界最強だった。しかしそれを越える最狂でベクトル違いではあるものの同じ無限の少女との出会いと、その後見た同じくベクトル違いの大元の無限を宿す少年に惹かれてしまった。
そしてネオと化した白髪の少女と組み、今では少年のストーカーの一人となってしまったのは果たして不幸なのか……。
「まさかアナタも先輩の良さを知ってしまうとは思いませんでしたよ。
というか、私のスキルでその肉体も本物の肉体になっちゃうし……」
「うん、これなら子供産める……」
白と黒の凶悪ロリコンビ……なんて誰が名付けたのか。
厄介きわまりないストーカーとの鬼ごっこは終わらない。
終わり
補足
イリナさんとゼノヴィアさんがイッセーに完璧に付いてこれたらルート。
つまりネオ白音たんとは和解してない。
しかしネオ白音たんは普通に生きてるので……。
まあ、この世界ではのほほんとしてるし、まさか次元ぶち破って来るなんてのは……ねぇ?
その2
ネオ白音たんルートのヤケクソさが無いので、ヘタレて何にもしてないまま。
まあ、進化覚醒で超越したから何時からでもオーケーなんですけどね。
その3
お二人のイッセーに対する過保護さが更に磨かれてます。
それこそ、逆ナンしようなら全力出動オーケー
その4
オマケのせいで結局こうなった。
厄介な事にロリ龍神を取り込んだ状態だから余計やべー