職権濫用してセクハラしようとすれば失敗するという、概ねは普通な日常を送る兵藤一誠。
それがフェイクである事が幼馴染以外にバレてない辺りは本人にとっても良い傾向ではある。
自称姉に対してもそつのない対応だし、波風も立ててない。
その対応でも文句がある輩は居るらしいが、一誠はそれを全部無視する。
所詮ソイツ等がどうなろうと関係ないと割りきっていたし、リアスに婚約者が居たとしても行き着く先は『残念だな』で終わらせるつもりだった。
「グレモリー先輩に婚約者が居たってのにはビックリだし、その婚約に不服で、破棄する為に色々とやってたのは聞いてる限りではわかりました」
しかるに、只今一誠君は来ることの無いオカルト研究部の部室に赴き、半分が普段の態度と凜関連で歓迎しませんな目をしているのも無視で、笑顔を浮かべながら、ファンであると公言する紅髪の美少女に向かって……普通ならありえない言葉をダンプカー衝突事故の如くぶつけていた。
「悪魔のゲームに負けたら大人しく結婚なのは別にどうでも良いのですよ。俺には何の関係もありませんからね。
ですがね、何でその中に朱乃ねーちゃんまで巻き込まれてるんですかね……その相手の男のお相手的な意味でよ」
「そ、それは向こうが提示した条件で――」
「テメーは嘗めてんのか? あ?
有り体に云えば、相手の悪魔男の性処理係に何で朱乃ねーちゃんが含まれてんだだボケ。しかも勝てるかわかりません? そのゲームの前にテメーを殺してやろうか? あぁっゴラ!?」
何時もなら鼻伸ばして『でへへ、グレモリー先輩!』とバカ丸出し態度を示す筈の一誠が、縮こまるリアス・グレモリーに対して、笑顔から一変させた、割りと本気の殺意と輩丸出しの形相口調を向けている件は、恐らく一誠に何があったからこんな事になってるんだと大半は思うだろう。
「い、一誠くん駄目よ? そんな言葉遣いは――」
「朱乃ねーちゃんは黙っててくれ。寧ろキレそうな線を何とか繋げられてるだけまだ俺は冷静だからよ」
そう、朱乃の貞操が危ないという話を聞いたからこそこんな事になっていると知らなければ……だ。
「勝ったら婚約破棄で、負けたらアンタ含めた下僕の女全員が相手の情婦宜しくだと? それを出されて勝てる見込みも無い癖に飲んだ? 流石に俺暴れたくなるんですけど? つーか殺して良いんですか? あ、良いんですね?」
「ちょ、ちょ……そ、それはやめて」
「やめてじゃねーんだよクソボケが! テメーの一族は慈愛のグレモリーって自称してたから下僕になっても問題ねーとバラキエルのおっさんと話し合って反対しなかったんだぞ!? それがっ! 勝てる見込みも皆無なのを知ってて、部下を巻き込んで婚約破棄の為のゲームをやるだぁ? ぶち殺すぞゴラ! つーか、バラキエルのおっさんが知ったらサーゼクス・ルシファーに直談判する事ぐらい察しろや!」
リアス・グレモリーの抱える家同士の勝手な婚約騒動について、相手方のライザーという悪魔が来て散々揉めに揉めた挙げ句決まったのが『婚約破棄か結婚かを決めるレーティングゲーム』だった。
一誠にしてみればそこまではまだ許容範囲内であり、精々頑張ってくれと他人事の様にまだ流せた話だった。
しかし蓋を開けてみれば相手のライザーなる男は下僕を全部女で固める程の筋金入り且つ、もしリアスが負けたらリアスだけでは無く、男である木場祐斗以外の下僕達までその男のモノになるという条件を知った上で受けたことが何よりも我慢できなかった。
何せそれは、もし負けたら朱乃が何処の馬の骨とも知らん男に色々されてしまうからに他ならないのだから。
「やべぇよ、頭やら何やら沸騰しそうで、今すぐこの邪魔な旧校舎を更地にでもしてやりてぇ……!」
「あ、う……」
「あ、あの一誠? 私達は負けるつもりなんて……」
「は? はぁ? 百パーセント勝てるのか? 確実にその何たらってのをぶちのめせるのかよ?」
「だ、だからその為に明日からしゅぎょーを……」
「リミット10日でか? は、何かい、1日で1年分の修行が出来る謎部屋にでも籠るのか? なら納得してやるぜ?」
「い、いや……そんなお部屋無いけど……」
「ほほぅ、じゃあ10日で確実に勝てるんだな? 言ったな?」
「う……」
リアスも凛もかなり予想外というか、徹底的に朱乃に降りかかる良からぬ事に対して敏感過ぎて既に鬼みたいな形相の一誠の言葉に言葉を詰まらせてしまう。
「そ、それは……わからないけど――」
「わかりません。自信はございません。………………何でそんな状況の癖しやがってそんな条件を飲んでくれたの?」
「そ、それはどうしてもライザーとは結婚したくなくて……つい」
「つい? ほほう、ついって言葉は実に便利ですねー? ついそうしてしまったとほざけば流せるんだもんなぁ?」
オロオロしつつも心なしか嬉しそうだったりする朱乃を隣にソファにふてぶてしく腰かけてテーブルに両足を乗せての一誠の言葉に、凛とリアスは言葉を返せずに居た。
特にリアスに至っては、のらりくらりしている一誠が激怒するとは思わなかった事もあって、そこまで大事にされてる朱乃がほんの少し自分の求めるものと重なって羨ましくも思ってしまい、凛に至っては最早涙目だった。
「関係ないくせに……」
「そうだね、普段は他の女性にセクハラしておきながら虫の良い……」
「リンさんの事は無視なのに……」
「あ?」
しかし、そんな一誠の態度が物凄く気に食わない、もしくは納得できないと思う凛側の三人――ちょうど少し前に新たに眷属となったアーシア・アルジェントを含めて、我慢できずにといった様子でボソリと呟いた瞬間、リアスと凛はギョッとし、一誠は血走ったその目を部室の端に居た三人へと向けられる。
「今何て言った?」
敢えて聞こえなかったフリをして三人を睨み付ける。
するとアーシア、祐斗、小猫の三人も負けじと行儀悪く座る一誠を睨むと、口々に言い返した。
「聞こえなかったならもう一度言います。これは私達の問題であって、部外者のアナタには何の関係もありません」
「勿論僕達は負けるつもりも無いよ」
「……。戦えない私と違って、兵藤さんの思っている以上に皆さんはお強いんです」
気に食わないからこその三人のハッキリした意見に、凛とリアスがあわあわとし、朱乃も朱乃で『あ、まずい』といった表情で隣の一誠を見つめる。
すると案の定……いや――
「はっはっはっはっはっはっ……! じゃあ部外者ごときの俺が今からテメー等を半殺しにしようとしても余裕で返り討ちにしてくれるんだな?」
線が完全にぶちギレ、その精神のあり方を示すかの様に髪を真っ赤に染め上げると、一誠は指をボキボキと鳴らしながら立ち上がった。
「やめて一誠君!」
「わ、私が浅はかだったのは謝るから!」
「む、無責任な事を言ったのも謝る!」
それに対して本気で殺りかねないと朱乃とリアスと凛が、慌てて一誠を取り押さえようと躍起になる。
「やってみれるものならやってみてください。どれほどアナタが強いか知りませんけど、私達は負けませんから」
「一度君とは戦ってみたかったしね……ちょうど良い」
「どんなに暴力をふるわれても、私だって負けませんから……!」
売り言葉に買い言葉。
一誠の言葉に対してムッとした三人も啖呵をきってしまいつつ、目が完全にヤバイ一誠に身構える。
「やめなさい三人とも!」
「そ、そうだよ! 一誠と戦っても何にもならないよ!」
「一誠君も言い過ぎよ!」
怒りを糧に全身のリミッターを完全に外す技術、乱神モードとなる一誠の圧力が洒落になってないとリアスも凛も朱乃も全力で双方に訴えかけまくる。
特に凛は内心、自分という異物のせいで本来は信頼し合える仲間となる三人と一誠がここまで仲違いしてしまった事に罪悪感で泣きたくなってしまっていた。
「怒ってくれたのは嬉しいけど、私だって負けるつもりは無いのよ? それでも信じられない?」
「そ、そうじゃなくて、勝てる見込みも無いのに勢い任せでやると言ったのが……」
「私がリアスの立場だったら同じ事を言ってたわ。だから落ち着いて……ね?」
「ぅ……お、おう……」
そして極めつけは、朱乃の説得だけは聞き入れるというこの状況。
リアスと自分に離れるように促した朱乃が、怒り狂う一誠を後ろから抱き締めながら優しく言葉を紡げば、それまで感情に呼応するかの様に染め上がっていた真っ赤な髪が元の茶髪へと戻り、バツの悪そうな顔をする一誠を見せられただけで凛は死にたくもなってしまう訳で……。
「………………。勝手な事言ってすいません……出て行きます」
「え、あ、い、いえいえ……」
「「「………」」」
気まずそうにリアスへと頭を下げてからトボトボとお腹を空かせた野良犬の様な哀愁漂う背を見せながら部室を出て行くのをただただ見送るだけしか出来なかった凛は、はぁ……とため息を吐いた朱乃に対し、モヤモヤとした気持ちを抱くのだった。
「部長、一足早く帰っても宜しいでしょうか?」
「え、えぇ……是非とも彼に付いてあげて」
部室を出ていった一誠の後を追うつもりか、リアスに許可を貰った朱乃が一足早く部室を後にし、やっと一触即発の空気が緩和した事にリアスは大袈裟にも思えるため息を吐きながら疲れたようにソファに座り直す。
「あそこまで激怒する彼を見るのは初めてだったわ……」
「部長……」
「そうよね。いくら結婚したくないからってアナタ達を巻き込んだ条件を飲むなんてどうかしてたわ……」
今になって浅はかだったと反省するリアスに凛が何とも言えない表情をしながら、微妙に納得できない顔の三人へと視線を向ける。
「駄目だよ三人とも……。一誠と戦おうなんて……」
「……。分かってますけど、自分の言った事に間違いがあるなんて思ってません」
「塔城さんの言った通り、普段の彼は他の女性に対して不誠実な事ばかりするし、それが都合悪くなると一方的に部長を責め立てるなんて、道理が通ってないと僕も思う」
「お姉さんの筈のリンさんに暴言も仰ってましたし……」
注意をする凛に対して、三人は納得出来ない表情のまま自分は間違ってないと言い張ると、凛はこれ以上責められずに押し黙ってしまう。
「私が一誠も認めるくらいに強いところを見せてればこんな事にはならなかったんだよね……」
「ち、違います! 凛先輩は悪くないです!」
「そうさ! 僕達だって強いって認められてないし、そもそも知ろうともしない彼にだって問題が……!」
「……」
塞ぎ込む凛に小猫が胸元に顔を埋めて抱きつきながら首を横に振り、それを若干恨めしそうに見つめながら小猫に続く祐斗と、そもそも戦闘員でない事に劣等感を抱くアーシアは凛のせいじゃないと頑なに否定する。
どこまでも三人は凛が大好き……だからこそ、凛を蔑ろにする者が許せないのだ。
三人はどうも可も不可も無い態度をする一誠に普段から不満があったらしい。
「絶対に勝ちます。凛先輩をライザー・フェニックスなんかに渡したくない」
「当たり前さ。何をしてでも絶対に勝つよ……部長の為にも」
「………。私も戦えるようになります……!」
「……………。あ、うん」
抱き付いてきた小猫の頭を撫で撫でとしながら複雑そうにする凛は、確かに嘘偽りやズルも無しに三人から好意を向けられていたのだった。
お門違いなのはわかってるし、何故か一々ウザい三人組に言われた通りに虫の良い話だってのも自覚してる。
しかしそれでも、朱乃ねーちゃんがゲームの景品扱いされてるのがどうしても許せないと思ったんだ。
「………。部活は良いのかよ?」
「先に上がらせて貰ったから平気よ」
旧校舎を出て、風紀委員室に戻った俺は頭を冷やそうと適当に水でも飲んで座ってた所にねーちゃんがやって来る。
「ちくしょう、こんな事ならやっぱり反対すべきだった」
「でもお陰で狙われる事は無くなったのも確かよ?」
「あぁ、そうだね……だが……ちくしょう……っ!!」
俺は正直云って、リアス・グレモリーは置いてにしても、その仲間共もやらが信用できない。
自信過剰じゃなく、奴等全員を相手にしても勝てるくらいに弱すぎるというか、普段鍛えてる様子がまるで見えないから余計に疑ってしまう。
あの姉とやらに至っては何を考えてるのかがまったくわからないし……はぁ。
「確かに表だって狙われる事は無くなったけど、ちくしょうが、どうする……」
「爪を噛んじゃダメよ?」
「ぬ? あ、あぁ……」
癖で親指の爪を噛んでしまってる事を注意されながら俺はひたすらに考える。
自信を持てる進化をするまでの間はリアス・グレモリーに預けたというのに、まさか彼女のいざこざに巻き込まれてこんな事になるなんて。
つーかリアス・グレモリーの兄で魔王らしい奴は何をしてやがるんだ。
「落ち着いてこっちに来なさい」
「…………」
誰も来もしないのに設置してる、学園長室や生徒会室以上に良いソファに腰かけたねーちゃんの呼び声を期待してたのはやはり卑怯なんだろう。
「ん、ほらおいで?」
「………」
ノロノロとその言葉を待ってたとばかりにねーちゃんの隣に座るのは卑怯で間違いないんだろう。
ポンポンと膝を叩くねーちゃんの笑顔を期待してたのは絶対に卑怯であるだろう。
「少しは落ち着いた?」
「少しだけ」
「うふふ、なら良かった。イライラしてる一誠くんなんてらしくないもの」
「………」
膝枕して貰い、不貞腐れた態度にも拘わらず頭を撫でて貰う事を期待し、その通りになって喜んでる自分はまだ弱い。
「私が違う男の人のモノになるかもしれないという話に怒ってくれてありがとう……。嬉しかったわ……」
「怒るだけで行動に移せない俺は弱いんだ……」
「そんな事は無いわ、その気持ちがあるからずっと大好きで居られる。
ズルいけど、一誠君の事が好き……」
根は変わらない、本来の子供っぽい笑顔を見せて貰ってる事自体が虫の良い話なんだろし、やはり卑怯なのかもしれない。
「ん……また、口でのちゅーしちゃったね? えへへ……♪」
「……。おっさんにぶち殺されるのは俺だな……」
けど、いくら卑怯だ虫の良い野郎だと言われても、この約束だけは絶対に破らない。
破りたくないんだ……。
何とか心を落ち着かせた一誠。
けどやはり不安は不安だ。
『随分と焦ってる様だが、そんなに不安か一誠よ?』
その不安な心を見透かす様な声がどことも無く一誠の頭の中に響く。
「……。言彦か」
その声は一誠にしか聞こえない声であり、そして誰よりも聞き馴れた声。
「何の用だ? 俺を笑うのか?」
『笑いはせん。
ただ、儂の出番が訪れそうだからな……げっげっげっ』
目を閉じ、独り言の様に呟く一誠。
その声の主は独特な笑い声を発しながら何処と無くウキウキした様子だ。
『堕天使とやらの次は悪魔か……げげげ、お前の中に居ると新しい事ばかりで退屈せんなぁ?』
「
『いーや、口ではどうとでも言っているが儂にはわかるぞ一誠? お前は既に
「………」
せせら笑うように話す言彦と呼ばれる声に一誠は何も返さずに無言だ。
『なぁに、もし本当に奴等によって朱乃の身に危険が訪れれば潰せば良い……その時は儂を使え』
「…………」
人外すら驚愕した一誠の真実のひとつ。
かつて人外を一億回以上も敗北させた英雄の魂を宿しているというイレギュラー
『お前の敵は儂の敵だからな……げげげ!』
「その笑い方は何とかならないのかよ? もろに悪人だぜそりゃあ?」
『癖だからな、どうしようもない』
獅子目言彦という、異世界の英雄の魂を宿し、意志疎通と共鳴を果たした現代の言彦。
それが一誠のもうひとつの顔だった。
『ところで一誠よ。お前の自称姉はどうなのだ? 奴と奴に懐く連中ではやはり無理なのか? その例の悪魔の
「あれだけ自信満々に吹っ掛けて負けましたとほざいたらそれこそバカだけど……まぁ、期待しない方が良いかもな」
『文字通りの"蚊"というのがお前の判断か。
確かに言うだけのものは何も感じぬ』
終わり
リアス達が勝てばそれで良し。
そう思ってた一誠だけど、内に宿る言彦の言った通り、そう簡単に事は運ばないらしい。
「負けた……ふーん?」
「「「「………」」」」
四人の転生悪魔の罰の悪そうな顔を前に、一誠は冷静に敗北した話を聞く。
「で、朱乃ねーちゃんは何処?」
「め、冥界にまだ……。
部長の結婚式に付いていて……」
「そう。で、お姉さんとキミ達はなんでここに来たの?」
「そ、それは……一誠に謝らないとと思って……隙を見てこっちに……」
一周回ってかなり冷静な態度で自称姉と取り巻き達の話を聞く一誠。
「あ、そう。何と言うかさ……10日くらい前に自信満々に言ってたのにこんなオチってどうなの?」
「………」
雑草以下という認識にまでこれにてなった自称姉と取り巻き達の俯きに一誠は大きくため息を吐く。
「まあ良いや、それで、冥界の何処?」
最初から宛にしてないからこそだからと言えばそれまでだし、憎悪を向けられる内が華とは誰が言ったのか……。
道端の雑草……いや、タバコの吸い殻よりも酷い認識になった一誠は徐に席を立つと、何か言いたげな連中の言葉を無視して冥界に居る朱乃の場所を聞き出す。
「どうせならねーちゃんを連れて来てくれれば良かったのに……いや、キミ達にそれは無理か」
「「「「…………」」」」
「もう良いからそこで休んでなよ。俺が行ってくるから」
「行ってくるって……本当に冥界に乗り込むつもりなんですか?」
「そうだよ? それが?」
「き、キミは人間なんだぞ? そんな事をしたら……」
「だから?」
「き、危険といいますか……」
「そんなものは百も承知だよ。………てかさ、こんな事言うのもめんどくさいんだけど、元々キミ達には何の期待もしちゃいなかったからね。予想できた事だし」
「「「「…………」」」」
ごみを見るような冷たい視線を受けて四人は縮こまる。
ある意味で怒鳴り散らされた方がまだマシだったと思えるくらい、今の一誠から向けられる感情は『無』だった。
そして――
「ア、ロォォハァ~ 大好きな人を連れ戻しに来たそこら辺の人間で~す」
結婚式の場に現れたのは……。
「あ、式の邪魔はしませんから……どーぞどーぞ続けになって。
あ、この人は連れて帰りますので」
「ちょっと待て。人間云々の前に貴様は誰――ガギャア!?」
「あっと手が滑っちゃった? ごめんなさいね…………………………
……………ねーちゃんにおさわりしたゴミだけはぶっ殺すので!!!!!」
現れたのは修羅。
『げーげげげげ!!! 新しい儂の敵だらけで楽しいじゃないか!!』
現れたのは鬼人。
「ねーちゃんに感謝してくださいよ? アンタがどこの誰とどうしようが俺には関係無かったんだから」
「え、ええ……ありがとう。ところで凜たちは……」
「あぁ、あの人達なら人間界に戻ってますよ? なんでも隙見て抜け出して来たとか」
「居ないと思ってたらそんな事を……」
ついでに壊された結婚式。
果たしてどうなるのか……。
「よいしょっと、ふふ……久々に家に帰って来てくれた一誠くんの為にお母さんが用意してくれたの」
「おお、巫女さん衣装……!」
「ほら、下着もつけない……えへへ、ぎゅってしよ?」
嘘
補足
安心院さんもぐぬぬ案件。
言彦と共鳴事件。
ポジション的にはドライグみたいなアレなんで割りと新密度が高い。
その2
流石にねーちゃんが危ないと冷静じゃないのはまぁしょうがない。
本編以上にねーちゃん一辺倒なんで。自称姉の方じゃなく。
その3
巫女さんプレイもあるかもしれない。