色々なIF集   作:超人類DX

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タイトルで予想できるかもしれませんが、あの続きというか蛇足というか……。


オーフィスとさらにいっしょ

 下半身でものを考える転生者を見事に始末した一誠は明くる日、クラスの担任から訃報の知らせでも聞かされるのかと思ったが、何時もの通りに出席を行い、何時もの様に授業を行った。

 

 まるで最初から()()()()()()()()かの様に。

 

 

(奴の席が丸々消えていて、他の連中も最初から神代が存在してなかったように振る舞っている。

……死ぬことでこの世界から記憶と存在ごと消えたのか、それとも他の誰かが消したのか。

考えられるのは奴が贔屓にしていた悪魔達が細工した可能性がひとつ……。

だとするなら面倒だな……俺の存在がバレてしまっているのかも)

 

 

 神代という男子生徒の事など誰も知らないといった様子のクラスを眺めながら一誠は内心舌打ちする。

 オーフィスに何かしようとしていたという理由で頭に血が昇ってつい潰してしまったが、それでも運の概念を否定して通り魔に殺される末路で始末したのは却って彼等に違和感を与える事になってしまう。

 

 神代の作り出した分身とやらと一緒に学園を出た姿をもし贔屓にされていた悪魔達が見ていたとすれば……。

 

 

「失礼するよ、兵藤一誠君は居るかな?」

 

「あ、お前は木場!!」

 

「このイケメン野郎! イッセーに何の用だ!!」

 

「………………」

 

 

 口封じをしなければならない、オーフィスとのほほんと生きる為に。

 オカルト研究部の部員を自称する金髪の男子の訪問によりざわつくクラスの生徒に混じり、一誠は静かに殺意を研ぎ澄ませる。

 

 

「リアス・グレモリーがキミと話がしたいというんだ。

……良ければ来てもらえないかな?」

 

「魅力的だが、イケメン野郎に呼びつけられた気分で嫌だなぁ?」

 

 

 敢えて一度嫌だと断るのは、普段演じてるキャラの為。

 しかし既に一誠は必要とあれば本気で悪魔達の口封じをするつもりであり、ヘラヘラした態度の中に隠す殺意を膨らませる。

 

 

「お願いだ……」

 

「木場君が兵藤ごときに頭を下げたわ!」

 

「酷い! なんてことさせるのよ!!」

 

「勝手に下げただけじゃん! ちっ、わかったよ! 言うとおりにすればいいんだろ!?」

 

 

 木場祐斗という美少年の行動がクラスの女子達を騒がせ、そうせざるを得ない状況を作り上げ、渋々付いていくという体へと持っていく。

 

 

「チッ、余計なことしたせいでまたしても俺は嫌われものだぜ」

 

「あははは、何かごめんね?」

 

「良いから早く連れていけよ、これ以上女子に敵意なんて持たれたくないぜ」

 

 

 本音は持たれようが知ったことじゃないが、エロ三人組の一人として演じなければならないため、尤もらしい台詞を吐いて木場に案内を急かす。

 そして付いていった先にたどり着いたのは今は使われてない駒王学園の旧校舎だった。

 

 

「部長、お連れしました。兵藤君、どうぞ入って」

 

「何だよ、薄暗くて嫌だな……」

 

 

 気配は複数だが、殺ろうと思えば直ぐにでも殺れる。

 案内した木場を含めて実力を計りながらも、表向きは少しビビりながら中へと入った一誠は、案内された通りに備え付けられていたソファに腰掛け、この部屋の主の出現を待つ。

 

 

「………………」

 

 

 その際白髪の少女が食べ物片手に此方を見ていたが、緊張しているフリをして無視を決め込む。

 そして待つこと数分、どうやら少し部室に手を加えていたのか、奥からシャワーの水が流れる音が止まるのと同時に赤髪の少女とそれに遣える様に後ろに控えた黒髪の少女が現れた。

 

 

「ごめんなさいね、昨日()()あってお風呂に入れなかったの」

 

「………いえ」

 

 

 元浜と松田が見たら欲情でもするのかな……等と他人事の様に考えながら適当に返した一誠は、何時でも全員の頭を粉々に出来る様に密かに構えながら対面側に座った赤髪の少女をジーッとガン見する。

 

 

「突然呼びつけた様で申し訳ないわ。

けど、そうでもしないとアナタとちゃんとお話できそうになかったから……」

 

「…………」

 

 

 口封じで殺した後はオーフィスを連れて雲隠れしようと一誠が至極真面目に考えてる事を知らないのか、軽い笑みを浮かべる赤髪の少女……リアス・グレモリーは前置きは必要ないわねと呟いた後に言った。

 

 

「神代来牙は覚えてるわね?」

 

 

 ほら来た! やはりコイツ等のしわざかとリアスの口かは神代の名前が出た瞬間、一誠の身体から目視すら可能な程の殺意のオーラが滲み出る。

 

 

「ピンポイントで俺を呼び出した時から予想はしてたぜ? やっぱり口封じの為に皆殺しにしなくてはならないみたいだなぁ? あ?」

 

「「「「!?」」」」

 

 

 豹変し、その殺意が部室内の備品を少しずつ破壊していく程のオーラにまでになっている事にその場に居た者達は戦慄する。

 

 

「待って、誤解してるわ貴方は」

 

 

 真正面から受けているリアス以外は。

 

 

「あ?」

 

 

 殺意を向けられても軽い冷や汗を流すに留めているリアスにほんの少し有象無象とは違うことを悟った一誠が言葉少なめにリアスを見据える。

 

 

「誤解? 何のことだよ? 俺を呼び出した時点で俺が神代の事故死と関連性があると踏んでるんだろ? そしてその事について俺を呼び出し、仇討ちでも――」

 

「だから違うわ。神代来牙の話の前に貴方に確認したいことがある……まずはそこから聞いて欲しいの。それを聞いた後で私達を殺すなりしても良いのでは?」

 

(この女……)

 

 

 神代来牙をまるで他人行儀の様に呼ぶリアスに少しだけ違和感を持った一誠は殺意を引っ込める。

 しかしそれでも何時でも全員を殺害できるように力は抜かない。

 

 

「…………」

 

「聞いてくれるのね? ありがとう……」

 

 

 微笑むリアスに対して一誠の目付きはまだ冷たく、早く話すだけ話してみろといった威圧が放たれている。

 

 

「何か飲まれますか?」

 

「要らない。早く話をして欲しい」

 

 

 リアスの後ろに控えていた黒髪の少女……姫島朱乃の申し出を断りながら一誠はリアスの言う話を待つ。

 くだらない話なら最早すぐにでも口封じする……そういった威圧が止めずにいると、リアスは重々しく口を開いた。

 

 

「アナタは転生者という存在を知ってる?」

 

「!?」

 

 

 放たれた言葉が余りにも意外で、一誠にとっては余りにも不本意なながら馴染みの深い言葉。

 ほんの一瞬だけ動揺してしまった一誠は思わず歯を食い縛り、再び殺意を滲ませながらリアスを睨み付けた。

 

 

「貴様……何故その言葉を知っている? 誰から聞いた?」

 

 

 この分ではこの場の全員が知っているだろう転生者の存在は、一誠の声を恐ろしいほどに冷たく、低いものへと変えた。

 

 

「……。その分だと神代来牙が転生者だからアナタは始末したのね? きっと彼がアナタになにかをしようとしたから……」

 

「おい、質問の答えになってない。何故貴様が転生者というウジ虫共について知っている? 答えようによって本気で殺すぞ?」

 

 

 転生者に感化された者ならば余計に口封じをしなければ後々面倒。

 しかしリアス達が何故転生者という存在を知ってるのかがほんの少し気になってしまったせいか一誠は動かない。

 

 

「ある日の朝、それまで居なかった筈の存在が血の繋がった者として当たり前の様に居る―――それって恐ろしいとは思わない?」

 

「は?」

 

「突然現れた男がヤケに自分達に詳しいばかりか、その子の姉が恐ろしいほどに男に入れ込み、捨てられただなんて怖いと思わない?」

 

「さっきから何を――」

 

「自分と同じ顔をした存在が現れて、自分の名前と立ち位置全てに成り代わるなんて酷いとは思わない?」

 

「だからそれが……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………。私達はそういう集まり。

転生者という存在によってある者は名前を、ある者は肉親を、ある者は見捨てられた……しかしそれでも生きようとすがるそんな集まり……」

 

「………!」

 

 

 リアスの告白めいた言葉は、今度こそ一誠を動揺させるに充分だった。

 それはこの中に居る者達全員が、転生者によって何かしらを喪っている者達なのだから……。

 

 

「アナタもきっとそう。だから神代来牙を――いえ、転生者を殺したのでしょう?」

 

「………」

 

 

 何故他人行儀な呼び方なのかをこれで理解できた一誠は思わず目を逸らした。

 

 

「大体言わんとしてることは分かった。

だけど、アンタ等が寧ろその転生者の可能性はあるだろう? そしてアンタ等から見たら俺を転生者と疑ってる―――奴等と同列に見られるのは吐き気がするけど」

 

「いえ、それは無いわ。

失礼かとは思ったけどアナタの経歴はこちらで勝手に調べさせて貰ったわ。

アナタは前に別の転生者によってご両親を喪い、運良く転生者に気付かれずに生き残ったアナタは少女と一緒に今を生きている」

 

「!? どこでそれを……」

 

「経歴以外は神代来牙を監視して知ったわ。

………………あの女の子はどうやら神代来牙が欲しがってて、その子を守る為にアナタは――」

 

「チッ……あのウジ虫野郎。筒抜けじゃねーかクソッタレ!」

 

 

 既に始末した神代に対して毒づく一誠は舌打ち混じりに頷いた。

 

 

「あぁ、そうだよ! あのカス野郎、オーフィスに対して欲情して俺から奪おうとしたからぶっ殺してやったさ!」

 

「オーフィス……? ま、まさかあの女の子は無限の龍神だったの!?」

 

「っ!? し、しまった、そこまでは探れてなかったのか……ちきしょう!!」

 

 

 自らオーフィスの事を話してしまい、思わず自分を殺したくなるくらい後悔してしまう一誠。

 だが最初は驚愕していたリアス達も落ち着き、オーフィスの事は絶対に誰にも語らないと話す。

 

 

「クソ……一人や二人じゃないとは思ってたけど、まさかそこまでわらわらと沸いていたとはね」

 

「ええ、私に至っては肉親として現れてるわ」

 

「僕は僕の姿形そっくりの男に殺されかけたんだ」

 

「木場つったか? お前の話が本当なら似てるな俺の状況と」

 

「アナタは何をされたの?」

 

「如何にも整形しましたなツラした男に『邪魔だから』って理由で両親を巻き込んで殺されかけた」

 

 

 信じた訳ではないが、同じ似た境遇を語られて少し口が軽くなってしまってる一誠。

 聞いてみれば他の者達も転生者に大なり小なり何かをされたらしく、先程からジーッと見てくる白髪の少女……小猫に至っては姉が転生者に惚れて捨てられたらしい。

 

 

「最初は普通だった姉も、やがてその人しか見えなくなり、私がその人を怖いと言ったら怒るし、その人とその……身体を……」

 

「どこのウジ虫も似たもんか……クソが」

 

 

 過去を思い出して微かに震えてる小猫に一誠の顔は忌々しげに歪む。

 

 

「それで、信じる信じないは別にしてアンタ等はどうしたいんだ? まさか話す為だけに呼んだ訳じゃないだろう?」

 

「単刀直入に言うわ。

アナタの力を貸して欲しいの」

 

「なに?」

「今の私では双子の姉として存在する転生者をどうすることはできない。

彼女は最早私の姉として肉親達の信頼を得てるし、落ちこぼれの私の言葉は最早誰にも届かない。精々こうして落ちこぼれとして仲間達と怯えながら生きるだけ……」

 

「で、俺が暗殺でもしろってのか? 冗談じゃないぜ、何で直接俺には関係ない殺しをしなければならないんだ。

俺はオーフィスと一緒に生きられるのなら後はどうで良い」

 

「違うわ。アナタはそう思ってるけど、転生者にとってはそうじゃないのよ。

オーフィスがアナタの傍に居るのなら彼女の名を語って創られた組織とは関係ない。

けれどオーフィスの名を勝手に使ってる以上、もしもその組織が大きな事件を起こせばオーフィスが悪者になってしまうし、私達の予想ではその組織にはまだ多数の転生者が居る筈なのよ」

 

「私の姉もその組織に」

 

「は? そう言えば神代もその組織に所属していると聞いたが……まさかとは思うが、キミの姉とそういう事になった相手は……」

 

「………先輩の思ってる通りです」

 

「………聞かなきゃよかった事実だな。

お陰でキミの姉には相当恨まれそうだぜ……どうでも良いけど」

 

 

 俯く様にしてうなずく小猫に一誠は何度目になるかもわからない舌打ちをする。

 オーフィスに欲情理由で浚おうとした時点で予想はついていたが、それで良く自分に変態野郎だなどと言えたものだと反吐が出る思いだ。

 

 

「で、アンタの双子の姉とやらは?」

 

「……。猫は被ってるけど基本的に私を邪魔に思ってて、色々な男性に色目を使うわ。

私の従兄弟然り、私の甥っ子しかり……」

 

「何でこうも同じ様な連中なんだか……」

 

「ちなみに甥っ子に至ってはまだ幼いわ……」

 

「死ねよクソが!」

 

 

 まともな奴が誰も居ない事実に嫌悪感が爆発する。

 しかも数も多数と知った今駆逐するにはかなりの労力と時間も掛かるので、毒づかずには居られない。

 

 

「オーフィスと話し合わないとならないなこれじゃあ。

ゴキブリ共が思ってた以上ゴキブリみたいにわらわらと居やがるってね」

 

 

 思っていた以上に暮らしづらい世界だと分かって席を立つ。

 

 

「まだアンタ等から話を聞く必要があるみたいだし、場所を変えさせて貰うよ」

 

「それじゃあ……」

 

「まだ協力するとは言ってないぞ。オーフィスと相談して決める。だからまずはウチに来て貰いましょうか?」

 

 

 転生者が蔓延る世界に生きる者として……。

 

 

 

 

 どうしようもない世界である事を知ってしまった一誠は、普段は二大お姉様だのマスコットだの王子様だなどと持て囃されてるとは思てないくらいに弱々しい悪魔達を連れて自宅に帰る。

 

 

「おかえり……………だれ?」

 

「訳あって連れてきた」

 

「こ、この子がオーフィス……?」

 

「と、とてもそうは見えませんわね………」

 

「背も私とそんなに変わらない……」

 

 

 一誠が知らない雌と雄一匹を連れ込んだという事で一瞬だけオーフィスは頬を膨らませようとしたが、その目が真剣だった為取り敢えず上げてあげた。

 

 

「……。イッセーから奪った奴と同じ存在がまだそんなに居た……?」

 

「ああ、しかもどいつもこいつもこの前お前に欲情して拐おうとした間抜けみたいな思考回路らしくてね。

このままこの場所に留まってたらウジャウジャと現れるかもしれないんだ」

 

「そう……」

 

 

 ベッドの上では無くその横に背を預けて腰掛ける一誠をベッドの上に腰掛けたオーフィスが頭を撫でながら困った様な顔をする。

 

 

「事情はわかったけど、我とイッセーがお前達から奪った連中を消す意味が無い」

 

「それはわかってるわ。さっきも彼に同じことを言われたもの。でもどうてもアナタ達の力を貸して欲しい……アナタ達に鍛えて貰って自分達でケリを着ける為に」

 

 

 頭をこれでもかと下げるリアスと仲間達。

 

 

「どうするイッセー……?」

 

「…………」

 

 

 その結果……。

 

 

「妹がお世話になってるみたいで……キミが新しい妹の兵士くんね? ふふ、私は――」

 

「邪魔だ不細工、クセェ香水撒き散らすなゴミが」

 

「なっ……!?」

 

 

 

 

「この消え損ない! アンタがイッセーに余計な事を吹き込んだせいでイッセーがモノにできないじゃない!!」

 

「ぐ……うぅ……!」

 

「ふん、こうなったら媚薬でも使って――」

 

 

 オーフィスとの安心安全の為に無限の進化をし続ける少年は動く。

 

 

「完全に追放されたどころかはぐれ悪魔になっちゃったわね私達……」

 

「それでも私はリアスについていきますわ」

 

「私も同じです」

 

「僕もです! 何がなんでも部長をお守りしますから!」

 

「俺もついでに指名手配されちゃったし……あーぁ」

 

「我思い付いた……」

 

 

 本来あった繋がりを得ながら……。

 

 

「本当の意味で我の組織を作ろうと思う。

我の名を使う奴等に対しても牽制できるし、今の我達ならそう簡単に手は出されない」

 

 

 本来とは別の道を……。

 

 

「イッセーが良いと言うなら交尾しても我は怒らない」

 

「は!? 何を言ってるんだオーフィス!?」

 

「でも一番は我だけ……ふふ♪」

 

 

終わり

 




補足

……とまあ、単に敵対させては芸がないと思った結果、転生者うじゃうじゃルートに……。

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