色々なIF集   作:超人類DX

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基本……基本は原点返りのイチャイチャなのだよ。


許せない唯一のモノ

 私を見て大袈裟に驚き、そして怯えた二人組の悪魔祓いの一人やら、何故か来た姉の事などどうだって良い。

 

 私にとって重要なのはそこじゃない。

 

 

「わざわざ此方に来られるとは。

連絡してくだされば準備をしてお出迎えしましたのに」

 

 

 入れ替わる様な形で現れた姉。

 雨にでも濡れたのか、少々大衆に見せてる元気が無い魔王レヴィアタンを手に入れた姉に私は笑って迎えたまでは別にいい。

 何の理由でわざわざ姉自ら現れたのかとか、何故その姉の登場に合わせて椿姫以外の眷属達が戻ってきたのかも全てがどうでもいい。

 

 何度も言うけど、重要なのはそんな話ではない。

 

 

「お願いだから、あの赤龍帝の子とは関わるべきじゃないよソーナちゃん……」

 

 

 姉のこの言葉とそれに同意する様な眼差しを向ける椿姫以外の眷属達に私は多分今、無表情になっているんだろうな……。

 

 

 

 あまりにも一誠という存在がソーナに悪影響を与えていると身に染みて理解したセラフォルーは学園の門を潜った時に出会したソーナによそよそしくなった眷属達と共に生徒会室に向かい、相変わらず何を考えているのか読めない妹に回りくどいのをやめにして関わりを断つべきだと話す。

 

 するとそれまで笑っていたソーナの表情は恐ろしいほどに冷たいものへと変貌する。

 

 

「いきなり来て何を言うかと思えば――――そうですかお姉様、唯一の宝物すら私から取り上げるんですね?」

 

 

 親からすら理解されず距離を置かれ、周囲の同族達からですら異様な存在として見なされ続けたソーナはそれでも笑って許した。

 だからこそ、ソーナにとって生きる意味となる一誠の事を触れてくる第三者の存在は許せない。

 

 ましてや今放った姉の言葉と様子を推測するに、どうやら自分より前に、恐らく先程まで一誠と会ったのだと察する事ができる。

 ましてや、姉という肉親の言葉ならある程度耳を傾けるだろうと思ってる椿姫以外の者達の言葉は――

 

 

「こんな事を言うべきじゃないのはわかってますが、それでも言わせてください――――会長は間違ってます!」

 

「最初はあの兵藤君が会長の事をからかうだけの変な人だと思ってましたけど、今ならわかります! あの人はおかしいんです、その存在全てが!」

 

 

 ―――――笑って許せるものではなかった。

 

 

「間違ってて、彼の存在がおかしい……ね」

 

 

 その場の流れで兵士にしてしまった少年の言葉に続く様にして次々と一誠や一誠に関わる自分が間違えてると訴える眷属達にソーナは小さく呟き…………。

 

 

「石を投げられても、ゴミと罵られようと、殴られても、蹴られても、汚水を掛けられても、私はその全てを運が悪かったと思える。

けど…………彼と関わるなだのと知った様な事を言われるととてつも無く頭に来るわ」

 

 

 今まで一誠か一誠の両親にしか見せる事が無かった感情を、凄まじい憎悪の形相を浮かべるというやり方で示しながら、その身から穏やかになびく蒼いオーラを放った。

 

 

『うっ!?』

 

 

 その表情は凄まじく、例えるなら、とある負完全が、そのスキルをもってしても死んだ者を無かった事にはできないと言った矢先に、人外がその対象人物の夢の中から復活させた時に浮かべた、負の全てを集約させた様な凄まじい形相であり、肉親のセラフォルーですらその形相を前に自然と足が後退した。

 

 

「そ、ソーナ……ちゃん……?」

 

 

 ある意味終始ヘラヘラしたまんまだった一誠より衝撃は凄まじく、次々とソーナの行動が間違えてるだの、一誠の存在自体が間違えてるだのと言っていた眷属達に至っては放たれる明らかに異質なオーラを受けて失神すらしそうになっていた。

 

 

「ベラベラとどいつもこいつも知った様な事ばかり言う。

間違ってる? 存在が終わってる? 誰かの決めた法だの正しさ等に興味なんか無い……!」

 

 

 初めて見せた妹の負の感情にセラフォルーは完全に狼狽える中、ソーナはその身から放つ蒼いオーラを靡かせながら言う。

 

 

「私から彼を取り上げられるものなら取り上げてみろ、親だろうが許さない! 散々私を欠陥品扱いしておきながら何故一々干渉する!!」

 

 

 散々自分を欠陥品として腫れ物扱いしておきながら、自分と同じ存在を知った途端干渉してくる全てが鬱陶しい。

 その理由にしても同類同士が繋がる事で自分達にとって害になるのを単にやっかんでるだけだというのが態度でわかるからこそ、ソーナは穏やかに靡く蒼いオーラを時折白銀色に変色させながら怒号を放っている。

 

 

「理解されるつもりなんて無い、されたくもない! 私にとって彼は全てなのよ! その私から彼を――一誠を取り上げるのであるなら…………敵よ!!」

 

 

 魔力とは全く異なる異質――されど恐ろしくクリアな何かを放っているせいか、その瞳の色は灰色に変色し、黒髪が緩やかに靡いている。

 それは例えるなら、悪魔である筈なのにどこか神々しく、それが余計に今のソーナが果てしなく異質で異常で理解しがたいと感じさせていた。

 

 

「か、会長! 俺達やセラフォルー様は会長を敵だなんて思ってません! ただ兵藤と関わるのは――」

 

「黙りなさい……! それ以上余計な事を言うとおかしくなって八つ裂きにしかねないわよ……!」

 

 

 この時、兵士の少年の言葉に対して明確な殺意を放ったソーナを見てセラフォルーは思い知った。

 何故一誠が自分の忠告を前に余裕だったのかを。

 

 

「急にセンパイの力を強く感じると思って戻ってきてみれば――セイセイセイ、その状態になったら小突いたつもりでも相手を殺しかねないぜセンパイ?」

 

「ひょ、兵藤……お、お前帰ったんじゃ!?」

 

「帰ろうとしたけどセンパイにめっちゃ甘えたいから戻ってきたぜ」

 

 

 

 ソーナと自分はどう足掻こうが離れる等しないと確信してるから。

 

 

「一誠……うん、わかった」

 

 

 音も無くソーナの背後に姿を現した一誠を見てセラフォルー達は唇を噛んで睨む。

 

 

「もうセンパイから聞いてると思うけど、俺はセンパイと例え離れていようが、その気配はしっかりと感じることができる。

だから俺を引き剥がしたところで無駄になるだけなんだよ」

 

「お、お前のせいで……お前のせいで会長は!!」

 

「へぇ、俺のせいだと言いたいのか? ちょっと他と違うだけでセンパイを腫れ物扱いした悪魔達にも原因があるとは思わないのか? と、いうかだ……ちょっとセンパイが自分を晒しただけでよそよそしくなったキミ達に文句言われても何とも思わないな俺は?」

 

 

 傍らに立ち、自分のせいだと責める様に睨む面々に対して皮肉を飛ばしながら優しくソーナの頭を撫でる。

 たったそれだけの行為がソーナを落ち着かせ、放たれた異質なオーラも引っ込む。

 自分達がいくら言っても取り付く島がなかったのに、こうも簡単にソーナを落ち着かせて見せた一誠に眷属達は悔しげに睨み、セラフォルーに至っては先程のやり取りもあって殺意すら向けている。

 

 

「自分をさらけ出した瞬間無意味に敵意や殺意を持たれるのには慣れっこだぜ。

だがこれで解ったわ――」

 

 

 だがその殺意すら――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――センパイのお姉さんに余計な事を言ったのはお前等だろ?」

 

『ひっ!?』

 

 

 ソーナとは正反対の荒々しい鮮血の様な赤き怒濤のオーラを放った一誠にとっては無価値に成り下がってしまう。

 

「センパイの家族に言ってくれたお陰で俺はどうやらかなり嫌われた様でね。

まったく、何を言ったのか知らないし世間的にはキミ達の方が正しいと言われるんだろうが………若干ムカついたよ、なぁオイ?」

 

 

 生徒会室の備品が、一誠の放つオーラのせいで壊され、窓ガラスが割れる。

 その荒々しい力の奔流はまさに龍帝であり、本能的に力の差を無理矢理理解させられた眷属達は恐怖のあまりその場で吐いてしまう。

 

 

「センパイは悪魔だけど、俺は大好きだ。

けどさ――別にセンパイ以外の悪魔はどうでも良いんだよ…………言ってる意味はわかるよな?」

 

「こ、殺すのかよ会長の眷属の俺達を!」

 

「露骨にセンパイを避けておきながら眷属ねぇ? 随分と都合の良い言葉だな? ていうか殺すなんて物騒な真似する訳ないだろ?

それとも何だ? お前は自分で誰かに命を狙われる程の重要な人物とでも思ってる様なクチか? 良いね、その世界が自分を中心に回ってます的な発想? 嫌いじゃないぜ?」

 

 

 保険はやはり打っておいてよかった。

 ソーナの信頼の全てを一身に受ける一誠の姿を見て思ったセラフォルーは前もって立てておいた別のプランを発動させる決意を固めた。

 

 そのプランにより最悪この街が消え去る危険性もあるが、ソーナを取り戻す為なら多少の犠牲は仕方ないと自分に言い聞かせながら……。

 

 

(絶対にキミだけは消す……)

 

 

 実に魔王らしく、悪魔らしくセラフォルーは戦争時代に知った戦争狂を思い浮かべた。

 

 

 ちなみに……

 

 

「そういやセンパイの言ってた教会からの使いらしき二人組の女子とさっきそこで鉢合わせしたんだけど、片方が俺の顔を見て、名前を言い当てて来たと思ったら急に『あの時はごめんなさい』とかひたすら訳のわからん謝罪をされたり。

俺は全然その女の事知らないのに……ありゃ何だったんだろ? もう片方はいきなり持ってた剣で斬りかかってきたし」

 

 

 等という事があったとか無かったとか。

 

 

 

 

 

 

 最初に話を持ち掛けられた時は断るつもりだった。

 しかし詳細を聞いていく事で知り、それが余りにも自分に酷似していたからこそ、堕天使である己に悪魔の――しかも四大魔王の一人が持ち込んだ依頼を受けた。

 

 見る為に。

 

 

「どうやらこの街にミカエルが派遣した悪魔祓いが入り込んだらしい。残り二本の聖剣と共にな」

 

「では回収に……?」

 

「やり方はお前等に任せる。俺が動くのは魔王の妹達を介して冥界に宣戦布告をする時だ」

 

 

 どこかのホテルの一室にて、見るからに悪人顔で、ギザ歯に尖った耳という人外めいた風体の男が初老の男に指示を送っており、初老の男は軽く頭を下げながら部屋を出ていく。

 

 

「……こういう時程俺のこの顔は使えるな。

お陰でバルパーは完全に信じてやがる」

 

 

 初老の男……バルパーが部屋を出ていき、部下と思われるはぐれの悪魔祓いに指示を送りに行ったのを見送った男――堕天使コカビエルはまるで他人事の様に笑いながら深々とソファに腰を下ろし、天井を見上げた。

 

 

「魔王程度にへし折られた聖剣を今更元に戻した所でどうなる訳でも無いが、あの老いぼれの様な連中にとってはそれが重要なんだろう、俺が五本ほど強奪した様に見せかけてお前から借りたのを渡したらアッサリと俺の言うとおりに動くようになった――まったくもって単純な連中だ」

 

 

 部屋にはコカビエルの姿しか見えない。だがコカビエルはまるで誰かに対して話してるような様子だ。

 何故か? それは今ソファに座って一人に見えるコカビエルの背後に音も無く姿を現した存在が居て、その人物に話していたからに他ならない。

 

 

「でもお陰で私達は動きやすくはなったのではなくって?」

 

 

 頭上に光輪を持ち、見るものを魅了する程の美しき金髪と容姿を持つ女性。

 本来ならば立場上、この堕天使であるコカビエルとは敵対関係の位置に所属する筈の純天使と呼ばれる種族の女性は、まるで昔からの仲を思わせるような砕けた口調でコカビエルと話している。

 

 

「セラフォルー・レヴィアタンがわざわざ消してほしいと言う赤龍帝の小僧か……。最初はアホらしいと断るつもりだったが、まさかだった事には心底驚いたもんだ」

 

「ええそうね、まさかセラフォルー・レヴィアタンの妹とその少年が私とアナタと同じ境遇だなんて……」

 

 

 コカビエルが何となくで背から6対12の漆黒の翼を広げながら心底愉しそうに笑うの頷きながらその女性もまた6対12になる純白の翼を広げて微笑む。

 

 

「殺すだの消すだのはどうでも良いとして、この目で直接見てあわよくば戦ってみる価値は聖剣なんぞより余程価値がある――だろ、ガブリエル?」

 

「私は別に戦いたいとは思わないわよ。ただ、同じ境遇を持つ者同士なら話も合いそうだとは思うけど」

 

 

 名をガブリエル。表向きは天界最高機関であるセラフのスートハートのリーダーだが、その実は天使という枠を完全に超越し、あろうことか堕ちた天使となった集団が作り上げた組織の最高幹部の一人――と、いう位置になってるコカビエルの――――――同類だ。

 

 

「人間と悪魔の同類か。

セラフォルー・レヴィアタンはどうやら妹の気質を理解できず、その人間の小僧が気に入らずにわざわざ俺を使って消したい様だが――――まぁ、無理だろうな」

 

「セラフォルーの妹もそうだけど、まだ子供の年齢なのに相当の領域ですものね。セラフォルーも実に悪魔らしくなっていて何よりだわ」

 

 

 この二人がこうして気安く話す仲であることは誰も知らない。

 其々の同族達ですら、寧ろ顔と名前だけは互いに知ってる程度の関係でしかないとしか思ってない。

 しかし実情はまったくの正反対。

 

 敵同士でありながら互いに宿す他には持ち得ないナニかを持つ者同士の同類にて最良なるペア。

 

 一誠とソーナがそうである様に……コカビエルとガブリエルという堕天使と天使の二人三脚。

 

 

「楽しみだぜ……心の底からなァ」

 

 

 同類を持つもうひとつの人外ペアだ。

 

 

「そうね、向こうは隠すこと無く仲良くしてるみたいだし」

 

「スリルがあって楽しいと言ったのはお前だろうが。

もっとも、俺も俺でこうしてお前と顔を合わせてないと落ち着かなくなっちまったがな」

 

「私も同じ様なものね………で、ところでコカビエル? 聖剣を楽に奪える様にしたのだからお礼が欲しいのだけど?」

 

「あ? 人間の間で流行ってるブランド物の財布でも買ってやろうか?」

 

「要らないわよ! 折角どちらの監視も無い人間界のホテルで二人きりなのにデリカシーの欠片も無いのアナタは!?」

 

「? ……あぁ、何だ、抱いて欲しいならさっさとそう言えば良いだろう? お前は昔から一々回りくどい」

 

「だ、だって……」

 

「わかったわかった、皆まで言わんでもわかってる。ほんの冗談だろ、真に受けるなよ」

 

「時折意地悪ですコカビエルは……」

 

 

 唯一互いを真に理解しあえるからこそ惹かれ合う。

 軽くからかわれて拗ねたガブリエルに対してケタケタとコカビエルは笑うと、ソファから立ち上がって彼女の身体を抱える。

 

 

「ミカエルが知ったらなんて顔するだろうな?」

 

「それはアザゼルに対しても言えるのではありませんか?」

 

 

 甘える様に首に腕を回すガブリエルをダブルサイズのベッドの上に寝かせ、着ていたシャツのボタンを緩めるとスプリングの軋む音を立てながら入る。

 

 

「妙な縁からまさかこうなるとはな……堕ちないのが不思議だぜガブリエル」

 

「否定できないのがちょっと悔しいけど、しょうがないじゃない――――私はアナタを愛してるだけの女なんだから」

 

 

 互いに顔が近づき、囁く様な声色で言葉を交わし合い、やがて重なる唇。

 天使と堕天使の影はひとつとなる……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よしよし……ふふ、今日の一誠くんは甘えん坊さんね?」

 

「センパイ……好き」

 

「あの……兵藤くんのお家にご招待して頂いて光栄だし、思ってた以上に兵藤くんのご両親によくして頂いて嬉しいのですが、凄まじく目のやり場に困るのですけど……」

 

「それはちょっとだけ悪いと思ってるけど……んっ♡ こうなると一誠は止まらないのよ」

 

「そ、それはもうみたら分かりますけど……こ、こんな大人な……」

 

「アイマスクと耳栓ならある……あっん♡ も、もう一誠くんったら、椿姫が見てるのにそんな所をくんくんしたら恥ずかしい……あぁっ♡」

 

「あ、あわわわ……! か、会長があんな事に……は、はぁ……はぁ……あ、あれ? か、身体が熱い……」

 

 

終わり




補足

多分過去最大に互いの距離が近いっつーか……もうほぼゴールしてたりする堕天使&天使。

……つーか、なんつー組み合わせだし。


その2
ソーナさんの戦闘力……普通に一誠とほぼ同等にて、色んな技術を共に開発してる。

そのひとつが、今回端的に滲み出した某身勝手の極意的な何か。

つまり……強い(確信)
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