前回の続きの更新と入れ換えて消します。
誰かが言いやがった、ロリコン野郎って。
俺は必死に違うと否定してるのにロリコンと言われてしまう。
意味がわからないし、第一つるんでる奴等は全部俺より年上なんだっつーの……。
いや……まあ、見た目は確かに小学生くらいかもしんないけど。
兵藤一誠の朝は割りと……普通だ。
普通に起きて、普通に食べて、普通に運動して、普通に戦闘力の底上げをして、普通に進化して、普通に汗を流して、普通に二度寝して、普通に叩き起こされて……とまぁ多分きっと普通に普通な生活を営んでるのかもしれない。
普通の人達と比べて違うとするなら、両親が事故で他界してしまって既に自活させられてるとか、何時から居たのかも分からない双子の兄らしき男が居るとか――
「おい、朝飯出来たんだけど……」
「だぁぁぁっうるせぇ!! ……あ、ごめん、兄貴の事じゃなくてこのガキ共の事で……」
割りと普通に共闘して生活してるとか……。
その共闘生活の最中に樹液に集まるカブトムシの如く幼い見た目の少女達がわらわらとひっついてくるとか……そんな感じだった。
「アーシアが待ってるんだけど……」
「わかってるわかってる、おいバカ共も早くしろ」
「む……仕方ないッスね。勝負はおあずけッスよ」
「次は負けない」
「私だって負けませんよ」
「………」
転生者・兵藤誠牙は目の前で繰り広げる双子の弟という事になっている一誠と、その一誠に吸い寄せられる様にして集まった混沌すぎるメンツに『何でこうなった……』と一人呟いた。
よくわからない理由……神曰くミスッて殺しちゃったからお詫びにこの世界に送る――等とコッチの返答も無く無責任に欲しがりもしてない力をねじ込まれた挙げ句原作主人公の双子の兄として転生させられ、じゃあ小市民の様に目立たぬようこれから先様々な試練が待つハーレム王でも遠巻きに眺めていようかと思いきや、いきなり原作から剥離する最悪な状況――つまり両親が事故――いや殺され、挙げ句の果てには一誠に自分が本当の意味で双子の兄では無いと見抜かれてしまう。
まあ、その事に関しては事情を一から全部話して何とか理解して貰えたばかりかかなり同情され、今では兄貴と呼ばれる様になり、両親が死んだ今なんとか二人で力を合わせて生きようという事になって、色々とこの先の事を踏まえて鍛えたりもした訳なのだが……。
「やったぜ! 豆腐の味噌汁じゃん!」
「安かったからな豆腐が。それにお前好きだし……」
「流石兄貴! ヒャハー!!」
割りと悪くないかも……イッセーという人物は楽しい人物だし……等と思い始めて来てからある日の事。
赤龍帝という強力な神器の引き出し方をほぼ薄れていた記憶を頼ってなんとかイッセーに伝授しつつ、自分も神から無理矢理ねじ込まれた力を引き出す訓練をしていた時、原作にはなかった力がイッセーに発現。
曰く、永久に限界無く進化し続けるという――今嬉しそうに豆腐の味噌汁を飲む弟の横にちゃっかり居座る長い黒髪の少女の正体に物凄く似たり寄ったりな性質との事。
しかも凄いことに自分が懐に入れた相手をも引き上げて進化を促すものだから、自分どこかこのメンツの殆どがイッセーによって引き上げられているのだ。
「流石ですねセーガ先輩は」
右から白髪で小柄な美少女と。
「イッセーの料理と違って繊細ッスね」
つり目気味で金髪の……やっぱり小柄な美少女と。
「………」
黒い目と長い黒髪で……これまたやっぱり小柄な美少女と。
とにかく全体的に幼い見た目が共通の少女達は特にイッセーに惹かれたというのもあるせいか、元からどこかしら凄まじかったにせよ進化しており、唯一普通なのが、今誠牙のとなりに座りながら微笑む金髪緑眼の美少女のアーシアくらいだろう。
「ごっそさん」
「おう、食ったら学校行く準備しろよ?」
「わーってるわーってる」
気付けば原作に出てくるメンツ達が全く違う過程で今住む手狭なアパートに住み着いている。
良いことか悪いことかと言われれば、よく誠牙的にもよく分からないものの、誰かに知られたら間違いなく狙い撃ちされるメンツなのは間違いない。
とくに、イッセーの宿した特性に引き寄せられた黒髪の少女は世界全体的にマズイ。
「ふっふっふっ、今日は体育がある日だからな。女子更衣室も華やかだろうぜ……!」
「わかりました。じゃあイッセー先輩がそう言ってたと皆さんに言っておきますね?」
「やめろバカ! 覗けなくなるだろ!!」
「どんどん言えっす。そもそもそんなに見たければウチが穴を含めて見せるっす。そして突っ込まれたい」
「いい加減イッセーの種を我の中に注いで欲しい」
「嫌だ! 俺の初めてはムチムチボインのおんにゃのこなの!! 特にお前だ白音! お前が学校で一々絡むせいで何でかロリコン扱いされてんだぞ俺は!!」
「八割方本当じゃないですか……ねぇ誠牙先輩?」
「………まぁ、インターンシップで幼稚園行った時に小さい女の子に片っ端からキスをせがまれてたからなイッセーは……」
「いやいやいや、アレは違うだろ。第一そもそも全部断ったし!」
とはいえ、この空気が気に入ってしまってる自分としては守り続けたいとも考えている。
「あ、それとウチの部長が早く返事をくれと言ってますけど、どうします?」
「え? あぁ……例の転生悪魔って奴か? 別に悪い条件じゃないんだけどさぁ――なぁ兄貴?」
「……うん、堕天使のミッテルトやら、無限の龍神であるオーフィスやアーシアの事を知られたら――うん」
「確かに色々と面倒にはなりますね。
わかりました、私の方から上手く誤魔化しておきます」
「悪いな」
「ごめんなさい、私のせいでお二人の迷惑に……」
「別にアーシアに始まった事じゃないからな。ね、兄貴?」
「まぁね、気にするなアーシア」
「そうですよ。強いて言うなら報酬としてイッセー先輩とちゅーする権利をください」
「ダメに決まってるっす! 何どさくさ紛れに言っちゃってるんだこの泥棒猫!」
「……我もそれは許さない」
「ていうか俺の意思全無視かよ」
それがこの世界に転生させられた自分の役割だからと。
「アーシア、あっち行ってような? あぁ、それと三人とも、イッセー学校だから加減してあげてくれ……」
「え……は、はぁ、一体何が――」
「ひぃぃっ!? ズボンを脱がせるなぁぁっ!!」
「白音はそっち、ミッテルトはこっち、我はここをやるから」
「ウチ一人で良いけど、妥協してやるっすよ」
「おっと暴れないでくださいよ先輩? 暴れるせいで先輩のお顔が私の……あぁん♪」
「―――パワフルだよなあの三人……」
「あ、あわわわ……!」
兵藤一誠。
別名・ロリコン龍帝
備考・転生兄が普通にいい人だったので弟になったロリホイホイ君。
兵藤誠牙
転生者
備考…色々と大変ながらも一誠に人並みの生活を送らせようと頑張る普通にいい人。
チート持ちだがイッセーの特性で更に引き上げられてる。
終わり
補足
もしかしたら優しい世界……。