色々なIF集   作:超人類DX

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やべぇ、整理っつーかそろそろ邪魔なの消しますわ。

なのでその前に例の転生兄仲良しシリーズの続きでもひとつ


すぐ消すネタの続き

 兵藤誠牙……つまり俺にとって兄貴にあたる男は元々本当のという意味では兄じゃない。

 確かに血縁から戸籍から何までは兄という事になっているのだけど、父さんと母さんが死んだあの日に兄貴から直接聞かされたんだ。

 

 転生者――所謂、この世界とは全く異なる世界から死して転生した存在だと。

 正味そんな話を聞いた所で普通なら信じられる訳が無いし確たる証拠だってない。

 けど俺は知っていたんだ、兄貴が兄貴では無いことを。

 

 ある朝起きた時にいつの間にか兄として存在し、兄弟は居なかった筈の俺の双子の兄として現れたので、俺はその話を聞いたと同時に納得した訳だけど、結局のところは外から来ようが何だろうが、兄貴は兄貴な訳で……。

 そりゃあまぁ兄貴が嫌な奴とかなら、もしかしたら嫌悪し続けたのかもしれないけど、両親が死んだあの日から本当の意味ではただの他人でしかない俺の為に、まだ小さいのに瓶集めをして雀の涙にしかならない金をコツコツ稼いだり、ある程度大きくなったら毎日朝早く起きて新聞配達をしたりと、親戚の支援があったとはいえ、出来る限りの事をしてくれた。

 文句も愚痴も言わず、ただひたすらにな……。

 

 そんな男を誰が嫌う? 誰が兄貴じゃないと言える? ましてや兄貴を転生させた神の身勝手さに翻弄されたたげく、元の世界から離ればなれになったおばあちゃんの事もあるというのに……。

 

 だから俺は兄貴の手伝いをすると同時に、生きる術を――兄貴の負担を減らそうと自分なりに頑張った。

 その結果、数奇な連中と出会う事になる訳だけど……それを疎ましく思うことは無いし、繋がりを蔑ろにするんじゃないと兄貴に言われた来た。

 

 だから俺は、兄貴を含めてこの数奇なメンツの抱える数奇な事情を含めて、あらゆる外敵をはね除ける力を持つ事にした。

 

 誰にも縛られない、誰にも利用されない様に……な。

 

 

 

 

 

 

 一度打ち立てた精神力は凄まじい。

 数奇な人生をまだ短いながらも歩む一誠はその力を急激に進化させ続けている。

 今在る環境がそうさせたというのもあるかもしれないけど、何よりその内面に持つ精神力が一誠を永久進化の領域へと進めていた。

 

 

『Boost!』

「うっしゃあ!!」

 

 

 どこかの空間。

 空も地面も無い暗い空間の中、一誠は襲い掛かる無数の蛇を叩き落としながら自身の力を倍加させると、その蛇を放って操る黒髪の少女へと肉薄し、倍増させた拳を叩き付ける。

 

 

「……軽い」

 

 

 腹部にめり込んだ拳が少女の身体を吹き飛ばすが、直ぐに立て直した少女は抑揚の無い表情と声を放つと、全身に無限を司る龍神のオーラを爆発させながら一誠の目と鼻の先まで接近し、小さな拳とは思えない強大な一撃を見舞う。

 

 

「ぐっ!?」

 

「………」

 

 

 顎をかちあげられ、強制的に視界が真上へと向けられた一誠に黒髪の少女……オーフィスは一瞬にして数千の拳を全身に叩き込む。

 

 

「ぐは!?」

 

 

 一撃一撃が必殺クラスの拳を一気に叩き込まれて全身の骨が悲鳴をあげる。

 だがオーフィスの速度は落ちないどころか、更に攻撃速度をあげていき……。

 

 

「それ」

 

 

 細い脚を振り上げ、踵落としの要領で一誠の脳天に叩き込み、そのままフィニッシュとなる。

 

 

「ここまで」

 

「クソ……」

 

 

 そのまま倒れ込むイッセーを抱えたオーフィスがそれだけを言うと同時に謎の空間が歪み、やがて今住む手狭なアパートの一室に景色が変化していく。

 

 

「いっつつつ……油断した」

 

 

 オーフィスが簡易的に作り出した修行空間から自宅へと戻ったイッセーは痛む頭を抑えながら先程までの修行内容を反省する。

 オーフィスと知り合う事でほぼ毎日行われる修行。

 

 割りと短くはない付き合いになる今でも『普通』の状態ではまずオーフィスに勝てず、現状ドライグと生み出した最終形態にならなければ勝負にすらなれないのが歯痒い。

 

 

「イッセーも無限状態になれば我と互角になる。なのになんで使わないの?」

 

「ばか野郎、無神臓に頼らずお前ぶちのめしたらまず他の連中相手にも勝負になるだろ? そうしたらもっと兄貴の負担の減るってもんよ」

 

「だけど使えるものをわざわざ使わないのは効率が悪い」

 

「フッ、人間ってのは時折非効率な行動に走る生物なんだよ、覚えておきな」

 

 

 わざと力を封じて修行するイッセーの非効率さに生物の差故か解せない様子のオーフィスに何故かしたり顔で答えたイッセーはまだ痛む全身に鞭を打って立ち上がると、付き合ってきたオーフィスの頭を撫でる。

 

 

「何にせよ改良の余地も見つかったし、サンキューなオーフィス」

 

「ん」

 

 

 基本的に他人の抱える闇だのなんだのを溶かして包めるタイプなのと、なんやかんやとお人好しな所があるイッセーは素直に修行に付き合ってくれたオーフィスに感謝の気持ちはある。

 その意味での行動が今のこれであり、撫でられたオーフィスは抑揚の無い表情を僅かに緩ませ、心地よそうに目を細めながら受け入れている。

 だから妙に小さいのに好かれるのだが、本人にその自覚は無い。

 

 

「……手、離して欲しいんだけど」

 

「や」

 

 

 だから撫でてくれるイッセーの手を取って頬擦りする様に自分の頬に当て始めるし、終いには……。

 

 

「は、離せや……! どこに持ってこうとしとんじゃおのれは……!!」

 

「イッセーとセーガ――ニンゲンの身体に作り替えてから我のここが熱い。

そしてイッセーに触ってもらうととても気持ちいい……だから触って?」

 

「ポリスメンに捕まるんじゃその見た目だと……! やめれ!」

 

 

 頬から擬態では無く、イッセーと番になるからと宣ってわざわざ再構築させた人間とほぼ変わらない身体の胸から下腹部、そして……と気が付けば謎の力比べをし始める二人。

 奇しくも永久進化という無限の特性を発現させたイッセーは見た目ロリっ娘ホイホイなのだった。

 

 

「あー! 何してるんすかふたりとも!!」

 

「おお、ミッテルト! 助け――」

 

「触るならウチを触れっす!」

 

「そうじゃねぇよ!!」

 

 

 他人を引き上げていく特性もあってか余計に。

 

 

 

 

 リアス・グレモリーは気付いていた。

 兵藤兄弟の持つ底知れぬ力と、彼等が隠している様々な人種を。

 

 

「それで小猫? 二人はどうなの?」

 

「どうと言われても、お二人にその気は無いのですからこれ以上は無意味なんじゃないかなって」

 

 

 それがあるから此方の勧誘に頷かない。されどそれを盾に勧誘したら敵対される可能性の方が高い。

 だから当初は兵藤兄弟の片割れに対して妙に懐いている戦車に様子を見させていたのだが、関わっていく内に妙な強かさでも手に入れたのか、のらりくらりと自分の問いに対してかわす様な返答ばかりだ。

 

 

「お二人は本当に部活をやる時間はありませんよ? 学校が終わればアルバイトだし、早朝も登校前に新聞配達のアルバイトですから」

 

「私が資金面の援助をすると言ってるのに?」

 

「まあ、お二人はなるべく他人を頼ろうとはしないですからね。第一ですよ部長? 親戚でもない部長の実家がいくら貴族の名家だといっても、お二人にしてみたら同じ学園の先輩という認識でしかありません。そんな方からいきなり援助をするからと言われてもそんなすぐに返事はできませんよ?」

 

「……………」

 

「特にイッセー先輩はマズイですね、部長みたいなタイプが苦手ですから

それと副部長のことも」

 

「え、毎度会う度にスケベな目をする――」

 

苦手!―――――なんです」

 

「あ、うん……」

 

 

 特に弟の方に対しては懐いてるとはまた別の感情が見え隠れしており、毎度報告の度に妙な捏造というか虚偽というべきか……。

 

 

「仙術さえ使えば……。けれど初めてなった時に先輩は物凄く微妙な顔をしてた。

あれは多分仙術を使って成長させても似非と思ってたに違いないです。

あぁ先輩は本当にわがままで困りますよ……ふふ、ふふふっ♪」

 

「「……」」

 

「こ、小猫ちゃん……」

 

 

 どうにもこうにもここ最近知り合ったばかりとは思えないというか……。

 一人頬を紅潮させながら恍惚とし始める小猫に少し引いた気分にさせられ、そして同時にリアス達は苦い表情を浮かべた。

 

 

「でも私達には時間が無いのよ小猫。もし例のゲームに負けたら学校にも通えなくなるかもしれないのだから」

 

 

 だからこそ、ここ最近起きた厄介事について念を押すようにして告げると、恍惚としていた小猫の表情が一瞬で無となる。

 

 

「そうなれば兵藤君とは会えなくなるわよ? どっちのとは言わないけど」

 

「リアス、その言い方は……」

 

「でも事実よ」

 

 

 意地悪な言い方をしているのはリアスも自覚している。

 しかし綺麗事だけでは今抱えるこの厄介事を避けることは出来ない。

 

 小猫の表情が見たこともないくらいにゾッとする無に変質している事に気付かないフリをしながら反応を伺う。

 

 

「シャクシャクしてやりたいな……ホント」

 

 

 フッと笑みを溢した小猫は小さく呟いた。

 あの兵藤兄弟と関わってからというもの、小猫の様子は日増しに変質している。

 それこそ最初ははぐれ悪魔となっている姉に怯えた子供だったのに、あの兄弟――恐らく懐き方からして弟の方に関わってからその怯えが全くといって良い程に無くなり、いつの間にか仙術まで身に付けた。

 

 成長と言えば聞こえは良いかもしれないが、その速度が異常過ぎる。

 

 まるで隠していた秘密をある程度さらけ出したのと同時に隠していた実力を解放するかの様に……。

 

 

 

 

 

「と、いう訳で婚約が成立した暁には私の貞操も多分危険な事になるかもです」

 

「なるかもですって言われてもな」

 

 

 そんなリアスの読みは殆ど当たっている。

 引き上げられた事で力を増大させた白音にしてみれば、その気になったら簡単に単騎でリアスの嫌がる男を秘密裏に消すことも可能だ。

 が、そんな真似をする訳には悪魔事情的に宜しくないし、あくまで最後の手段。

 

 なので白音はちょうど誠牙と昼食を食べようとしていたイッセーを捕獲し、誰も居ないのを確認済みである屋上にて事情説明をしてみた所、凄まじく家事スキルが高いセーガお手製の弁当にパクつくイッセーの反応は適当なものだった。

 

 

「その例の婚約者ってのとグレモリー先輩が結婚したくないってのはわかったし、その為によくわからんゲームをするってのも理解したけど、本気出したらお前一人で完封出来るんじゃないのか?」

 

 

 『ちょっと前ならともかくとして』と、イマイチ乗りの悪いイッセーの言葉に白音は正論ながらもちょっと複雑だった。

 確かに双子に引き寄せられる事で集まった数奇なメンツに揉まれて進化を体現した今なら、単なる貴族の坊っちゃん程度に遅れを取る事は無いのかもしれない。

 それは白音とて頭にあるが、女の子というのはどの種族だろうと大なり小なり夢を見たいものなのだ。

 

 

「私がいきなり相手を残らずシャクシャクしたら問題になると思いません? 最悪はぐれ認定ですよ」

 

「じゃあ普通にやれば良いじゃんか」

 

 

 『本質を前に出さなくてもいけるだろ』と、ある意味で白音の実力を信用してるからこその言葉。

 引き上げられる事で自分を知り、結果持つことになった異常性は全生物を見ても特異である事は間違いなく、ましてや白音は異常中の異常ともいうべき危険さもある。

 

 そんな特性を悪魔が果たして見逃してくれるかどうか……と考えればイッセーも手放しに頷けるものではないのではあるものの、だったらそれを出さずにいれば良いだけの事なのだ。

 今の白音は決して弱くはないのだから……。

 

 

「不満そうだな?」

 

「先輩の言うとおりではあるのですが、微妙に納得できないんです。こう、困った私の為に先輩が動いてくれるのかなー……みたいな」

 

「動いて目を付けられたら兄貴達に迷惑が掛かるだろ?」

 

「それはそうなんですけど……。すいません、我が儘でしたね」

 

 

 イッセーの事情をよく知るものの、やはり困った自分の為に思い腰を上げてくれたら嬉しい白音もこれ以上食い下がって困らせるのは駄目だと判断して謝る。

 今のリアスは婚約破棄の為にあらゆる手を使いたがってるが、本人に協力の意思はないともう一度言ってしまえば流石に諦めてくれるだろう。

 例のゲームについては自分が何とかすれば良いし、問題はない……と、お茶をゴクゴクと飲むイッセーを見つめながら白音が考えていると、空になったペットボトルのキャップを閉めたイッセーが唐突に口を開く。

 

 

「まあでも他ならなぬお前の困りごとだし、他人事で済ませる訳にもいかないから、条件付きでならやってやっても良いぜ?」

 

「へ?」

 

 

 食べ終えて空になった弁当箱の隣に空となったボトルを立てて置いたイッセーの言葉にちょっと驚く白音は、よくわからない間にめぐったチャンスを逃してなるものかとイッセーの言う条件に耳を傾ける。

 

 

「お前んとこの部長さんにこれ以上勧誘話を持ち込むのはやめさせる。あとその話に兄貴を巻き込まない」

 

「必ず伝えましょう」

 

 

 さっさと頷いた白音。

 元々乗り気じゃないのに続く勧誘については、あまり良いものではないと思っていたので、これを機に辞めさせるのは良いかもしれないと思っていたのだ。

 

 

「ん、なら良いや。もっとも、あの部長さんの立場を考えたら俺達を警戒するのも仕方ないと思ってるから、連日の勧誘を辞めさせるの程度で構わないぜ?」

 

「微妙に緩いですね」

 

「まぁね、タダで菓子だの茶だの貰えるし」

 

 

 ケタケタと笑うイッセー。

 この話をしたらお人好しの誠牙が巻き込まれるのは目に見えていたし、これ以上要らぬ事に神経を使わせたくはないからこその条件なのは白音も見抜いていた。

 もっと『500億をキャッシュで用意しろ』的な事でも言われるのかなとか思っていただけに、この緩い条件はある意味意外に思えた白音は、取り敢えずイッセーの協力さえあれば部長も納得するだろうと考えていると……。

 

 

「あぁ、それと二つ目な?」

 

「え?」

 

 

 さも当然の様に二つ目と言い始めた。

 まぁ、こんな緩い条件で協力して貰えるだけでもありがたい訳だし、二つ目が仮にちょっとキツくてもリアスに呑んで貰うつもりの白音は、手すりに背を預けて腰かけるイッセーの言葉を待つ。

 

 

「実はめっちゃ眠いんで、お前俺に付き合って午後の最初の授業だけで良いからサボってくんね?」

 

「それは別に構いませんけど、話相手になるとかですか?」

 

「それもあるが……ほれ、隣座れよ?」

 

「はぁ…」

 

 

 サボるのに付き合えと宣うイッセーに、白音は同意しながら言われた通りだらしなく座り込んでるイッセーの隣にちょこんと座る。

 まだ春も終わり掛けたシーズンであり、この日はほんの少しまだ肌寒い。

 

 とはいえ、オーフィスとミッテルトの邪魔なくイッセーと二人で駄弁るのも全然悪くないと思ってるので肌寒い程度じゃあどうとも思わない訳で……。

 

 

「よいしょっと」

 

「…………」

 

 

 例え隣に座った瞬間ゴロンと自分の膝の上に頭を乗せて来ようとも、寧ろラッキーなのだ。

 突然の事で驚いたけど。

 

 

「二つ目の条件ってこれ……?」

 

「考えたけど特に思い付かなかったからな。

あんまり吹っ掛けるのも悪いしさ」

 

「これだと私に対するご褒美な気が……」

 

「じゃあWinWinって事で暫く頼むわー」

 

 

 何度かあったこの状態。

 膝枕というよりは完全に抱き枕にされる状態に、腰に腕を回され、うつ伏せ状態でしがみつくイッセーに白音は内心今回の話を持ちかけて正解だったと思いながら、自分のお腹というかほぼ股ぐらに顔を埋めてる想い人の頭を撫でた。

 

 

「あ、白音モードになりましょうか?」

 

「えー? 良いよ別に。つーかお前のあの状態って何か違うって気ィするし。

まぁオーフィスにも言えるけどさ」

 

「それ何時も言いますよね先輩って……」

 

「まぁ、自然体が一番って事だなうん」

 

「ふふ、変なの……」

 

 

 ムチムチだのボインだのと言う癖に、自分達には自然体を求めるのが可笑しいと思うものの、どこか嬉しい気持ちになってしまう。

 なんというか、特別に思われる様な気がするから。

 

 

「今思ったけど、この光景見られたら思いきり石投げつけられそう」

 

「投げた所で平気ですけどね」

 

「まーな……それに白音も良い匂いだしなー……ぽーっとするぜ」

 

「ハッキリ先輩から言われるとちょっと恥ずかしいです。ああもう……ちょっとは恥ずかしいんですから、そんなところをくんくんしないでくださいって……!」

 

 

 それだけでも白音は幸せだった。

 

 

終わり




補足

自分達が危険である事を承知してるので、リアスさんの気持ちをある程度汲んだ結果がこんな感じ。

連日勧誘さえ無ければ、まぁまぁなんで。


その2
しかし悲しいかな、この時期のリアスさんはとにかく結婚イヤイヤ状態なのでなりふり構ってられない。


その3
ネオ白音たんだけど、確執もないし良好仲なんでフツーにイチャイチャやれるという……。
別世界のやばいネオ白音たんが見たら嫉妬しそうな……うん。
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