色々なIF集   作:超人類DX

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毒電波受信。

コンセプト→皆一緒でええやん。


ベリーイージーモード
ベリーハード→ベリー…………?


 遠くない未来、どこかの世界。

 世界から嫌われた者達が結集し、その命を以て世界という概念に反旗を翻した者達が居た。

 

 その者達は本来ならば交わる事も、相容れる事もなかった。

 だが再起と復讐心を胸に種の壁を越えて終結した同志達は世界に対して勝利してみせた。

 

 奪われた者を取り返す為に、遮二無二走り続けながら……。

 

 その結末は如何なるものだったのか? 世界の理に逆らった者達がタダで済む筈は無く、その者達は確かに一度消滅した。

 

 世界を壊した逆賊として……。

 

 

 

 

 だが―――――しかし―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「状況をまず整理しようか」

 

 

 鮮血を思わせる長い赤髪を靡かせた美男子が、多かれ少なかれ『動揺』して言葉を発する事ができない中、美男子に相応しい耳通りの良い声で意識を纏める。

 

 

「僕達は確かに転生の神を殺した。そしてその瞬間、最期の悪あがきをされた世界ごと存在を消滅させられた……そこまでは皆覚えているね?」

 

『…………』

 

 

 青年の言葉に、容姿も違ければ種族も違う同志達が一斉に頷く。

 その中には若干二名程青年と同じ髪の色と面影を感じさせる少女が二人いる訳だが、それは彼にとってそれぞれ妹と娘である。

 

 

「完全なる消滅を経て無に帰した僕達は確かに意識も記憶も肉体も持って、この何処かもわからない場所で意識を失っていた。

……ガブリエルとコカビエルとアザゼルはこの状況をどう思う?」

 

「以前俺が忘れ去られた存在が集まる世界にて目覚めた時と状況は似ている」

 

「恐らくは偶発的に我々は消滅ではなくて転移したのではないかと思います」

 

「さっきから奴はおろか俺達の知る気配がまるで感じねぇし、概ねそんな感じだろうぜサーゼクス」

 

 

 赤髪の美男子の問いに対して、ウェーブのかかった黒髪を流す死人の様に真っ白な肌とどこからどう見ても悪人としか思えない顔つきの男コカビエルと、金髪に誰もが振り向くだろう美しき容姿の女性ガブリエルと、一見すると遊んでそうな美男子のアザゼルは、それぞれの考えを述べると、赤髪の青年・サーゼクスは頷きながら視線を二人から移す。

 

 

「ヴァーリ君、リアス、ミリキャス、そしてイッセー君はどうだい?」

 

「コカビエルとガブリエルの意見に同意だ」

 

「同じく」

 

「僕は何がなんだかよくわからない……かも」

 

「ヴァーリと同じっすね。でなきゃまるで説明がつきませんから」

 

 

 暗めの銀髪に深海を思わせる深い蒼色の瞳を持つ少年・ヴァーリ。

 サーゼクスと同じ色と面影を感じる容姿を持つ美少女・リアス。

 今居る面子の中では最年少にてサーゼクスの娘であるミリキャス。

 そして、深めの茶髪に面子の中ではあまりパッとしてない……と常日頃から自分の容姿を卑下していた少年・イッセー。

 

 

「最期の最後であのカス神の思惑から外れたのだとしたら、俺は奴に中指立てながらザマァ見ろとでも嗤ってやりたい心境っすわ」

 

「そうだね、何はともあれこうして僕達が生き残ってるのは奴にとって面白くはないだろうからね」

 

 

 全員があるひとつの目的の為に終結した同志。

 奪われた者を取り返す為に、報復の為に、種族や柵を越えて終結せし反逆のチーム。

 

 

「よし、取り敢えず皆無事でよかった……のは良いとしてどうする? アザゼルの言うとおり、どうも今居るこの場所からアンテナを張ってみてるけど、知った気配がひとつも感じられない。まあ、僕達に似た存在は居るみたいだけど」

 

「コカビエルがそうだった様に、俺達全員が完全な異界に飛ばされたとするなら下手な真似は控えるか? どうせ既に俺達が居た世界は完全に消えちまってるしな」

 

「ちなみにアルビオンは俺の中にちゃんと居るぞ。イッセーの方はどうだ?」

 

「おう、ドライグもちゃんと居るぜ」

 

 

 美女、青年、少年、少女。

 他人が見れば何の集まりかもわからない面子は、木々に覆われた森の中で取り敢えずキャンプを張り、近くで流れていた川から捕った魚を焼いて腹を満たしながら今後の事についてを話し合う。

 

 

「全員元の、転生神が送り込んだ転生者の意のままになってる世界に未練はない。

 まずはこの場所――つーより世界の情勢を知り、危険が少なければのんびりと暮らしてみるってはどうよ?」

 

「この濃すぎる面子でひとつの家に住むのか? 考えてみればそんな平和的な事はしたことは無かったな……」

 

「私は構いませんよ? コカビエルとやっと再会できて清算も済ませたのですし、余生をのんびり生きるのも」

 

「俺はリアスちゃんと一緒ならどこででも生きられる自信はあります」

 

「私も同じくです」

 

「まぁ俺もだな」

 

「僕も……」

 

 

 その結果、この今居る世界がどんな世界なのかを知り、平和であるならそのまま溶け込んでのんびりほのぼのと暮らすという意見に纏まった。

 

 

「もっとも、俺達に似たなにかが存在している時点で少し雲行きは怪しいがな」

 

『………』

 

 

 元の世界への未練はない。

 全員で至った神越領域に立ち、復讐を果たした今、無意味に世界の流れを壊す真似は絶対にしない。

 欲を言えばこのメンツが暮らせるだけの豪邸を手に入れたい訳だが、全員が世界に溶け込んで地道に働いて出し合えばそれも不可能ではない。いや、こな同志達と共になら怖いものなぞありはしない。

 

 それほどまでに深く、血の繋がった親兄弟よりも深い絆なのだから。

 

 

 

 過ちを正せた元魔王 サーゼクス

 

 地獄から這い戻った超越堕天使 コカビエル

 

 超越堕天使を愛した天使 ガブリエル

 

 友の為に全てを捨てた堕天使 アザゼル

 

 師を殺され、天使によって覚醒したハーフ悪魔 ヴァーリ

 

 母に捨てられ、父と共に耐えた悪魔 ミリキャス

 

 仲間に裏切られた事で愛する少年と出会えた悪魔 リアス

 

 転生者に奪われ、それでも尚生き続ける事で愛する悪魔と出会えた少年 イッセー

 

 

 対転生神・チームD×G

 

 

 

 

 きっと本気になれば世界征服なんて片手間に出来そうなメンツ達。

 最年少のミリキャスですら超越者というカテゴリに侵入している時点でパワーバランスがおかしすぎるメンツ達の異界においての最初の行動は『この世界が何なのか』という調査だった。

 

 

「神の暇潰しによって作られた都市のある人間界か……」

 

「俺達の知る種族が隠すこと無く人に混じって生きてるのか。ある意味で生きやすい世界かもしれないな」

 

 

 次々と発覚していくこの世界について。

 

 

「ちょっと文明レベルは落ちるが、十二分に住み良い世界だな。

余程この世界の神達が有能なんだろう」

 

「リアスちゃんと落ち着けるなら何でもいいんすけどねぇ……」

 

「追われる心配がないだけでも全然違うわね」

 

 

 ちゃっかりその都市に入り込み、通貨や文明レベルの観察を済ませるバグ集団は変わった慣わしがある事を知る。

 

 

「眷属か。僕達悪魔の作ったシステムに少しにてるのかな?」

 

「う、うん……。

まぁ残念ながら僕にその眷属は誰一人として居ないのだけどさ……あはは」

 

 

 神にしては妙に愛嬌があって良い意味で神様らしくない親切な少女と偶々出会い、異界から来た事をそれとなくカミングアウトしながら色々と教えて貰う元魔王。

 神と悪魔の元トップの一人が普通に話をしてるだけでかなりシュールなのだが、メンバーの大半が悪魔だのハーフ悪魔だの堕天使だの天使だの、純粋人間がリアスとさっきからイチャイチャしまくってるイッセー一人なので今更かもしれない。

 

 

「うーんここでなら誰の目も気にせずデートできるぜリアスちゃん」

 

「そうね……何だか夢みたい」

 

 

 がんじがらめの鬱陶しい鎖を無理矢理引きちぎってやった反動か、元の世界よりも倍増しで人目も憚らずイチャコラしている二人に、親切な神様はちょっと居たたまれない。

 

 

「落ち着いたら俺とヤるぞガブリエル」

 

「やるの定義を手合わせじゃなくて、そろそろ子作りにして欲しいわねコカビエル?」

 

「相変わらずだなコカビエルは」

 

「まったく戦闘バカめ」

 

 

 悪人顔の男にちょっと嫉妬すら覚える美女が然り気無く迫ってるし、独り身には中々辛いものがある。

 

 

「あ、あのさ、行く宛が無いなら僕のところに来ないかい? 僕の使ってるホームって中々広いし、ずっと一人で使ってると寂しくてさ……」

 

「それは良いけど、キミの様な女神が僕達みたいなはぐれ者に施しを与えて大丈夫? さっきも言ったけど異界から来たとはいえ僕や妹や娘は悪魔なんだよ?」

 

「わざわざ言いふらさなければ問題ない筈だし」

 

 

 とはいえ、偶々見つけて話してみれば中々気の合いそうなメンツ達を前にして孤独寂しさからついつい勧誘をしてしまった神様。

 その結果……。

 

 

「……。あれ、ひょっとして一気に最高峰のファミリアになっちゃった?」

 

「最高峰かはわからないけど、それなりに修羅場は全員潜ってるつもりかな。

まぁでもそのダンジョンってのに潜る時は全員ある程度加減させるつもりだよ。キミだってこんな事で急に目立ちたくはないだろ?」

 

「ま、まあ……」

 

 

 ひとりぼっちだった神様は一瞬にして最高峰レベルのファミリアへと登り詰めた。

 そして……。

 

 

「アザゼル君!! またよそのファミリアの女の子ナンパしてたんだって!?」

 

「いやしてねーよ、道聞いただけだし」

 

「でもその子はハッキリキミに惚れたとか言ってるんだけど!?」

 

「え、マジで? おお、久々にモテ期入ったか俺?」

 

「そうじゃない! ぐぅ、サーゼクス君も何か言ってやってよ!」

 

「まぁまぁ、アザゼルはその昔、それで大失敗してるから下手な真似はしないさ。な、アザゼル?」

 

「…………黒歴史だあれは」

 

 

 慌ただしくも孤独な女神が求めた家族はそこにあった。

 

 

「ねぇヘスティアさん、例のこの世界では女性のロキって神から遊びに行かないかって誘われ――」

 

「ダメ! ぜっっったいにダメ!!! アザゼル君や最近ヴァーリ君も怪しくなってるのにサーゼクス君までだなんて嫌だ!! しかもあのロキ!? 絶対に嫌!」

 

「いや、断るにはどうしたらと思って聞こうとしたんだけどな僕……」

 

 

 基本デキてるイッセーとリアスや、女性の影があろうものなら即座に消すガブリエルとそれすら気付かず戦いバカなコカビエル……そして最近加入した新しい家族の少年からアプローチされてるのに全然気づいてないミリキャス以外はフリーだったりバツイチだったりで、気を抜けば女性の影だらけ。

 あのチビ駄目女神に異様なメンツが加入したという事で有名になったり他のファミリアからマークされまくりな事も知らずのんびりやるせいで、長のヘスティアなる女神は大変だった。

 

 特にヘスティア的には、悪魔で元魔王という天敵にも近い筈のサーゼクスが他の女性にその美男子故に言い寄られるのが我慢できなかった。

 

 

「本当にお願いだよサーゼクス君。キミがもし他の女と歩いてるのを見たら自分でも何しでかすかわからなくなるんだ」

 

「えーっと、うん、肝に命じとくよ」

 

 

 本人は離婚した妻への未練が残ってるのでまったく気付いてはないのだが。

 

 

「ぼ、僕ってやっぱりおかしいのかな……? で、でもサーゼクス君いい人だし、一番親身になってくれるし……うぅ……」

 

「?」

 

 

 前途多難な生活は始まったばかりだ。

 

 

 オラリオにバグチームが出現するのは間違えている……始まらない




補足

この世界ではサーゼクスさんはバツイチで安心院さんとはフラグは立ててません。
そして地味にグレイフィアを引きずってます。

その2
イッセー君とリアスちゃんは平和にイチャコラしてます。

その3
ヴァーリきゅんはコカビエルさんに似だしたので自然とハーレムっぽくなりはじめ、ガブリエルさんはコカビエルさんに女性の影ができるまえに潰してます。



続きは……いや、誰も見たがらないからやんない。

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