色々なIF集   作:超人類DX

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もしもにもしもを重ねて、更にもしもを混ぜたらもしもにしかならねぇ。


ベリー・アンノウン・モード

 呪われでもしてるのかと思ってしまう運命を意地で生き抜いた者達。

 全ての元凶に勝利し、全て終わったかと思ったのに、突き付けられた現実は斯くも残酷で。

 

 

『くくく、ワシを殺した程度で貴様等の運命は変わらんよ』

 

 

 勝利の果てに掴んだモノは余りにも小さく、余りにも救われない。

 しかしそれでも、永遠の輪廻の輪に落とされても諦める事しないという誓いがある限り、皆は決して弱音を吐くことはしない。

 

 例え陥れられようとも、這い上がれたという経験がある限り諦めはしないのだ。

 

 それが世界()に喧嘩を売って勝利せしチームD×Gなのだから。

 

 

 

 

 

 

 リアス・グレモリーは悪魔である。 

 それも単なるイチ悪魔ではなく、魔王を輩出させたグレモリー家の血を持つ上級悪魔だ。

 とはいえ、その悪魔の吟じ等本人的にはクソ喰らえであるし、リアスの持つ力や技術の使い道は『本当の繋がりがある者達』に投入される。

 つまり、一度でも信用できないと判断した相手には例え血の繋がった家族だろうとも信じない。

 

 拭えぬトラウマがある限り、決してリアスは他人に心を開くことはしないのだ。

 

 

「今日いきなり変態野郎三人組って罵倒されたんだ。

男は大なり小なり変態だけども、いきなり何なんだって話な訳よ。

俺別に盗撮も覗きもした覚えとかないわけだし」

 

「その者がどうであれ地雷なのは間違いないわね。

はぁ……やっぱり居るのか、この世界にも」

 

 

 二度目になるが、本当の仲間以外は……。

 

 

「別に俺が変態と思われようがどうでも良い訳なんだけど、どうする?」

 

「イザとなれば()と違って先手を打てるけど、今のところ直接何かされた訳じゃあないのでしょう? 下手に手を晒して私達の仲間の事まで知られたら色々と厄介だわ」

 

「だよね~? 取り敢えず相手にはしない形にするわ」

 

「申し訳ないけど今はそれでお願いね?」

 

「任せろ、ぶっちゃけ俺的にはリアスちゃんとのんびり生きられたらそれで良い訳だしな」

 

 

 これは二度目の人生を歩まされている者達の足掻きの記録。

 

 

 

 

 

 学園二大お姉様……と気付いたら勝手に呼ばれていたリアスはまさに学園の者達にとっての高嶺の花だが、そんな高嶺の花のリアスは共学化した際に入学した一人の男子生徒とそれはそれは仲睦まじそうにしている。

 その仲の良さっぷりは、最早単なる友人とは思えない程であり、当然の如くヘイトが集中してしまう。

 

 

「変態兵藤!! それと変態元浜と松田!」

 

「うぉっ!? な、なんだ!?」

 

「な、何怒ってんだよ?」

 

 

 それとは別に()の時では通えなかった学校に現在通うイッセーは、気付いたら行動を共にしていたクラスメートの男子二人と合わせて変態三人組だ等と揶揄されておりどういう訳なのか学園の女子達から大層な顰蹙を買っていた。

 

 

「また更衣室を覗いたんでしょう!?」

 

 

 覗き、盗撮、セクハラ。

 完全に犯罪じみた行動をするから変態三人組……と呼ばれており、今も更衣室を覗いたからと激怒した女子に思いきり鞄で殴られそうになっていた。

 

 

「ま、待て待て! 何時もそうだが、俺達はそんな真似した事すら無いぞ!!」

 

「第一今だってこうして週刊紙のグラビアページを一緒に見てただけだし!」

 

「………」

 

 

 断っておくが、リアス馬鹿なイッセーが覗きだの盗撮だのセクハラだのはしない。

 そして今鞄の角で殴られそうになっている所を必死に違うと訴えている元浜と松田の二人もこれまで一度たりともそんな真似はしちゃいない。

 

 確かに週刊紙のグラビアページを見てデレデしたりはするが、言ってしまえばそれだけであるし、ましてやイッセーは勿論のこと、意外にもこの二人も一線を越えた真似は一切していないのだ。

 それにも拘わらず何故か3人は女の敵とばかりに女子達から嫌われていた。

 

 

「問答無用よ!」

 

「「冤罪だぁぁっ!!」」

 

「………」

 

 

 確かに教室でグラビアページを読むのはどうかと思う所はあるが、覗きだの盗撮に関しては完全な冤罪だ。

 しかもイッセーに至っては単に付き合いで見せられていたのだけど、二人のクラスメートに付き合う形で取り敢えず怒り心頭の女子達に鞄でしばかれた。

 

 

「ち、痴漢の冤罪に遭遇した男の心境ってこんな気分なんだろうな……」

 

「教室でグラビアページを読むのは確かにヤバかったけど、だからってこんな……い、いてぇよ。角で思いきりだぜ?」

 

「そもそも何で俺達が覗いた事にされてるんだって話だろ。クソが、リアスちゃん以外の裸体なんぞ見ようが勃たねぇってんだ」

 

「「……」」

 

 

 散々殴られ、顔中が青アザだらけにされた三人。

 特に疑われる行動をしたつもりも無いのに、一年しない内に変態三人組と呼ばれて最初は黙っていた訳では無かったが、どう主張してもまるで呪われているかの如く誤解も冤罪も解かれなかったので、今では諦めてしまっていた。

 

 

「そう考えるとイッセーが疑われるのも変な話だよな」

 

「腹立つくらいグレモリーお姉様とイチャイチャしてるってのにな」

 

「あぁ、一方的どころか相思相愛にしか見えないし何も言えねぇよ」

 

「だよな。だから解せねぇよ。イッセーは良いのかよ? 変態だなんて呼ばれてよ?」

 

「その括りで呼ばれ始めてから何度も俺達は誤解だと訴えても結局駄目だったろ? リアスちゃんは俺が覗きだなんだをしてないって解ってくれてるし、勝手にそう思わせるぜ」

 

「かぁー! 持つものの余裕ってか?」

 

「羨ましいねぇ。俺達も彼女の一人でもできたら誤解だってわかって貰えるのかねぇ?」

 

 

 敢えて合わせた事でボコボコに顔を腫らせたもの同士の何とも言えない悲壮感漂う会話。

 思春期の少年らしく異性に興味津々である事は否定しないが、どういう訳かそれを越えた変態集団扱いされているという軽い虐めにもなりそうな現状にめげてないのは、単に三人のメンタルがえぐいだけなのだろうか。

 

 

「いっそマジで覗いてやるか?」

 

「あぁ、こうも何度も冤罪吹っ掛けられるとそう思いたくもなるぜ」

 

「やめとけやめとけ、お前等あんなタコ殴りにしてくる女で勃つか?」

 

「「あー……恐怖が勝って無理だ」」

 

 

 今日も冤罪は続くのだ。

 

 

 

 

 最期の最期、執念の進化を果たした少女はその源となった少年に欺かれ、掴み掛けた手を逃してしまった。

 誰よりも深く愛し、誰よりも歪な想いを抱き、誰よりも近付こうと努力したのに、少女は結局最期まで少年に振り向いて貰えなかった。

 

 それはきっと絶望の感情に支配されたのだろう。既に自分と自らの手で殺めた少年以外の生物が食い尽くされた荒廃した星の真ん中で少女はただ泣いた。

 

 泣いて泣いて泣いて泣いて……泣き疲れ、少女は後を追うように己自身の手で己を殺した。

 

 例え死して自分の前から消えようとも、必ず追い付いてみせるという狂気と執念の入り交えた感情と共に……。

 

 結果だけを言うと、確かに自殺を図った少女は生きていた。

 それは決して死ねなかったという訳ではなくて、過去――つまり少女の精神はそのままに肉体と時間が逆行したという意味で少女は生きていた。

 疎遠どころか永遠の別れとなった姉が居る。

 自分が少年に追い付く為に食い尽くした自然や生物達が存在している。

 

 状況をすぐに把握した少女は勿論、掴めなかった少年もこの世界に存在している事を先ずは探った。

 そして少女は星からあふれでる自然エネルギーを取り込みながら、求めて止まない少年が自分の知る力を持った少年である事を掴み、歓喜の笑みを浮かべた。

 

 

 居る、私の愛したあの人が。

 永久進化の精神を持つ、私のあの人が……。

 

 無論、過去の時点では無力で疎遠となってしまった姉と、自分に降り掛かる『些細な問題』は喰って黙らせた。

 お陰で少年の事以外で心残りだった姉と疎遠になる事も無く、上手く誘導する形で少年の居る場所のまで近づいた。

 

 そして発見する……幼いながらも完璧に自分が求める少年を。

 だが……。

 

 

「よ、よかった……リアスちゃんがリアスだ! あは、あははは!! やったぞぉぉっ!!」

 

「私も同じよ! よかった……本当に良かったわ……!」

 

 

 何だ……あれは? 少女が抱いた気持ちはまずその一点だった。

 あり得ない……何故、何故私の求めるあの人が、殺しても尚止まらなかった憎悪の元凶の――自分も覚醒する前は確かに世話になったあの赤髪の悪魔と嬉しそうに抱き合っている?

 

 人間以外を憎悪していた筈なのに、何故あの人はあんなにも赤髪の悪魔と親しげなんだ? 何故手を繋ぐ? 何故笑い合える? 何故……何故……。

 

 

「イッセー……」

 

「リアスちゃん……」

 

 

 

 

 

 

「………………………………………………………っ!!」

 

 

 何故、キスをする? 無理矢理ではなく、互いに頬を上気させながらまるで恋人の様に……。

 まるで違うパズルのピースを前に困惑と嫉妬を抱いた少女はどうすれば良いのか逆にわからず、まだ小学生にも満たない見た目の男女が抱き合い、額を合わせている姿を前に、どれだけ憎悪と拒絶を向けられても折れなかった少女の心がへし折れかけた。

 

 

「なぁ、キミはもしかして――」

 

「…………」

 

 

 手を繋ぎながら去っていった後も魂の抜けた表情で膝を付いていた少女に、誰かが妙に自信満々に話し掛けてきたが、少女は反応しない。

 

 

「もしかして誰かに追われているのか? だったらウチに――」

 

 

 何故、何で、どうして? わからない。感じた力は確かに求めるあの人のもの。

 

 

「どこぞのハーレムハーレムと喧しい赤龍帝よりも絶対にキミを――」

 

 

 

 だからこそ何故、あの人とあれほどまでに仲が……。

 先程から横で勝手にゴチャゴチャと抜かしている顔立ちが妙に整った少年に腕を掴まれ、そして赤龍帝という単語が出た瞬間、少女の無限に等しき想いは爆発した。

 

 

「先輩でもない癖に、勝手に触れてんじゃねぇぞボケが……!」

 

「え――」

 

 

 シャク!!!

 

 

 何時居たのかもわからないし、さっきから横で『俺が守るから』等と訳のわからない台詞をゴチャゴチャと抜かしていた少年に身体を触れられた事で、この身体の余すとこ無く全てが先程赤髪の少女と仲睦まじそうにしていた少年の為にだけあると完全に思い込んでいた少女は、右手に謎の機械を持っていた誰とも知らないどうでも良い男の首から上を文字通り……喰った。

 

 

「…………ペッ! 吐き気がするくらい不味い、さっきから横でうだうだと喧しかったし――何だろこれ? 神器――じゃあ無いか。

赤龍帝がどうとか言ってたし、然り気無く先輩を貶してたからついシャクシャクしちゃったけど、まぁ運が悪かったね――どうでもいい人さん? ふふふ」

 

 

 首から上が無くなり、手に何かを持っていた身体が糸の切れた人形の様に崩れ落ちる姿を何の感慨もなく見つめていた少女は、両手で何かの印の様なものを結び首の無い遺体に向かって手を翳す。

 

 

「塵遁・原界剥離」

 

 

 小さく呟いた呪文の様な言葉を放った瞬間、遺体は文字通り消滅する。

 まるで初めからそんな者など居なかったかの如く……。

 

 

 そして……。

 

 

「ふ、ふふ……裏目っちゃったなぁ。

先輩はリアス部長の事が嫌いだし、眷属になるのを避けたのに……。

どうやらちょっと私の知る先輩とは違うみたい……あは、あははは!!」

 

 

 気付いてしまった現実。

 己の知る少年と、先程発見した少年は力も気質も同じだけど、少し違う事に。

 自分が愛した少年とはほんの少し違う……それはきっと自分の事など知らないのだろう。

 

 その現実が重く重く小さな少女の身体にのし掛かり、独りただ寂しく笑う。

 

 

「違うかぁ……はぁ……」

 

 

 違うのなら仕方ない。

 違うんだから諦めるしかない。

 そんな感情が見える深いため息――

 

 

 

 

 

「もう……無理してまで私から逃げなくても良いのに、そうですよねセーンパイ♪」

 

 

 ではなく、どこまでも狂気に身を委ねし嗤った表情がそこにはあった。

 

 

「違う? そんな訳がない。きっと先輩は忘れている……いや仮に本当に私の先輩じゃなかったとしてもどうでも良いんです。

私はどんな先輩だろうと愛する……例え貴方がリアス部長と何故か仲良しだろうと、貴方の中の気質が同じである限り、私にとっての先輩なんですから……あは、あははははははは!!!」

 

 

 違うとしても、どうであろうとも。

 一人の少年に狂気の想いを抱き続けた結果進化した少女(ネオ)は止まらない。

 

 

「リアス部長ったら本当にズルい。

あの時だって先輩の初めてを貴女が取るし、無理矢理組伏せたらいっつも貴女が最初に先輩としちゃうし……どこまでもズルいなぁ……」

 

 

 それが狂気によって進化した白い猫なのだから。

 

 

「それにしてもこの世界は単に時間が戻った世界とは違うのかな? 探ると妙な連中が結構多いし。

ま、さっきみたいに先輩に何かするならシャクシャクするけど」

 

 

 ベリー……Unknownモード・スタート




補足
状況とかじゃなくてという意味でUnknown

そして色々と散らばってる例の連中にとって特にUnknown

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