色々なIF集   作:超人類DX

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1に対して10で行使する。

それくらいの相性……


『相性が良すぎて引いてきた』byカズマくん

 女神としての力をカズマのせいで失った挙げ句、この世界に道連れにされてしまったアクア。

 当初は女神たる己がと思う屈辱の貧乏生活を強いられ、ストレスも常にフル稼働であった。

 

 だが運の値としてはかなり最低ランクであるそんなアクアにも最後の最後でツキに恵まれていたと言えなくもなかったのが、ちょうど自分が道連れにされる半年程前に他の神々と協力する事で呪われた世界に落とされた青年を呼び寄せる事になった神越の元・赤龍帝との思わぬ再会だった。

 

 何の因果なのか、赤き龍帝の名を持っていた男が紅魔族の少女と行動を共にしている姿を最初に見た時は本当に驚いたけど、生前から所持する神を殺しうる力を保持するこの男が居れば金欠に悩まされる事は無いだろうと、ポジティブに考えるアクアは当然ありとあらゆる手を駆使して仲間に引き込んだ。

 

 この男ならこの世界を生きる魔王の軍勢すら半日も掛からず殲滅も可能――つまりかなり安全という図式から来るもので、その目論見通り、戦闘クエストに関しては無敵過ぎる安定感を発揮していた。

 

 とはいえ、その力を使って魔王を倒させる事はアクアには出来なかった。

 元々青年は寧ろ悪魔や魔王といった存在と親密な関係を築いていたので、ほぼあり得ないにしても万が一寝返られる危険性があったのと、自分を含めた神々がどうにも出来なかった邪悪な転生神についての尻拭いをして貰ったという借りがある以上、今すぐ倒しに行けだなんて言葉はいくらアクアでも言えなかった。

 ましてや、尻拭いをして貰った結果青年は仲間も生きるべき世界の何もかもを喪ってしまっているのだから。

 

「見て見てカズマー! めぐみん! イッセー!! これが花鳥風月よ!」

 

「くっ、ちょっと負けた気分……」

 

「器用な事をするなぁ」

 

「いや、ただの宴会芸だし、スキルポイント使って会得したスキルだとしても何の用途にもなりゃしねぇぞ」

 

 

 それに今の青年……イッセーはあの呪われた世界で強制的に生かされた時よりもかなり精神的に安定している。

 めぐみんが転んで怪我をしました程度の傷を負ったら爆発しちゃう所もあるけど、それでも遥かにマシな安定さなのは、生前既に神を脅かす領域へと進化していたリアス・グレモリーが無限の龍神の攻撃で怪我をしてしまった時に当時のイッセーが見た目だけなら幼い少女にしか見えない無限の龍神の顔を原型が無くなるまで殴り潰した挙げ句、腸を引き裂いて内蔵を引きずり出してヘドロで汚染された川に捨てたという激情さを見れば、キャベツを残らず粉々にしたなんてものは本当にマシな怒り方だろう。

 

 

「そういえば俺も無意味に開発した技が昔あったのを思い出したわ」

 

「へぇ? どんな技なんだ」

 

「今にして思えば無意味過ぎるんだが、その名もドレス・ブレイク。

なんと相手を傷つける事無く着ている服だけを下着ごと破壊するという技で……」

 

「兵藤……いや兵藤様! 俺にちょっとその技教えてくれないかな!?」

 

 

 カズマの名をイッセーが聞いた時も一番緊張したけど、なんだかんだ今では同年代の男子同士のくだらないノリのある会話をする程度には親しくなってきている。

 

 

「前々から思ってましたけど、やっぱりカズマって……」

 

「ち、違うぞ!? もし相手の装備だけを消し飛ばせたら便利じゃね? と思っただけで……」

 

「便利どうかは微妙かもしれねぇぞ? 足止めには有効だったが、糞どうでも良い奴の服吹っ飛ばしても面白くなんかなかったし」

 

 

 だから、出来ることなら喪ってしまった彼にそれなりの祝福を……。

 アクアは密かにただ、爆弾みたいな男にそう思いながら宴会芸を無駄に磨くのだった。

 

 

 

 

 そんなこんなで結成してから数日経つ変人集結パーティは、初のクエストを行う事になった。

 結局ダクネスの変態さに完全に圧倒されてしまう形で加入を許してしまい、こうなったらとことん自分の安全の為にアクアの盾になって貰うと、一人密かに決意したカズマはダクネスには何故か結構厳しかった。

 

 

「良いか、ちょっとでも気絶しようものならその場に捨てていく」

 

「む……わかった……」

 

 

 アクアに対してすら――いや、アクアの我の強さに負けてるだけなのかもしれないが、最終的になぁなぁで済ませていたカズマのダクネスにだけ向ける異様な厳しい姿勢に、捨てていくとハッキリ言われたダクネスは萎縮――

 

 

「容赦なく蹴り飛ばされて捨てられるのか私は、これは気絶する訳にはいかんなぁ……」

 

 

 したフリをしつつ、何かにつけて厳しいカズマにはまりつつあった。

 

 

「歩くの怠い~!!」

 

「フッ、だらしないですねアクアは、そんな事では先が思いやられるってものですよ」

 

「めぐみんはイッセーに抱えられて歩いてすらないじゃないのよ!!」

 

 

 その後ろではドヤァとした顔で悔しがるアクアをイッセーにおんぶされているめぐみんが居たり……。

 

 

「魔力が切れてる訳じゃないのにおんぶだなんて、ちょっと過保護じゃない?」

 

「してくれって言うからな」

 

「それにしたって、キャベツの件からかなり増長してる様に見えるけど?」

 

 

 日に日にめぐみんに対して過保護さが増し始めてるイッセーにどうなんだそれは? と意見するクリスがこれから始まるクエストを前に呑気に会話をしていた。

 

 

「とにかく襲いかかって来るだろうコボルトからの攻撃からアクアが兵藤を盾にする前に盾になれ」

 

「任せろ……だが、前々から疑問なのだが、自棄にそれに拘るがどうしてなんだ?」

 

「……………今兵藤がクリスと喋ってるが、その兵藤におんぶされてるめぐみんをこっそり見ろ」

 

「ん? あぁ……」

 

 

 だがこのほのぼのとした空気感はカズマにしてみれば表向きのブラフでしかなく、カズマこっそり後ろを伺えと言われて後ろでクリスと話してるイッセーに背負われてるめぐみんを見ると……。

 

 

「へぇ、お宝探しねぇ? 暇があったら手伝ってやろうか?」

 

「え、ほ、本当に!?」

 

「おう。まぁ、アレの礼みたいな意味合いでな」

 

「かなり心強いけどやっぱり驚くよ。

思っていた以上に律儀というか……」

「俺ってやっぱしそんなにヤバイ奴認定されてるんだな……」

 

「激怒したら一番何をするかわからないって思ってたから……」

 

「…………………………………………………………………」

 

 

 

 

 

「め、めぐみんが普段からは想像できない石像の様な無表情でクリスを見ている……」

 

 

 それまでアクアと小競り合いをしていた筈のめぐみんが恐ろしい程の無表情で、ほのぼのとイッセーと会話しているクリスをじーっと見ており、そのあまりの無表情さに若干の恐怖をダクネスは覚えてしまう。

 クリスもイッセーも互いに談笑してるのでめぐみんがそうなってる事に気付かず、アクアもぶつぶつと下を向きながら歩く事に対して文句を言ってて気づいていない。

 

 

「い、一体めぐみんはどうしたというんだ……」

 

「何となく解るだろうが、めぐみんは兵藤が好きらしい。それだけなら良いんだけど、問題は兵藤自身がめぐみんに対して父親的な目線で接している事と、兵藤が他の女とちょっとでも楽しげに会話しているのを見るとああなる。

そして下手をしたらその女を爆裂魔法の照準をミスったと嘯いて爆裂しようと何度か独りでブツブツと……」

 

「そ、それはまた……複雑な」

 

 

 じーっと、……じーーーーーーーーっと、イッセーと談笑しているクリスを見て時おり人差し指の先をクリスに向けている無表情状態のめぐみんを肩越しに伺いながらダクネスは意外とかなり複雑なパーティ内の事情に何とも言えない気持ちにさせられてしまう。

 

 

「ちょっとイッセ~? 私疲れたから抱えてよ~?」

 

「はぁ? 良い歳した女が何を言ってんだよ? クリスだってちゃんと歩いてるんだから我慢しろよなぁ」

 

「めぐみんはおんぶしてるじゃない、」

 

「めぐみんは良いんだよ、まだ子供なんだから」

 

「………………む」

 

 

 しかも困った事にそこら辺の空気を読まなくなるアクアがイッセーに駄々を捏ねながら袖を引っ張るもんだから余計にややこしくなり、更に更にの更にはイッセーがめぐみんはまだ子供だからと悪気があって言った訳じゃないにせよの言葉のせいで余計にめぐみんの放つ空気が冷たくなっていく。

 

 

「所謂修羅場というやつか……」

 

「言ってしまえばめぐみんが過剰に気にしすぎだったりするんだよ、そもそも一番兵藤が気にかけてるのがめぐみんなんだし。

けど、そこら辺がまだめぐみんもわかってないからこんな事に……」

 

「なるほど、だからイッセーを盾にしようとするアクアが下手したら爆裂魔法で木っ端微塵にされてしまうから私に盾をしろと……」

 

「そういう訳だ、本当は黙ってるつもりだったが、お前の変態性のせいで思っていた以上に使えないから事情を説明してやった」

 

「お、おっふ……」

 

 

 苦笑いしてるクリス、抱えろと喚き出すアクア、そんなイッセーにおんぶされながら二人に向かって人差し指を向けるめぐみん。

 何の関係にもなってないのに、めぐみんが気に過ぎて何故か妙な修羅場になっているという事情を、軽い罵倒混じりで聞かされたダクネスは不意討ち気味のジャブに軽く全身を震えさせる。

 

 

「教えたんだからお前は俺に協力しろよ? わかったな?」

 

「ふへ……! よ、よーし、自信は無いが承知したぞ……くふふふ」

 

 

 こうして無理矢理……苦労を半減させる為にカズマに引きずり込まれたダクネスもまた苦労側の仲間入りをしてしまうのだが、その表情は強引なカズマのやり方に嵌まって嬉しそうなものだから、あまり苦労するとは思えなかったとか。

 

 ちなみに今回のクエストは調査だけだったのだが、殺意度が上がっためぐみんが大活躍したお陰でペンペン草も生えない事になったらしい。

 

 

「喰らうが良い! 我が最高の技!! 10倍ビッグバン・ドラゴン・エクスプロージョン!!」

 

 

 威力だけがまたしても跳ね上がった爆裂魔法で。

 

 

「ちょ、調査のつもりが巣が荒れ地になっちまったじゃんか!!」

 

「私は悪くありません。悪くないったら悪くない」

 

「流石にアレを喰らったら死ぬだけだから私も喰らいたくはないな……」

 

 

 モンスターの巣の調査のつもりが、着いて早々イッセーの必殺技を真似て爆裂魔法に組み込んだ結果、威力がアホな事になったネオ・爆裂魔法で粉微塵になってしまって即終了となった事に対して、本人は動けなくなってぶっ倒れた状態でも平然と自分は悪くないと宣う。

 下手したら威力だけなら通常状態のイッセーが放つドラゴン波よりもヤバイかもしれないというのに、本人はとにかくアクアとクリスがイッセーと談笑しているのが気に食わず、かといって本人達に向けるのはよくないだろうという程度の理性を働かしてせいでモンスター達が犠牲になってしまったのは多分まだマシなオチなのかもしれない。

 

 

「イッセー、お願いします」

 

 

 頭ではそうじゃないとはわかっていても、やっぱりモヤモヤしてしまう。

 思ってた以上に意地の悪い奴と自覚してちょっと自己嫌悪に陥るめぐみんが動けない自分を抱えてくれと能天気な態度のイッセーに頼む。

 

 こうなったら今日はとことんイッセーにベタベタしてやる――そんな気持ちを持って。

 しかし……。

 

 

「ちょっと待った。折角だから今試そう」

 

「?」

 

「何を試すってのよ?」

 

 

 そんなめぐみんを何時もなら即座に抱えてあげるイッセーが意味深な事を言って倒れるめぐみんの横に膝を付き、いきなり仰向けに倒れているめぐみんのお腹に手を置いた。

 

 

「ひゃあ!? い、イッセー!? こ、こんな見られてる前でいきなり何を!?」

 

 

 イッセーの手の感触は時には手を繋いだり、時には頭を撫でて貰ったりしているので知っているけど、こんな堂々と腹部に触れられることは無かったので思わず変な声を出して驚いてしまうめぐみん。

 

 

「おい兵藤? 何をするってんだよ?」

 

「見てくれだけだと倒れたいたいけな少女に邪な事をしでかそうとする暴漢に見えるわよ?」

 

「どうせ俺はそんな面構えだよ。けど違う、言ったろ? 試すことがあるってな」

 

「……」

 

 

 黙ってみていろと()()()()左手をめぐみんのお腹の上に置いたイッセーは少し目を閉じて―――二秒ほどで開ける。

 

 

『………?』

 

 

 何がしたいのか全然わからないカズマ達は首を傾げ、一人期待するかの様にドキドキしていためぐみんもまた不思議そうな眼差しを送る中、イッセーは小さく『ダメだ』と口にする。

 

 

「チッ、隠した状態でやるのは服越しじゃまだ難しいか」

 

「なぁ、さっきから何なんだ?」

 

「ちょっとした贈り物をしようと思ったんだけど」

 

「贈り物?」

 

「あぁ、何分相当に久々かつ()()()状態でやるのは初めてで上手くいかなくてな」

 

 

 贈り物とはなんぞ? と、全く意味のわからないカズマとダクネスとめぐみんは揃って首を傾げる中、色々とイッセーを知るアクアとクリスはハッとする。

 

 

(ま、まさかお渡ししてからこんな短期間でそこまで再現させたというのですか貴方は!? これが彼の精神そのものに宿った無神臓の特性……!)

 

(贈り物ってまさか赤龍帝の贈り物とかいう技の事? でもアレって赤龍帝の籠手が無い今使えないんじゃ……)

 

 

 赤龍帝の籠手のレプリカを渡したクリスことエリスは、遥かに劣化した紛い物だと自分達も認める籠手を僅かな期間で応用させるまで発展させているイッセーのその気になった進化の速度に戦慄し、アクアははてとイッセーが模倣とはいえ後輩女神から実は与えられたと知らずに不思議がる。

 

 

「む、む……上手く伝わらない」

 

「伝わる?」

 

 

 とはいえ、ドライグそのものたる本物と比べたら勝手が違うらしく、上手く自身の力をめぐみんに送る事が出来ていない様子のまま数分が経過している。

 

 するとその時だった、突然イッセーは何を思ったのか……。

 

 

「ちょっとくすぐったいぞ」

 

「へ? 何を――ひゃん!?」

 

「ぶっ!?」

 

「こ、これは!?」

 

 

 めぐみんのお腹に服越しから乗せた左手を何を思ったのか動かし、服の隙間から手を突っ込んで直接めぐみんのお腹を触りだしたのだ。

 

 

「は、はぅ! っ……うぅ、い、いっせぇ……!」

 

「あ、めぐみんの魔力が伝わる。よし、これならイケるな」

 

「お、おいおいおい!? 変な空気になってるんだけど!?」

 

「すごい見てはいけないものを見てる気がして興奮するんだが!?」

 

 

 さっきよりもドキドキ度が上がっためぐみんが真っ赤になる中、ガヤ全開な事を宣うカズマとダクネスを無視したイッセーは、全身から赤いオーラを揺るかに放つと、その力を左手に集中させ……。

 

 

「赤龍帝からの贈り物(仮)」

 

 

 自分自身の力をめぐみんへと送り込んだ。

 

 

「あうっ!?」

 

 

 身体の中にイッセーの力が入り込んだその瞬間、カッと目を見開いためぐみんが打ち上げられたマグロのごとき勢いで暴れだす。

 

 

「ひぁ……な、に……こ、れ……へ、変……! わたしの身体……熱くて……あ……んんっ♥」

 

 

 イッセーの全身から放たれる赤いオーラがめぐみんにも伝わっている影響か、彼女の全身からも赤いオーラが浮かび上がっているのまでは良いのだが、段々声が妖しい事になってきてカズマとダクネス――そして事情だけは知るクリスとアクアは凄まじく気まずい気持ちになる。

 

 

「な、なんつー声を……」

 

「い、一体何をされてるんだ……す、凄く気になる」

 

「「………」」

 

 

 とてもイケナイものを見てる気がして気まずくなる面々を後ろに、めぐみんの声と挙動は更にエスカレートしていく。

 

 

「は……ぁ、い、いっせ……ぇ! へ、変です、わ、わたひ、な、何かき…………ああっ!?♥」

 

 

 完全にアレとしか思えない声と共に一際大きく身体を跳ねさせためぐみんとは反対に平然としていたイッセーはそこで手を抜いてオーラを引っ込めた。

 

 

「よし、覚えた。これで次からは簡単に渡せるから安心しろ」

 

「は、はぁ、はぁ……! な、なにがぁ……?」

 

「さっき爆裂魔法を使って動けなくなった身体が動けるだろ?」

 

「ぇ……? …………………あ、た、確かに動ける」

 

 

 満足そうに一人笑うイッセーに言われ、初めて自分が動ける事に――いや、もっと言えば先程爆裂魔法を使った前よりも身体に力がみなぎる事に気付いためぐみん。

 

 

「調整に時間が掛かったが、これで取り敢えず爆裂魔法を使っても俺がその都度送ればぶっ倒れる事は無いだろうぜ?」

 

「つまり、兵藤自身の力をめぐみんに送り込んだってのか?」

 

「あぁ、大分昔使った技術のひとつで完全に忘れてたけど、今ので完全にめぐみんに対しては慣れたから、今後はスムーズに渡せるぜ」

 

「色々と凄くてどう言って良いのかわからんぞ私は……」

 

 

 ムクッと立ち上がり、自分の身体を見ながら手首を振ったりしているめぐみんを見ながらカズマとダクネスは唐突過ぎて処理が追い付いてない様子であり、確かに普通に立っているめぐみんに驚いていた。

 

 

「確かにこれなら……そしてこれがイッセーの力……」

 

「系統っつーかジャンルっつーかベクトルが違うから色々と手間取ったんだ。悪かったな」

 

「いえ……寧ろびっくりするほどしっくり来ますよイッセーの力は。

今なら100倍の威力の爆裂魔法が使えそうなくらい……」

 

「はは、それは大袈裟だぜ。ほんの少しだけしか贈ってないし、今は精々歩けるだけの力を渡し――」

 

 

 そしてめぐみんは、イッセーから与えられた力を感じ、受け入れた結果イッセーが大袈裟だと笑う前で見せた。

 

 

 

「100倍・ビッグバン・ドラゴン・エクスプロージョン!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………』

 

「……………え?」

 

 

 

 もはや人型兵器ともいえる威力の爆裂魔法を。

 

 

「フッ……」

 

 

 ドヤァっとするめぐみんは倒れていない。

 イッセー曰く『歩ける程度の力』しか譲渡してないのに、めぐみんが放った爆裂魔法の威力が先程の更に10倍の計100倍化され、空を覆っていた分厚い雲を完全に消し飛ばして太陽さんをこんにちはさせているにも関わらず、決めポーズまでしていた。

 

 

「じ、地面に向かって撃ってたらやばかったんじゃねーかあの威力……?」

 

「あ、あっれ~? おかしいな、調整を間違えたか?」

 

 

 誤算過ぎる威力に加えて倒れてないめぐみんにイッセーはそんな筈ではと首を傾げていると、アクアが言う。

 

 

「多分だけど、アンタの力を1だけめぐみんに送れば、めぐみんはそれを10にして扱えるって事だと思う」

 

「は!?」

 

「それだけめぐみんにとってアンタとは相性が良すぎたのよ、それ、今後は考えて使わないとヤバイわよ」

 

「お、おう……」

 

 

 めぐみんの気質なのか、それとも種族柄なのか赤龍帝では無いが赤龍帝であったイッセーの力――即ち血と相性が良すぎるというアクアの見解に、決めポーズをしながらヘラヘラ笑っているめぐみんの小さな背中を見て何とも言えない気持ちになるイッセー。

 

 何せかつてリアスに送ってもこんな結果にはなったことが無かったのだから。

 

 

「イッセー……! ふふ! あぁ、イッセー! やっぱり運命だったんですよ私とイッセーは! これならもう怖いものなんてありません!

イッセー……もうずっとずっと……永久に一緒ですからね?」

 

「あ、えっと……」

 

 

 まだ力酔いしてるのか、頬を上気させながらちょっと予想外で困惑してるイッセーの腰辺りにに抱き着きなながら、逃がさないよと宣言するめぐみん。

 

 相性が良すぎるが故に……。

 

 

「それと恥ずかしいけどイッセーに隠し事はしたくないので言いますけど、その……さっきイッセーにお腹を直接触られて力を貰った時に変な気持ちになっちゃって。それで私の下着が……」

 

「…………………………」

 

「えへへ、恥ずかしいけどイッセーになら……」

「なんというか、お疲れ」

 

 

 テレテレと自分の下腹部から下が大変な事になってると告白してきためぐみんに言葉が返せずに固まってるイッセーに、カズマはただただ同情した眼差しで優しく労った。

 例え話、何も言わずに姿を消しても、程なくして捕まりそうな迫力が今のめぐみんから感じられたのだから。

 

 

「お風呂入りに帰ろう……」

 

「そうしましょう! 今日も一緒に……ね?」

 

「あぁ……」

 

 

 

 

 

 

「めぐみんが食虫植物に見えてきた」

「世界は広いと感じた瞬間かもしれん」

 

「紅魔族との相性? それともめぐみん本人との相性? うーん、謎だわ」

 

(後で無闇に渡さないようにと言っとこう)

 

 

終わり




補足
レプリカ籠手をめぐみんの為だけに、極限に封じてた特性まで一時的に復帰させて鍛えた結果……ビクンビクンさせたばかりか、余計にスキスキ念をぶつけられましたとさ。


その2
めぐみんにのみなのか、それともめぐみんの一族に対してなのか……。

もし後者ならまだボッチ中のゆんゆんが大変な事になって、めぐみんとバトルスタートなのか……。


その3
帰って一緒にお風呂入って、そのまま言われるがままに一緒に寝たとか。

そして別になんもなかったけど、めぐみんが妙にもじもじしてたらしい……。

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