シャルロット・デュノアとしての事情を知り、その上で黙っている事を約束した一夏。
事の始まりは己の不注意によるものだったけれども、結果的には上手く収まったとも言えなくもないだろう――シャルロットに纏わりつく面倒な事情は無しにしてもだ。
「ふーん、今度の学年別のトーナメントに優勝したら春人かデュノア君と付き合えるねぇ?」
ともかく、そんな事情を持つシャルロットに対して知ってか知らずか春人が異様に気にしてくるのを上手く流す手助けをする日々を送る今日この頃、クラス中――いやきっと学年全体で広まってるだろうとある噂は無しに一夏は他人事宜しくな態度で箒と本音共々聞いていた。
「そうなのよ、何処から話が出てきたのかは知らないけど、そんな話がね」
「それで妙に皆が張り切ってるのか……」
「燃えてるねぇ~?」
クラスメートの女子の話す内容に箒と本音もまた他人事だった。
もっとも、その優勝賞品にされているシャルロットにしてみれば堪ったものでは無い。
「そんな話僕知らないんだけど……」
「多分勝手にそうなっちゃったからね。
なんというか、ご愁傷さまだねデュノア君」
「俺の名前は欠片も出てねーな。まぁ、出ても困るだけだけどよ」
「だって一夏君は篠ノ之さんといっつも一緒じゃない。
誰が見ても脈なんて無いと思われてるのよ」
「だってよ箒? 照れるなぁ~」
逆に一夏は常に箒と端から見たらイチャコラやってる様にしか見えない行動ばかりな為、今回の話について挙がる事は無かったらしい。
ニヘラニヘラとしながら箒の頭を撫でる一夏は心無しか嬉しそうだ。
「そういう訳だから頑張ってねデュノア君?」
「何をどう頑張ったら良いのか……」
春人の周囲の普段の倍増し殺気向け合いな空気に比べたらマシに思えなくもないけど、それでも本当は女であるシャルロットにしてみれば、困ってしまう訳で。
「本当にどうしよう……」
「そんな重く考えなくても、普通に断れば良いんじゃないのか?」
「そんなフワフワした理由では付き合えんとか何とか言えば納得もするだろうしな」
「そうそう」
「春人の周りを見てみろよ? デュノア君よりよっぽど大変そうな空気流れてるんだぜ? きっとうちの姉さんも暫く機嫌悪いだろうし、そっちの方が憂鬱だぜ」
「さっき偶々すれ違ったけど、凄い怖い顔してたもんね?」
確かに春人に比べたら……と言われてみればシャルロットの気持ちはいくつか楽になる。
向こうは春人を囲みながら思いきり互いに殺意を飛ばしあってるし、それに千冬まで加わってるのだから生きてる心地はしないだろう。
あんな空気の中に加わりたいと思うほどシャルロットの心臓は強くは無いのだから……。
「そういえば一夏や箒はのほほんさんはトーナメントに出るの?」
「んー? 一応出るには出てみるつもりだぜ?」
「ISについてを学んでる以上は、一応実戦を体験してみないといけないしな」
「私は見学かなぁ。強制参加だとしたらそれなりに頑張るけど~」
「そっか、それなら提案があるんだけど……」
だから先制的にほぼ毎日のように誘ってくる春人を断る為の理由を作る為にシャルロットは三人に提案をした。
余計に身動きが取り辛くなってしまったと春人の気分は重い。
「ですから! 春人さんとタッグを組むのはこの私ですわ!」
「冗談じゃないわ! アンタじゃ足を引っ張るだけよ!」
「どいつもこいつも喧しいな。
弱い者同士が吠えた所で無駄だ」
「「なんですってぇ!!」」
「黙れ小娘共が! 貴様等なんぞ私から見れば平等にひよっこだ!」
「無駄な言い争い程煩いものはないね春人?」
「……………」
明らかに自分を巡って争ってるのは分かるけど、そのお陰でシャルロットが敬遠してしまってるのは頂けないと、四人が言い争いをしてるのを止められない春人は隣に立つ簪を横にどうしようかと考える。
学年別トーナメントによるある噂のお陰で最近は余計に互いに殺気立つのが目立つし、シャルロットとも全く関わる事が出来ない。
しかもよりにもよって……。
「これは不思議な感覚だな?」
「うむ……フワフワした感覚というべきなのか? これは中々骨が折れそうだな」
「でも殆ど初めて乗るにしては暴走させてないし、二人とも筋が良いと思う。
よし、それじゃあ先ずは、僕がやってた基礎訓練のひとつなんだけど、乗ってる状態で軽くボール遊びをしてみようか?」
何の努力もしてない専用機を持たぬ一夏がシャルロットに箒と本音と共にコーチをして貰ってるのだから、理不尽な気持ちで一杯だった。
「じゃあ軽く投げるからキャッチしてみようか? それ!」
「うぉっとと……とぉ!!」
「うん、上手上手! 次は篠ノ之さんだよ! はい!」
「っとと……!」
「うんうん、篠ノ之さんも中々だね。じゃあのほほんさんは……」
「わーい!」
「わっ、のほほんさんは結構どころじゃなくて上手かもしれない……」
現在春人達は他の生徒達も多く居る訓練場に居るのだが、その訓練場の端付近でISに乗ってシャルロットが投げたボールをキャッチしてる一夏が視界に移るせいか、イライラした気分になってしまう。
「…………」
「どうしたの春人?」
「なんでも……ないよ……」
何もしてない癖に……。その黒い気持ちが自然と顔に出てしまうのを何とか隠しながら簪に笑って誤魔化す春人。
「あそこに居るのって本音とお兄さんだっけ?」
「うん……」
「そっか……気楽そうで良いね本音も」
ある意味一番抱く内面が近いのか、簪も本音が一夏と箒とシャルロットと共に楽しそうにしているのを見て小さく嫌味を飛ばす。
楯無が吹っ切れて以降、完全に好きにしなさいというスタンスになってしまい、本音とも自然に疎遠となってしまってる事に気付いてないし、本人も春人の方が大事な為に避けてしまっている。
「空中三回転キャッチだぜ!」
「む、やるな一夏。ならば私は四回転半だ!」
「飲み込みが早いや二人とも……」
「流石に織斑先生と篠ノ之博士の兄弟さんだよねー」
気付いた頃には全て遅いとも解らずに、気楽に見える一夏達を睨むように見据えるのだった。
意外に筋が良いというのもあってか、思いの外指導に熱が入ったシャルロットは、訓練を切り上げて着替えると自然と三人に混ざって用務員室へと来ていた。
「よーっすイチ兄! 今日は此処で夕飯食べるけど、良いか?」
「今日はっつーか、今日もだろ。別に構わないけどさ」
「そういやそうだったぜ」
今時珍しいブラウン管型のテレビでニュースを視聴していた用務員ことイッセーに突っ込まれてたははと笑う一夏が椅子に座ると、本音がキョロキョロしながら質問をする。
「グレモリー先生はどこですか?」
シャルロットも見て気付いた話なのだが、本音はどうもリアスに懐いてて、そのお姉さんである虚も同様らしい。
本音の質問に対してイッセーは頬杖つきながらテレビに視線を向けたままの体勢で口を開く。
「リアスちゃんならまだ仕事。
なんでもさっき怪我人が数人出たとかなんとか……」
リアス共々見た目の容姿は殆ど自分等と変わらないレベルの若々しさなのに、妙に親父くさく見えるイッセーの言葉に最初はふーんと言葉を飲み込もうとしていた本音だが、小さく何かに気付いた様に『あ……』という声を出す。
「……………そういえばさ、さっき訓練場で言い争ってた時にヒートアップしてISで戦ってなかったっけ?」
「そういえばそうだったけど、別に怪我をしてた様子もなくて千冬姉さんに一発で伸されて直ぐに収まってたじゃん」
「しかし可能性が無いわけでは無いのでは……」
春人の取り巻きが言い争いの末、短時間ながらIS同士のバトルを展開させて千冬が即座に黙らせたという話をした瞬間、それまで頬杖をついていたイッセーがTVを消し始めた。
「…………。つまり、その小僧の取り巻きが怪我をして保健室に行ったって事なのか? その小僧も一緒にか?」
「それはわからないけど……ど、どうしよう、グレモリー先生が……」
「えっと兵藤さん……? どうしたんですか?」
「やべぇ、イチ兄があんな顔するの、前にリアス姉が暴走族っぽい男共に囲まれてナンパされてた時以来かもしれねぇ」
「え、それって……どうなったの?」
「…………。全員冬の寒中水泳の刑に処されてしまったと言えばデュノアも何となく察しがつくだろう?」
普段は無愛想に見えるイッセーが何時に無く真面目で鋭い目付きとなる事に驚くシャルロットは、以前リアス関連でやらかした事も聞く事で余計に『あ、もしかしてまずい?』という事を理解した。
「いやでもうちの姉さんが会わせないようにしようとしてるって山田先生も言ってたから大丈夫じゃないか?」
「……………」
「いやわかるぜイチ兄? 可能性がゼロじゃない限りは直ぐにでも行くべきなんだろうけど、それじゃあイチ兄が……」
明らかに心配してる顔をしてるイッセーを箒と一夏が落ち着かせるを見て、シャルロットはこんな顔もするんだ……とイッセーの印象を新たに植え付けていると、同じくなのか、突然本音が手を挙げた。
「私が見てくるよ!! 心配だもん!」
「そっちの方がまだ自然だ。なぁイチ兄、ここはのほほんさんに任せてみるのはどうだよ? 勿論俺達もついていくしさ?」
「…………………」
リアスの事になると、彼女の実兄よりもアグレッシブに暴走しがちなイッセーがそれで納得する訳ではなかったけど、立場のこともある為、取り敢えずその場に待機する事になった。
果たしてこの心配が当たっているのか……? それはこの場所から保健室へと場面が変わることでお分かりいただけるだろう。
「訓練中に言い争いになって危うくという所で先生がお止めになられたという事ですか」
「……………そんな所です」
IS学園保健室。
この場所は勿論怪我や病気をした人が訪れるべき場所であり、本日勤務日であるリアスは保険医として一日仕事をしていたのだが、その時間も終わりが近づいている頃にやって来た団体軽傷者達の処置を行っていた。
「まぁ皆軽い怪我ですので、月末のトーナメントには出場可能だと思いますわよ?」
「そ、そう……ですか」
「安心……しました」
「………」
「…………」
「…………チッ」
別に億劫とは思ってないしこれが仕事な為にリアスもきちんと処置を行っている。
しかしそれとは別に、今聞こえてないフリをしたのだが、千冬が終始嫌そうな顔で軽く舌打ちまでしていた。
「あら、凰さんだったかしら? 腕に切り傷ができてるわ。
布仏さん、ガーゼを。更識さんは消毒液を持ってきて貰えるかしら?」
「はーい」
「わかりました」
その理由は、春人関連において敵と認識してる三人が何故か集まっているから……というのがきっと大きい。
何せ今消毒液を持ってきた更識楯無は春人を理由があるとはいえひっぱたいた酷い小娘だし、それに付き従う布仏虚もきっと楯無寄り。
そして、春人を同行させないで心底良かったとホッとせざるを得ない美貌を持つリアス・グレモリーが何よりも千冬は危険視していたのだから。
「簪は怪我をしてないみたいだけど、例の織斑君関連で揉めたのかしら?」
「織斑君? えーっと、弟君の方かしら? そういえば居ないわね……彼は怪我をしてないのかしら?」
「っ……! してませんよ、そこの更識に以前殴られて以降は私が姉としてちゃんと守っている。
貴女が出張る事は必ずありえない」
「そんな力説しなくても怪我や病気をしないに越した事は無いのだし、それならそれで構いませんよ」
「先程からグレモリー先生を睨んでますが、何か先生に言いたいことでもおありですか?」
「……別に無いし、貴様には関係ない」
「あらそうですか。ならばそんなに殺気立つのはやめてもらえると助かるのですがね。
治るものも治りませんし」
「何だと、私が何時殺気――」
「はいはいはい! 布仏も織斑先生もそこまでになさい! 此処は保険室ですからね!」
「すいません先生」
「チッ……」
相変わらず容姿から何から春人に会わせる訳にはいかないと、嫉妬も混ざった気持ちで注意をされて舌打ちを止めない千冬。
「あ、あの保険医の人、かなり美人ね」
「織斑先生が頑なに春人さんを連れていこうとしなかった理由がわかりましたわ……」
「あぁ、もし春人があの女に惚れたら最悪にも程があるからな」
「確かに。今後はここも注意しないと……」
治療を受けた女子達もリアスの美貌を危険視し、千冬の気持ちに同意するのと同時に今後は絶対にこの場所に春人を連れてこないようにしようと珍しく息を合わせる。
「で、彼のハートはゲットできそうなの簪?」
「…………貴女には関係ない」
「あらそうね、確かに余計な質問だったわ。ごめんなさいね、もう聞かないわ」
「っ……!!」
そして簪は、あの日以降自分に関心をしなくなった姉に別の意味でイラついていた。
「今までさんざん鬱陶しかった癖に……」
「そうね、そこは反省しないといけない事だと気付いたわ」
「なのに今になって何なの……!?」
「この方がアナタにとっても気楽なんじゃないかと思ったに過ぎないからよ? 寧ろ何でイライラしてるのかわからないわ」
鬱陶しかったのもむかつくが、自分に無関心って態度もそれはそれで腹が立つと簪は春人にした事もあって余計に殺気の籠る目で睨むも、楯無飄々とした態度を崩さずにリアスの手伝いをしていた。
「さてと、これで完了よ」
「………お前達、早く帰るぞ」
「「「「……」」」」
「だってさ? じゃあまたね?」
「くっ……」
結局終始被害妄想にも似た嫉妬の目で睨み続けた千冬は、治療が終わったと聞いた途端にこんな場所には用は無いと云わんばかりに生徒達を引き連れてさっさと出ていってしまう。
「………はぁ、微妙に疲れたわ」
「お疲れさまでしたグレモリー先生、楯無お嬢様」
「本当に大丈夫なのかしら簪は……?
織斑先生に何かされやしないかと思うとやっぱり心配よ。織斑春人君は頼り無さそうだし」
それを見送ったリアス、虚、楯無は微妙な気疲れよせいか、椅子に深々と座りながらため息を吐いた。
「何で私って織斑先生に嫌われてるのかしら……。あまり関わりも無かった筈なんだけど」
「織斑先生は随分と弟さん――織斑春人を束縛してる様子ですので、恐らくグレモリー先生と接触して彼を先生が気に入るのを危惧してるのでは?」
「私が? いくら何でもよくも知らない一回りは歳も下な子にそんな感情なんて抱かないわよ。
そもそも私はこの全てをイッセーに―――って、今言う事じゃあないわね」
「シレッと惚気てくれて悔しいですよ私は。
でもそんな状況の彼に簪は本当に大丈夫なのかしら……」
「一応やりあえてる様子ではあると本音は言ってましたから大丈夫では?」
「だと良いんだけど……」
お門違いな恨まれ方なだけに余計面倒くさい。
リアスにしてみれば春人は単なる生徒の一人でしかない認識だし、かつて地獄に落とされた原因である転生者みたいな能力があろうとも自分はそれに抗えるだけの精神力を持っている自負があるのだから。
これからもこんな調子なのか……と二度目のため息を楯無と共に吐いたその時だ。
「グレモリー先生~!!」
保健室の扉が開けられかと思いきや、飛び込むかの如く入ってきた本音が勢いよく座っていたリアスに飛び付いてきた。
「ホンネ?」
「グレモリー先生大丈夫!? 何か変な事とかされてないよね!?」
「ええっと、変な事って一体何の話――」
「本音!! ノックもせずに行儀が悪いわよ!!」
飛び付いてきた所を受け止めながら、自分の胸に顔を埋めて離さない本音に戸惑っていると、虚が雷を落とすと、遅れて一夏と箒とシャルロットがやって来る。
「リアス姉、さっきまでうちのクラスメート+αが居たって聞いたんだけど……」
「どうやら居ないみたいだが、大丈夫だったのか?」
「あら、一夏に箒……それにデュノアさんまで? 一体どうしたというのよ?」
珍しく用務員室にでは無く、保健室にイッセーと真耶以外の面子が集まった。
何故そんなに焦った顔なのかがイマイチわからないリアスと楯無は、本音を引き剥がそうと雷落としをしてる虚をなだめつつ話を聞いてみると、どうやら春人関連の話をした途端、あからさまにイッセーが心配し始めたらしい。
「んで、春人とは会ったのか?」
「いいえ? 織斑先生が連れてこなかったって怖い顔しながら言ってたから会ってないわよ?」
「あぁ、織斑先生がか……なるほど、なら安心できるなイッセー兄さんも」
「何時も物静かだったのに、聞いた途端殺気剥き出しになって自分が様子を見に行くって言い出したもので……」
「そうなの? まったくイッセーったら……。直ぐにでも顔を出して安心させないといけないわね」
「そうしてやってくれ」
「ちぇ、グレモリー先生が羨ましい」
今頃一人で心配してるだろう心配性を安心させなければと、リアスは残りの仕事をさっさと片付け、待っていた子達と共に用務員室へと行く。
「……………………」
「お、落ち着いてくださいイッセーさん。グレモリー先生なら絶対に大丈夫ですから……」
「姿を見るまで安心できない面倒な性格になってしまったものですからね………クソ」
どうやら入れ違いで真耶が来ていたらしく、事情を聞いてイッセーを宥めていた様だ。
「イッセー」
リアスは直ぐ様入って無事だという姿を見せる。
すると、飼い主の足音を聞いて帰ったんだと喜ぶ犬みたいな反応を示したイッセーは、直ぐ様リアスに近づき、教育に悪いからと普段は子供の前では決して見せることは無かった行動をし始めた。
「リアスちゃん……! だ、大丈夫か? あのよくわからん小僧に何かされやしなかったか!?」
「大丈夫だし、そもそもその彼とは会ってないわ。織斑先生が私と会わせたくないらしいから」
「じゃ、じゃあ……」
「ええ、平気よ。第一仮に会った所で何かされるとも思えないし、百歩譲ってされたとしてもはね除けられるわよ」
まずこれでもかと、子供が見てる前でベタベタとリアスに触れ、本人の口から何もされなかったと聞いた途端、イッセーはそのままリアスをこれでもかと抱き締めた。
「よかった……はぁ良かった!」
「あん♪ もう、大袈裟だし子供が見てるのに……」
うわぁ……とシャルロットと真耶と虚が赤面しながら見てたり、ぐぬぬとしてる楯無が見てたり、羨ましそうに指をくわえてる本音が見てたり、うんうんと頷きながら一夏と箒が見てる前で抱き締めながら耳朶と首筋を軽く噛み始めるイッセーに軽く噛まれて若干喘いだ声を出しながらも抱き締め返すリアス。
出会った当初は逆だった二人の立場が微妙に逆転してるのはきっと気のせいじゃない。
「わわわ……! お、大人だぁ……!」
「ううっ、羨ましい様な恥ずかしい様な……」
「……。仮にああされそうになったら、私多分気絶しちゃうかも……」
「良いなぁ……」
「本音……そこは仕方ないのよ。確かにそう思うけど」
「ああなりたいもんだぜ、なぁ箒?」
「わ、私か? い、いやぁ……多分私も恥ずかしいぞ」
数分程二人は抱き合い、流石にそれ以上の事はしなかったものの、二人の関係が外様にどうこう出きる柔なものでは無いのだと子供達と真耶は羨ましさ半分で改めて思うのだった。
補足
千冬は被害妄想気味にリーアたんに嫉妬しており、今回の事でシンパさん達も同じ感じになりました。
よかったね、ますます出会える機会が減って束縛マックスだよ。
その2
子供の前では自重してますけど、基本こんな感じの二人です。
そして今回は受け止め側がリーアたんですが、基本的に甘える強さは彼女の方が強いし多いです。