色々なIF集   作:超人類DX

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すんげぇ昔に途中まで書いて放置してた奴を『まぁテキトーにで良いか』な気分で継ぎ足しただけのネタ。




※不意ネタ『敗北者のその後』

「これで終わりだ悪に取り憑かれた赤龍帝!」

 

 

 復讐を誓った奴が俺に向かって光を放つ槍の様なものを投げつけた。

 その言葉はまるで己が正義の使者だと云わんばかりの綺麗事で、俺を囲む他の――奴の味方連中全員も奴の勝利に顔を綻ばせてる。

 

 

「ぐ、が……ぁ……」

 

『死ぬな! お前がこんな程度でくたばる訳が無い! 今俺の力を渡せばこんな程度の掠り傷など――』

 

 

 俺がこの世に生まれた時から一緒で、俺の中に生きる龍の親友が、胸を貫かれ、最早痛いという感覚も消えて全身から力が抜けていく俺を励ましているのが聞こえる。

 勝利に酔って勝手にはしゃいでる野郎はその女比率の多すぎる取り巻き共の見えるものも見えなくなった節穴な目にはさぞ正義の男にでも見えるだろう。

 別に俺が正義であるなんて宣うつもりは無いし、奴に復讐できるなら悪だろうが構わなかった。

 

 けど勝てなかった。この短い人生の殆どを奴を殺す為だけに相棒と共に進化させ続けても結局は勝てなかった。

 

 

「か……ぁ……」

 

「虫の息だなァ? ようやく一番鬱陶しいバカがくたばってくれると思うと俺は夜も安心して眠れるってものだよ」

 

 

 それまで外面よくしていた野郎が周りに見えない角度から胸から止まらない血で水溜まりを作って倒れている俺を見下ろしながらゲスに歪んだ笑みを見せる。

 

 

「何でもかんでもご都合主義頼りのお前の代わりに生きてやるからさ? だから安心して死ね」

 

「……」

 

『こ、このカス野郎……! 俺が代わりに殺してやるっ!!!』

 

「ふっ、吠えるだけは一人前だな赤蜥蜴? だけど宿主様はもう死ぬんだぜ? お前も共に完全になぁ? 二天龍の片割れと呼ばれたお前の最後もこんなオチだなんて可哀想に……」

 

 

 目が霞んで顔がよく見えなくなってきたけど、死ぬほど殺してやりたい顔なのは憎悪の声を出す相棒を嘲笑する声でわかってしまう。

 あぁ……ごめんな、俺……仇も取れなかった上にお前にまで迷惑……を…………。

 

 

『死ぬなイッセー! こんな惨めに死ぬ等俺が許さん! 失った人生を取り返すのだろう!?』

 

 

 最期、そんな叱咤激励じみた声を相棒から言われた所で俺という個は完全に消えた。

 復讐相手に勝てずに負けた負け犬として……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「生きてますかー?」

 

「…………………………?」

 

 

 ―――そんな筈だった。

 

 

「………!?」

 

 

 死して完全に失った筈の意識が急激に覚醒する感覚はきっと気持ち良く眠っていた自分の枕元で爆竹を鳴らされて飛び起きる様な感覚なのかもしれない。

 現にその短い生涯に終止符を打った筈の少年の顔はそれはもう驚きに目を見開て飛び起きたのだから。

 

 

「一体何事だ……!?」

 

 

 飛び起きた少年は色々と処理の追い付かない思考のまま辺りを――というか白すぎて何にも無い空間を見渡しながら自分の措かれた状況を確認する。

 

 

「クソ野郎に胸を貫かれて確か完全に死んだ筈なのに……あれ、何で何処も痛くないんだ? 傷も無いし……」

 

 

 白い何も無い空間は二の次で、自分の身体を見える範囲で確認するイッセーは死に体だった肉体のどこにも傷が無いことにただ唖然となる。

 

 

「えーっと、びっくりしてるみたいだけど、大丈夫お兄さん?」

 

「ぬ!?」

 

 

 するとそんな彼の耳に入るのはどこかで聞いたにしては結構幼い様に聞こえる少女の声であり、パッと後ろを向くと、そこにはまったく見たことの無い幼い少女が立っていた。

 

 

「キミは……?」

 

 

 長い金髪が特徴で赤い瞳の幼い少女にイッセーは記憶を辿ってもやはり会った事が無かった。

 何より敵意をこの少女から感じなかったのが久々だったのでイッセーはただただ普通に尋ねてしまった。

 

 

「私? 私はずっとこの何にも無い場所に居るんだけど、偶々歩いてたらアナタが倒れてたの」

 

「倒れていた? ………そういえば此処は一体なんだ?」

 

「さぁ? 私にもわからない。何時から私もここに居たのかわからずに気付いたらって感じだったから」

 

 

 どうやらこの少女にもよくわからない謎の空間らしい――何者かを聞いたつもりがある意味それ以上に有益な情報を得られたイッセーは相手が子供というのもあってか、そうなんだと頷きながら少女と共にこの真っ白けな空間を見渡す。

 

 

「………………もしかしてあの世的な所なのか?」

 

「あの世? え、お兄さん死んじゃったの?」

 

「多分な。けど仮にあの世だとしたらそれはそれで変だ。だって俺とキミ以外に死んだ人達が居ない」

 

 

 別にあの世の世界が漫画で見るような場所だとも思ってないイッセーは、この場所が特殊な場所である事を考える。

 そうでなければこの少女だけしか居ないなんて変にも程があるのだから。

 

 

「というか、キミはさっき気付いたらこの場所に居たって言ってたよな?」

 

「うん、そうだよ?」

 

「えっとさ、それじゃあこの場所に来る前の事とか覚えてないか?」

 

「うーん」

 

 

 ならば手がかりはこの少女にあるのかもしれないと踏んだイッセーはもう一度、今度は子供に言い聞かせる様にゆっくりとした口調で目を合わせて聞く。

 すると少女はうんうんと記憶をたどる様に唸るも……。

 

 

「わかんない」

 

 

 此処に来た前後の記憶が無いらしく、わからないと答えた。

 

「そっか……」

 

「えっと、ごめんね?」

 

「謝る事じゃないさ」

 

 

 少し気落ちした顔を見て少女なりに察したのか、謝るのでイッセーは無意識にその頭を軽く撫でながら柔らかい笑みを浮かべる。

 

 いくら復讐に生きたと言っても、初対面の少女に当たる真似は堕ちても尚したくないのだ。

 

 

「うーん、取り敢えず歩いてみるか?」

 

「ずっと歩いてたけど何にも無かったよ?」

 

「ホントか……って、ちょっと待った。ずっとってお腹とか空かなかったのか?」

 

「全然? もうずっと何も食べてないけど平気なんだ」

 

(…………。やっぱり死んで幽霊にでもなってるんじゃないのかこの子? となるとやっぱり俺も所謂幽霊……?)

 

 

 考えてみればその方があれだけの重症だったのが嘘みたいに動かせる自分の身体の説明も出きる。

 やはり此処は死後の世界か何かなのか? そう思いながら取り敢えず上も下も距離感がよくわからない白空間内を歩いてみる。

 

 

「見事に白だけだな……」

 

「でしょ?」

 

「こんな所にキミはずっと居たのかと思うと凄いぜ」

 

「そ、そうかな? えへへ、でも今はお兄さんが居るし、もう寂しくないかも」

 

「え? あ、そっか……そうだよな」

 

 

 本当に歩いても何も無い空間に少なくとも自分よりも更に前から閉じ込められてる少女のはにかむ表情にイッセーは同じである事を自覚する。

 

 

(死んだって事はドライグも俺の中に――)

 

 

 故に宿主だった自分が死ぬ事で宿っていた龍も最早存在しないという寂しさも受け入れなければならないのかと考えていたイッセーだったが……。

 

 

『ちゃんと居るぞ俺も』

 

「!? え、だ、だれ!?」

 

「ど、ドライグ!?」

 

 

 相棒の龍はその存在を示す為にイッセーの左腕に籠手として出現し、声を放った。

 当然自身の左腕を見て驚くイッセーだが、一番驚いたとは渋い男性ボイスと共に左腕全体を覆う様に現れたのを見た少女だろう。

 

 

「お、お前どうして……」

 

『俺にもよくわからん。確かに奴に殺られた筈が俺もお前もこの謎の場所に居るだなんてな』

 

「え、この赤いのが声を出してるの?」

 

 

 驚きながらもイッセーの左腕を覆う小手を指でつんつんと好奇心が勝ってつついてる少女。

 

 

『お前がまだ俺の宿主である以上、どういう理由かはわからんが、まだ完全に終わっては居ないという事にたる』

 

「つまり、この場所から抜け出せれば戻れると?」

 

『恐らくはな。だが……どうだろうな、前例がないので難しいかもしれん』

 

「おぉ、すごーい!」

 

 

 シリアスな話をしてる一人と一匹の横で少女がつんつんしてるというシュールな光景。

 こうして死したのかそれとも生き延びたのかイマイチ不透明であるまま復活を遂げた赤龍帝は、先人たる幼い少女と共にこの白空間をさ迷う事になる。

 

 

「ドラゴンさんなんだ?」

 

『まぁな。それより小娘、お前の名は何だ?』

 

「あ、俺も聞いてなかったし、名乗るのも忘れてたわ」

 

『肝心な所だろうが……』

 

 

 数日なのか、それとも数年なのか……とにかく時間の感覚がわからない空間をひたすら変化を求めてさ迷う。

 

 

「俺は兵藤イッセー。気軽にイッセーとでも呼んでくれ」

 

『俺はドライグで構わん』

 

「イッセーにドライグ。あはは、何だか嬉しいなぁ、ずっとこの場所で独りだったから……」

 

「そっか、ならこれから俺達も居るから安心しなよ……えっと?」

 

「うん、私は――――

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――アリシア、アリシア・テスタロッサ!」

 

 

 敵意を向けない少女と共に。

 そしてこの出会いが堕ちた赤龍帝に復讐以外の生きる意味を与える事になる。

 

 

「よっしゃあ! ドライグも居るってんならいっそパワー全開でこの空間を壊してみるか!?」

 

『小娘が居るし、危険じゃないのか? どんな場所かもわからんし』

 

「けど歩いても何にも無いままなんだぜ? だったら賭けに出るべきだろ? なぁアリシアはどう思う? もしここで俺がこの場所を無理矢理壊そうとして失敗したら怒る?」

 

「怒らないよ。私もこの場所以外の所に行けるなら……」

 

「だってよドライグ? 将来大物になりそうだぜこの子は?」

 

『死んでるかもしれんのにか……まぁいい、おいアリシア――イッセーから少し離れろ』

 

 

 考えた結果導き出したのは、強引に力でこじ開ける方法。

 

 

『Boost!』

 

「わわっ!?」

 

「やるか……100倍ビッグバン・ドラゴン波!!」

 

 

 堕ちたとしても進化させ続けた力は強烈無比であり、全身から赤き力を解放したイッセーはその力をこの空間に向ける。

 

 

『! 黒い穴が開いた! あそこだけ空間の種類が違う!』

 

「てことは入れば何かしらの場所に繋がってるのか!?」

 

『それこそ賭けだがな! 早くしろ! 時間と共に穴が狭まっている!』

 

「よしっ! 行こうぜアリシア!」

 

「……! うん!」

 

 

 殆ど全力で解放した力は牢獄の様な空間に亀裂を生み、小さな入り口を作ると、イッセーは差しのべた手を嬉しそうに取った小さな少女・アリシアと共に飛び込んだ。

 

 そしてたどり着いた先は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………。木があるし、池もある。

お、おぉ……か、風をリアルに感じるぞ! 間違いなくこの世だろここは!?」

 

『そうだが……ちょっとした問題が発生したぞイッセー?』

 

「へ? 何が…………って、アリシア? 急に背ぇ伸びてね?」

 

「多分私じゃなくてイッセーが縮んだんだと思うよ……」

 

「ワッツ!?」

 

 

 強引に力を解放する事で抜け出した先の世界と、その代償による自身の退化だった。

 

 

「海鳴市っていうのかここは。てことは日本か? ………アリシアの家ってどう考えても外国だと思うけど」

 

『そればかりか、悪魔やらの生物の気配がまるでしない……いや、ポツポツそれらしき気配は感じるが、絶対数が少なすぎる』

 

「え? ……………何も感じないじゃんか―――――何も感じないっ!?」

 

 

 これまで積み上げた力の全てがゼロへと戻る代償が……。

 

 

「ちょ、ちょっと走っただけで……ぜぇ……し、しかも身体が重い……」

 

『完全にあの空間に居たまでの力を失ってると見て間違いないな』

 

「大丈夫……?」

 

「お、おう大丈夫だぜアリシア……。てか、ここに来てから腹が減ってきたんだけどアリシアは大丈夫か?」

 

「そう言われるとお腹空いたかも……」

 

「そっか! じゃあ俺が何か食べるものを持ってくるからアリシアはここに居てくれ!」

 

 

 しかしそれでもイッセーは割りと前向きに、記憶が殆ど抜け落ちてる少女を家に帰す為に奮闘する。

 

 

「ぐ、くそ……あのおっさんめ、おもいきり棒で殴ってきやがったぜ……」

 

「だ、大丈夫? 血が……」

 

「お、おう平気だぜ。それよりアリシア、取り敢えずパンを手に入れたからこれを食べなさい」

 

「でもイッセーの分が……」

 

「俺はさっき食ったから大丈夫だ! ほら育ち盛りの娘さんなんだから食べなさい!」

 

 

 時には盗みを働き……。

 

 

「すぅすぅ……」

 

「どこでも良いから屋根のある場所を探さないとまずいな……この子が風邪をひいてしまう」

 

『しかし住家を探すにも金が必要なんだろう? 今のお前の餓鬼そのものの身体では働くことも儘ならんだろ』

 

「力をある程度取り戻しておかないといけないってのもあるしな……。

とにかくこの子の衣食住だけは何とか人並みに確保しないと……」

 

『お前はどうするんだ?』

 

「俺? 俺は別に腹減ったらそこら辺の虫だの何だの焼いて食ってこっそり満たせばいいさ。昔と同じだぜ」

 

 

 自分の事は二の次でアリシアの為に失って人並み以下の身体に鞭を打ち。

 

 

「お!? 見ろよドライグ! 質屋に持ってったら売れそうな綺麗な石ころが落っこちてるぜ!」

 

『……………。ちょっと待て、あの石から妙に嫌な力を感じるぞ』

 

「そんなもんさっさと売れば問題ないぜ! よし! これでアリシアに着替えの服を追加できそう―――どぉわ!?」

 

『!? 後ろだイッセー!』

 

 

 自分に敵意を向けなかった少女にルーツを取り戻させる為に何でもやってきたイッセーはその運命の歯車の中へと入り込んでしまう。

 

 

「く、ぐぅ……なんなんだ一体……?」

 

「…………」

 

「おい! 誰だか知らないけど、爆竹投げるなんて危な……………………え? アリシア?」

 

「……………?」

 

「おいおい、アリシアだよな? 家で待ってるろって…………いや、あれ? 違う? そんな服知らないし……え、あれ?」

 

 

 アリシアに瓜二つ過ぎるけど何か違う少女と出会したり……。

 

 

「バルディッシュ!」

 

「うぉ!? お、斧なんか持ってるぞあのアリシアじゃない子!? あ、危ないからそんな物騒なもの――ぬぉい!?」

 

『チッ、よくはわからんが、向こうはお前の持ってる妙な石が欲しいらしい。それこそお前を叩きのめしてでもな』

 

「くっ、こんな高そうで売れそうな石を欲しいってんならあげても良いけど、こっちも生活がかかってんだ。

悪いけど逃げる―――行くぜドライグ!」

 

「!? で、デバイス……?」

 

 

 取り敢えず逃げたり。

 

 

「この前は結局逃げている途中で落としてしまったが、今度こそ――」

 

「待って! その石に触ったら駄目なの!」

 

「と、思ってたらまた来た! 今度は―――――見たことない子だな」

 

『だがアリシアに似てた小娘みたいなものを持ってるぞあの小娘』

 

「くっ、となるとやはり――逃げる!」

 

「あ、待って! レイジングハート!!」

 

「ほら来た! 今度こそ全力逃走だぞドライグ!」

 

『はぁ……』

 

「え!? あ、あの左腕って、まさかデバイス?」

 

 

 別の娘さんにも追い回されたり……。

 

 

「ぜぇ……ぜぇ……! ふ、ふはは……どうだ、完全に撒けたぜ。くくく、これでアリシアにケーキを買って――」

 

「そのジュエルシードをこっちに渡して」

 

「―――――――買わせてよ!?」

 

 

 撒けたと思ったらアリシアに似た娘さんに見つかって……。

 

 

「お慈悲を! お慈悲をください! お腹を空かせた妹にケーキを買ってあげたいからこの石を質屋に売りたいだけなんだ! だからどうか一個くらい見逃してください!!」

 

「え、えっと……こ、これはただの石じゃなくて危険だから……」

 

 

 プライドをかなぐり捨てて幼女に土下座噛ます幼児化してる赤龍帝にアリシアそっくりな少女は割りと困ったり。

 

 

「ご、ごめんよアリシア、ケーキ買えなかった……」

 

「ケーキよりイッセーが怪我をしてる方が大変だよ! イッセーが怪我をしたら悲しいのに……!」

 

「本当にごめん……」

 

『どっちが年上がわからんなこれでは……』

 

 

 結果ケーキ買えずに擦り傷だらけで廃墟同然の住み家に帰ったら、怪我をしたイッセーを見てオカンみたいに怒って手当ての手伝いをするしっかりものになりつつあるアリシアとか。

 

 

「な、何故アリシアが!?」

 

「そうか、そういう事か。

あのアリシアに似てる子は、似てるだけじゃなかったってか」

 

「質問に答えなさい! アリシアの身体は確かに保管して……」

 

「さぁね、ただ……あの子にアンタの記憶は無い。そしてあの子は間違いなくアリシア・テスタロッサと名乗っていた。

あの子がもし今のアンタのやってる事を聞いたら怒るじゃ済まされねぇだろうよ……」

 

「黙りなさい! 今すぐあの子の居場所を吐きなさい!!」

 

「嫌だね。まともな両親だったら帰してたけど……今のアンタ見てたらそんな気なんぞ起きない」

 

 

 そして運命は。

 

 

「ぐっ、こ、これ以上力が出ない……」

 

「見慣れない力を使うみたいだけど、所詮は子供ね。さぁ、これ以上痛い目に遇いたく無ければあの子の場所を話しなさい?」

 

「話してあの子と会ったら、もう一人のアリシアに似た……フェイトって子だったか? あの子をどうするんだよ?」

 

「ふん、決まってるわ、アリシアを取り戻した以上、あんな出来損ないにもう用は無いから適当に処分でもするわ」

 

「…………………………………………………………………。俺は別に正義を気取るつもりは無い。好きか嫌いかで判断するんだが………今のアンタは気に入らねぇよ!」

 

『Boost!』

 

「だから答えはノーだ!!」

 

 

 彼に生きる意味を与える。

 

 

『explosion!』

 

「目でも覚ましやがれ、この熟女めがぁっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………。この場所って俺の居た場所とはまったく違うんだね。

はぁ――どうすっかなこれから先……」

 

『さてな。

けど、あのカス野郎の事を考えずに生きられるという意味を貰った以上はその恩に応えなければいけないんじゃないか?』

 

「………まーね、身体もこんなザマだしなぁ」

 

「イッセー」

 

「おう、朝からアリシアは元気だなぁ」

 

「ご飯作ったから早く食べようよ?」

 

「おーう」

 

『……。すっかり小娘は家事が出きるようになってしまったな』

 

 

 終わり




補足

基本的に人の子には優しいのと、子供にひもじいおもいはNGだろという空回りが回りに回ったせいで逆に子供の方がしっかりしちゃった的なドタバタ系。


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