色々なIF集   作:超人類DX

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こう、もっと限定させたいというか、D×S系ばりのドヘイト系がやりてぇっつーか。

レイヴェルたん万歳っつーか。


生徒会長にならなかった元イッセーと鳥さん
※嘘ったれリブート。非・生徒会長イッセーと鳥兄妹


 絶望。

 掴めぬ希望。

 届かぬ幸福。

 

 全てに利用され、全てに捨てられ、全てに蹂躙され、それでも残った僅かな『我』も、後は朽ち果てるのを待つだけ。

 

 

 絶望。

 その言葉だけが残り、虫けらの様に死へと向かう。

 

 愛した家族は殺された。愛した女性は蹂躙された。

 血の繋がりは無いけど、確かに兄弟と呼び合えた者達も殺された。そして自分自身も……。

 

 けれど、残った我は死への恐怖と絶望の最中に強大な『報復心』を芽生えさせた。

 

 誰が自分をこんな目に遇わせた? そう奴等だ。

 

 自分はこんな目に遇っているのに何故奴等だけが幸せに生きていける?

 

 許せない。許さない。許さない。許さない……!

 

 

 精神は破綻している。

 その精神(スキル)は骨の髄まで利用されて喪われている。

 残ったのは強大な復讐心だけであり、そのドス黒い怨念が朽ち果てる筈の者に力を与えた。

 

 その身に漆黒の風と炎が宿り、復讐の炎として消えかけていた生に活力を……。

 

 

 自分の生き方を壊した全てに報復を。

 

 

 復讐という我が爆発した時、全てを壊す怪物(モンスター)が生まれた。

 精神の力を失った代わりに黒き報復の炎を。

 相棒(ドラゴン)を殺された代わりに激情の炎を――――

 

 

 

 

 

 

 

 傲慢で、チャラチャラしている。

 だからリアス・グレモリーはライザー・フェニックスとの婚約話が嫌だったし、実際彼が居る前で明確な拒絶すらしてみせた。

 

 

「アナタと結婚するぐらいなら死んだ方がマシよ!」

 

「そうだそうだ! お前みたいな焼き鳥男にリアス部長は相応しくないぜ!」

 

 

 二十代前半の青年ぐらいの純血悪魔の男に向かってハッキリと言い切るリアスに、初見から気にくわないと思っていた兵士の少年も、まだ新人という事で色々と解ってないせいか、ライザーと呼ばれる青年を罵倒する。

 

 

「………」

 

 

 そんなリアスと自分を罵倒してきた少年に対してライザーは特に怒る様子は見られなかった。

 

 

(くく、焼き鳥男ねぇ?)

 

 

 実に懐かしい呼ばれ方をされたものだ……。と、兵士の少年の自分に対する敵意の込められた表情に対して、これが初対面の筈のライザーは内心懐かしい気持ちになっていたのだ。

 

 

「……。好き勝手言ってくれるのは構わないし、そんなに結婚したくないって意思はわかった。

けど、ここで勝手に吠えた所でキミの実家のご両親等には伝わらないぞ?」

 

 そんなライザーは嫌だ嫌だの一点張りのリアスに対して正論を放つ。

 その余りの冷静さに一瞬リアス達も不審がる中、あくまで中立の立場としてここに来ていたグレモリー家のメイド長であるグレイフィアが割って入る。

 

 

「双方の言い分は理解致しました。

しかし、このまま討議を続けていても話が纏まる気配が無いと判断し、我々の方で解決方を提案させて頂きます。

ライザー様とリアス様によるレーティングゲームで決着をつけるのはどうでしょう?」

 

 

 抑揚の無い調子でレーティングゲームでケリを着けろと言うグレイフィアに、リアスや今ライザーを焼き鳥男と罵倒した少年以外の眷属達の顔つきが変わる。

 

 

「レーティングゲーム……?」

 

「なるほどね……勝った方が言い分を通せるって事ですか」

 

「はい。そうなります」

 

 

 少年が首を傾げてるのを一瞥しながらライザーは冷静に言葉を紡ぐ。

 しかし……。

 

 

(ほーら来たっ! くくく、その言葉を待ってたぜ!)

 

 

 その内心は、思い通りの展開に歓喜していた。

 

 

「シンプルで結構じゃありませんか、良いでしょうそれで――」

 

「ですが」

 

 

 レーティングゲームという合法的な手段にまで持ち込めたと歓喜したライザーはさっさと乗ろうと頷こうとした。

 だが、その言葉に割り込むかの様にグレイフィアが口を開き、声が止まってしまう。

 

 

「リアス様の駒は王を入れて現在6名です」

 

「(チッ)みたいですね」

 

 

 中断させられて思わず内心舌打ちするライザーは、『全くもってどうでも良いリアス達』を一瞥しつつグレイフィアの言葉を待つ。

 

 

「対してライザー様の駒は王を入れても現状()()しかおりません」

 

「…………」

 

 

 どうやら頭数の差について言いたいことがあるらしい。

 自分を抜かせばライザーの眷属は二人しか居ない。

 その言葉に驚いたのはリアスだった。

 

 

「あ、アナタ、自分の下僕が二人しか居ないって本当なの?」

 

「………」

 

 

 何をそんなに意外に思われてるのかは知らないが、眷属が二人しか居ない事に驚くリアスに対してライザーは自身の心が凍てついていくのを感じながら淡々と口を開く。

 

 

「だからなんだ? 力の誇示の為に眷属を増やして無理にフルメンバーにする方がどうかと思うし、俺は俺の信じた奴しか眷属にしない主義なんでね」

 

「けれど、アナタの眷属はフルメンバーで全員が女性で構成されてるって話が……」

 

「へぇ? 一体どこの誰がそんな話を広めたのかねぇ? まあ、誰でも良いし事実はこれだ」

 

「……………」

 

 

 ニヒルに笑うライザーにリアスはどこか腑に落ちない顔になる。

 

 

「ならばアナタの眷属は一体……」

 

 

 女好きが高じて眷属までもライザー好みの女に固めてる…………と、てっきり思っていたリアスにライザーは自信に溢れた表情で指を鳴らす。

 

 

「まあ、仮にも非公式ながら対戦する相手だ。

フェア精神に乗っ取り紹介しておこうか」

 

 

 パチンと良い音がリアスの人間界の活動拠点となる駒王学園・旧校舎のオカルト研究部と部室に響き渡ると、フェニックスの紋章が刻まれた魔方陣と共に二人の人影が姿を現す。

 

 

「紹介しよう、俺の自慢の眷属だ」

 

『…………』

 

 

 現れた二人のライザー眷属にリアス達は息を飲んだ。

 一人はライザーと同じ色をした金髪と、勝ち気そうな青い目をした、先程ライザーを焼き鳥と罵倒した少年……というか兵藤一誠が少し興奮するレベルの美少女。

 そしてもう一人は……黒いスーツに身を包んだ、口元と目元以外の全てが包帯で覆われた――体格からして男だと思われる者だった。

 

 

「別に階級なんて決めて無いが、敢えて言うなら僧侶のレイヴェル・フェニックスと女王――おっと、男だから将軍だったな? 将軍のギル・フェニックスだ」

 

「「………」」

 

 

 レイヴェル・フェニックス、そしてギル・フェニックスと紹介するのと同時に二人が無言でぺこりと頭を下げる。

 レイヴェルという少女はともかく、わずかに目元と口元しか見えない包帯男に対しては不気味なものを感じてしまうリアス達は声がでなかった。

 

 

「以上、俺を含むこの三人でレーティングゲームを挑ませて貰う。

なぁに、やるからには全力で挑むぜ? 例えどこかの誰かが考えたデキレースだとしてもなぁ?」

 

「…………」

 

 

 自信満々に三人で勝つ気でいるライザーが意味深な視線をグレイフィアに送る。

 それに対してグレイフィアは無視する形で無言で、本当に三人しか居ないと理解したリアスは内心『勝てる』と踏み、この勝負に応じる。

 

 

「わかったわ、アナタに勝ったら婚約の話は無しよ?」

 

「成立だな……ククク」

 

 

 こうしてレーティングゲームが行われる事が決定する。

 

 

「帰るぞギル、レイヴェル」

 

「はいお兄様」

 

「…………」

 

「か、可愛いなあの子……あんな焼き鳥男と妹とは思えねぇ」

 

 

 それが始まりである事とはまだ知らずに。

 

 

 

 

 

 

 リアスとのレーティングゲームまで漕ぎ着けたライザーは、二人だけの眷属であるギルとレイヴェルを連れてフェニックスの実家に戻ると、両親や他の兄弟達に対して素っ気ない挨拶を済ませて自室に引きこもる。

 

 

「さてと、やっと復活の狼煙が上げられそうだ」

 

「ええ、直の本人達ではないのが悔やまれますが」

 

「まあ、そう言うな少しは気も晴れるってものだろ? おっと、取り敢えずギルは鬱陶しいその包帯を外しても良いぜ?」

 

 

 この場所が今のところ本当の自分になれる空間という事で、ダラダラと椅子に座るライザーはレイヴェルに手伝わせながらギルと呼ばれる男に包帯を取れと命じる。

 

 

「付け焼き刃でしたけど、どうやら連中の目は欺けた様でなによりですわ」

 

 

 シュルシュルと顔中に巻いた包帯が外され、その下の容姿が露になる。

 

 

「取れましたわ」

 

「ふぅ」

 

「窮屈だったろ兄弟? 存分に皮膚呼吸を堪能してくれ」

 

 

 その容姿は先程でオカルト研究部の部室でライザーに噛みついた少年にあまりにも酷似していた。

 まるで双子の兄弟だと言っても信じられる程に似ていて、違いがあるとすれば背の高さや髪の色……そしてどこまでも暗いその眼だった。

 

 

「どうやらまだ幸せそうだぜ? 向こうのお前はな。どう思ったよ?」

 

「どうも何も無いし、どうとも思わないさ別に。彼は彼、俺は俺でどう生きて死のうが知ったことじゃないぜ」

 

 

 声までも酷似する少年は、変な言い回しをしながら問い掛けるライザーに対して淡々と返すと、外した包帯を手に持ち、ライターも火種も無く手から出現させた黒い炎で燃やした。

 

 

「死なずに生きる。

その目的に奴等の存在はどうでも良い」

 

「まぁな、今回わざわざこんな真似したのも俺個人の復讐でしかねぇからな」

 

「まあ、一発ぶん殴ってやりたい気ではありますが」

 

 

 絶望の果てに失った精神の力の代わりに得た力。

 それが朽ち果てた果ての今の彼であり、黒き不死鳥。

 奇しくもそれはライザーやレイヴェルと同質の力なのだった。

 

 

「大丈夫だ。

向こうにお前が存在してるのだから大体の矛先は彼が担う筈だ。

お前はレイヴェルと生きてくれたらそれで良い。邪魔する奴は俺が燃やし尽くしてやるぜ」

 

「兄貴……」

 

「無論私もですよイッセー――いえ、ギル。

アナタはもう独りじゃない……今度は地獄の底まで私とお兄様も一緒です」

 

「レイヴェル……あぁ、そうだな。俺たちは死んでも一緒。

だが、仕返しはしてやらねぇとな」

 

 

 この世で互いだけしか信じない。

 ライザーはかつて居た筈の眷属達からも裏切られ。

 ギルは全てを奪われ……。

 レイヴェルは彼を愛するからこそ拒否したから殺され。

 

 その憎悪を糧に奇跡とも言える復活を果たした不死鳥達は復讐の炎を燃えたぎらせる。

 生き残る為に……二度と奪われない為に。

 

「俺達は『恐怖』を克服することが『生きる』ことだ。

世界の頂点に立つ者は! ほんのちっぽけな『恐怖』をも持たぬ者ッ! 頂点に立つつもりはないが、永遠の『安心』を得るために生きるッ!」

 

「あぁ」

 

「勿論ですわ」

 

 

 ライザーの発する言葉に二人は自然と寄り添いながら頷く。

 

 

「その為には『自信』を取り戻す。

まずは俺から自信を奪ったリアス・グレモリーを叩きのめす!」

 

 

 黒色の炎、橙色の炎、赤みがかった橙色の炎。

 三人の放つ炎が混ざり合い、ひとつとなる。

 

 

「願わくば、早いとこお前達の子供の顔が見たいぜ」

 

「今度こそ邪魔されませんわ。散々ギルの力を吸い尽くして束縛するような連中には渡しません!」

 

「もぷっ……なんつー役得。

てかレイヴェル、また胸デカくなったか? 柔っこさが増してるんだけど」

 

「だってぇ、ギルったらいつも赤ん坊みたいに……うふふ♪」

 

 それが不死鳥へと変質し、不死鳥三人組として『安心』を得る為の戦いの始まりだった。

 

 

「俺達の事は良いが、兄貴はどうすんだよ?」

 

「俺? フッ……お前達しか信じられない今は考えられないぜ。

第一、建前とはいえ、あのリアス・グレモリーにあんな台詞吐いてたんだと思うと寒気が止まらねぇ」

 

「お兄様も変わりましたね……」

 

「そらお前、目の前で俺の眷属が寝取られたトラウマってのは半端ないもんだぜ? 挙げ句その眷属達に罵倒されて殺されるしよ……。

散々だったぜマジで。まぁ、簡単に傾倒しちまう眷属にも愛想は尽きちまったが」

 

 

 




補足

何時もの無神臓は完全に消し飛びました。

代わりにどこぞの復讐者さんみたいな夜の炎が憎悪で覚醒しましたとさ。

その2
ちな、ライザー様は大地系七属性炎。
レイヴェルたまは大空系七属性炎に覚醒したらしいヨ。

その3
復讐相手は厳密には彼女・彼等ではありません。

……ありませんけど、やはり誰かの意思でも働いてるみたいにライザーさんへの風当たりが強い感じになってるので、ザマァ見ろと嗤ってやりたい模様。


その4
その最初として、リアスや普通のイッセーからは早速女にだらしない焼き鳥野郎と罵られましたとさ。


その5
レイヴェルたんと彼の関係は鳥猫よりもかなり気安いです。
鳥猫よりも関係もかなり進んでます。


その6
別に続きは考えてない。

やるとしても、猫さん話みたいに変な和解じみた事もなく、レイヴェルたんに彼が惹かれていくせいでプッツンしちまうとか、そのせいで余計敵だらけになってしまったりとか、そんななんでもない話ですしね。

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