色々なIF集   作:超人類DX

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傾向と対策の話し合いみたいな


第3弾・敵さんだらけのイレギュラー

 ある日、道端で出会した男に突然性犯罪者呼ばわりされたので顎の骨を粉々にしてやった。

 

 次の日、何時ものとは違う道をリアスと一緒に帰ってたら、これまた見知らぬ男がリアスに対して無能がどうとかほざいたので刹那で手足の骨を砕いてやった。

 

 その数日後、またしても知らん顔の奴にリアス共々罵倒されたので、二人でぶちのめしてやった。

 

 挙げ句の果てにはリアスは無能だが見た目は良いとほざき散らしたバカを徹底的に痛め付けてから殺してやった。

 

 

 つまり兵藤一誠は、数多の知識とやらを持つ存在にとっては予測を越えたイレギュラーさを持っているという事なのだ。

 

 

「ねぇ、何で俺とかリアスちゃんばっかり目の敵にされてるわけ?」

 

「確かに。

妙に殺意を向けられる気はするね」

 

「私は逆にそうでもないけど」

 

「思い返してみるとソーナはあまり嫌われてないかもしれないわね」

 

 

 イレギュラーによって対イレギュラー化した者達。

 わかりやすく言えばそんな感じなのだが、あまりにも多いので、いっそ調べてみようと現れた転生者をぶちのめして色々吐かせてといった真似を何度か続ける事になった。

 

 そして数日後、彼等は謂れのないヘイトを向けてくるイレギュラー達に関しての統計をまとめた。

 

 

「えーっと、まずぶっちぎりで嫌われてるのが俺と雪―――つまり兵藤一誠くんでーす。

へーい拍手~」

 

「わーい、やったよセンパイ! 俺生まれて初めて一番になれたっ!」

 

「お祝いにぎゅってしてあげるわ」

 

「……喜ぶべき所じゃあないわよ」

 

 

 連中に嫌われてる度ナンバーワンに輝いたのはブラマイ一誠で、生まれて初めて一位になれたと喜ぶ雪ことマイナス一誠はソーナからお祝いにぎゅってされており、それを見たリアスはとても微妙な顔をしてた。

 

 

「で、嫌われてる理由は色々あって、まず一つ目が『性犯罪者だから』……だそうだ」

 

「はい?」

 

 

 そんな二人のやり取りを尻目に、一誠が己の毛嫌いされている理由を挙げていくと、一位になれた事に喜んでいた雪がピタリと止まって顔を上げる。

 

 

「性犯罪者だからってどういうこと?」

 

 

 嫌われてるのには慣れきってるが、その理由に対して何一つ身に覚えが無い雪が一誠にどういう事なのかと訊ねる。

 

 

「九分殺しの際に大体がほざいてたんだけど、どうも奴等の記憶の中にある俺達は、覗きは平然とするし、エロ本を学校に持ち込むし、女子に対して無差別にセクハラしているらしいぜ」

 

「え、そんな事してたのキミ?」

 

「そんな真似が出来る環境じゃない状況にしたのがその連中の一人だったから残念ながら俺でもないね。

が、覗きに関しては否定できねーな。ヤツをぶち殺す為の弱点探しって意味で」

 

「うーん、そう言われると確かに覗きに関しては俺も否定できないかも。

卑屈になってた時はしょっちゅうお兄たまを見て逃げてたし」

 

「どちらにせよ、奴等にいじくり回されさえしなければ、俺達は本来そんなタイプだったらしい。

これがまずひとつめな? んで二つ目は『そんな奴なのに異性に好意をご都合主義の様に持たれるから』――だってよ」

 

 

 ほぼこれが理由だろ野郎の連中については……と話す一誠に雪もリアスもソーナも馬鹿馬鹿しさを覚えてしまう。

 

 

「それって要するに、本来の俺達の性質に対して単に妬んでるだけなんじゃないの?」

 

「まぁそうだろうなぁ。

何人か口を割らせたバカの話じゃ、本来俺達はリアスちゃんの兵士として悪魔に転生し、そこから所謂ハーレム状態になるらしい―――奴等曰く主人公補正とやらでな」

 

「と言うことは私の眷属だった人達とも仲を深めてたかもしれなかったって事よね?」

 

「奴等曰くね。

もっとも、俺はそんな状況がまるで想像できないし、リアスちゃん以外の異性に対してどう足掻こうとも何とも思えない訳だけども」

 

「雪の場合は微妙に近い状況にはなってたわね。ただし、天然の過負荷オンリーでね」

 

「それでも俺は全部センパイと生きるから無理だって最初から断り続けてたぜ?」

 

 

 要するに知り合う美少女の殆どから好かれていくのが気にくわないといった理由な事に、その転生者によってねじ曲げられた気質を形成してしまったツインズ一誠の気分はあまり理解できるものでは無いらしい。

 

 

「複数の異性云々は百歩譲って理由としては納得するにしても、それってやっぱり本来の一誠の資質に対する単なる僻みにしか思えないのだけど……」

 

「ほぼ間違いなくそうでしょうね。

アナタ達の居た場所では、その男とやらが引く程の人数の女性と関係を持っていたのでしょう?」

 

「ええ……まあ、私の兄の妻――つまりグレイフィア・ルキフグスとも寝てたわ」

 

「それは基本的にヘラヘラ笑える俺でも引くわぁ……」

 

 

 人妻とも余裕で寝てる奴にだけは言われたくは無いなぁと思う雪にリアスも過去を思い返してしまったのか、苦々しい顔をしていた。

 

 

「簡潔にまとめれば、本来の俺達は性犯罪者みたいな真似をしてるくせに、多くの異性から好意を持たれるのが気にくわない――て事で良いの?」

 

「他にも重箱の隅を突っつく様なしょうもない理由を抜かしてたけど、概ねはそんな感じだな。

俺も雪も普通に生きていたらそんな感じになってたんだろうよ」

 

「ふーん……? それってやっぱり結局は妬みじゃないの?」

 

「あれだな、芸能人が少しでもポカをやらかしたら挙って叩いてくる様なもんだろ」

 

 

 くだらねぇとばかりに言う一誠に雪は他人事の様に納得する。

 本来の自分がそんな理由で嫌われてるのは理解したけど、結局はその叩いてる連中のせいで真逆も真逆な性質になってしまっているせいなのかもしれない。

 

 

「で、リアスちゃんも同等レベルに奴等に嫌われてるみたいでね……」

 

「私の場合は一誠に出会う前に散々なじられたから大体解ってるわ。

我儘だの、無能だのでしょう?」

 

「まあ、概ねは……」

 

「俺達のついでに感があるよね。

アレだね、兵藤一誠が主人公だとしたら、リアス・グレモリーはそのヒロインだからってな意味で」

 

「で、私は端役だからあまり叩かれる要素が無いと……」

 

「いんや、シトリーさんにも極一部あるね。

ええっと、『夢見がちの理想語りだけで個人の力では何もできない奴』――ってのを聞いた事はある」

 

「夢見がち? センパイが?」

 

「これこそ単なる言い掛かりでしかないと思ったけどな俺は。

ていうか、悪魔という種族そのものを単純に毛嫌いしてるってだけも居るし」

 

「私達ってやっぱり相当嫌われてるみたいね、その手の連中に」

 

「逆に……ええっと誰だっけ? 塔城小猫だったか? リアスちゃんの元戦車とか、リアスちゃんの元部下に対しては意外と少なかったぞ」

 

「えぇ? 何でよ?」

 

「知らね。

それこそ奴等の好みの問題としか思えねぇわ。

その元戦車のはぐれ悪魔の姉なんかは基本的に無理にでも庇われてるっぽいし」

 

「姉? あぁ、あのボインなねーちゃんの事だね。

へー、あの人人気者だったんだぁ」

 

 

 結局は転生者の好みの問題としか思えないという結果に、ヘイトをぶつけられている者達は逆に呆れにも似た気分になりつつ、小休憩にお茶を飲む。

 

 

「グレモリーさんも大変だねホント……」

 

「一誠と出会っていなかったら、とっくに死んでたわ……」

 

「そりゃあそうよね。

私や雪みたいに、そういう感情を前にしてもヘラヘラ笑ってられるタイプでは無いし」

 

「逆にそこまで言われてヘラヘラ笑えてる二人がスゲーと思うぞ。

やっぱりプラスとマイナスの違いって奴か……」

 

「相手にするのもかったるいし、センパイとの時間を邪魔さえしなければ、勝手にのさばって様が知った事じゃないと思ってるからね俺は。

第一、こんだけ潰してもまだ居る時点で疲れてくるだろ?」

 

 

 抗う事を選んだ異常性側の一誠とリアス、

 理不尽を受け入れてヘラヘラ笑い続ける事を選んだマイナス一誠とソーナ。

 嫌われかたは同じだけど、対応の方法が真逆な両者がこんな呑気にお茶を飲みながら語り合えているのは、皮肉な事に転生者という共通する『面倒な連中』の存在が居るが故だった。

 

 

「もっとも、殴られた痛みに対する恨みはちゃんと持ってるから、その者とは関係の無い他の誰かに何かをして晴らすけどね。いくら俺達だって殴られたら痛いしむかつくんだぜ? だから俺達は『悪くない。』」

 

「それが『偶々』その者の大切な身内だったとしても、偶々の事故みたいな者だから仕方ないし、私達は『悪くない。』」

 

「え、えぐいわね二人して……」

 

「これがマイナスか……」

 

 

 精神的に潰す手口と、真正面から叩き潰す手口。

 どちらが有用かは知らないが、どちらにせよ歪められた世界を生きた両者は転生者にとってイレギュラーで間違いない。

 

 

「で、誰も眷属にする気もなくここまで来た結果、さっき話した元眷属の塔城小猫さんがはぐれ悪魔の姉と共に学園に入ってきた訳だけど……」

 

「知ってるわ。

どうやら傍に居る男がどうやってかは知らないけど、魔王に直接掛け合って……ええっと、黒歌だったかしら? 彼女のはぐれ認定を取り消したらしいわ」

 

「しかもご丁寧に私の姉のセラフォルーとも既に『顔見知り』でしたみたいな空気でね」

 

「……はぁ、真面目にキリが無いぜ。

何もして来ないのなら相手にはしないけどさ」

 

「そうそう、キミ達は警戒のし過ぎで肩肘を張りすぎなんだよ。

お互いってパートナーさえ居ればこの世界がどうなろうがどうでも良いと前向きに考えないとさ!」

 

「ええ、少しはそう思わないといけないのかもしれないわね。

けどソーナは良いの? お姉さんがその……」

 

「え? 別にどこの誰となにをしてようが構わないけど? 良いじゃない、恋愛こそ自由にすべきよ」

 

 

 両ペアの特性を互いに吸収し合い始める。

 その結果どうなろうと、手の付けられない存在になろうとも、きっと各々が主人公たと宣う転生者ならなんとかしてくれる筈なのだから。

 

 

「そういえばさ、俺達でこれだけ嫌われてるんだから匙君だって男だし微妙に心配じゃないか? それに木場君もだけど……」

 

「匙君? 木場君? ………俺達の世界ではその二人も女だったぜ?」

 

「え!? ……それには今流石に驚いたわ。

こちらではどちらも男性だったわよ?」

 

「差異のひとつね。

でも確かにこの世界の二人が男の子だったら大変かもしれない……わね」

 

「逆にもしかすると、俺達みたいに別の世界で連中になじられて生きた経験を持ってたりして……」

 

「まさか……と言いたいけど、匙の行方だけは他の眷属と違って未だに掴めてないからあり得なくもないかもしれないわね」

 

「……まあ、そんな奇跡があるとは思わないがな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 イレギュラーによってイレギュラーと化したのは何も兵藤一誠達だけではない。

 彼に近しく、彼の傍に居た別世界の友もまた対抗する為の進化を果たしたイレギュラーとなっている事もあったのだ。

 

 

「な、なんだよその力!? 原作にはそんな力なんてっ――」

 

『誰も彼も原作がどうとかって……。もううんざりだよその常套句は』

 

『殺るぞ木場。

生かしても面倒なだけだ』

 

『そうだね……』

 

 

 とある場所のとあるビルの屋上。

 満月に照らされ、幻想的な空間となるこの場所において、妙な変身ツールを駆使してライダースーツみたいなものを身に纏うとある転生者は、白銀に輝く銀狼と、漆黒のオーラを纏う黒狼を前に狼狽えていた。

 それは彼の記憶する『知識』とは別の力を目の前の二人が駆使しているから。

 

 そして何より――

 

 

『逃がさないよっ……!』

 

 

 ――絶刀両断――

 

 

『じゃあな』

 

 

 ――邪双交撃――

 

 

「そ、そんな! げ、原作介入する前に俺がっ……! 俺がァァァァッ!!」

 

 

 彼等の力は神から貰った力をも切り裂いた。

 赤紫色と蒼い炎を纏った黒狼と銀狼の一撃に切り裂かれ、その命を散らした男の名前は誰も知らない。

 そして未来永劫語られる事もない。

 

 

「ふぅ、今日もまた一人陰我の強い者を切り裂いたね匙くん」

 

「てか多すぎだろ、この世界……」

 

 

 彼等の名は木場祐斗と匙元士郎。

 とある世界で転生者と戦う『覚悟』を持つことで宿す神器を別物に進化させた銀牙騎士と暗黒騎士。

 

 

「しかし参ったね、今斬った相手はどうやらオーフィスのお気に入りだったみたい」

 

「報復に来るってか? 確かに面倒な事になったな……」

 

 

 元の時代とはほぼ別物となったこのカオスな世界で抗いながら生きる彼等は、今倒した存在の背後に居るだろう存在に面倒さを感じて互いに深くため息を吐いていると。

 

 

「ぐばっ!?」

 

 

 文字通りビルの屋上に居た彼等の目の前に、空から何かが落ちてきた。

 肉と骨がつぶれる嫌な音と共に落ちてきた者はどうやら男らしいが、二人の知り合いではないし、更に言えば全身が血まみれで手足の関節が完全にいけない方向に変形している。

 

 

『おーいおいおい、人をカス扱いしておきながら逃げるのは宜しく無いんじゃあありませんかァ~?』

 

 

 呻き声をあげながら苦しむ男を冷めきった目で見てた二人の耳に、新たな声が入ると、同時に空から純白の狼が落ちてくる。

 

 

「い、イカれ神父がなんで……!」

 

『はいはいはいはい、もう聞きあきたわその台詞。

毎度毎度同じようなことばかり言うのはアレですかい? テメーの知識とやらのお話かい? もううんざりなんでさっさと死んでくれや?』

 

 

 手に長槍を持ち、純白の狼を纏った思わせる鎧を纏う者の声は他人をどこまでもバカにした様な口調であり、恐怖で錯乱している男の首を容赦なく長槍の先端にあった刃で撥ね飛ばして呆気なく殺した。

 それを普通に見ていた二人は、一息つきながら鎧を解除した白髪赤目の神父服を着た少年に声を掛ける。

 

 

「お疲れ様」

 

「やけに時間掛かったな?」

 

 

 気安く話しかける二人に、目付きは決してよくない少年はちょっと機嫌が悪そうに鼻を鳴らす。

 

 

「なんか技を出すのに時間が掛かり過ぎて、わざわざ待ってたらショボすぎるでがっかりどころじゃなかったんだよ。

ったく、とっととアーメンしてやれば良かったぜ」

 

 

 相手の土俵にわざわざ上がったら、拍子抜けだったと語る少年に、二人はそんなもんだろうと宥める。

 

 

「所詮貰い物で、鍛練したと口だけのバカだったんだろ。

何時もの事じゃん」

 

「期待するだけ損だと思うよフリード?」

 

「へーへー、そうでござんしたねー」

 

 

 フリードと呼ばれる少年は舌打ち混じりながらも取り敢えず落ち着きを取り戻していく。

 

 

「ったく、ここは本当に悪魔よりクサレ共が多過ぎて嫌になっちゃうぜ」

 

「基本俺達って通り魔みたいに襲われるしな」

 

「どんだけ彼等の中の僕たちって恨まれてるのやら……」

 

「うざったいったらありゃしませんぜ全く。

あー、腹も減りましたし、ルフェイたんのご飯食べに俺っちは帰るっ!」

 

「だな……大丈夫だと思うけどカテレアさんが心配だし」

 

「大丈夫だよ。ゼノヴィアさんも付いて二人を守ってる筈だから」

 

 

 来る日も来る日も通り魔みたいに現れる連中の処理ばかりの毎日を送る、生きた世界では奇妙な敵同士だった三騎士は、この世界からなんとか帰るために一時休戦をして共に戦っている。

 無論、嫌だけど目に見える範囲でのフォローが出来るからと住み家まで同じで。

 

 

「てかフリードだけ異様に敵視されまくりじゃね?」

 

「イカれだどうかほざかれるけど、通り魔みてーに殺しに来るテメー等の方がよほどイカれてんだろとしか思えませんがねー?」

 

「それは言えてる。

自分の行いを棚に上げすぎなんだよ彼等は」

 

 

 彼等もまたイレギュラーによりイレギュラーとなって者達なのだ。

 

 




補足

リーアたん絡みだと即物理的にぶちのめすタイプと、ソーたん絡みだと精神的にへし折りに行くタイプ。

うん、やっぱ同じだネ!


その2
一度堕ちたけど、彼のおかげで這い戻れた経験があるのか、少し弱気な面もあるリーアたん。

最初から墜ちてたのを隠さなくなっただけで実はそんなに変わってないソーたん。

 でも不思議と二人な仲良くなっていく。


その3
どことは言わないけど、彼等も居ました。
まさかの手を組み状態で。

黄金騎士じゃないけど三騎士揃い踏みだってさ。







てか、結局嫌ってる理由の根って皆こんな感じじゃね?
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