色々なIF集   作:超人類DX

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なんか突然閃いた。

てか、前回までのが流石に長すぎたので少し変える。


ポジティブ三人組
風紀委員でもベリーハードでもない


 弱かった。

 

 だから受け入れられなかった。

 

 責められた事に対して見限って家族であることを放棄した。

 

 その結果死ぬことになっても、生きていたって意味なんか無いと思っていたし、所詮『この世のカス』と思っていたので死んで上等だと思った。

 

 

 でも俺を救ったのはある少女二人と、俺の中に宿った龍だった。

 すべてがどうでも良くなっていた俺に『生きる』意味を与えてくれた龍と二人の少女。

 

 その瞬間、俺の目的は完全に固定された。

 

 家族と……そして龍の為に強くなる。

 

 強くなって、なによりも強くなって守り通す。

 

 

 その為になら鬼だろうがなんだろうがなってやる。

 

 

 もっと先の先へと……守る為に。

 

 

 

 

 

 薄汚れていて、痩せ細っていて、ボロボロの子供を見付けた二人の少女。

 雨なのに傘もささず、空腹で倒れていた少年に持っていた傘の中に入れてあげたのが最初の出会い。

 

 死にかけていた少年を家に連れ帰り、両親に頼んでご飯やお風呂に入れてあげたのは忘れもしない大切な思い出のひとつ。

 

 回復した少年になんとか住んでいた家を聞き出し、送ってあげても、その両親にもはや子供ではないと捨てられたも同然な発言をされて怒りに震えた事も生涯忘れない。

 

 人とは違うものを持っているからと迫害される辛さを知っているからこそ、少女は少年にやさしくしたし、一度母が暴漢に襲われた時に死にかけても守ってくれた少年に惹かれていったのも忘れない想い出。

 

 守られるだけではなく、共に肩を並べて補い合う決意を固めたのも、少年と同じ域に初めて到達した時の気持ちも、少年と共に過ごしていくなにもかもが、少女にとっての宝物だった。

 

 それはこれまでも、そしてこれからも変わらない彼女達だけが抱く想い……。

 

 

 

 

 リアス・グレモリーはまだ子供だ。

 成熟寸前とはいえ悪魔内の世間からしてみれば小娘同然であり、現悪魔社会でのステータスともいえる眷属も未だフルメンバーではない。

 だがリアスにはとても頼りになる右腕も居たし、もっと言えばその右腕と呼べる彼女にはとても頼もしいボディガードが居た。

 

 ちょっと癖が強いけれど、それでも情熱を感じるリアスはその少年に対して好印象を持っていた。

 

 

「最近ちょっと困った事になったのよ」

 

「困った事……?」

 

 

 そんな少年に対して色々な相談を持ち掛けることは少なくなく、リアスは自身の女王であり、幼馴染みともいえる一人である姫島朱乃を交えて、少年を呼び出してとある秘密の相談を持ちかけていた。

 

 

「今ここに祐斗と小猫が居ないから話せるのだけど、最近あの二人があまり悪魔稼業に出てくれなくなって……」

 

「それはまたなんで……?」

 

「一誠君にとってはタブーだからあまり出したくはないけど、そのアナタの一応弟さんにあたる子と仲良くなっていてね……。

いえ、別に仲良くなる事に対して文句は無いのだけど――」

 

「なるほどね……」

 

 

 朱乃に一誠くんと呼ばれた少年は、弟という単語に対して軽く顔をしかめながら状況を理解する。

 

 

「最近、あの二人が妙に俺に対して嫌な目で見てくると思ったらそんな事だったか。

ヤバイぞ、まさかアレがこの学園に入ってくるとは思ってなかったし、関わる機会なんてないと思ってたが、もうそこまで入ってこられたのか……」

 

「嫌な予感がするのよ……」

 

「どうすべきだと思う?」

 

「…………。別にまだ何もされてないし、難しい話だよな」

 

 

 一誠の弟という存在の不気味な出で立ちに『幼馴染みの三人』はイヤに警戒した様子だ。

 というのも、この三人は其々その彼から何度か棘の刺さる様な嫌がらせをされた事があったからだ。

 特に何故かリアスと朱乃に対しての嫌がらせが酷く、以前完全にプッツンした一誠に拳のラッシュ200発を叩き込まれた事もあり、それ以降は面だって何をしてくる事は無くなったが……。

 

 

「なんだっけ? 無能駄肉だっけ? 変な神器持ちのシスターを巡ってだか知らんけど、堕天使と小競り合いをしてる現場に行ったら言われたんだろ? 俺思わず鼻折っちまったよあん時は」

 

 

 そんな経験もあったので、基本的にこの三人はかなりその男に対しての警戒心は強かった。

 

 

「変な事をあの子達にさえしなければそれで良いのだけど……」

 

「相変わらず甘いねリアスちゃんは。朱乃ねーちゃんにも言える事だけどさ」

 

「この判断が失敗にならないことを考えましょう」

 

 

 朱乃の声にリアスは頷く。

 だがこの判断は結果的に『失敗』だった。

 

 何故ならこの後、悪魔に関わりだしたその弟はウィルスをばらまくが如く、リアスの肉親から朱乃の実家を懐柔し、結果この三人の居場所は壊されたのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 全てが壊された。

 いや、判断が甘かった自分のミスだったとリアスは思い返していた。

 

 

「さながら俺達は奴等にとっての悪役(ヴィラン)って奴かね? あの野郎を嘗めすぎてたってのもあるけどよ……」

 

「仕方ないわ。本当にあっという間に全てが変えられたのだから……」

 

「上手く逃げ切りはしましたけど、今居るこの場所もあまり良いとは思えないわ……」

 

「三食昼寝付きって響きがとても素敵だっからつい頷いちゃったもんね」

 

 

 びっくりする程にあっという間に全て奪われてしまった三人だが、意外な程に互いが居ればとても前向きになれたので、捨てられたのなら捨てられたで仕方ないと飛び出して色々と放浪した結果行き着いた場所が、何やら無限の龍神がトップを務めているらしい怪しい組織だった。

 

 そこにははぐれの堕天使やら悪魔やらはぐれ者だらけが集った世紀末みたいな場所で、中には現悪魔政権に敗れた先代魔王の血族者まで居た。

 

 

「まさか先代魔王の血族者達と手を組む事になるとは思わなかったわね」

 

「最初は襲い掛かられましたけどね」

 

「三人でぶっ飛ばしたら、なんやかんや歓迎されたよな」

 

 

 当初現魔王の一人の妹という位置に居たリアスに襲い掛かってきたが、三人は小さい頃からとにかく力こそパワーを信条に鍛えて普通に強かったので、ぶちのめして同盟関係になっていた。

 

 そればかりではなく、どうもこの組織には赤龍帝である一誠の宿敵も最近加入したらしく、取り敢えず喧嘩を売られてぶっとばしておいた。

 

 

「今後の目標としては、三食お昼寝付きという環境の組織に暫く留まりながら今後の事を考えましょう」

 

「それは良いけど、二人の両親の事は良いのかよ?」

 

「いきなり人が変わったみたいに一誠くんを毛嫌いし始めた薄情な人達は親じゃあないわ」

 

「同じく。加えて私とリアスを彼の『ハーレム』とやらに入れようとした時点でもう嫌になったわ」

 

 

 三人は小さい頃から一緒だった。

 堕天使の父が人と交わった事をよしとしない他の堕天使から襲われたのが朱乃。それをなんとか撃退したのが当時覚醒した一誠。

 そしてその後に出会い、保護をすることで守ってくれたのがリアス。

 

 奇妙な事に、本来ならもっと後に知り合う筈だった一誠がかなり早い段階でこの二人と出会えたのはなんたる皮肉か。

 そしてなによりも三人の繋がりの強さがより強固になっているのも。

 

 

「こうなったら私達も対抗して『ハーレム』をしてましょうか!」

 

「は、誰の?」

 

「そんなものは当然一誠くんが主でしょう? 良かったわね、可愛い幼馴染みのお姉ちゃんよ?」

 

「そんなヤケクソになったって後悔するだけだと思うけどね……」

 

「あら、私は昔から一誠が大好きだったわよ? 朱乃がとても羨ましかったし」

 

「うっわ、こんな軽い感じで言われたし俺」

 

「でも私とリアスだけよ? もし他の女の人に走ったら許さないから」

 

「えぇ……?」

 

 

 三人は互いが居たらとても前向きにものが考えられるのだ。

 

 

 

 兵藤一誠

 赤龍帝

 無神臓(インフィニットヒーロー)

 

 備考。色々と狂わされたけれども、逆に結

果オーライな奴。

 

 

 リアス・グレモリー

 正心翔銘(オールコンプリート)

 

 備考。アンチ系の人にめっちゃ攻撃されたけど、そのアンチ系のお陰でかなり前に出会えた幼馴染み二人と強くなってたので結果オーライな子。

 

 

 姫島朱乃

 原転復帰(オーバーリバース)

 

 備考。上二人と同じく、出会う時期が前倒しされたお陰で前向きになれた、結果オーライな子。

 

 

「考えてみたら、今の私達って一番の自由じゃない? 追われる心配が無い場所にさえ行けたら一誠の子供も産めるわ!」

 

「たしかに! ほら、良かったわね一誠くん? 可愛いお姉ちゃんを二人も好きにできるわよ!」

 

「あっれ、おかしいぞ。嬉しい事を言われてるのに微妙な気分になってんぜ俺……」

 

「気のせいよ気のせい。

そうと決まれば早速寝室に行きましょう?」

 

「今夜は寝かせないわよ一誠くん?」

 

「台詞逆じゃね? それ俺の台詞じゃね……? ええ、こんなノリで俺の夢叶うのかよ……」

 

 

 もっと先の先へ……。

 

 

 

 

 

 

 

 先の先に進み過ぎた結果、取り敢えず色々な場所に行くことになってしまった。

 

 

 例えば……。

 

 

「帝具?」

 

「イッセーの神器みたいなものかしら?」

 

「それにしても色々と暗い空気ですねこの場所な……」

 

 

 腐敗した帝国でほそぼそと暮らしてみたり。

 

 

「へー、まだ小さいのに教師やんだ?」

 

「偉いわねぇ……」

 

「私達なんて高校中退なのに」

 

 

 変な学園都市でたまたま出会った外国人ショタが教師をやろうとしてると聞いて道案内をしてあげたり。

 

 

「魔法少女になってよ! だってよ……ぷぷっ、あの魔王さんの事思い出すんだけど」

 

「というかなんなのかしらこの不思議な生き物は? さっきから自分がイッセーに見えてることに驚いてるけど……」

 

「あと向こうの物陰から中学生くらいの女の子がこっちを見てますね……」

 

 

 変な生き物にリアスと朱乃が勧誘されたり。

 

 

「お、織田信長が女なんだけど。てか戦国武将が軒並み女って……狂ってね?」

 

「浮気したら怒るわよ?」

 

「しないよ! 今までしたか俺!?」

 

「一応のお約束よ一誠くん」

 

「な、納得いかねぇ……」

 

 

 戦国武将の性別が逆転した世界でのびのび生きてみたり。

 まあ、なんだかんだ三人は世界から追い出されても楽しく生きていた。




補足

アンチ系の人にごちゃごちゃやられてたけど、結果的に本人達は得ばっかしてました系な話。

その2
そうですね。
今後の展開は………別に決まってないし決める気もない。
だって一回ネタだもの。


その3
シリーズ初の朱乃ねーちゃんの覚醒スキル。

効果は――某クレイジーDみたいなアレ。

ドSちゃんだからね、治してからまたぼこぼこにしちゃうよ?

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