色々なIF集   作:超人類DX

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だったらみたいな……


絆度MAXパターン
絆度MAXパターン


 誰かに壊された世界もある。

 何も無かった世界もある。

 

 憎悪と怒りの反射で消え去った世界がある。

 狂気の愛の果てに食い尽くされた世界がある。

 

 そんな色々なIFがあったかもしれない中、何もかもがきっと幸せな世界があったかもしれない。

 

 

 例えばそう、こんな世界とか――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リアス・グレモリーにとって初めての眷属はほぼ()()を同時にという形である。

 一人は自慢の右腕と呼べる女王。

 

 そしてもう一人は………。

 

 

「見ろイザイヤ! 幼稚園の運動会はたまんねーな! 右見ても左見ても子持ちのマダムだらけだぜ!」

 

「死ぬほどわかったし、頼むから落ち着いてくれよ。

これじゃあ僕達がただの不審者じゃないか……。それに今はその名前じゃないよ……」

 

 

 いくら矯正させようと頑張っても、好みのタイプが一回り以上は年上じゃないと嫌だと言い張る兵士の少年。

 

 

「あのー……関係者以外は立ち入り禁止なのですが」

 

「むっ! 保母さんっすね? 貴女も素晴らしい。

どうですか、この僕のチェリー喪失のお勉強を――」

 

「失礼しました。ほら行くよ……」

 

 

 その後に騎士として引き取った少年に引き摺られていく彼こそがリアスの初めての兵士であり、付き合いが長い兵藤イッセーと呼ばれる男であった。

 

 

「祐斗を連れて何処に行ったのかと思えばまたそんな事をしてたのね?」

 

「本当に懲りませんねイッセー君は」

 

「先輩のスケベ」

 

 

 群を抜いたスケベさを誇るイッセーが、同僚の木場祐斗によって連行され、ホームグラウンドともいうべき駒王学園・旧校舎のオカルト研究部まて連れ戻されると、祐斗のチクリによって彼は今部長をやってるリアスや副部長をやってる姫島朱乃、そして平部員の塔城小猫によって正座させられていた。

 

 理由は勿論、このメンバーの中で唯一男かつ同い年であるイザイヤ――木場祐斗を連れて近所の幼稚園の運動会に来ていた人妻達を覗いていた事に対してである。

 

 

「しょうもないことに祐斗を巻き込まないでちょうだい」

 

「あんだと? 人妻を見て癒される事のどこがしょうもないってんだよ!? なぁイザイヤ?」

 

「祐斗だってば……。僕にはちょっと理解できないよイッセーくん」

 

「ちっ、優等生め……」

 

 

 未だに自分の事を転生前の名で呼ぶイッセーに訂正させつつ、巻き込まれない様に立ち回る祐斗にしてみれば、頷いたらこの三人に何を言われるかわかったものじゃない。

 何故なら三人は漏れなく『やる時はやる』イッセーに心を寄せているのだから。

 

 

「あんまり度が過ぎるとそれ相応の対処をしなければならなくなるわよ?」

 

「対処ぉ? そんな脅しに屈するイッセー様では――」

 

「例えば、今から電撃責めとかして、死にかけても私が即座に直して繰り返すとか」

 

「シャクシャクしてやったりとか……」

 

「……………………。俺が間違えてました」

 

 

 

 だからこそ過激なのだ。

 イッセーがのらりくらりと三人の想いを軽くかわしてフラフラしてるせいなので仕方ないといえば仕方ないのだが……。

 

 

「ところで部長、例のフェニックスの件はどうされますか? 放置してたらどんどんと婚約の話が進んでますけど……」

 

「え? そうなったら暴れてでも破棄させるまでよ」

 

「そんなに嫌なのか? まあ確かにリアスちゃんみたいなじゃじゃ馬姫の相手なんて相当な男じゃないと無理だろうけど」

 

「イッセーじゃないと嫌なのよそもそもが。

正直アナタとなら例え貧乏暮らしになろうが、勘当くらおうが私は一向に構わないわ!」

 

「同じくですわ。

堕天使側の話なんてどーでもよろしいです」

 

「私は背景もありませんからね。さっさと子種を仕込みまくってほしいです」

 

 

 この三人は特にめげない。むしろごり押しがすさまじい。

 何故なら祐斗やもう一人――只今旧校舎の別室で絶賛引きこもり状態の僧侶の駒を担う眷属も含めた六人全員が、他の誰にも『持たない』ものを共有している仲なのだから。

 

 

「そんな突っぱね方をしてるから実家から相当な事を言われてるんじゃないのかよ?」

 

「大丈夫。少なくともお兄様は許してくれてるわ。

自分の思う通りに生きなさいとね」

 

「あー……そう」

 

 

 だからこそ見た目以上にその繋がりは深すぎる。

 逆に周りに対する関心が若干薄れているかもしれない程にはこの六人の絆は強すぎた。

 

 

「けれどそろそろ鬱陶しいわ。

近い内にフェニックス側が直接乗り込んでくるかも」

 

「マジかよ。純血悪魔の相手って無駄に気ィ使うから疲れんだけど。

もし来たとしても俺来なくて良い?」

 

「ダメに決まっているじゃない。

もし来たらアナタを紹介しながら、『私達はもう彼に身も心も捧げて毎日が幸せなので婚約とかあり得ないです』と言うんだから」

 

「そうです。その時本人が居ないと説得力が無いでしょう?」

 

「いっそ今から孕ませてくださいよ先輩?」

 

「……………。俺貴族に殺されるんじゃねイザイヤ?」

 

「イザイヤじゃなくて祐斗。

キミは殺しても死なないゾンビめいた耐久力を持ってるし大丈夫だよ」

 

 

 三人からのぶっちゃけトークにイッセーは嬉しいと素直に思う反面、どこぞの誰かからのヘイトが凄まじく集まりそうだと思ってしまう。

 もっとも、祐斗の言う通り、仮に向かって来ても全力で抵抗させて貰うし、負けるつもりだってない。

 

 

「それに本当に危なくなっても僕が守るさ。

『絶狼』の名にかけてね」

 

「イケメン一言入りましたー……だからモテるんだろうなお前は。

顔もイケメンだし、言うこと無しかよこんにゃろー」

 

「イッセーくんにだけは言われたくないかな」

 

「……それもそうか。

ただ、いや、俺も文句無くびっくり美少女達に成長したなぁとは認めるけどアクが強すぎんだよなぁ」

 

 

 六人は既に『到達』しているのだから。

 

 

 リアス・グレモリー

 正心翔銘(オールコンプリート)

 

 備考・眷属の方が大事過ぎて少し周りがどうでも良さげな子。

 

 

 姫島朱乃

 幻転回危(クレイジーゼロ)

 

 備考・同じく、仲間の眷属達の方が大事過ぎて過去が逆に吹っ切れてしまってる子。

 

 

 塔城小猫

 暴飲暴喰(ネオ)

 

 備考・同じく、仲間が大事過ぎて過去は過去にしてるし、先輩が好きすぎて若干下っぱ気質があるとかないとか(後述)

 

 

 イザイヤ――not木場祐斗。

 陰我消滅(フィクションズワールド)

 銀牙騎士

 

 備考・仲間五人に対する忠誠心が強すぎて割りと他は滅んでも割りと平然としてしまうタイプ。

 

 

 兵藤イッセー

 無神臓(インフィニットヒーロー)

 赤龍帝(中身がパパドラゴン)

 

 備考・自分は死ぬほど運が良いと自覚しながら、仲間達の為になんやかんやと頑張る少年。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 共通備考・洗脳? 転生者? 知りませんねそんなの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 塔城小猫――つまり白音はイッセーの後輩位置だ。

 自分がリアスの戦車として保護された時には既にイッセーは兵士としてバリバリ活動していて、色々と生きる為の術を直接叩き込まれた弟子みたいな位置でもあるようなポジションだ。

 つまり彼女は死ぬほど彼を好いているし、彼の前ではどういう訳か下っぱキャラになるのだ。

 例えば、学校の昼休みなんかの時には、リアスや朱乃とめっちゃ仲がいいからと云う理由でハブられてしまってるイッセーの教室に毎度呼びに来るのだが……。

 

 

「せんぱーい! 愛しの私が来たッス!」

 

 

 癒し系マスコットと呼ばれてる美少女とは思えぬ体育会系っぽい口調でやって来るのだ。

 そして独りでぽつんとしていたイッセーを見るなり……。

 

 

「ププーッ! 何時も通り独りッスか? ボッチっすか先輩? いい加減クラスメートの友達作れば良いじゃないッスか!」

 

 

 ウザい後輩みたいな態度で接してくる。

 それはもう、ぽつんと独りだったイッセーを見てケタケタ笑いまくるのだ。

 これのどこに周りの連中は癒し系マスコットキャラを感じるのかが理解できないイッセーは、ケタケタ笑ってくる小猫の顔面を掴んでアイアンクローをしてしまう。

 

 

「いたたたたっ!? 痛いッス! 徐々に力を込めるのは反則ッス先輩!?」

 

「このウザい後輩キャラさえなかったらもっと優しくできるぜ俺は」

 

 

 アイアンクローをした瞬間、男子の一部がカッター等の武器を持ちながら睨んでくる中、イッセーはいつの間にかウザい後輩キャラになってしまった小猫にため息を吐きながらも手を離す。

 

 

「痛かったぁ……顔の形とか変わってませんよね? もし変わってたら責任取って貰って貰うんすけど」

 

「心配しなくても何時も通りの美少女だ」

 

 

 自分の頭の抑えながら涙目になる小猫の一言が余計に周りの殺気を煽ってる。

 クラスでボッチにされてる理由が自分である事に自覚がまるでない小猫のやることを否定する気はないけど、周りが鬱陶しいのだ。

 

 

「で、何をしに来たの?」

 

「そんなもんは決まってるッス。

皆で一緒にご飯を食べる為に先輩を呼びに来たッス!」

 

「だと思ったけど、毎度来る度に俺をボッチ扱いして笑うのはやめろよな」

 

「えー? 導入としては最高じゃないッスか。

それにむしろ安心できますし私たちとしても」

 

「ボッチで安心されるとか聞いたことねーよ」

 

 

 まあ、実際なにもやれないのは分かってるので、グイグイと手を引いてくる小猫と共に教室を出るイッセー。

 あまりにも美少女達と絡む事が多いせいか、イッセーと祐斗は比較的友人が少ない――いや皆無だった。

 

 

「ねぇねぇ先輩」

 

「んー?」

 

 

 それはひとえに、イッセーにだけ小猫が見せるこの快活なキャラとか……。

 

 

「合流前に私を体育倉庫に連れ込んで先輩の溜め込んでる子種をぶちこまないんスか?」

 

「…………」

 

 

 わざわざ頬まで染めてデカい声でこんな事を言うから敵が毎日量産されてしまうのだ。

 今だって廊下ですれ違う多くの生徒にめっちゃ殺意を向けられてしまうし……。

 

 

「私は何時でもウェルカムっすよ!」

 

「イメージ総崩れになるからやめろよ……」

 

「周りがどう思ってようが知らねーッス!」

 

 

 ウザい後輩キャラになる。

 それが彼女の一面だった。

 

 

「はっ! もしかして初めては部長と副部長と私の4Pが良いんスか!? やだぁ、先輩ったらとんだケダモノっすね! 全然良いし、むしろケダモノみたいにされたいッス――もがもが!!」

 

「誰だよ、この子の事を癒し系マスコット呼ばわりしたの!? ホント声がデカいんだっつーの!」

 

 

 肉食上等な後輩は嫌いじゃないしむしろ好きだが、度合いが自分以上なので受けに回されやすいのか悩みのひとつだった。

 

 

 もっとも、朱乃とリアスの二人も大体こんなもんだが。

 

 

「ひらめいたッス先輩! 例のフェニックスの件は来た時に目の前で4Pしてみせてやりましょう!」

 

「最低の閃きだなっ!?」

 

「絶対あの二人も乗って来ますって!」

 

「俺が乗りたくないわい!」

 

 

終わり

 




補足

良いことばかりではないです。
まず新規加入者フラグがまるで立たなくなる可能性が大。

証拠にシスター見習いの霊圧が消えて……


その2
あけのんのスキル名確定。

効果は例のクレイジーD


その3
小猫たんは普段は小猫たんのまんまだけど、イッセーと居ると基本的にウザい後輩化してしまいます。

イメージとしては………『宇崎ちゃんは遊びたい』み
みたいなアレ。

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