色々なIF集   作:超人類DX

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『壁』それは進化をする上で立ちはだかる試練。


今回は突貫作成なんで手抜きMAXです。




白夜と堕天使

 始まりはまだ小さな頃。

 

 本当に偶然捨ててあったエロ本が四十路モノで、読んだその時から俺は覚醒した。

 

 故に俺の性癖は間違いなく年上となった。

 

 それが邪なものだと揶揄されようが、俺の理想はそれなのだ。

 

 だから勝ちたい……。 勝ちたい……! 勝ちたい!! 勝って年上だらけの ハーレム王になりたい!

 

 

『かわいい坊や』

 

『ふふ、食べちゃいたい』

 

『こんなおばさんが良いなんて……うふふ』

 

 

 

 

『俺もう何時死んでも良いや! あはははは!』

 

 

 

 

 そしてこの展開は―――よろしいんじゃないでしょうか?

 

 

※夢です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 年上マダムに囲まれてご飯を食べさせて貰ってるという夢みたいな夢を見ながら目覚め最高な朝を迎えたイッセーは、先日協力を頼んできた悪魔祓い達と今日も街中の調査をしていた。

 

 祐斗が先導する形でキーマンとなるフリードを探す為に、彼が過去に使っていた修行場を回ってみても見つけることはできなかった。

 

 

「フリードが教会に恨みを持っているという事で、露骨な聖職者の格好をしてみようと思うんだけど……」

 

「やらないよりはマシか……」

 

「転生悪魔の俺達が聖職者のコスプレとはね」

 

「……」

 

 

 生理的なもので、聖なるものにたいして嫌悪感を持っていたイッセー達も進展の無さを理由に取り敢えず聖職者のコスプレをしてみる。

 

 そして三人が持たされていた聖剣を持ち歩きながら徘徊してみるが、やはりそう簡単にはいかない様だ。

 

 

「そう簡単に釣れる訳もないか……」

 

「ゼノヴィアさん、彼が執着していてそうなものは何か覚えてないかい?」

 

「多分ひとつだけある……」

 

 

 だから今度はフリードの心を刺激する方向にシフトしてみた。

 フリードの過去を一番良く知るゼノヴィアがひとつだけ知る、フリードを誘き出せるだろう手。

 

 

「聖歌だ。

アイツは聖歌を『クソの役にも立たない偽善だらけの、吐き気すら覚えるもの』と嫌悪していた」

 

「聖歌……か」

 

 

 聖歌。

 祐斗が過去に仲間達とお互いを励まし合う為に歌ったものを使えばもしかしたらというゼノヴィアに、ジュン、イリナ、アーシアの三人で口ずさみながら徘徊してみると……。

 

 

「チッ、脊髄反射的にぶっ殺したくなるもん口から垂れてくれてありがとうよ」

 

 

 本当に簡単にフリードが現れた。

 今度は奪った聖剣のひとつを手にしながら……。

 

 

「フリード……!」

 

「よぉ、チビ。

お前が喋ってくれたのか? お陰でまんまと出てきちまったし、思惑通りだよ」

 

「……。わ、悪い。

だって探しても見つからないから……」

 

「当たり前だ。俺とお前は敵同士なんだからな。

へ、にしてもイザイヤ君やチミ達が一緒とは、偽善者共に与するもんとしては意外だなぁ?」

 

 

 天閃と呼ばれる剣を片手にニヤつくフリードに、ジュンは見据えながら口を開く。

 

 

「……。ゼノヴィアから大体は聞いた。

お前、聖剣計画の初期被験者だったんだな?」

 

 

 記憶とは違う過去を持つフリードが本当に敵になりえるのか? それを確かめる為に問い掛けたジュンに、フリードは鼻で笑う。

 

 

「同情でもするのかい? 悪ィが、偽善共に同情されても殺したくなるだけだぜ」

 

 

 そう言って剣を指揮者の様に振りながら、その剣先を向けるフリード。

 

 

「同情じゃない。

もしかしたら、戦わずに済ませられるかもしれないと俺は思って……」

 

「今俺が持ってる聖剣と、ボスが預かってる残りの聖剣を黙って渡せば『見逃してやる』ってか? はははは、言ってくれるじゃねーの? そこの三人を味方に付けたからって強気になってさァ?」

 

 

 顔見知りであるイッセー、元士郎、祐斗を一瞥するフリードは寧ろ好戦的なものだった。

 

 

「答えは『寝言は寝て言えボケ』だ。

くくく、うちのボスからの命令でね。そろそろ『終わらせる』為に、オメー等の持ってる残りの聖剣を回収するつもりなんだよこっちは」

 

 

 そう言って殺気を剥き出しにするフリードによって無傷を求めた交渉は決裂。

 イリナ、ジュン、ゼノヴィアが構え、祐斗、イッセー、元士郎も臨戦態勢に入る。

 

 

「ヒュウ♪ 圧倒的不利な俺! が、気分は最高だぜ! なんてったって思わぬ奴等も同時に戦れるんだからなぁ!!」

 

 

 戦闘狂を思わせる獰猛な笑みを剥き出しにするフリード。

 一人で全員をまともに相手しようとする気の中、まず飛び出したのは――破壊の聖剣を持っていたゼノヴィアだった。

 

 

「フリード!!」

 

 

 最高の実験体。

 強大な因子を生まれながらに持っていたフリードは聖剣を十全使いこなす程の腕を持つ。

 その一閃は転生悪魔であるイッセー達三人が反射的に後退させる程の凄味を放っており、イリナやアーシアもその気迫に圧されてしまう。

 

 

「ぐっ!」

 

「へぇ? チビの癖に少しはやるようになったなァ?」

 

「当たり前だ……。お前が私を置いて行ってしまったあの時から、私はこの日の為に鍛え続けたんだ!!」

 

「じゃあ見せて貰おうじゃねぇの? 泣き虫チビっ子のゼノヴィアたんよぉ!!」

 

 

 両手で全力で斬り迫るゼノヴィアに対して、フリードはまるで子供と遊ぶ父親を思わせる……片手で明らかに加減して斬り結ぶ。

 

 

「明らかに加減してやがる……」

 

「殺せる訳もないだろうからね、彼女の事は……」

 

「だがどうする? ジョワユーズじゃないとはいえ、相性からして最悪な俺達が加勢しても……」

 

 

 イリナとジュンがそこに加わっても尚片手で捌いてみせるフリードが異様な成長をしているのを、最後にやりあった三人は見ながら、それぞれの武器を手にする。

 

 イッセーは赤龍帝の籠手を。

 元士郎は細身の剣を。

 祐斗は双剣を。

 

 

「あ、あの三人を相手にフリード神父は――つ、強い」

 

「だろうよ。

あの野郎、マジで隙が無いんだよ」

 

「えっと、皆さんはフリード神父と戦ったことが?」

 

「……。勝負はつかないけど、勝った事は一度もないよ」

 

「悔しいが、相性の問題を抜かしても奴は強いからな」

 

 

 三人の剣を時には踊る様に避けながら剣で斬り付けはせずに空いている手や脚でダメージを与えていくフリードに、三人はアーシアの質問に答えながらゆっくりと歩を進める。

 

 

「キミは見た通り戦えないみたいだから巻き込まれないようしてな――行くぞ二人とも」

 

「「おう……!」」

 

 

 三人がフリードに蹴り飛ばされて地面に転がるのを見計らって動き出す。

 だが――

 

 

 

 楽しそうだなフリード

 

 

『!?』

 

 

 流石にフリードも本気を出さなければならなくなる戦いは始まらなかった。

 空から降り立つ、背に12の漆黒の翼を持つ男の出現によって。

 

 

「あ? なんだよボス、今からもっと楽しくなる時だっつーのによ」

 

 

 息ひとつ乱さないフリードが、堕天使・コカビエルの出現に水を刺されて拗ねた様な顔をする。

 

 

「それは悪かったな。

が、そろそろお前を呼び戻さないといけなくなった」

 

「ん? 何かあったのか?」

 

 

 コカビエルとは初めて会うが、一瞬で他の堕天使とは次元の違う『異質さ』を感じ取ってしまったイッセー達は動けなくなる。

 

 

「今夜、聖剣をひとつに戻す」

 

『!』

 

「ふーん? でも残りの三本はそいつ等が持っているぜ?」

 

「無論、回収する。

が、見た限り悪魔のガキ共が加勢してるともなればお前とて簡単には回収はできんだろう? だから俺が来た」

 

 

 異質。

 人でも食い殺しそうな悪人顔もそうだが、何よりもコカビエルに感じたのは『同等かそれ以上の異質さ』であり、同じ異質を持つ三人は知ってしまったからこそ動けなかった。

 

 

「悪魔の小僧共。

お前達はセラフォルーとサーゼクスの妹二人の下僕だな? ……………うむ、直に見て確信した。やはり『引力』というものは存在する概念だと」

 

「何の事だよ……。アンタ、何で……」

 

「何故と質問されても俺は返せる答えなどない。

この世に生まれた時からこうだったからな俺は。それはお前達も同じだろう?」

 

「「………」」

 

「そこの二人はフリードと同じ境地に達した者達か。

くくく、今回は強大な引力が働いたらしい……くくくっ!」

 

 

 引力の意味は理解できないが、面白くて堪らないといった顔をするコカビエル。

 予想外の強大さを持っていた相手にイッセーは直ぐにでも飛び掛かろうと脚に力を込めたのだが――

 

 

「落ち着け小僧共。

俺は今お前達と争う気は無い」

 

 

 放たれたコカビエルの覇気は、今までのどれよりも強大で、果てしない高さの『壁』だった。

 

 

「うっ!?」

 

「なっ……!」

 

「う、嘘だろ……!」

 

 

 戦うと死ぬ。

 そのイメージしか沸かない極悪な覇気を受けたイッセーは戦う事を止めて即座に倒れていた三人を回収して下がった。

 

 それを見ていたコカビエルは感心したように口を開く。

 

 

「ほう、若いが俺との差を瞬時に理解して退いたか。

良いぞ小僧、その腕の神器といい、判断能力といいお前は俺に一番近いものを持っている」

 

「そりゃどうも……! アルジェントさん! 三人を治療してくれ!」

 

「わ、わかりました!!」

 

 

 慌てて神器を使って三人を治療するアーシアを背に、少しでも時間を稼ごうとするイッセー、元士郎、祐斗。

 

 

「どーすんだよボス? この三人結構強いぜ?」

 

「だろうな。堕天使で例えるならアザゼルやバラキエル辺りは喰われるだろう。

ふふ、この若さにも拘わらずな……ワクワクする」

 

「おいおい、パーティーまで大人しくするんじゃねーのかよ?」

 

「するさ。

だが、俺という『壁』を理解させれば、この小僧達はもっと進化する。

だから―――――」

 

 

 つまみ食いはする。

 

 

 空の上に海があると錯覚させられそうな程の強大な圧力を解放するコカビエル。

 

 

「や、やべぇ……! 年上お姉さまハーレムの前に死ぬかも」

 

「せめて部長達に知らせないと……」

 

「やるしかない……! 俺が正面から突っ込む!」

 

「その後は!」

 

「それ以外から行くしか無いよ!」

 

 

 作戦とは呼べぬやり取りをすると同時に、イッセーが正面からコカビエルに突っ込む。

 

 

「…………………」

 

 

 そんな三人にコカビエルは構える事も無く静かに手を翳し―――

 

 

 

「むっ!?」

 

 

 手の平が切られて出血した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ストーリーとしては、劇的な登場と共に『惚れた!結婚してくれ!』と、土下座されながら告白されるというシチュエーションを狙っていた。

 

 だからこそ、今まさに底もわからぬ程の凶悪な敵にやられてしまうイッセーを見た時、彼女は遂に晒したのだ。

 

 

「何者だ……?」

 

「属性・姉のヒロインよ!」

 

 

 黒いお猫様は。

 

 

「大丈夫イッセー!?」

 

 

 音も無く、気配も無く、いきなり現れたとしか表現不能な何者かがコカビエルの手の平から出血させた。

 凄まじくグラマスで、リアスや朱乃にも劣らぬ美貌を誇るその者は唖然としていたイッセーへと振り向き――

 

 

「ぁ……」

 

 

 姿を晒した状態という意味では数年振りに向かい合っている事になっている―――――という事を自覚した途端、何を言って良いのかわからなくなってモジモジし始めた。

 

 

「………………?」

 

「あ、あの! ……………………い、良いお天気ですね?」

 

「は? ………は、はぁ」

 

 

 誰だ? というかこの状況で何故天気の話を?

 目の前の人物が、数年前に一度顔だけは合わせた後輩の姉である事に気付いてもいなければ、普通に忘れていたイッセーは、困惑しながらも記憶を辿るけど……悲しいかな思い出せなかった。

 

 

「あ、あのほら……あ、危なそうだったから、お助けできたらなー……なんて思って?」

 

 イッセーの名を呼んでいた勢いが何処へ行ってしまったのか、指先同士をちょんちょんとしながら、チラチラとイッセーを伺う――黒猫様こと黒歌。

 正攻法で行った事がなかったせいか、我に返った瞬間凄まじく緊張してしまっているらしいのだが、生憎イッセーは黒歌の事をまるで忘れているし、正直そんな呑気な状況でもないのだ。

 

 

 

「あのさ、お礼は後でちゃんとするから取り敢えず下がってくれないか? その……ヤバイ状況だし」

 

「へ? あ、うん、わかったわ」

 

 

 素直に下がる黒歌に、若干やりにくさを感じつつも気を取り直して祐斗と元士郎と共にコカビエルと対峙しようとするのだが――

 

 

「あ? 今フリードを迎えに行って、合流した所だ。状況? ミカエルが寄越したガキ共と、サーゼクスとセラフォルーの妹の眷属と向かい合ってる最中だがそれが? ……………別に殺しはしない。しないが、俺達と同じものを持ってる様だが少し遊んで――え、駄目? 別に少しくらいなら――――わかったわかった! わかったからその泣きそうな声をやめろ!」

 

 

 今度はコカビエルの方が誰かと電話していて、また微妙な空気が流れていた。

 もっとも、この時間稼ぎのおかげで、フリードにやられた三人はアーシアの神器で復活できたのだが。

 

 

「こ、コカビエルか……」

 

「あれが堕天使の……」

 

「……フリード」

 

 

 フリードに加えてコカビエルまで出てこられた最悪な状況に焦るジュンとイリナ……そして生暖かい目でコカビエルを見てるフリードを見つめるゼノヴィア。

 

 

「…………すまん小僧共、急用ができたから一旦帰る。

アレだ、今夜駒王学園を使って一体化の儀式をしようと思うから、止めたくば来い。

その時までその聖剣は預けておくから」

 

「ボス……」

 

「……おいフリード、何だその目は? 俺は別に尻に敷かれちゃいない。

確かにこの時間はアイツと飯の約束はしてたが……」

 

 なにやら焦ってる様子のコカビエルと、それを生暖かい目で見続けるフリード。

 どうやら電話のお陰でイッセー達は命拾いをしたらしいのだが、そそくさと帰ろうとするコカビエルと共に行こうとするフリードをゼノヴィアが呼び止めてしまう。

 

 

「ま、待てフリード……! わ、私は……」

 

 

 ガッカリさせてしまったと自身を責める様な面持ちのゼノヴィア。

 

 

「……………ちったぁやるようになったんじゃねーのチビ? ま、本当にちょっとだけだがな」

 

「!」

「決着付けたいなら来いよ。

今度はマジで相手になってやるぜ」

 

 

 と、手をヒラヒラさせながら今度こそコカビエルと共に去っていくフリード。

 偶然と運が作用してなんとか生き残れたイッセー達は、予想を越えた相手にただただ先行きが不安になるだけなのだった。

 

 

「ところでキミ―――――ん?」

 

「え、な、なに?」

 

「ストップ! 動くな!」

 

「にゃ!?」

 

「………………………………すんすん」

 

「にゃにゃっ!?」

 

「……………この匂い、昨日した匂いと同じだ」

 

 

 その代わり、まだ居た黒歌から感じた匂いが先程の謎のなにかの時の匂いとまんま同じだと気付けた様だ。

 

 

「間違いない。昨日俺になにかしただろ?」

 

「うぇ!? な、なんのことか――にゃっ!?」

 

「正直に言ってくれよ? 命の恩人になってる今のキミに何をしようとは思わないぜ?」

 

 

 思わず惚けそうになった黒歌を壁際まで追い込んで、所謂壁ドン状態で問い掛けるイッセー

 端から見たら、いきなり女性の匂いを犬みたいに嗅ぐ辺りは、だからお前はダメなんだよと言われても仕方ないのかもしれない。

 

 

「あの人って……」

 

「ジュンくん知ってるの?」

 

「いや……うん……」

 

「あんだよ歯切れ悪いな?」

 

「というかあの人、小猫ちゃんのお姉さんだよ。なんではぐれ悪魔のあの人がここに来てるのかは不明だけど……」

 

「え、マジ? もしかして悪巧みを―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「し、知らないわ! 私知らないっ!」

 

「あー? 俺の鼻は案外利くんだよ。

すんすん……」

 

「ひゃん! そ、そんな……恥ずかしいにゃー……」

 

「ほらやっぱ昨日と同じだ。

つーかキミ、俺の知ってる後輩と似て――――おろ?」

 

「あぅ……ば、はかぁ! イッセーのせいで……あぅぅ……!」

 

「は、はぁ? な、なに股をもじもじと……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「三人と会長さんに怒られるに僕一票」

 

「修羅場になるに一票。

佐上はどうよ?」

 

「平和的には多分ならないんじゃなかろうかなって……」

 

「アイツ、とんだ女たらしなのね」

 

 

 本人を前にすると凄く緊張してしまう黒猫様。

 

 

「うぅ……! イッセーのせいでびしょびしょになっちゃった……」

 

「び、びしょびしょ?」

 

 

 股をもじもじさせ、下腹部を抑えながら瞳を潤ませて上気した表情で睨む黒歌に、イッセーはただただ意味が分からないらしい。

 

 

「……。あのさイッセーくん、取り敢えず部長の所に行かないかい? 報告しないとまずいよ」

 

「そ、そうだな。

えっと……この子は?」

 

「連れていくしかねーだろ。佐上達も来い。

こうなっちまったからには天敵もへったくれもないだろ?」

 

「勿論だ」

 

「しかねーよな。えっと、キミ。悪いけど一緒に――」

 

「……歩けない」

 

「は?」

 

「イッセーのせいで歩けない」

 

「俺のせい?」

 

「だっていきなり、クンクンされたにゃん。

そのせいでびしょびしょにされたから歩けない」

 

「どこも濡れてねーじゃんか……何をさっきから――」

 

「【自主規制】がびしょびしょなの! イッセーにあんなことされたせいでびしょびしょで恥ずかしいのっ!! 察してよ!!」

 

「………………………………………………。あ、はい……すんません」

 

「まったくもう! 死ぬほど私が好きだからっていきなりあんな事するなんて酷いにゃん!」

 

「好き? 誰が誰を? ……………あ、はい……すんません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、大きな声でなんて事言ってるのよあの子?」

 

「び、びしょびしょってそういう意味だったんですね……。あ、うぅ……」

 

 

 シリアスになれない子供達。

 




補足

完全格上コカビー つまり力量が互角のガブリーさんも……?


その2
間一髪、偶然無理矢理取り付けられたデートをすっぽかしたお陰でガブリーさんの涙電話が発動して命拾い。

この時点ではまず総力戦になってもイッセー達に勝ち目なしなので。


その3
で、イッセーがピンチで咄嗟に現れたお姉ちゃん。

しかしクンクンされてしまったせいで…………

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