色々なIF集   作:超人類DX

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これもまた別の没

コンセプト……某おもえもん


実録・風紀委員会(もしも)
風紀委員IF(没)


 高校進学と同時に、心機一転して素敵な恋人と出会ってカラフルできらびやかな生活を送ろうと思った。

 

 けれど待っていたのは、確かに女子だけども鬼みたいな風紀の先輩で、何でなのかと考える間も無く委員会に加入させられ、奴隷みたいに働かされて、馬にされてパシりにされて……その先輩が卒業してやっと解放されると思ったらそうは問屋が下ろさなくて……。

 

 素敵な恋人どころか、鬼みたいな風紀委員会に入らされたせいで逆に一般生徒達から怯えられてしまって誰も近づいてこないので作れる筈も無くて……。

 

 きらびやかどころか只の灰色高校生活となってしまった俺って一体……。

 

 そんな事をここ最近毎日思いながら、俺は今日も風紀委員長をやっている。

 

 …………。鬼みたいな先代と先々代の先輩達が卒業したせいで一気に規模を縮小させつつ、風紀を取り締まるよりは寧ろ取り締まられる側なのに俺はほぼ無理矢理指名される形での委員長をやっている。

 

 …………その風紀委員のパシり時代にあった色々な問題の結果、後に生徒会長となるとある女子のせいで余計リア充から遠退く事になって……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 駒王学園の風紀委員会は去年まで実質学園支配する程の規模と勢力を誇っていたのだが、次々と卒業という形の引退によってその勢力は一気に衰えてしまい、今では生徒会にとって代わられていた。

 

 そんな衰退した委員の委員長に現在着任しているのが、本当だったら取り締まられる側である兵藤一誠という少年であり、現在は彼一人で風紀委員会をなんとか維持させてる有り様だった。

 

 

「ということは……答えは3っす」

 

「はい、正解です」

 

 

 駒王学園の風紀委員室。

 只のイチ委員会が使うにしては、どの部屋よりも豪勢なのは決して気のせいではなく、何を隠そう、風紀委員室は元々学園の応接室だった。

 

 何故応接室を風紀委員が使用しているかについては、今現在委員長をしている兵藤一誠の先代と先々代の委員長が理由だったりするのだが、それは今置いておこう。

 

 何故なら今の委員長である一誠は、その応接室だった委員室で委員の仕事ではなくクラスで出された宿題をやっているのだから。

 

 

「この分だと早く終わるわね」

 

「あ、そうですか。

じゃあ早く終わらせて早いとこ帰ってください」

 

「あらやだ、今日も素っ気ないのね……」

 

 

 先代達が見たら尻でもひっぱかれそうな光景。

 それは、この風紀委員室に委員に在籍していない者を入れている訳で、今現在宿題をしている一誠の横に付いて教えているこの人物はまさに委員ではない人物だった。

 

 

「素っ気ないっつーか、アンタは生徒会長ですからね。

先代達に今の状況を知られたらシバき倒されるんで」

 

「ああ、あの連中ね。

お陰でここまで近付けるのに時間が掛かってしまって大変だったわ」

 

「俺もアンタにゃ近寄りたくはねーよ」

 

「ふふ、素直じゃないのね……」

 

 

 頼んでもないのに宿題を教えると恩着せがましく押し入り、頼んでもないのに隣に座り、頼んでもないのに一々わざとらしく接触してきて……。

 

 風紀委員と生徒会は昔から不仲であるという伝統がこの学園にあり、一誠もその系譜に属しているから――――というよりは、偶然を装って肩に触れてこようとするこの現在の生徒会長である眼鏡をかけた少女に対してうんざりしていた。

 

 

「私と一誠くんは親友……そうでしょう?」

 

「……………」

 

 

 そう、なんか重いのだ色々と。

 親友を自称し、色々と恩着せがましくしてくるのが一誠にしてみたらうんざりする事この上ないのだ。

 

 いや確かにこの少女は端から見れば美少女で、こんな近い距離感でのやり取りが出来ると考えれば、普通なら喜ぶべき事なのだけど、一誠にしてみれば彼女は――あまりタイプではなかった。

 

 どちらかというと……。

 

 

「失礼するわ。兵藤くんは居るかしら?」

 

 

 もっとこう、女性らしい女性が好きなのだ。

 例えば今ノックをしてから委員室に入ってきた赤い髪を持つナイスなスタイルと容姿を兼ね備えた美少女とか……。

 

 

「! やったグレモリー先輩が来たっ! おざーっす! 今お茶入れまーす!」

 

 

 名をリアス・グレモリーという、一誠が憧れる美少女で、彼女はオカルト研究部という部活の部長をしている。

 無論、一誠だけではなく全生徒の高嶺の花であるリアスの訪問に、それまでローギア気味のテンションだった一誠が一気にトップギアへと切り替わり、胡散臭さしか感じない似非丸出しの紳士っぷりを発揮し、横に居た眼鏡の少女を押し退けて、彼女を座らせる。

 

 

「何かして欲しい事とかあります? 俺なんでもしますぜ? へへへ!」

 

「…………………」

 

 

 押し退けられた少女は、リアスをこれでもかと睨み付けているが、一誠はそんなことなぞ知らんとばかりにリアスをもてなす。

 

 

「お構い無く……って、宿題をしてたの? …………お邪魔だったかしら?」

 

 

 そのあからさまな態度をする一誠にリアスは少し苦笑いを浮かべつつ、テーブルに広げられたノートや教科書の存在に気付き、宿題をしていたのかと聞いてみる。

 

 すると、それまで黙ってリアスを睨み付けてた少女が突然。

 

 

「そうなのよ、今一誠くんに宿題を教えてたのよ? つまり――」

 

 

 宿題を教えているという所を嫌に強調する少女は不自然な笑みを浮かべながら、出口の扉に向かって手を向ける。

 

 

「……?」

 

「そういうこと、ね? そういうことだから」

 

「え……?」

 

 

 何度も出口への扉に向かって手を向ける少女の意図がわからないリアスが首を傾げる。

 

 

「なんで気付かないのかしら? ほら、宿題をやってるから……ほら! 早く……!」

 

 

 要するにさっさと出ていけと言いはしないが態度で示しているらしい少女に、それまで見ていた一誠が慌てて少女に詰め寄る。

 

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ先輩……! 今――」

 

「何故よ? 早く宿題を終わらせたら遊ぶって約束をしたじゃない……?」

 

「そ、それはアンタが勝手に言った事であって――あ、そうだ! か、金渡すからケーキでも買ってくださいよ! ねっ!? ね、センパイ? やったね! バイバイ!」

 

「……………………」

 

 

 無理矢理少女に千円札を渡す辺りから少女の目付きが変わりだしてる事に、一誠はとにかくリアスを引き留める事に頭が一杯で気付いてない。

 

 

「グレモリー先輩! せっかくなんで先輩からも宿題を教わりたいっす! でへへへ……!」

 

「え、でも彼女が……」

 

「あの人は今からケーキ食べに行くんで大丈夫っす! だからこの問題についてを是非……」

 

「…………………」

 

 

 どうせ教わるならリアスのような美少女に教わりたいと下心満載な顔する一誠に、実は少女の事をよーく知ってたりするリアスは少女を困惑した眼差しを送っていると、突然少女が自身の制服の胸元に手を突っ込み………何かを取り出した。

 

 

「教員専用解答集ー!!」

 

「……は?」

 

 

 どこぞの某たぬきみたいなトーンと共に本を取り出した少女に一誠はポカンとした顔で振り向くと、少女は嬉々とした顔で一誠に説明する。

 

 

「教科書等に載っている問題の答えが全てこの本に載ってるの。

これは教員しか持つことが許されないのよ? でもこれがあれば宿題は完璧よ!」

 

 

 それはつまり、教師から盗んだと言ってる様なものであり、一切の罪の意識が見えぬ少女の微笑みに一誠は慌てて少女を止めに入る。

 

 

「あ、アンタ生徒会だろが! それに俺は一応風紀委員だぞ!? それ絶対に職員室からパクったんだろ!? 今すぐ返して来いっ!」

 

「返すってどうして? だってこれがあればすぐに宿題を終わらせられて、私とデートが……」

 

「デートってなんだよ!? 毎度毎度変なグレードアップさせるのやめてくんない!? つーか折角グレモリー先輩が来てくれたのに邪魔すんなよ!?」

 

 

 生徒会長なのに職員室に盗みに入った事もそうだが、リアスとのわくわくなひとときを邪魔されたくなくてつい言ってしまったイッセー。

 

 

「………………………………」

 

「ぁ………」

 

 

 その瞬間、ニコニコしていた少女の表情が突然真顔に変化し、イッセーもしまったと自分の口を押さえたが、既に遅く、少女は持ってた回答集をその場に落とす。

 

 

「え、邪魔なの?」

 

「ぁ……いやその……」

 

「あ、邪魔なんだ?」

 

「そ、そうじゃなくて今のは言い過ぎましたというか――」

 

「私は、アナタにとってストレスなのね? ただただ邪魔な害鳥みたいなものなのね……?」

 

「そ、そこまで言ってないじゃないですか……!」

 

 

 過去に経験でもあるのか、焦って謝ろうとする一誠に、少女は悟ったような顔をする。

 

 

「もう良いのよ……」

 

 

 そう言って一誠と、唖然としながら後ろで見ていたリアスに背を向ける。

 

 

「ちょ、ちょっとやめてくださいよ先輩、そういう感じになるのは――あぁ、端っこ行かないでー……?」

 

(そ、ソーナ……。アナタって……)

 

 

 二人に背を向け、委員室のすみっこの壁の方へと向きながら動かなくなってしまう、ソーナとリアスが心の中で呼んだ少女に、一誠は心底重い荷物でも持たされた様な表情をする。

 

 

「う、うぉぉ……重いなぁ……」

 

 

 元はこんなタイプではなかったのに、どうしてこうなったのか……。

 一誠はふて腐れた様に背を向けて壁の方を向いてるソーナの重さに胃がキリキリするような気分だった。

 

 

「ね、ねぇ、また日を改めましょうか……?」

 

 

 実はソーナと昔馴染みであるリアスは気を使って出ていこうかと言う。

 

 

「い、いやいやいや! 全然大丈――」

 

 

 こんな機会は滅多に無い一誠は無論止めようとするのだが……。

 

 

「えー!? 嫌だ帰っちゃうの!? ホントごめんなさーい!」

 

 

 不貞腐れてた筈のソーナが突然リアスへと振り向き、嘘みたいな笑顔を向けながら無理矢理出口へと背中を押しまくる。

 

 

「何のお構いもできないでごめんなさーい! 今日は本当にありがとうございます! 出口はこちらでーす!」

 

「ちょ!?」

 

「あ、あのソーナ……?」

 

「はいはいはい今日はありがとうございます! 二度と来ないでくださいね! はいこれアナタの持ち物でーす!」

 

「ええっ!?」

 

 

 無理矢理出口まで押し、置いていた荷物も廊下に向かって投げ捨て、そのまま勢いよく扉を鍵ごと閉めてしまうソーナ。

 

 

「……………」

 

「一誠くん! やっと二人きりになれたわね!」

 

「……………………」

 

 

 ニコニコしながら一誠の背中に触れてくるソーナ。

 そのあんまりな行動に我慢を越えた一誠は、腕に絡んで来ようとしたソーナを思いきり振り払う。

 

 

「ねぇ、どうしたの一誠くん? 何をする――」

 

「………」

 

「きゃっ!?」

 

 

 一度振り払っても絡んでこようとするので、今度はソファに向かって思いきり突き飛ばす。

 突き飛ばされたソーナに怪我は無かったものの、突き飛ばされたのが信じられないといった表情をしていて、スカートの中身が見えてしまってる。

 

 が、一誠はそれ以上に怒ってた。

 

 

「ど、どうして? アナタに宿題を早く終わって欲しくて、一緒に居たかっただけなのに……? 私はアナタの為に――」

 

「もうさ!!!」

 

「っ!?」

 

「もうさ……やめてくれません?」

 

「え……?」

 

「そのさ、アナタの為とかさ? アナタがとかさ? そういうの……そういうの全部っ! アンタさ………重いんだよ!!」

 

 

 大概の事は我慢してた一誠だが、今回だけではない彼女からの色々のせいで遂に我慢の限界が越え、今まで蓄積してきたものを吐き出す。

 

 すると重いと言われたソーナは徐々に目に涙を溜め……。

 

 

「お、重いって……だ、だって私……私……! ふぇぇん!!!」

 

 

 泣きながら委員室を飛び出していった。

 その泣き声は廊下全体まで響き渡り、聞こえなくなることはなかった。

 

 

「…………………………」

 

 

 居なくなって一人になった風紀委員室のソファに座る一誠。

 何故か知らないが重い先輩。

 最初はそんな事なかったし、そもそもあまり関わり合いもなかったけど、ある時を境に彼女の正体含めた全てを知って。

 

 彼女が危うい場面に陥った際、持っていた力を犠牲に手助けし、力を失い。

 

 それを知った彼女がそれ以降ああなってしまったり……。

 

 冷静になってソーナとの過去を思い返した一誠は、床に落ちてた回答集を拾うと、少し罰の悪そうな表情を浮かべていた。

 

 

「……ちょっと言い過ぎちゃったかな」

 

 

 彼女なりの恩返しなのだろうと思うと、あまり強く出れない一誠は、ちょっと悪いことをしてしまったと独りでに反省しながら、無論回答集は見ないで宿題を終わらせる事にするのだった。

 

 

「………」

 

 

 風紀委員の扉の影から出ていった筈のソーナが、居て……。

 

 

「ふふっ……♪ やっぱり許してくれた……ふふふ」

 

 

 バッチリ独り言を聞いていて嬉しそうに笑っているのに気付かずに。

 

 

 兵藤一誠

 

 風紀委員長

 

無神臓

 

 備考

 眼鏡悪魔っ娘をつい助けてしまった結果、力を失った風紀委員長

 

 

ソーナ・シトリー

 

 生徒会長

 

 悪循完(バッドエンド)

 ???

 

 

 備考

 進化の気質を犠牲に助けてくれた風紀委員長に重い色々を向ける重い眼鏡悪魔っ娘。

 

 

 

 

終わり

 

 

 

 

 

 色々と重いソーたん。

 とにかく重いソーたん。

 

 

「先週の金曜日はなにをしていたの?」

 

「先週の金曜……? 冥ちゃん先輩に呼び出されて、荷物持ちをしてたけ……」

 

「ホントに?」

 

「は? ………………………。ねぇセンパイ? 俺の日記見ました?」

 

「どうしてそう思うの? というか見たらいけないものでも書いてあるの?」

 

「別に書いてませんけど……」

 

「じゃあやっぱり雲仙先輩に呼び出されたのは嘘なのね?」

 

「そうだって言ってるでしょうが……!」

 

「でも姫島さんの家に遊びに行ったんでしょう!?」

 

「なっ!? あ、アンタやっぱり見たんだな!?」

 

「今は見たか見てないかじゃなくてアナタが私に嘘をついたかついてないかの話をしてるのよね!!」

 

「ひ、人の日記を見るなんて最低だぞアンタ、」

 

「話をすり替えないでちょうだい!!」

 

 

 重い。とにかく重い。

 

 

「アナタはあの日、私の誘いを断って雲仙先輩に呼び出されたと言ってたわよね? それはつまり、親友である私に嘘をついたって事よね!?」

 

「……………重いんだよ」

 

「……………」

 

「や、で、ですから確かに偶々姫島先輩とバッタリ会ってお茶をご馳走にはなりましたよ。

け、けどそれだけだし……」

 

「……………。まあ、それは信じるわ」

 

「そこは疑えよ!?」

 

「……。あのね一誠くん。

私はアナタに隠し事はしていない。

スリーサイズから危険日、それから下着の色まで全部アナタに話せるわ。

その上で言っておくわ……私はアナタに嘘をつかれると辛くて、寂しくて、心が張り裂けそうになる。ナイフで自分の腕を切りつけてその心の痛みを誤魔化す事しかできない……」

 

「お、おい」

 

「アナタに騙されるとどうなると思う? 

 

「え……」

 

「こんな星なんか……簡単に壊しちゃうわ」

 

「………………………わ、わかった! わかりました! ごめん! ごめんなさい!」

 

「……ごめんって何?」

 

「いやその……センパイに嘘言った事」

 

「……………。もう良いわ。

でもね一誠くん、不安だから確認させて? 私たちって親友以上よね?」

 

「……………………………はい」

 

 

 どこかの世界線ならば転生姉によって姫島家と繋がりを持っていたが、転生姉はいない。

 赤龍帝となる者が転生者として別に存在するが、一誠は別になにも奪われてないし、そもそも関わりがない。

 

 そして姫島朱乃とも……。

 

 ソーたんの重さが大変過ぎて。

 

 

「ん、わかった! もうこの話は終わりにしましょう! ふふ、じゃあ仲直りの印にハグしましょ♪」

 

「……………」

 

「あは♪ ごめんなさい、私のせいで一誠くんの才能が消えちゃった。

だから私がずっと……ずーっとアナタを守るわ……」

 

(お、重い……重すぎるぅ……! な、なまじ可愛いから強く出れねぇ!)

 

 

 

こんな感じの裏・風紀委員シリーズ

 

 

 

始まらない




補足

おもえもん……で検索ぅ!!


その2

スタート時点で最弱化していて、逆にヒロインさんは最強化してる。

なので余計強く出れない。

その3
スキルを完全犠牲にして助けられた時のソーたんはまだ普通のソーたんでした。
しかし助けられてから重くなり、自力でスキルまで覚醒させ、余計重くなって……。


続きは……これも要らんっしょ?

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