色々なIF集   作:超人類DX

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すまぬ、前回とはまた何の関係もないんだ。

タイトル通りなんだ。


横道
※冗談話


 波長が恐ろしく一致する理由はきっと一卵性の双子だからと最初は互いに思うことにしていたけど、あまりにも合いすぎるのが段々気持ち悪くなってきた。

 

 とあいえ相手が双子の兄弟なのでそれを言うのも憚れるし、実の所お互いに密かに警戒していたのだ。

 

 互いに抱えるあまり宜しくない記憶のせいで。

 

 

 だがしかし、全てを知るときは唐突に訪れた。

 

 揃ってある者を発見し、互いに隠していた全てを知る事で……。

 

 何故()()なってしまったのか、意味を知っていきながら。

 

 

 

 

 

 

 俺は何の為に存在しているのかって、よく考えさせられる。

 ただのオマケ。生まれ損ない。絞りかす。

 

 なんて考える様になってしまったせいで、俺の影はどんどんと薄くなっていく。

 親もそんな出来損ないよりも、何をさせても人並み以上の結果を出せる理想の息子たる兄を可愛がる。

 

 だから更に性根が腐っていく俺。

 

 自分は『この世のカス』だなんて、思いながら卑屈になっていくだけの人生。

 

 

 このままでは将来はしょうもない犯罪に走って刑務所にぶちこまれてしまうか、それとも飛び降り自殺をして終わらせるかの二択になりかける程に根性を屈折させかけていた――多分そんな頃だったかもしれない。

 

 俺は俺と同じ双子の兄弟なんだけど、俺達とは違って仲は多分良い二人と出会う。

 

 

「ええぃ俺のシュークリームだ! 返しやがれ!」

 

「オメーはさっき俺のドーナツを食っただろうが!」

 

 

 あの兄とは違い、何故か他人とは思えない双子の兄弟に……。

 食い物ひとつで大袈裟に喧嘩したり、やられた事は百倍にして返す時になれば揃って息を合わせてみせたり。

 

 地元から少し離れた地域に住んでいるらしいその双子と出会い、遊んだりしている時だけは色々な事を忘れて、思いきり楽しめる事に気づいた俺は、小学生の時からずっと学区の違いで中学が違っててもずっとこの二人と一緒に遊んでいた。

 

 

「高校はどうするんだ?」

 

「高校だァ? 家から近くてあんま勉強しなくても楽な所で良いだろ。イッセーは?」

 

「俺は出来ればお前らと一緒の学校が良いと思ってるけど……」

 

「と、なればやっぱり地元系列は避けるべきだな。………被ったら嫌なんだろ?」

 

「一応アイツがどこにするかは調べてある」

 

「オーケー、ならそれ以外だな」

 

 

 小・中と学校が二人とは別だったので、高校こそは一緒が良い……。

 そして双子の兄とは絶対に同じ高校にはならないと、事前に徹底的な調査をした上で俺達は地元からわざと離れた高校を選ぶ事にした。

 

 というのも、この二人も俺の兄とはあんまり関わりたくはないらしい。

 だから兄が来年から共学化する駒王学園に進路を決定すると二人に教え、その上で俺を含めた三人はいっそのことということで県外の高校へ進学することにした。

 

 そして決まった学校は――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見ろ! 右を見ても左を見ても知らない奴等だけだぞイッセー!」

 

「しかも喜べ! うちの親父が県外に進学するってんでシェアとはいえ部屋まで借りてくれたぜ!」

 

「親父さん達には申し訳ないぜ……」

 

 

 この春、俺達は誰も俺を知らない高校へと進学した。

 比べられて後ろ指を指す奴等なんて居ない。

 

 オマケ扱いもされない。出来損ないと揶揄されない……。

 対等に接してくれる親友二人と一緒にこれまでの屈折した人生を変える為の一歩を踏み出すのだ。

 

 

 そして俺は知っていく。俺自身について、そして親友達について……。

 

 

 これは魂の三つ子と呼ばれし少年達の横道。

 

 

「………。確かに気は軽くなったけどさ、この学校変なのが多すぎないか?」

 

「県外だからってよく調べないで選んだからな」

 

「まあでも良いんじゃね? 俺等はそこそこ普通にやってれば良いんだし」

 

 

 選んだ高校がどこか普通じゃなかったり……。

 

 

「ち、違うんだ! 違うったら違う! 本当にただの偶然なんだ!」

 

「そうは言ってもよ、この学校の番長っぽいのは見ての通り完全に伸びてるぜ?」

 

「あちゃー、こら見事にお前の頭が顎に入って脳がシェイクされたな」

 

 

 ギャグみたいな凄まじい偶然で、偶々その学校で一番強い者を倒してしまい、一気に顔が知られてしまったり。

 

 

 

「…………………」

 

「み、見てる。こっちを凄い見てる……! しかも付いてくる!?」

 

「後で調べたら、あの子――じゃなくてあの先輩って武神とか呼ばれてるらしいぞ?」

 

「その筋では有名な道場師範の孫だとか……」

 

「嘘だろ!? そ、そんなヤバそうな人に目をつけられたのかよ!?」

 

「ま、ムキムキマッチョ野郎じゃないだけマシじゃん?」

 

「そうだよ、そもそもお前、最近ちょっと良い子ぶってるけど、ああいうタイプは寧ろウェルカムだろ?」

 

「そうかもだけど! うぅ、俺は高校くらいはお前達と一緒で、普通に楽しめたらそれで良かったんだ……!」

 

 

 その後、その女番長的な人に完全にマークされてしまったり。

 

 

「へい、ストップです先輩」

 

「うちの番長こと兵藤イッセーはそう簡単に相手をする気は無いんすよ」

 

「む、なんだお前ら、コイツの手下か?」

 

「え……? あー……まぁ良いですわそれで」

 

「とにかく、あんなギャグみたいな感じで気ィ失って悔しいのはわかりますがね、見ての通りイッセーは普段はおっぱいと美少女をこよなく愛する健全な男の子な訳ですよ。

なのであんまりそうやってストーカーされると困るっつーか……ねぇ?」

 

「ホントすいません! アレは本当にただの偶然なんです! 俺喧嘩とか全然強くないっす!!」

 

「……………」

 

 

 必死に土下座するイッセーだけど、そんな奴に偶然とはいえ意識を奪われてしまったと思う女番長的な女子には寧ろ逆効果だったり。

 

 

「しゃーねぇな、こうなったら鍛えるしかねーべよ?」

 

「我流の喧嘩殺法になるが、イッセーならすぐ覚えられる筈だからな」

 

「む、無理だ。大男を一瞬で吹っ飛ばすあの先輩に、そんな付け焼き刃でどうにかなるとは思えない……」

 

「やる前に諦めんなよ。

つーかよ、イッセー、よーく考えろ? ここで正式にぶち倒したらあの先輩はもしかしたらお前に………」

 

「『素敵! 抱いて!』」

 

「………ってなるかもしれねーぜ?」

 

「………………」

 

 

 何を言っても先輩が聞かないので、双子が『我流の喧嘩』を、上手くイッセーを乗せながら仕込もうとしたり。

 

 

「出来ないじゃなく、絶対に可能にさせると考えろ!」

 

「お前の中で一番強いものを想像しろ!」

 

「ど、ドラゴン波! ……って、なんだコレ!? 俺の腕に変なのが……」

 

 

 オーバーキルその1を覚醒させたり……。

 

 

「自分を知れ。知って受け入れろ」

 

「その上で抗え。壁を乗り越え続けろ」

 

「……………」

 

 

 オーバーキルその2もついでに覚醒させ……。

 

 

「お待たせしました先輩さんよ」

 

「今度のイッセーはちょっと強いぜ?」

 

「………………………」

 

(……! コイツ、明らかに10日前とは違う……! くくっ、私の目に狂いはなかったな!)

 

 

 兵藤イッセーは、今頃兄が上手くどこぞで立ち回ってる場所とは無縁の場所でその宿命に覚醒する。

 

 

『Boost!』

 

「ウォォォッ!!!」

 

「!? 急に力を増した!? それにあの腕は……」

 

「よっしゃ行けぇ!」

 

「畳み掛けろイッセー!」

 

 

 赤き龍の帝王として。

 だけど……

 

 

「……………うぅ」

 

「私の勝ち……か」

 

 

 所詮付け焼き刃だったので敗けてしまう。

 

 

(まさか私の技に似た技を使ってきた時は驚いた……。この双子が教えたのか? だとしたらコイツ等はいったい……?)

 

「おーい、大丈夫かイッセー?」

 

「まあ10日程度でここまで対抗できたんなら上出来だろ」

 

「お、おう……でも身体がボロボロで立てないぜ」

 

 

 女先輩が双子を地味に怪しんだり。

 

 

「でも悔しいなぁ。もし勝てたらその流れで付き合ってくださいって言うつもりだったのに……」

 

「ああ、お前そういう性格だったのか……」

 

「ちなみに、それを糧にイッセーは10日でここまでになりました」

 

「後、コイツ一回誰かに惚れたらめっちゃしつこいんで悪しからず」

 

「と、言うわけで記念に俺とデートしてくださいっ!!」

 

「……………」

 

 

 でも程好く三人がアホで、特にイッセーが完全に女先輩に惚れてしまい、女先輩も微妙に引いたり。

 

 

「よし、学園で最強になってやる! そうしたら先輩とデートできるぜ!」

 

「うーむ、屈折していた性根がこうまで戻るとは……」

 

「なんつーか、やっぱ『俺達』だわな……」

 

 

 兵藤イッセーの横道はまだ始まったばかりだ。

 

 

「いくぜ先輩、ドラゴン波ァ!!」

 

「!? はははっ! お前は本当に良い! 退屈させない奴だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと、俺達はアイツの邪魔をさせない為にコソコソやらせて貰うとしようぜ」

 

「ああ、あのクソ野郎、イッセーが違う高校に入ってからは絡んでこねーと思ったが、最近ちょろちょろとうぜーからな」

 

 

 最強の双子と共に。

 

 

 

 兵藤イッセー

 

 赤龍帝(雛型)

 無神臓(雛型)

 

 

 色々と屈折していたが、友である双子と進学先のめちゃんこ強い女先輩を偶発的に一回だけ土を付けてしまい、再戦時には当然負けたが、その女先輩に惚れる事で変な軌道修正をしてしまった運命の赤龍帝。

 

 

 所属・○○学園1-F

 

 

 

 

 

 

 結城秀康

 無神臓(極限) 

赤龍帝

 

 

結城貞愛

 無神臓(極限)

赤龍帝

 

 

 砂場でぽつんと死んだ目をして遊んでいたイッセーを発見し、事情を知った後でフォローしていくことを決意した―――別世界を其々生きた兵藤一誠。

 一誠の人生の邪魔となりえるものの完全排除を影ながら執行する最強のガード。

 

所属・○○学園1-F

 

 

 

女先輩

 

 若くして武神と呼ばれてるらしい方。

 自分の相手がどんどん居なくなっていて退屈していて色々の気が抜けていた所に、10円玉を落として慌てていたイッセーの頭が上手すぎる角度で顎に刺さってそのまま気絶。

 

 その後、双子の計らいでリベンジは完了したものの、たった10日でド素人だったイッセーが自分の足の爪先くらい辺りまでは食らいついてきたその成長速度と、底の見えぬ限界領域に弛んでいた気が完全に張り直されるのだが、そのイッセーが逆に毎日告白してくるようになってしまった。

 

 まあ、全力で殴っても普通に起き上がって反撃しようとするし、日増しに成長していくので、本人はそういう意味ではイッセーがお気に入りらしい。

 

そして、彼女もまた覚醒し始めたイッセーの持つ気質によって更なる壁を…………?

 

 

after one year……?

 

 

続かない。




補足

何とのクロスとかも言わん。

……多分若干ばれてるし。


その2
どの時代を生きたイッセーかも言わん。

別に考えてないし。


その3
続きもしないよ。

だってノリだけだったし。


その4
女先輩さんを振り向かせる為に、横道に逸れた赤龍帝さんが頑張るハートフルなコメディ………にもならないよ。

だって続かんし

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