色々なIF集   作:超人類DX

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というタイトル通りにしていた別のそれの続き。

主にデレ蓮華ちゃまとかそんな辺りのそれ


※三馬鹿一緒ルート

 自由に遊び。

 気儘に生き。

 ムカつけばぶちのめしに行く。

 

 

 神滅具を持つ天災三人組と何時しか呼ばれる様になった三馬鹿は、パラレルワールドの過去へと飛ばされてしまった。

 

 

 電気・ガス・水道・ゲーム・チーズバーガー・エロ本等々、現代っ子である三馬鹿にとっては必需品といえる物全てが遥か未来となる過去過ぎる時代に、しょうもない理由で迷い混んでしまい、しかもそこが色々と――特に三国の英雄の曹操を先祖に持つ神牙にとってはすさまじく頭を抱えたくなる世界だった。

 

 具体的には、その手の歴史書に乗る三国時代を生きた者達が軒並み女性だったという意味で。

 

 三馬鹿の中では女性に目が無い一誠青年がはしゃぎそうなものだけど、流石に生きるべき時代が違い過ぎるせいなのか、珍しく大人しいし、ヴァーリは……性格が性格なのであまり変わってない。

 

 三国志においても有名な勢力となる呉の者達に取っ捕まり、帰るまでの軸にする意味で当初は持ちつ持たれつな関係で、三馬鹿も下手な情は持たないと互いに決めていた。

 

 だけど神牙は所謂呪われてるレベルのラッキースケベをよりにもよって発動させてしまうし、ヴァーリは天然で色々とやらかしてしまうし、一番堅くなであった一誠もまた色々と裏目に出てしまうしと……飛ばされてから四季が二週しそうな現在……。

 

 

 

「チッ、見つからねぇ……」

 

「というか、銅鏡を最近は全く見ないんだが」

 

「俺達が見つける前に彼女達に処理されてしまっている可能性しか感じないぞ」

 

 

 三馬鹿はやっと元の時代へと帰る手がかりとなる青年と対面し、色々と話を聞けたのだけど、やはりというべきなのか、必要なアイテム的な物は見つけられなかった。

 というか、露骨に帰る手がかりを聞いたせいで呉と面々に軽く妨害されていたのだ。

 

 

「北郷君だったか? 彼からもう少しその鏡とやらの特徴を聞いておくべきだったな……」

 

「力もまだ殆ど取り戻せてない今じゃ、最終手段の次元無理矢理抉じ開け作戦も無理だし」

 

「一応国境違いだからおいそれと会いに行けない……まいったぞ」

 

 

 この世界に飛ばされた影響なのか、三馬鹿は元の時代の兆分の一まで力を落としてしまっているという状況。

 

 

「「「はぁ………」」」

 

 

 呉の面々が悪い人間ではないのは、そろそら二年経ちそうな期間を近くで過ごしたので理解はしているのだけど、情を持ってしまえば色々と別れが辛いと解っているので何とか一線を引いているつもりなのだが……。

 

 

「また大きな戦いがあるんだろ神牙?」

 

「ああ、以前とは比べ物にならない規模だ」

 

「色々と面倒だぜ……」

 

 

 それも果たして何時まで持つのか……。

 

 そろそろ起こるだろう大きな戦いの気配を感じながら、三馬鹿は大きなため息を溢すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 生きるべき時代が違う。だから決して情を抱いてはならない。

 

 一誠はあの夜私にそう言って背を向けようとした。

 言われた事をするのも、力の使い方を教えるのも、全ては元の時代へと帰る為でしかない。

 

 いい加減で、ふざけていて、女にだらしなくて……でも面倒見が良くて、覚えの悪い私に苛立つ素振りも無く根気強く教えてくれて……。

 

 知れば知る程一誠達は私達に対して一線を引いている。

 

 

「はぁぁ……!」

 

 

 あの天の遣いとの出会いで元の時代へと戻る手がかりを持ってしまい、それが叶わなかった場合の為に力を完全に取り戻そうとしているのが最近の一誠。

 

 教えられた私や思春では微力な気の力を全身に纏わせ、燃え上がる炎の様に迸らせている姿は何度も見てきた。

 

 

「ダァァァァッ!!!」

 

 

 その力は天を赤く染め上げ、大地を震わせる程に力強い。

 しかしそれでも一誠曰く、本来の遥か劣化との事らしい……。

 

 一体一誠達の生きる時代の者達はどれ程の化け物達なのだろうか……。

 

 

「相変わらず出鱈目な力ですね。

一誠に扱い方と感じ方を学んだ今だからこそ、アイツや神牙やヴァーリの三人の力が強大なのかが分かってしまいます」

 

「そうね……。

でも、ああやって毎日力を限界まで引き出している鍛練をしてるのって、本来の力を取り戻す為なのよね……。

やっぱり元の時代に戻りたいのかしら……」

 

「……………」

 

 

 いえ、そんな事はどうでも良い。

 私にとって重要なのは、一誠がその時代へと何時かは帰るという事。

 

 

「一誠達が言うには、我々が生きるこの時代と、一誠達の時代は根本から違うらしいのです。

三人がこの地に来たのは偶然……つまりもし三人が元の時代へと戻れば、二度と会うことは……」

 

「………」

 

 

 そうなれば今は当たり前となっているこの時も、当たり前の様に話せる事も、その全てが永遠に失われてしまう。

 出会った当初――上部だけの一誠しか知らなかった私なら寧ろ居なくなって清々したと思えるだろう。

 

 だけど……だけど今は違う。

 

 

「ぐっ!? は、はぁ……! はぁ……! ちくしょう、ここが限界か……」

 

「一誠、それ以上は身体を壊すわ」

 

「ぜぇ、ぜぇ……! お、俺に構わなくて良い……!」

 

「地震を何度も起こされたら落ち着いて鍛練も出来んから止めてるだけだ」

 

 

 凄まじい力を持ったのも、そうならなければ生きていけなかったから。

 力を示さなければ誰からも見てくれなかったから……そんな生き方をしなければならないからと知った今、与えられてるだけではなく、私にも出来ることをしてあげたい。

 

 

「言っておくが、蓮華様を自室に連れ込んで一晩を過ごした件については私は納得していない。

小蓮様もだがな」

 

「思春、あれは私の方から一誠を訪ねただけで……」

 

「言い訳はしないよ。

処刑したいならしな……抵抗はしねぇ」

 

「逃げ腰のお前を斬っても何の足しにもならん」

 

「…………」

 

 

 例え今この瞬間に一誠の力が消えて無力になってしまおうとも……私は絶対に変わらない。

 それが私に今出来る一誠への誠意……。

 

 

 

 

 

 小蓮は姉に一歩先に行かれた事が悔しかった。

 

 最初は寧ろ毛嫌いをしていた一誠の中身をいち早く察知したのが小蓮なのに、後から知った蓮華の方が一誠を揺らがせているのは、出会って即座に懐いた小蓮にとってはとても面白くないのだ。

 

 

「悪いが今日は俺が勝つ……! 御姉様キャラとイチャコラしてて怠けてる裏山けしからんには負けねぇぜ!」

 

「人の事を言えた義理ではないだろ一誠?」

 

「俺はそもそもそんな事してないしな」

 

 

 自分と目線を合わせて何時も笑って優しくしてくれる顔が好き。

 

 

「じゃあ勝ったヤツの言った事が正しいで良いよなっ!!」

 

「「上等……!!」」

 

 

 我が儘を言っても受け止めてくれるのが大好き。

 

 

「「「ハーッハハハハハァ!!!!!」」」

 

「笑いながら殴り合ってる……」

 

「しかも三人とも速すぎる」

 

「まだあの領域は遠いですね……」

 

 

 血塗れになっても歩みを止めない力強さを見ていると胸の中がくすぐったくなる。

 

 

「一誠が少し押されています」

 

「そうね……さっきまで全力を常に出しながら鍛練をしていたせいで体力が落ちてしまってるのよ」

 

 

 力が無いと誰も見てくれないという、怯えを隠している事は小蓮も知っている。

 

 

「まだまだァ!!」

 

「くっ!? タフさは一誠が一番かやはり……!」

 

「がふっ! さ、流石だ……! しかしっ……!!」

 

 

 姉がその核心を突いた時から、一誠は少し姉に対しての態度を変えている。

 

 

(やだよ……一誠は誰にも渡したくないよ……)

 

 

 力が無くても良い。

 顔が焼きただれても構わない。

 手足が吹き飛んでしまって動けなくなっても……。

 

 

(どんな姿でもシャオは一誠が大好きなのに、皆して取らないでよ……)

 

 

 一誠という存在そのものに惹かれた少女の想いは更に……より強くなっていく。

 

 

「そこまで!」

 

「ふっ、今日は俺の勝ちだ!」

 

「くっ、やはり素の身体能力が一番弱い俺ではこんな所か。

しかし一誠がまさか一番先に脱落するとは……」

 

「やる前から疲弊していた様だからな……。

それが無ければ負けていただろう」

 

 

「…………………」

 

 

 それを伝える。

 蓮華よりももっと直接……。

 その機会はまさに今この時であると本能的に察知した小蓮は、他の『家族』達が見守る中行われた三つ巴の試合に一番早く脱落して気絶をしている一誠の元へ、蓮華や思春よりも素早く駆け寄る。

 

 

「気絶した一誠は、シャオが運ぶ」

 

「いや、キミでは一誠を抱えるのは無理が――」

 

「……………出来るよ。

一誠が蓮華姉様や思春に力の扱い方を教えているのを見て覚えたから」

 

 

 それぞれ傷を負っているヴァーリと神牙や家族達の目の前で薔薇色に近い色のオーラを纏い、意識を失っている一誠を抱える小蓮。

 

 

「一誠はまだ早いって教えてくれなかったけど、このくらいなら出来るもん」

 

 

 驚く面々にそれだけ言うと、同じように驚く蓮華を一瞥した小蓮は、誰にも触れさせないとばかりに一誠を抱えると、さっさと演習場から出ていく。

 

 そしてすぐにでも一誠が使っている部屋へと連れていき、寝具の上に寝かせ、扉を閉める。

 

 

「…………」

 

「一誠……」

 

 

 打撲跡が身体中にある気絶した一誠の横で小蓮は、自分のモノだと言わんばかりにあちこち身体に触れる。

 

 

「この手は蓮華姉様がさっき触れていた。

だから今シャオが上書きする……」

 

 

 他の女が触れた箇所を上書きしていく小蓮。

 やがて一誠は意識を取り戻す。

 

 

「ん……んん……?」

 

「一誠」

 

「………? 小蓮……? あれ、俺は今……」

 

「疲れてたせいで二人に負けてた。

だからシャオが運んだんだよ?」

 

「……小蓮が? ……そうか、ありがとな。

いつつ……バカスカと殴られまくったせいで全身バキバキだぜ……」

 

 

 どうやって運んだのかを考えるのは後にして、取り敢えずお礼を言い、一誠はまだ痛む身体を起こしながら頭を振る。

 

 

「…………」

 

 

 そんな姿の一誠を見て小蓮はドキドキする。

 やっぱり欲しい。他の誰にも渡したくない。

 

 そんな想いが更に膨らみ……遂に小蓮は動いた。

 

 

「ねぇ一誠……?」

 

「ん、なんだ小蓮?」

 

 

 一誠は元の時代へと帰りたがっている。

 それはつまり永遠の別れを意味する。

 

 だから最初は小蓮も他の者達と同様に反対した。

 

 しかし小蓮は徐々に別の捉え方に到達した。

 

 

「やっぱり何時かは元の時代に帰りたい?」

 

「…………。おう、俺達は居てはいけないからな……」

 

 

 居てはならないと考えているのは一誠達だけで、自分達は最早これっぽっちも思っていない。

 小蓮はそう思いながら気まずそうに話す一誠をジッと見つめながら言った。

 

 

「シャオは反対しないよ」

 

「え……?」

 

 

 一度は大泣きしながら反対までしてきた小蓮の言葉に、思わず驚いてしまう一誠。

 ひょっとして嫌われてしまったのか? そんな考えが脳裡を過ったが、それも一瞬だった。

 

 

「シャオも一誠と一緒に、一誠の居た時代に行く。

そうすればずっと一緒だもん」

 

「な、なにを馬鹿な事を――」

 

「本気だよ? 一誠と離れたくないけど、一誠は帰りたい。

だったら逆にシャオが一誠についていけば良い」

 

 

 ふざけている様子が無い小蓮の表情に一誠は戸惑ってしまう。

 

 

「一誠が力を無くしたとしてもシャオは変わらない。

顔が無くなってしまっても、手足がなくなっても、歩けなくなっても、シャオが守る。

ずっと傍に居たい……一誠が大好きだから」

 

「………………………」

 

 

 それは小蓮からのマジな告白だった。

 

 

「その為に、一誠の邪魔にならない為にシャオも強くなる。

ほら、一誠はまだ早いってあんまり教えてくれないけど、一誠を見て覚えたんだよ?」

 

「……! 気の力……」

 

「一誠と一緒に居られるなら、姓も名も字も全部捨てる。

だから、シャオを置いていかないで……?」

 

 

 誰よりも強すぎる覚悟を一誠は小蓮から感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 小蓮様によって部屋へと運ばれてしまった一誠を、私と蓮華様は見ることしか出来なかった。

 どこか様子のおかしい――いや、在りし日の蓮華様の母上様と同じ迫力を思い出させるものを放つ小蓮様に割って入れなかったといった方が正しいのか。

 

 小蓮様が最初から一誠を好いていた。

 それは幼子が年上に憧れを抱いているという意味ではなくだ……。

 

 

「心配だから様子を見に来たのだけど……」

 

 

 一番素直に、真っ直ぐにアイツを好いているのは小蓮様。

 それに対して一誠は子供の言っている事だと相手にはしていないし、何よりアイツはこれ以上我等に干渉することを避けている。

 

 

「……………一誠なら外に行っちゃったよ」

 

 

 何時か未来へと帰る。

 その為にこの地に留まっているだけに過ぎない。

 

 それがアイツの口癖であり、余計な情を持てば辛くなるからと、一誠――いや、一誠達は一線を引く。

 当初ふざけていたのはきっと我等に嫌われようとしていたから……今となってはそう思えてならない。

 

 だけど我々はあまりにも其々三人から与えられ過ぎた。

 力にしても、いっそ身勝手とも思える生き方にしても……。

 

 

「小蓮……泣いてるの?」

 

「泣いてない」

 

「でも……」

 

「泣いてない!!」

 

「っ! ま、待って小蓮……!」

 

 

 ああ、その中でもアイツは一番身勝手だ。

 最初から馴れ馴れしくて、人を小バカにして……受け入れられて来て。

 なのに知れば知っていく程、アイツは私達との間に見えない壁をつくってそれ以上は踏み込まないで。

 

 今もそうだ。

 一誠の部屋に一人居た小蓮様と何か話でもし、拒絶をしたのだろう。

 小蓮様が蓮華様に涙を流しながら怒りを見せると、部屋を飛び出してしまった。

 

 

「蓮華様、そっとしてあげましょう。

大方あのバカが小蓮様に対して逃げるような発言をしたのでしょうから」

 

「ならば尚の事放っては置けないわ。

……あの子は最初から一誠を好いていたのに」

 

「……。ではアイツを探し、首根っこを掴んで小蓮様に謝らせましょう。

私が見つけてきます」

 

「……お願い」

 

 

 あのバカが。

 大体何を言ったのかは検討が付くが、泣かせた事とそれとは別だって事を言わなければならない。

 小蓮様の事は蓮華様に頼み、私は何処かへ行ったらしいあのバカを捕まえる為に蓮華様と別れた。

 

 

 そして一誠の気配を辿って城下の外へと出て竹が生い茂る竹林の山の中へと入った私は、暫く進んだ先にある少し開けた場所で、先程負けて疲弊しているというのに、全身から気を放って空虚に向かって拳を突き出していた一誠を発見した。

 

 

「………くっ、まだダメージが抜けてないか」

 

 

 だが私には鍛練には見えない。

 蓮華様と一晩共に過ごしてからの最近の一誠は、常に余裕が無い鍛練ばかりをしている。

 『よく動き、よく学び、よく遊び、よく食べて、よく休み、人生を面白おかしく張り切って過ごせ』――なんて言っていた癖に、その本人があんな切羽詰まって身にもなってない鍛練をしている。

 

 

「はぁ……はぁっ! す、少し休めば……」

 

 

 見てられん。

 常にふざけていて、ケタケタと小バカにした様に笑っている男があんな余裕の無い姿を晒すのが。

 

 

「ちくしょう、ドライグの力を完全に取り戻せば――」

 

「無理だな。少なくとも今のお前では……」

 

「っ!?」

 

 

 それ以上続けたら本当に身体を壊しかねない。

 だから私は姿を晒しながら声を掛けると、何時もならこんなに近い距離なら気配を察知して気付ける筈の一誠が驚いた様な顔をして私の居る方を見る。

 

 

「私の気配にすら気付けぬ程盲目してしまっているとはな……お前らしくもない」

 

「…………何しに来た」

 

 

 私の言葉に対して、バツが悪そうに目を逸らす一誠。

 息を乱し、疲弊しきった余裕の無い姿を見られたくないのか……。

 コイツと出会った当初の私そのものとも思える今の一誠に私は言う。

 

 

「最近のお前の無茶な鍛練は目に余る。

お前達三人の中では一番素手での戦いが強い筈なのに、今日のアレはなんだ? 自己管理も出来ず無茶な鍛練をした疲弊を残したまま敗北した等……」

 

「そうだな。正論過ぎて何も返せないぜ。

……それで、言いたいのはそれだけか?」

 

 

 そう無愛想に言いながら無理に立ち上がり、私に背を向けて再び気を放出しようとする。

 この時点で言っても聞かないのは解っていた。

 

 この最近の行動も、これ以上我々に情を抱きたくなく、一刻も早く力を取り戻して未来へと帰る為なのだろう。

 

 

「そんなに鍛練がしたいなら私が相手になってやる」

 

「………あ?」

 

 

 だがこんな意味もなく自分の身体を痛め付ける様な鍛練では何にもならない。

 かつて私がそうであったように……だから今この場に居る私が止める。

 

 

「今のお前がやっていることは鍛練では無い」

 

「俺はこうやって力を付けた。

何も知らない癖に――」

 

「だったら試してみろ。今のお前なら私でも勝てる」

 

 

 通常の一誠ならば私は負ける。

 だが今の、自分と目の前しか見えてない一誠ならば私は負けない。

 

 

「一発殴らなければ今のお前には伝わらん。かかって来い」

 

「……………………」

 

 

 刃を潰した得物を手に構えた私は挑発をすると、一誠は睨む様に私を見据えると、素早く私との間合いを詰めながら拳を振るう。

 

 これが何時もの一誠ならば私が持つ武器を弾き飛ばされてしまうのだが、やはり今の一誠は疲弊に加えて焦燥もしていた為に全てが荒削り。

 簡単に防げてしまう。

 

 

「!」

 

「やはり今のお前には負ける気が全くしない」

 

「チッ……!」

 

 

 後方へと飛び退き、舌打ちをする一誠に不思議な程冷静な気持ちを抱いたまま私は、散々教えられた気の解放をする。

 

 

「はっ!!」

 

「くっ……!?」

 

 

 白い気の力が私の身体の隅々まで浸透し、身体を軽くする。

 身体能力の一時的な強化と一誠は言っていて、この技術を体得するのには蓮華様と共に苦労をした。

 

 そんな器用な方では無かった私達に嫌な顔せず根気強く教えたのが一誠……。

 その一誠の目を覚まさせるのは、蓮華様に忠誠を誓いし私の役目……!

 

 

「ハァァァッ!!!」

 

「ぐぅ!?」

 

 

 刃を潰した刃が一誠の全身を叩く。

 私の攻撃を防ぐ事しか出来ぬ程に弱っている癖に……このバカ!

 

 

「ちょ、調子に乗るなよ……!!」

 

「!」

 

 

 だが弱っていても相手は一誠。

 私の一太刀を肩に受けてよろめいたその瞬間、全身から赤い気を放出させて体勢を無理矢理建て直すと、私の持っていた得物を拳で叩き飛ばし、弾き飛ばされた隙を突かれる形で腹部に一撃を与えられてしまう。

 

 

「ぐっ!? はぁ……はぁ……!」

 

「………………」

 

 

 その一撃は確かに力強く、私の身体は宙を舞った。

 だがしかし……軽い。軽すぎる。

 

 

「………私を仕留められない程弱っているなやはり」

 

「ぜぇ……ぜぇ……!」

 

 

 一誠の拳の感覚が残す腹部を押さえながら着地した私は、膝を付いて息を切らす一誠を見下ろす。

 

 

「何故そんなに焦る。

神牙やヴァーリを見ろ、お前の様に無意味な――」

 

「うるせぇっ!!!」

 

 

 私の問いに一誠から怒号が飛ぶのと同時に、先程とは比べ物にならない程の―――黄巾の賊をまとめて消し飛ばした時を思わせる気を無理矢理放出する。

 

 

「どいつもこいつも……! 俺は好かれる様な奴じゃねぇんだよ! なのに何で……!!」

 

「小蓮様と蓮華様の事か……?」

 

「あぁそうだよ! 俺はそんな奴じゃねぇ! わざわざ技術を教えたのは、俺達を用無しに思わせる為だったんだよ! それなのにどうしてお前等は俺等を捨てねぇ! 小蓮は俺に『未来の世界に付いていく』なんて言った! 俺にどんな幻想を抱いているのか知らねぇがな! 俺はお前等が思ってるような奴じゃねぇんだよ!!!」

 

 

 小蓮様がそんな事を。

 そうか……そこまで一誠を。

 

 ふっ、敵わんな本当に……。

 

 

「俺の中に入るな……! 俺はお前等とは住む世界が違うんだよ! ここに来たのだって、間違いでしかない外様なんだよっ!!!!」

 

「もう、誰もそうは思っていないぞ」

 

「お前まで言うのか!! 俺を殺したいほど憎んでた分際で!!」

 

「ああ、お前の事は今でも嫌いさ。

お前が言った様に、外様だった癖に蓮華様に馴れ馴れしかったり、バカにしたりして、何度殺してやろうかと思った事か……」

 

 

 周囲の竹林を破壊する程の荒れ狂った赤い気を放出する一誠に、私は思っている事を話す。

 

 

「お前がその性格そのままだったら、きっと私は今でもお前を認めなかった。

どんな算段があって私達に力の使い方を教えたにせよ、お前は親身になってくれた。

……………………。かつて、お前を捨てた主達にそうしたようにな」

 

「ど、ドライグゥ……!! やっぱりコイツにも……!」

 

「お前がどんな過去を生きたのかは大体わかっている。

だから私達に一線を引いているのも、この地に居てはならないという想いも」

 

 

 一誠の過去に触れた瞬間、顔を歪め、殺気を剥き出しにする。

 だが私は自分の口を閉じなかった。

 

 今ここでコイツを止めなければならないから。

 

 

「だから今お前を止める……!」

 

 

 武器は弾き飛ばされた。

 だが私は戦える。

 一誠から教えられた戦い方を。

 

 

「疾っ!!」

 

「ぐはっ!?」

 

 

 荒れ狂う一誠の気を自身の気で受け流しながら肉薄し、固く握った拳で一誠の身体に何度も叩き込む。

 

 

「このっ……!!!」

 

「遅いっ!」

 

 

 何時も以上に雑な動きとなる一誠が反撃せんと拳を振り下ろすが、不思議な程に冷静な気持ちである私はその全てを受け流す様にしてかわしながら顎、胸、腹部と連続して拳と脚を叩き込む。

 

 

「ぐ、クソ………ったれがァ!!!!」

 

「言った筈だ! 今の荒れたお前の攻撃など私にすら届かん!!」

 

 

 よろめくも倒れない一誠が自棄になった様に襲い掛かってくるのを全て捌いてから返し、やがて距離を取る為に後方へと下がった私は、放出していた白色の気を全力で放出させる。

 

 

「はぁぁぁっ!!!」

 

 

 あの時見た一誠の本気の色。

 私はまだ未熟だった為にその色には到達できなかった。

 

 しかし鍛練を重ね、気の力を上手く扱えるようになるにつれて私の色は変わっていった。

 

 

「はぁっ!!!」

 

 

 一誠と同じ赤い色に。

 

 

「これはお前が言っていた技術のひとつ。

体内の気力を解放し、制御されている身体能力を完全に解放する」

 

「ううぅっ……! うおぉぉぉぁぁっ!!!!!」

 

 

 私の解放を見て闘争本能が刺激されたのか、理性が飛んでいる一誠が地を踏み砕きながら走ってくる。

 やはり……一発殴ってでも止めて見せる為に私は本当の意味で一誠に名を名乗った。

 

 

「行くぞ一誠!

甘 興覇、真名を思春! お前を止めるっ!!」

 

 

 ふっ、私ともあろうものがこんな女にだらしのない男を認めてしまうとはな。

 踏み込んで欲しくない……お前はそう言うがな一誠よ? そうさせたのは他でもないお前なんだぞ? その責任は―――

 

 

「ウオォォォッ!!!!!」

 

「―――見えた!」

 

 

 取って貰うぞ!

 理性が飛んで殺す気で放たれた一誠のその拳を、頬を霞ませながら捌いた私は、全気力を集束させたその一撃を一誠の腹に思いきり叩き込んだ。

 

 

「ガ……ア……ッ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 色々と焦った結果、力を完全に取り戻す事を決めた一誠は、あまりにも緩やかな進化に尚焦り、泥沼に落ちていった。

 これ以上情を持ってはならないからと……。

 

 そして小蓮からの言葉により焦りを抱かせて。

 

 

「………………ぅ」

 

 

 その焦りにより遂に暴走をし、止められた。

 思春によって……。

 

 

「うぅ……俺は一体?」

 

 

 過去のトラウマにより、一定の感情を持つと暴走をする危険性を持っていた一誠は思春に一発殴られる事で、既に疲弊していたのもあって意識を失い、正気を取り戻した様だ。

 

 

「気が付いたか」

 

 

 痛む身体を何とか起こす一誠の真後ろから、ずっと起きるのを待っていたのだろう思春が腕を組ながら立っていた。

 

 

「散々言いたい放題言った後、怒りで我を失っていた様だが……」

 

「あ……あぁ、うん」

 

「……。その様子だと少しは冷静さを取り戻せたみたいだな」

 

「ま、まあ……」

 

 

 怒っているといった訳でもない思春に一誠は気まずそうに目を逸らす。

 最近思い通りにいかない事が多すぎて結構色々と言ってしまった様な気がしたので。

 

 

「色々とご迷惑をかけたみたいで……」

 

「ああ、全くだ」

 

「すんません……」

 

 

 素直に謝るしかできない一誠に、思春はひとつため息を溢す。

 

 

「その話は良い。

謝るなら小蓮様に謝れ……泣いておられたぞ?」

 

「え……マジかよ。

だって、あの子帰る俺達に付いてくるなんて言い出すから……」

 

「よく話し合え。

悪いと思ったのなら有耶無耶にしたままにはするんじゃないぞ?」

 

「お、おう……」

 

 

 言われて項垂れながら頷く一誠。

 

 

「お前は相当自分の事を低く見ているし、入り込まれたくないのもよく解った」

 

「…………」

 

「それを踏まえてお前に言っておくが、私はお前が大嫌いだ」

 

「はい……」

 

「馴れ馴れしいし、すーぐ他所の女に鼻の下は伸ばすし、下手にも程がある口説き文句を垂れては情けなく拒否される。情けないったらない」

 

「………………」

 

「勝手に先走るし、蓮華様に向かって蓮華ちゃまなんて失礼な呼び方だし、というかそもそも三人の中で顔が良いとは思えんし……」

 

「…………」

 

 

 ヴァーリと神牙の容姿を見てきて軽くコンプレックスだったりする一誠は、出るわ出るわの思春のダメ出しに、軽く傷つく。

 けれど思春は止まらない。

 

 

「散々こっち側に踏み込んでおきながら、自分には踏み込んで欲しくないだと? とことん身勝手だと思わないのか? え?」

 

「い、いやそれはその……」

 

 

 何時に無く喋りまくりな思春にタジタジな一誠。

 

 

「自分を用無しと思わせる為に私に力を教えたと宣ってたが、ならば何故厳しくしない? いや、厳しい事は厳しかったが、覚えの悪かった私にあそこまで親身になる意味がわからん。

で、モノにしたら一々笑いながら褒めるとか何なんだお前は? ひとつの技を覚える度に自分の事みたいに喜びながら頭を撫でるその馴れ馴れしさといい、飯に連れていってくれたりとか――」

 

「あのー……」

 

「飯の取り合いで喧嘩していた蓮華様についてもそうだ。

そんなに踏み込まれたくなければ冷酷無比の最低男として振る舞えば良かったのだ。

それをお前は一々親身だし、雪蓮様との差で悩む蓮華様にまで力の使い方を教えて克服させるし、悩み自体も親身になって聞いたりするし――」

 

「思春さんってば。やめて、むず痒い」

 

「………あ」

 

 

 段々貶してるように見えて褒められてる気がしてきた一誠に真名で呼ばれてハッとなる思春は、若干顔を隠しながらオホンとひとつ咳払い。

 

 

「と……とにかくだ! こちら側に馴れ馴れしく踏み込んでおきながら、踏み込むなは虫が良すぎる! お前にとっては辛い過去に触れて欲しくないのはわかるが、誰もお前の過去を見て笑うつもりはない! 現に私や蓮華様が笑ったか!?」

 

「な、無いですけど……」

 

「そうだろう!? 力が無ければお前を見向きもしなかったって話もそうだ! 力があったからこの地に来たのだからそんな事を一々気にするな!」

 

「は、はい……」

 

 

 こ、こんな喋る子じゃないのに……。

 と、妙に喋る思春にすっかり圧されてしまった一誠はただただ平謝りしか出来なかったとか。

 

 

「帰るぞ」

 

「おっす……」

 

 

 プイッと背を向けて歩き出す思春に付いていく一誠。

 ある意味最近まで抱えていた悩みが消し飛んだ気がした……そう一誠は思うのだった。

 

 

「あ、悪い思春さん……」

 

「何だ? まだ分からんのか? それとさんを付けるな。お前にさんを付けられると気色悪くてかなわん」

 

「いやもう無理はしないし、さんは付けないけど……先言っててよ、今のキミの歩く速度に合わせられないくらい疲れちゃって……」

 

「チッ、世話のかかる……。

仕方がないから肩を貸してやる」

 

「いや別にそこまでしなくても……」

 

「良いからさっさと言うとおりにしろ!」

 

「……はい」

 

 

 けど無理をし続ける方法は今の自分では無理。

 それに気付かせて貰った事に一誠は確かな感謝をしていた。

 

 

「一人で勝手に先走り、無茶をして歩けずに結局誰かに助けられてるのでは世話もないだろうが……まったく」

 

「仰る通りで……」

 

「本当は嫌だが、一刻も早くお二人に謝らせる為だから嫌々肩を貸してやるが、今回だけだからな……!」

 

「胆に命じておきます……はい」

 

 

 ぶつくさ言いながらも肩を貸してくれる思春に支えられながら竹林から抜ける道を歩き……。

 

 

「えっと……色々とすんませんでした」

 

「私は大丈夫よ、何時もの一誠に戻ったみたいで安心したわ」

 

「小蓮も……」

 

「……。自分の気持ちを押し付け過ぎだって蓮華姉様に言われた。こっちこそごめんね一誠?」

 

 

 暫く続いたギスギスもなんとか元の鞘へと収まる事になった。

 

 

「そういえばヴァーリと神牙は……?」

 

「それぞれ冥琳達や雪蓮姉様に引っ張り回されてるわ」

 

「……………………。俺、そんな羨ましい野郎共に負けたのかよ……。

どんだけ根を詰めすぎてたんだろ……」

 

「これで解っただろう? これからはやめるんだな」

 

「ああ、本当にわかったよ。

うん……………よしっ! 気を取り直して祭さん達にご飯のお誘いでもしよっかな!!」

 

「「「…………」」」

 

「うっ……! 嘘だよ、冗談です。流石にこんな状況では無理なのはわかってるし……」

 

 

 性癖はあんまり変わらないままだけど。

 

 

「で、でもよ、ある意味最近イライラとしてた理由のひとつはあの二人が素敵なお姉様と楽しそうにしてるからってのもあるんだぜ!? こっちはお前、必死こいて元の時代に戻る為にアレコレと保険を掛けてたりしてんのに、あの二人はあんなお姉さん達とさぁ……?」

 

「…………」

 

「ちくしょう。俺だってあんな特盛さんに囲まれてぇよ……どーせなら!」

 

「………。ねぇ一誠?」

 

「え、なにさ?」

 

「手、見せてくれる?」

 

「手ぇ? 何で? 別に大した怪我なんてしてねーけど……はい」

 

「………………え、えいっ」

 

「………………………ふみゅ?」

 

「あー! 蓮華姉様ずるーい!」

 

「…………………………。あんまり無い」

 

「そ、その……ふ、普段のお礼というか……! 深い意味は特に無いみたいな――わっ!?」

 

「……………」

 

「い、一誠!? そ、そんな二人が見てる前でなんて恥ずかしいから―――って、あ、あれ? 一誠……………?」

 

「……………………」

 

「き、気絶してる……」

 

「むー! 替わってよお姉様!」

 

 

 ストレートに物凄く弱いところもあんまり変わらない。

 

 

「ど、どうしましょう? 普段の言動が言動だったから、私にされても平然としてると思ってたのに……」

 

「いえ、私が思うに蓮華様に対しては最近の一誠はかなり戸惑っていましたが……」

 

「と、取り敢えずお部屋に連れていかないと……。心配だし皆で見てあげて……」

 

「じゃあシャオが一誠と一緒に寝る!」

 

「妙な真似をしないように監視しないといけませんので私も同行します」

 

「じゃ、じゃあ皆で……うん」

 

 

 明くる日、起きたら三人の異性が左右と自分の腹の上で寝ててパニックになってしまった所を目撃され、雪蓮達にニヤニヤされながら呼び出されてしまった事は――あまり関係ないかもしれない。

 

 

終わり

 

 

 

 

 ますます呉の皆さんに囲まれて帰る算段が見つからないまま勃発した戦。

 

 相手は例の酒池肉林大好きらしい方とその軍勢であり、今はまだアホっぽい金髪の下部軍である呉の面々達も参戦する事になる。

 

 

「そんな予感はしていたけど、呂布くらいは俺も知ってたさ。

女の子だったけど……」

 

「…………」

 

 

 別の時空軸ならば運命となる出会い。

 だが精神が安定していて、既に繋がりのあるこの時空軸では完全な敵同士。

 

 心は通わない。

 

 

「なんだろうな、あの呂布って子とは出会い方が違えば友達になれた気がする………」

 

「「「………………」」」

 

「え、なんだよその目?」

 

 

 でも何かは感じたのか、思わず呟いたその言葉にジト目で睨まれたけど。

 

 

「北郷君の所に居るのかぁ……うーん、何でか気になるなあの子」

 

「女好き」

 

「浮気者」

 

「……………。気になった言うだけでそこまで言われるのかよ俺は」

 

 

 

 そして月日は流れていき、いよいよフルパワーを取り戻した三馬鹿だったが……。

 

 

「っしゃあ戻った! 見ろ、ビルがある! 電線がある! コンビニがある! そしてムカつく気配もたくさんある! 間違いなく俺達の時代に戻れたぞ!!」

 

「それはわかったが一誠……」

 

「彼女達はどうするんだ? ―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――普通にこっちに来てるんだが」

 

 

 

 

「此処が神牙の生きる時代……」

 

「空気が凄まじく淀んでいるな……」

 

「蓮華様、あの妙な箱の中に人が入ってます」

 

「確か前に一誠が言っていた『てれび』とかいう箱の事よ」

 

「むー……シャオだけついていくつもりだったのにぃ」

 

 

 

 そう簡単にさようならとなるには余りにも深くなりすぎていた。

 

 

「アザゼルを脅して家を建てる金をせびってきたぞ」

 

「これだけあれば、この大所帯でもなんとかなる広さの家を手に入れられるぞ」

 

「…………。だが一誠の元主共が正気に戻ったせいで、ストーキングしてくるのだが……」

 

 

 取り敢えず彼女達を匿う為に色々と動いたりした三馬鹿。

 色々と障害は多い様だが……。

 

 

「あの……その節はというか、本当に馬鹿な事をしてしまったというか……」

 

「はあ……」

 

「謝って済む問題ではないというのは百も承知だけど……」

 

「いや別にもう過去の事なんで気にしてはないですよ……ホントに」

 

「そ、そうなの……? と、ところでそちらの方々は?」

 

「ああ、向こうに居るのが其々神――いや、曹操とヴァーリの嫁さん達っすね」

 

「えっ!? 白龍皇と曹操の!?」

 

 

 再び出会す過去のトラウマ。

 

 

「一誠先輩、ではそちらの方々は……」

 

「え? あー…………一応その、俺の嫁さん達っす」

 

『』

 

 

 でも過去の事だと吹っ切ってるので一周回って対応がマイルドになり、ナチュラルに精神的な一撃をぶちかましたり。

 

 

「お、お嫁さんって……どなたが?」

 

「私達全員だが?」

 

「ああ、私達がそう望んだだけだ」

 

「だから昔の主だか仲間だか知らないけど、変なちょっかい掛けたら許さないからね?」

 

 

 知らん間にハーレム達成してしまってたり。

 

 

「今にも首吊り自殺でもしそうなオーラでトボトボ帰って行ったぞ、あの連中は」

 

「同情はしないがな」

 

「いや、なんであんなショック受けてるのかがわかんねーんだが」

 

 

 入り込む余地がゼロで帰るしかなかったり。

 現代へと帰還した三馬鹿はある意味強くなったのだった。

 

 

 

 

終了




補足

踏み込まれて焦りに焦って泥沼にはまってしまった結果、進化した思春さんにぶっとばされました。

思春さんは大嫌いなまんまらしいぜ、やったね一誠君(棒)


その2
そしてチビッ子は一番ガチです。もう既に覚悟入ってます。

入りすぎて一誠の焦りが極限化しましたがね。


その3
デレ蓮華ちゃま。
ストレートに行ってみたら効果ばつぐんで気絶した一誠に押し倒される。

そしてお部屋に運んで今度は三人で一晩過ごしたら、先に起きた一誠の顔が真っ青だったとのこと。

何も起こってないとは言ったが、全員もれなく20分感覚で抱き枕にされたらしく、そんな感じで言ってみたら顔が余計真っ青になってしまったとかなんとか。

戻ったパターンは五番煎じになっちまうんだ。

だからやる意味も無いのだ。

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