色々なIF集   作:超人類DX

572 / 1134
タイトルに意味なしだし、後半なんて悪ふざけ


嫉妬と対抗心

 その凄さを知ったのは、偶々だった。

 

 

「解っていると思うけど、手加減は不要よイッセー」

 

「今のリアスちゃんを相手に手加減出来る余裕は俺に無いぜ」

 

 

 不思議な用務員と、引く程美人な保険医。

 何故か影が薄く、普通なら共通点なんて見当たらない二人の男女が密かに行っていたもの。

 

 

「「ハァッ!!」」

 

 

 ISというパワードスーツが世界の軍事均衡を支配されているこの世の中。

 ISの普及により女性の立場が男性の上へとなった現在、世の者達はISを操縦する女性が強いと思い込まされていた。

 

 だからこそ目の前の光景が果たして現実であるのか、到底信じられなかった。

 

 

「ふふ、強くなったねリアスちゃん。

今のキミだったら、あのクソ共を纏めて始末できると思えるくらいに」

 

「いえ、もう彼等に恨みは無いわ。

………アナタと今を生きる事ができるのならもう何も要らないわ!」

 

 

 ISなんて使わず、ただの生身。

 しかも方や男で、ISの試合光景がただの玩具同士の戦いに思えてしまうほどの激しい戦闘。

 

 男だとか女だとか――そんな括りを気にする事が全てくだらないものだと思わされる男と女の戦い。

 

 全身から炎の様な赤い光を放ち、両の手から光る球体の様なものを放ち、周辺を消し飛ばし……。

 

 

「ファイナル――

 

「ビッグバン――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「「ドラゴン波ァーーッ!!!」」

 

 

 

 この世の常識……己が培ってきた常識全てを否定された様な超常現象は、その後の考えを否応なしに変えるものとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 織斑千冬にしてみれば、降格と減給は何の問題にもしていなかった。

 山田真耶と替わる形で副担任になるというのも、逆を返せば担任でなければならない仕事をしなくて良くなり、その分弟の面倒を見れる時間が増えるという意味だし、給料が減ろうとももしもの時の蓄えは十二分に加えて、ブリュンヒルデと呼ばれていた頃のコネも豊富にあるので、つまる所金には全く困ることが無い。

 

 故に千冬からしてみれば今回の件はまさに渡りに船であった。

 問題があるとするなら、弟の周りを飛び交う悪い虫が随分と増えてしまった事くらいか。

 

 まあ、その点に関しては今後弟との時間が増えて追い払えるのでそこまで問題ではない。

 後はこれ以上弟に寄ってくる虫が増えないように徹底するだけ。

 

 そういう意味で、単なる被害妄想でしかないということを自覚してない千冬は強烈な敵愾心と警戒をしている者が居る。

 

 

「ISの訓練中に喧嘩になってしまったですか……。

まあ、理由はわかりましたわ。

若い子にはよくありがちな事でしょうからね」

 

「…………………」

 

 

 遠くから見ても一発で解る程目立つ赤い髪。

 とても自分より年上とは思えない、若さと美しい容姿。

 ブリュンヒルデとして容姿を含めて世界最強と揶揄されて来た千冬をしても認めざるを得ない美貌と女性らしいスタイルを誇る非常勤講保険医。

 

 

「軽い切り傷や打撲ですから、安静にされすれば明日には回復してますよ」

 

「…………どうも」

 

『…………』

 

 

 弟――つまり春人を巡って訓練中に喧嘩をして互いに怪我をしてしまった生徒達の治療を終えて微笑む、白衣を着た赤髪の女性ことリアス・グレモリーに連れてきた千冬は礼は言うものの、どこかやはり敵意のようなものが含まれていた。

 無論春人はこの場に連れてきてはいない。

 

 理由は云うまでもなく、春人とリアスを会わせたくは無いからだ。

 それは喧嘩をしていた生徒――つまりセシリアだの鈴音だのラウラだの簪も同じ事を思ってるのか、治療こそして貰って感謝は確かにしているが、警戒と嫉妬と入り交じった表情だ。

 

 

(何で私ってこの子達にこんなに嫌われてるのかしら? ……ま、嫌われる事は慣れっこだから別に良いんだけど)

 

 

 そんな態度を前にリアスはといえば、単純に嫌われる程関わった事が無いのに嫌われてる事が疑問であり、また嫌われる事は慣れていたので全く気にしてはなかった。

 そもそも過去が過去なせいか、リアスにとって他人からの敵意を向けれた所でどうとも思わなくなっていたのだ。

 

 

(そもそも、一夏の弟と会わせたら危険だとか勝手に思われてもね……)

 

 

 だからこの者達も織斑春人もリアスにとってはどうでも良い存在であり、何を思われてようが知った事ではない。

 

 

「ではお大事に」

 

「……。行くぞ」

 

『……………』

 

 

 そんな事をリアスから思われてる事を知らない千冬は、自分の無い女らしさを感じさせるリアスがやはり嫌いだった。

 

 

 

 

 臨海学校の時、久々に現れた姉に対して明確に決別の言葉を送った篠ノ之箒。

 元から姉の事はあまり良いようには思っていなかったが、その姉がまだ幼かった一夏を『興味の無い物』でも見るような目を向けたその時から、箒は姉を嫌悪した。

 

 一夏――いや、織斑家には『何かしらの過去』がある事をどうやら姉は知っていたみたいで、一夏の事を『失敗作』だと口にしたのを聞いたことがあるが、箒にとって一夏の過去がなんであろうと関係は無い。

 

 何よりも許せないのは、千冬と春人の二人に対する態度と一夏に対する態度があまりにも露骨である事。

 まだ生き方を決める前の幼い一夏に対して、トラウマにもなりかねない態度をした事は、一生涯箒は忘れないし、永遠に許せない。

 

 

「また衛星がひとつ海に墜落したみたいだな」

 

「一誠兄さんが私の為に落としたのだろう。

鬱陶しい姉の覗き見を防ぐ為にな」

 

「あー……あの人は箒が大好きだもんな」

 

「私は大嫌いだがな。

臨海学校の時も結局お前に一言の詫びも無く、専用機とやらを私に与えて春人の仲とやらを取り持とうとした。

……反吐が出るよ本当に」

 

「その言い方、ますますイチ兄に似てきたなオイ」

 

「最上の褒め言葉だよ。

一誠兄さんの生き方こそ、私の目標だからな……」

 

「……。イチ兄も普段はもっとおちゃらけてるのに、嫌いと決めた相手にはとことん辛辣だからなぁ」

 

 

 故に箒は一誠の生き方を目標とした。

 化け物と蔑まれても良い。狂人と恐怖されてもいい。

 ただ、守りたい者の為に人の理を越えた力を持つ。

 

 一誠にとってリアスがそうである様に、肉親にすら蔑ろにされて来た一夏は、この世の全てが一夏を拒絶しようとも自分だけは決して裏切らず、守って見せる。

 

 声やスタイルはリアスに似てきた箒の内面は、間違いなく一誠であった。

 

 その覚悟も気質も……。

 

 

「俺は別にあの人に言われた事なんて気にしないけどな。

……嫌われるのは慣れっこだし」

 

「お前はそういう点はリアス姉さんに似てると思うぞ」

 

「リアス姉とイチ兄と出会う前は、お前だけが俺に優しかったから、少しでも箒の力になれたらって思って、箒がイチ兄に教えられてる間はリアス姉に教えられてきたからなぁ」

 

 

 反対に一夏はその考え方を含めてリアスの方に似ていた。

 肉親からも半ば見捨てられ、周囲の者にも蔑まれ、自分がこの世のカスだと精神を歪める手前まで疲弊していた時に手を差し伸べてくれた箒は、まさに光そのものであり、今も変わらない心の拠り所だった。

 

 かつて一誠が傷つきながらもリアスを身を挺して守ったように……。

 

 

「なぁなぁ箒」

 

「ふふ、わかってる。ほら、良いぞ一夏?」

 

 

 一夏は箒が大好きだ。

 この世のカスと精神をねじ曲げそうになった自分に手を差し伸べてくれた。

 嫌われものの自分と居るせいで他の者達に意地悪されても傍に居てくれた。

 

 そんな箒が傍に居てくれるからこそ、自分を受け入れて個性を発揮できるようになれた。

 だからこの個性はこの先何があろうとも箒の為に……。

 部屋で二人きりとなる時間に、両手を広げて受け止め、優しく抱いてくれる箒に身を委ねる一夏。

 

 

「前にリアス姉さんが苦笑いしていたっけ。

お前の甘えかたがそっくりだって」

 

「普通は逆だってのはわかってるんだけど、箒にしかこんな事出来やしないよ……」

 

「いーや、私もお前を受け止められて嬉しいよ」

 

 

 胸元に顔を埋める一夏の頭を撫でながら箒は穏やかに笑う。

 この時間をこれからも享受する為に、箒は精神は更に昇華する。

 

 

(私は粘着気質だ。

お前達が一夏に向けた事は永遠に忘れないし、永遠に許さない……。

これまでも、これからも一夏は私が守る……)

 

 

 赤い髪の悪魔の少女と共に生きると決めたその瞬間根付いた赤き龍帝の様に、少女の覚悟はより強靭なものへと進化していくのだ。

 

 

「箒とこうしてると凄く落ち着くぜ……」

 

「はは、それは私もさ一夏……」

 

 

 

終わり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ

 

 

精々頑張ってシリーズのボツIF

 

 

 例えばクレイジーサイコラビットさんと……

 

 

 強烈なまでの執着と狂気が力の全てを託して逝った青年を甦らせた。

 寸分違わず、寸分の狂い無く、死ぬ直前の記憶をもちゃんと持った青年そのものを……。

 

 違いがあるとするなら、青年は託した故に力を失い、名前も変えなければならなかったというくらいか。

 

 そんな狂気の果てに到達した次代の赤龍帝こと篠ノ之束と一の字を抜いて誠という名で生きる事になった先代赤龍帝は、マコトが一誠であった世界と酷似した平行世界の過去へと辿り着いた。

 

 あまりマコトにとっては居たくもない世界だったが、何の運命か、そこには束が生きた世界と酷似した世界を生きた自分自身と、その仲間達が居たのだ。

 

 そう、束にとって妹であった箒や別れを告げずに永遠の別れをすることになった一夏……。

 

 そしてそんな者達を束ねているのが、マコトにとっては苦い記憶しかないリアス・グレモリー。

 

 とはいえ、中身が別物であるリアスは束とマコトを受け入れた。

 それからは束とマコトはリアスの眷属となり、暫く生活をしていたのだが……。

 

 

「捕まえた……あはっ! アハハハハハハハ!! やっと捕まえた! 触れられる、幻影じゃない本物をやっと私は捕まえられたんだ!!」

 

 

 束とマコトにとって罪悪感という名の傷ともいえる者は存在していたのだ。

 

 

「ち、ちーちゃんだって?」

 

「ええ、私ですよ。アナタが束に連れ去られてからどれだけこの時を待ち焦がれたか……」

 

「ど、どうやって……とっくに死んだ筈なのに」

 

「私を見くびるなよ束。

お前が勝手に一誠――いや、マコトさんを連れ去った後も私は諦めなかった。

……一夏は折れてしまったがな」

 

 

 一誠とリアスに導かれた世界とは違い、家族の様に今はマコトである一誠を愛した世界にて教え込まれた世界最強――織斑千冬が。

 

 

「むっ、一夏……か? 私の知る一夏とは中身が違うが……」

 

「ぎゃ、逆にアナタは俺の知ってる織斑千冬と違いすぎる」

 

「まぁな。聞けば、織斑春人だなんてよく知らん輩にかまけて堕落していたらしいじゃないか、お前達の知る私は?

もっとも、私も私で別の意味で堕落していたといえるがな……ねぇマコトさん?」

 

「…………」

 

「計算外だったよ。まさかちーちゃんがここまで自分の個性を進化させてたなんて」

 

「ふん、逆に言えばお前はよくも私と一夏からこの人を奪ってくれたものだ。

正直絶交をしてやりたいが、甦らせた事は感謝しよう」

 

 

 個性を持つ織斑千冬。

 自分達姉弟を育ててくれたマコトを失ったせいで、拗れ方が束と謙遜なくなってしまった千冬。

 

 

「…………。束にドライグとスキルを託して力を失ったからなんだ? 私にとって力の有無なんてどうでも良い。

ふふ……これからは死んでも一緒だ」

 

「い、いや千冬さん……俺にそんな資格は―――」

 

「何時からそんな他人行儀な呼び方になったのですか? やめてください……あの時みたいに呼んでください。

じゃないと泣きますよ?」

 

「ち、ちーちゃん……」

 

「はい♪ あはっ!」

 

 

 任意に入れ替えられるスキルを持つ千冬に捕まってしまったマコトは、束の事も含めてこれからが大変だった。

 

 

「おい束、もっと奥に行け」

 

「なんでよ? コイツはもう束さんの身体じゃないと駄目になっちまってんだから、ちーちゃんが今更しゃしゃり出ても無駄だよ」

 

「あれこれ漬け込んで強引に関係を持った様だがそうは思えんな。

なんならどっちが上か判定してもらうか? 今からな」

 

「……上等」

 

「ねぇ、俺の意思は!? やめて! 服を脱がさないで!」

 

 

 

 あしながおじさんも真っ青な状況という意味で。

 

 

 

「…………………………………」

 

「くくく! やった! 間違いないですマコトさん! 束と同じ時期なのは気に入りませんが、子供ができました!」

 

「いやー参った参った、こんな変態野郎の子供を孕むなんて……これじゃあますますアンタの性の捌け口にされちゃっても拒めないなぁ」

 

「……………………………ア,ハイ」

 

 

 

終わり。

 

 

ボツ2

 

 

  託された事で赤龍帝でもある束にとってマコトとは二度と逃がしてはならない大嫌いな男だ。

 どこであろうと、それは決して変わらない想いなのだ。

 

 

「さて、私にとっての過去に戻ってしまった訳だけど、絶対にしてはならないことが一つ。

決してこの世界のいっくんやちーちゃんに余計な真似はしないこと」

 

「………わかってるよ」

 

 

 マコトという名から再びイッセーへと戻ることになったとある平行世界。

 徹底的に自分のだけの支配下に置こうとする束に言われて頷くしかできない一誠は、束の幼馴染的な存在として生きる。

 

 

「ちーちゃんといっくんと本来なら一緒に生きてない子が居るんだよねー」

 

「??」

 

「マドカって呼ばれてた子なんだけど、調べによるとその子とも微妙に違うらしい。

名前も性格も」

 

「ふーん……?」

 

 

 謎の織斑家の末っ子について言及する束と、関わるべきではないと決めてたのであまり関心が無い一誠。

 だがその内織斑姉弟と束が関わりを持つ様になり、箒が一夏に恋し始めた頃、束に呼び出されて篠ノ之家にやって来た一誠は、例の末っ子とやらと邂逅してしまう。

 

 

「…………………」

 

「…………………………………………」

 

「…………………」

 

 

 一夏の双子の妹で、千冬に似てるその少女の事と出会してしまった一誠。

 関わる必要は無いと篠ノ之家の庭でぼーっとしながら束を待ってた訳だが、どういう訳かその少女は最初こそ遠くの物陰から一誠を覗いていたのが、やがて少しずつ近づき――

 

 

「…………………………………」

 

「…………………………………」

 

 

 気付けば座ってる一誠の真横に立って、これでもかと一誠をガン見していた。

 流石に居心地が悪くなってしまうが、話しかける訳にも束の手前いかなかったので、それでも無視を通していたのだが……。

 

 

「………………………。ドライグとスキルの気配が束からした時点でもしやと思ってたけど、やっぱり間違いなくアナタですよね―――――一誠さん?」

 

「………………は?」

 

 

 幼子にしてはかなりしっかりした言葉遣いで喋る少女に一誠は思わず驚いて少女を見て――――二重の意味でギョッとした……。

 

 少女の目が、少女から感じる気質があまりにも懐かしかったから。

 

 

「ま、まさかとは思うけど……ちーちゃんかキミは?」

 

「………ふふ、その呼び方、ずっとまた聞きたいと思ってましたよ」

 

 

 そう……かつての織斑千冬と同じだったから。

 

 

「束のアホに出し抜かれましたが、もう毛ほども油断はしませんよ? 今はまだ未成熟ですが、後十年もすれば確実に孕めますから、その時は覚悟してくださいね?」

 

「…………………」

 

 

 束も大概だけど、千冬もまた大概。

 そういう意味では確かに二人は友人足り得たのかもしれないと……ロリな姿でとんでもないことを言ってる千冬だった少女に閉口してしまう一誠だった。

 

 

終わり




補足

実に男前な箒さん。

逆を言えばダメ男製造機ともいえなくもない!


その2
まあ、クレイジーサイコラビットさん世界のちーちゃんならあり得なくもないみたいな……。


その2もあり得なくもないけど、一誠くんがロリコンになっちまうだ。

ちなみにこの世界のちーちゃんこと千冬さんはスキル持ちでしたね。
しかも割りとヤバめの……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。