色々なIF集   作:超人類DX

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多分ネオ白音たんパターンの続き。

どうにもこっちのがしっくり来るんだよどうしても。

※閲覧注意


吐き気を催す邪悪な異常者・その2

 この日の一誠の精神的な活力は、最悪な事に『最高』であった。

 

 どれくらい最高なのかというと、調子が良すぎたついでに、制御なんて最初からした試しなんてないマイナスと精神パワーを全開で撒き散らせてしまえる程だ。

 

 

 本当ならば、女性の胸が大好きな少年として育っていき、やがて龍の宿命を持つ事になっていた筈だった。

 しかし彼はその道を知らず知らずの内に『外』から来た者達に阻害され、やがてその内の一人に家族やそれまで持っていた当たり前の幸福を奪われた事で、その道を閉ざされてしまった。

 

 そして閉ざされた道から新たな道へと進む様に導かれ、そこから再起をしていく筈でもあったが、今度は彼の精神的な本質が爆発する事で、取り返しが付かない、どす黒い精神を開花させてしまったのだ。

 

 彼は最早女性の胸にはときめかない。

 彼が何よりも求めるものは、他人の死。

 

 絶望を抱きながら死んでいく者の姿を見下しながら見ることが彼の生きる活力なのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この日、それまで順風満帆だった筈の男の第二の人生が地獄と化した。

 所謂転生者である彼はその知識と手に入れた力を駆使して影ながら立ち回り、仲間も得たし、自分の思う通りの人生に確かな幸福を獲ていた。

 

 だから今夜起こった堕天使とはぐれ神父との聖剣をかけた戦いにしても、当然勝つつもりだったし、その自信もあった。

 そう………その戦う相手である堕天使の男が突然血反吐を吐き、穴という穴から血を吹き出し、その僅か数秒後にはドロドロに溶かされる様に死んだ姿を見るまでは。

 

 

「何が起こったというの!? こ、コカビエルが死んだ……!?」

 

 

 衝撃的な光景を前に、敵も味方もパニックになるのは無理も無い。

 勿論、その男自身も『知識』に無い展開にパニックに陥る。

 

 

(な、何があった!? 誰かが何処からコカビエルを……! ヴァーリ……ではない!)

 

 

 自分の生前から持っていた知識をフル稼働させながら考えるが、その答えは見つからず、精神的な錯乱状態に陥る。

 だがしかし、仲間の一人である少女の悲鳴が、男を無理矢理『現実』へと引き戻す。

 

 

「ひっ!? か、鴉が溶けながら空から落ちて……!」

 

「あ、アナタ達の仕業なの!?」

 

「し、知らん! 私は何も知ら―――ゴフッ!?」

 

「く、クソったれがァ! テメー等じゃねーのか―――ガァァァッ!?!?」

 

「そ、そんな……! フリードとバルパーまで死んで……」

 

 

 敵が瞬く間に原因が解析できない謎の死を次々と遂げている状況にすっかり仲間達も半狂乱となる。

 その仲間の中には、男の知識とは違った仲間が一人居るのだが、その者が他の仲間達に冷静になれと呼び掛ける。

 

 

「落ち着くのよ皆! 落ち着いて周りを探らないと、何処から攻撃されているのかもわからないわ! それに何故だか私達は『無事』よ!」

 

「く、黒歌……。

そ、そういえばコカビエル達は死んだのに、私達には何も起こらないわ……」

 

「敵は恐らく遠距離から攻撃する相手を指定できるタイプ。

何の理由があって私達を攻撃しないのかは分からないけど、まずはこの攻撃の正体を探るべきじゃない?」

 

「そ、そうね……。

もしかしたら私達の知らない冥界から援軍に来た悪魔の誰かかもしれないし……」

「……」

 

 

 本来ならば黒歌と呼ばれた彼女ではなく、その妹である少女が仲間であるのだが、どういう訳かはぐれ悪魔であった筈の彼女がリアス・グレモリーの戦車として眷属となっており、生き別れた妹を探し出す事を目的としている。

 転生者である彼は、自分の持つ知識との差異に当初は戸惑ったものの、彼女とはすぐに打ち解けられたので、受け入れていた。

 

 そしてその妹――白音と呼ばれた少女を探す手伝いをしている、本来の兵士である主人公の代わりに兵士となったの転生者である彼は言うことはできないが、黒歌の妹の居場所の予想は立てていた。

 

 知識の中での黒歌がテロ組織と呼ばれた場所に身を置いていた様に、この世界の彼女は黒歌がリアスの眷属になっている代わりにその組織に身を置いているのではないかと。

 

 

「ソーナ達が心配だわ。

まずは彼女達と合流しましょう……!」

 

 

 だからまだ死ぬ訳にはいかない。

 黒歌と白音の姉妹を知っているからこそ、転生者の男は死ぬ気な無いのだと、この修羅場を乗り越える為に手に入れた力を振るう決意を固めるのだ。

 

 障害となるものは全て消すという決意を。

 

 

 

「ほう、流石にどこか別の場所から何かをされていると気付いた様だぜ。

くくく、いいぞ………よし」

 

 

 その対象が――彼にとっては思ってもみない存在が、意外と近くから見下ろしているのに気付かず。

 

 

 

 

 

 この日は最悪に精神が絶好調だった。

 だからこそ一誠は余計に『見たくなった』のだ。

 

 他人が恐怖と絶望にひきつりながら死んでいく様を。

 

「奴等が動きだした。

多分この学校の周辺を覆っていた連中と合流する為だろうが、読み通りだ」

 

「………………」

 

「何時も通り聞くが、バッテリーは充分だろうな白音?」

 

「当然です。万事抜かりはありません」

 

 

 なので取り敢えず、強い力を生まれながらにして保持する者に狙いを定めた。

 それは悪魔と呼ばれた者であり、堕天使と呼ばれた者。

 

 最初に堕天使とその堕天使の側についていた人間二人は始末した。

 後は自分の存在を見つけようと――何より生きようと躍起になっている悪魔達だけ。

 だがひとつだけ問題がある。

 

 それは今学園の屋上に居る一誠の視界に映る、校舎内へと必死な表情で走りながら入ろうとする悪魔連中と、その中に混ざる転生者――と共に居る黒髪の女性。

 

 今真横でビデオカメラを回している白髪の小柄な少女こと白音の肉親こと黒歌の存在だった。

 

 

「一気に訳もわからないまま死んで貰っては意味が無いとわざと『指定せず』に居たのも事実だが、あの女はお前の姉だったな。

……俺が聞くのも何だが、良いのか?」

 

 

 他人の死を見るのが愉しいと言い切れてしまう程、精神がぶちキレてしまった一誠にしては珍しく、気を使うような表情で白音に尋ねる。

 そう、他人の命なんてなんとも思っては無いが、パートナーである白音には実の所情を持ち合わせているが故の質問だった。

 

 

「……。あの人がやった事で、本当ならはぐれ悪魔になっている筈なのに、何故か普通にまた悪魔の眷属になれているのかは知りませんし、知ろうとも思いません。

ただ、私が言える事は、あの人のせいで私は地獄を見たのに、あの人が普通に幸福を掴んでいるって知ったあの時から、あの人はもうただの元姉です」

 

 

 微動だにせずビデオを回す白音の声は淡々としていて、そして本当に情の欠片を感じないものだった。

 

 

「だから別に死んでしまおうが構いません。

いえ、寧ろあの人に絶望を与えた上で私の手で殺してやりたい……」

 

 

 寧ろあるのは殺意だけ。

 姉のせいで地獄を見た。

 その結果が一誠との出会いがあったとしても、振り回された挙げ句自分だけ平然と生きているのが白音には殺意しか抱けなかったのだ。

 

 それを聞いた一誠は一瞬だけ目を閉じながら、優しく白音を抱き寄せる。

 それは精神を破綻させても少しだけ残った『自分の認めた者』への細やかな情だった。

 

 

「良いぜ白音。お前がそのつもりなら、その業は俺も一緒に抱えてやろう。

なぁに、二等分くらいすれば罪悪感なんて感じないだろうぜ?」

 

 

 思わぬ言葉とされた事に、思わず覗いていたビデオカメラのファインダーから目を離す白音。

 

 

「………。先輩。

先輩って最低のゲスの癖に、なんで私に優しいんですか……?」

 

「何故? さぁな、そんな事は考えた事も無いな」

 

 

 ニヤニヤしながら白音を離し、背中を軽く叩く一誠。

 そんな態度の一誠に若干白音は不満そうな顔だ。

 

 

「ちょっとドキドキしたのに……」

 

「そりゃスマンな……クックックッ!」

 

「もう……」

 

 

 ポンポンと背中を叩く一誠のはニヤケ顔だけど、白音は自分でも不思議な程に腹は立たない。

 それは一誠がどうしようも無く破綻してしまっているのを知っているからなのもあるし、それ以上に自分が一誠から『相棒』として認められているという幸福を感じているからなのだろう。

 

 

「でもこれだけは言えるぞ白音。

俺もお前も昔は奪われていくだけの弱者だった。

だが今は強くなって、こうやって見下ろせる様になった。

俺たちは『無敵』だ、もう誰にも奪われない。それどころか、俺達も奪える資格が――いや、そうしなくてはならない宿命がある」

 

 

 そう、一誠も白音も同じ。

 同じだからこそ相棒。

 

 

「俺はこの先ももっと壁を乗り越える。誰にも奪われない為にな……。

お前も一緒に越えるんだ白音、お前は強い。

俺は―――――――――――――――――だからお前の事が好きなんだ」

 

 

 最低最悪の壊れたゲスだから何だと云うのだ。

 

 

「………。ふふ、真顔で言われると、私だってますます好きになっちゃいますよ? ええ、わかってます……私は今日限りであの姉を越えますから。

そうしたら……家に帰って一緒に先輩とお風呂に入って、沢山愛してくださいね?」

 

 

 とっくの昔から自分だって壊れている。

 

 白音は自覚して――いや、自覚していたからこそ一誠とう存在に惹かれているのだ。

 

 

「ああ……甘いのも沢山投げてやるぞ~?」

 

「あはっ♪」

 

 

 それを奪う者は――全部喰い殺す。

 彼女もまた壊れた事で到達してしまった怪物(モンスター)なのだ。

 

 

「ならば本腰を入れて蒔くぜ。

俺の血を媒体にした殺人ウィルスをなァ……! くくくっ!!」

 

 

 吐き気を催す邪悪なコンビは、その底知れぬ悪意を誰かに向けずには要られない。




補足

うようよと居るっぽい外からの連中は、大体このペアの『餌』となってます。

そうでなくても、底知れぬ悪意を誰かに向けずには居られないという精神に到達してしまってるので、最早転生者以上に世界にとっての毒となってしまってます。


その2
自分の血を殺人ウィルスに変換するマイナス。

 某グリーン・デイと某パープルヘイズが混ざった様なマイナス。
 自分の血を大気と混ぜる事で猛毒ウィルスに替え、感染させた者を最短15秒で絶命させるという、破綻した一誠の覚醒させたマイナススキル。

 本来の射程距離は二メートル程度とかなり短く、また室内灯程度の光ですぐに死滅してしまうので対策はいくらでもあるのだが、限界の無い破綻したその精神力に加えて無限に進化するもうひとつのスキルが混ざった事で凶悪化しており、


感染対象の選別。
作り出した殺人ウィルスを風に乗せて散布する。
感染した生物から更に他の生物に感染させれば実質無限大。

 相手の能力によって仮に抵抗を持たれても、一誠の血液によって生み出されたウィルスなので、無限進化の異常性で変異させて抵抗力ごと殺す。

 と、一度ノリノリとなれば都市ひとつは余裕で壊滅してしまう狂暴はと極悪さを兼ね備えている。

唯一の弱点はやはり光に弱いという点なのだが、その場合は一誠が直接感染させることで実質なくなる。



   ネームは考えてません。

その2
そんな白音たんはしょっちゅう一誠を食べてる(どこがとか、どんな意味でかとは伏せる)ので、唯一抵抗力を身につけてるどころか、その殺人ウィルスを糧にネオの如く進化が止まらない。

しかも一誠以上の直接的なパワーと精密性に優れている。


その3

どうでも良いけど、このペアは既にデキてます。


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