色々なIF集   作:超人類DX

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全部じゃないパターン&修羅化パターン。


手直ししました。


派生……修羅となりて※閲覧注意

 私は……私達はどうしてこの男に触られてる?

 どうして好きでもない男にこんなベタベタ……。

 

 あ、そうだ……そうだよ……!

 

 私が大好きなあの人が目の前で殺されたんだ……。

 そしてこの男は許可もなく私を……。

 

 思い出した……コイツが……コイツ、が……。

 

 

「イッセーの……!」

 

「一誠……先輩の……!」

 

 

 私と妹の――

 

 

「「敵……だ!!」」

 

 

「っ!? お、お前等……!?」

 

「私に……触れるな……! 触れるなぁっ!!!」

 

「くっ!?」

 

 

 私と妹は思い出した。

 真っ先に思い出した。

 私達の気持ちを土足で踏みにじった目の前の男のやったことを。

 そして目の前で失ってしまった愛する人の事を……。

 

 だから私は……私は……!

 

 

「イッセーは居ない……お前に殺された。

それなら……こんな世界なんてイラナイ……!」

 

「生きる意味なんて、アナタみたいな男の慰みものになんてならない……!!」

 

 

 自分で自分の命を……終わらせた。

 下劣な思考回路で私達を洗脳したつもりで得意になってた男の目の前で自分の舌を噛みきり、自分の心臓を貫いてその命を散らせた。

 焦燥しきった変態男の顔を最後に見た時は心の底からザマァ見ろと笑ってやった。

 それがイッセーの手向けになると思って……そして、叶うならイッセーと同じ所へ逝けたら良いな――――

 

 

 

 

 

 

 ひとつだけ思い出した。

 クソ野郎に殺されたその刹那、最後の最後で願い――そして現実逃避をしたんだった。

 

 

(こんな現実を丸ごと否定してやる……!

だから俺を――俺の事を!)

 

 

 誰でも良いから……俺を思い出してくれる人が居てくれと。

 そんな願いなんて叶う訳も無いと思いつつも願っちまったんだ。

 

 でもな……ザマァ見さらせクソ転生者が。

 テメー好みとやらの二人は……ふっくっくっ……!

 

 

「イッセー……」

 

「一誠先輩……」

 

「っ!? お、お前等……俺を……!?」

 

「うん、だから会いに来た」

 

「イッセー先輩がイッセーだと信じて……会いたかったです……」

 

 

 テメーを見事に拒絶したんだよ……バッキャローガ!! アッハハハハハ!! ざっまぁぁぁぁ見ろぉぉぉ!!

 

 

 

 

 

 兵藤一誠。

 二度に渡って転生者に負けたこの少年は、死ぬことは無く何の仕掛けかは解らないが過去に戻されてその人生をやり直していた。

 しかしそれは戻ってまで同じ人生を送りたくない一誠にとってすれば、目的も生き甲斐もない、復讐したくても出来ないという脱け殻みたいな生き方を自然と選ばせる結果となった。

 

 

「これは夢なのか? それとも現実逃避のし過ぎで頭がおかしくでもなったのか?」

 

 

 

 だがしかし、無い無い尽くしの苦痛な人生を孤独に生きて来た一誠は、この日再びその心に火を点した。

 大切な……守るべき存在を二人とはいえ取り戻したが故に。

 

 

「本当に黒歌と白音……? 本当に二人は『俺の』知ってる黒歌と白音……なのか?」

 

「「……」」

 

 

 それは同じではあるが何かが元とは違う人生を再びやり直ししてから、運命の5歳を向かえたある日の事だった。

 

 

『チッ、あのロリ神が。一誠の成り代わりである俺が居るのにコイツがちゃんと居るじゃねーか。

ったく、こうなったら密かに死んで貰――ギャァァァァァァッ!?!?』

 

『………………』

 

 

 やはりというか、転生者が同じように現れ、同じように自分から奪おうとしたので、油断してる所をうもはも無しに……憎悪と憎しみを込め、苦しませながら『始末』した。

 

 

『な、なんで……?』

 

『なんで?

ふっ、教えるつもりなんて無いし、知らないままただ死ね。

その与えられた俺と同じ顔も気に食わんし、剥がしてやるよ……クックックッ』

 

『や、やめろ! お、お前原作一誠じゃ……ぎぃゃぁぉぉぁぁぉあ!?!?』

 

『クックックッ……アーッハハハハハハハ!!! ザマァねーな! 成り代わりだの神様なんとかだのとカスみたいなテメー等のせいで俺は何度奪われたか!!

だから死ね! そして死ね! その醜い姿を晒して只死ね!!』

 

 

 手足を医療では直せないほどにズタボロにへし折った。

 神とやらから変えてもらった自分ソックリの顔の皮を剥がしてドブ川にすててやった。

 並みの拷問を越えた……一方的な殺戮を、幼少の頃の姿へと戻った以外は『殆ど』再び全てを奪われる前の頃と変わらない『領域』だった一誠は転生特典の力を使わせる前に殺し、自分が歩まされた歴史を無理矢理螺子変えてやった。

 

 

『チッ……2割方スッキリしただけか』

 

 

 正直言って始末し終えても何の達成感も無かったが、少なくとも一誠自身は『転生者にリベンジ』を果たせたという一点だけは満足した。

 そしてそれから年月が過ぎたある日の昼下がり。

 自分に一番近かった脅威を憎悪100倍で消してやってからは更に生きる意味を見出だせず、ただ屍の様に生きていた一誠に転機が訪れる。

 それは……そう。家族とすら思っていたかつての自分と最も親しかった少女に次いで親しくさせて貰っていた二人……嘗ての自分の末路を含めた全てを知る猫妖怪の姉妹と予期など全くしない再会を果たした。

 

 

「そっか……ふふ、そう、か……。

クックックッ……あのクソ野郎は、どうやら一番に欲しがってたお前等に拒否られたみたいだな……」

 

 

 それは信じられない奇跡で、文字通り初めは一誠も信じられなかった。

 しかし自分をイッセーと呼び、また逢いたかったと言いながら抱き付いてきたその瞬間、空っぽの心が満たされていく感覚を一誠自身に覚えさせ、活力となっていった。

 その時点で一誠は二人の姉妹を『自分の知る姉妹』と断定するのと同時に、自分が死んだ後の末路を聞くことにより、かつての一誠とは思えない邪悪な笑みが自然と溢れていった。

 

 

「イッセーがその……木場と匙と一緒に殺された直後、邪魔者は消えたとばかりに早速アイツに犯され掛けたんだにゃん。

でもその瞬間に白音と一緒に正気に戻ったんどにゃ」

 

「そして自分でその場で自殺して……」

 

「……。気付いたら過去の人生をやり直していた……と?」

 

「「……」」

 

 

 殺られる前に殺った。

 しかしそれでも――過去に戻ったとはいえ簡単に洗脳されてしまった両親やその他の人物を信じられない――謂うなれば極度の人間不振になっていた一誠は、あろうことか『片方のスキルを完全に捨てる代償を払って両親の記憶から自分の存在を消す現実に書き換えて』しまっており、文字通りのストリートチルドレンとなってその日をただ空っぽな心の状態で生きていた。

 

 そんな折……奪われたと思った大事な人達の内の二人である白音と黒歌が正気に戻っていた処か過去をやり直していた……。

 皮肉タップリな笑みを自分を殺した転生者に対して向けながら問うのに対して無言で頷いた黒歌と白音に、一誠は捨てたつもりだったナニかに火が灯った感覚が芽生えた気がした。

 

 

「そうか……。クックックッ……!

あのクソ野郎が目の前に居たら大笑いして『ザマァ見ろ』と言ってやりたいぜ」

 

「……………。その様子だと、もしかしてまたアイツが……?」

 

「ん? あぁ……この前の誕生日にな。

だが今は亡き両親と顔を合わせる前に………………消したよ」

 

「え……? ということは」

 

「あぁ、今のところ俺達から奪い取ろうとする輩は居ない。

まぁ、それでも両親が信じられないからスキルを捨てるついでに両親の記憶から俺を消したがな」

 

 

 クックックッ……と二人にとっては初めて見る『邪悪に嗤って』言い切る一誠に白音と黒歌は悲痛な面持ちだった。

 というのも、元の世界で一度会った事があるからこそ分かってしまう事が一つ……。

 

 

「だが無神臓(インフィニットヒーロー)は捨てられなかったよ。

…………。この世界になじみも悪平等もレイヴェルも居ないのに……持ってる意味なんか無いスキルをな」

 

 

 そう……元の世界と違い、このやり直しの世界には安心院なじみも、一誠の知るレイヴェルは居なかったのだ。

 いや、レイヴェル・フェニックスは居るが、この世界のレイヴェルは只の純血悪魔のレイヴェルだったのだ。

 

 

「だから早々に死んでやろうと邪魔なスキル二つを消してやろうと思ったが……世の中は上手く行かないものだ。

自己暗示で幻実逃否を消したものの、無神臓は封印するのが関の山だったよ」

 

 

 それが一誠の生きる気力を削いでいた理由。

 だって二人がレイヴェルの話を一切しないというのは――――レイヴェル自身は正気に戻らなかったという事なのだから。

 

 

「イッセー……」

 

「先輩……」

 

 

 それは認めがたく、そして否定したい現実。

 しかし何をしても元の世界に戻れることが出来ないので、取り戻す事はもう不可能だし今更戻った所でレイヴェルは恐らく自分を『敵視』するだろう。

 あの転生者に洗脳された雌共と同じように……。

 

「ご、ごめんね? レイヴェルは……その……」

 

「訴えようにも一切聞いてくれませんでした……」

 

 

 完全に一誠の知るレイヴェルでは無くなった。

 その時点で――守れなかった時点で一誠は諦めてしまったのだ。

 

 

「……………。ふっ、そんな顔するな……。

お前達と再会出来ただけで俺は今救われてるんだ……ホント……本当にありがとうな……?」

 

 

 だからこそ、やり直しの人生を無駄に送ることになったと解った時は自身のスキルを捨てようとした。

 けれど人外への領域に進入しようとしていたが為にそう簡単には行かなかった。

 夢と現実を書き換えるスキルも捨てたとはいったものの、所詮は自己暗示で封印しただけにすぎず、無限に進化し続けるスキルに至っては尚現役で一誠の存在をより昇華させ続けている。

 

 

「お前達だけでもあのクソ野郎から逃れられた――それだけでも今の死にかけた人形の俺には十分だ。

どうもあの屑はお前達姉妹を『一番に』欲しがっていたみたいだかな……クックックッ」

 

 

 故に人外。

 夢と現実を任意にすげ替えられるスキルは封印されて今のところ使用が不可能になったものの、それでも一誠は人外であり続ける運命だったのだ。

 

 

「ムシの良い事をほざいてる自覚はあるが二人に頼みたい。

嫌なら嫌で良い……………死ぬまで俺の傍に居てくれ。

今度は……今度こそ守れなかったアイツ等の分まで俺は白音と黒歌を守るから……!」

 

「「………」」

 

 

 が、その空しさも残るとはいえ一誠はそれでも今救われ、そして決意した。

 再会できた二人だけでも今度こそ……絶対に守るために人である事をも拘らず守りきる決意を今度こそその心に誓った。

 それは己が修羅となろうとも……鬼になろうと畜生になろうと絶対に二人だけはあらゆる概念から守る。

 その曲げない決意を再び――今度こその誓いを、二人の手を取りながら宣言する一誠に二人も優しく一誠の手を握ると……。

 

 

「うん……私も今度こそ一瞬たりともイッセーを忘れないにゃん」

 

「先輩に甘えるだけじゃなく……私自身も先輩の足手まといにならない為に強くなります…」

 

 

 まるですがるように抱き締めてきた小さな一誠を受け止めるように抱き締めた二人もまた……今度こそという誓いを立てるのであった。

 

 

「………。しまったなスキル捨てなきゃ良かった。

恐らくその様子だと此処でもはぐれ悪魔になってるんだろう?」

 

「う、うん……実は最初の方は前の記憶がなくて……」

 

「姉様と逃げる途中で完全に思い出しました」

 

「なるほど……俺と同じか。俺も途中でいきなり思い出したからな」

 

「でも大丈夫にゃ。今度は証拠も残さず消しといたから……あんまり追い掛けられる事は無いにゃ」

 

 

 辛いけど……三人にとっては辛くない道を共に歩む人生を送ることを。

 

 これが全てを消された少年を照らす光との再会。

 

 

 

 

 そしてそれから10年……。

 永遠に昇華し続けるスキルにより、最早人間とは到底言えない別種の存在へと今も尚進化し続けた一誠と、同じくスキルホルダーとして磨いてきた黒歌と、スキルを覚醒させた白音は……。

 

 

「今度は神自身と宣う転生者かよ……ったく」

 

「言ってるわりには拍子抜けしちゃったけどにゃん♪」

 

「ええ、まさか凸ピン一撃であんな事になるとは……一応様子見でやったつもりだったのですが」

 

 

 仲良くはぐれ悪魔・その妹・匿ってる人間としてお尋ね者になりつつ人外っぷりを沸いて出てくる転生者を刈り取りながら逞しく生きていた。

 

 

「別に恨みは無いんだけど、何かされてまた奪われでもしたら堪んないからな……ぶっちゃけ予想通り黒歌と白音をエロい目で見てたし余裕で死刑だわ」

 

「昔と比べで先輩もかなり躊躇しなくなりましたからね……。

それにしても、聞いてみれば『死んだと思ったら神のミスで死んだから~』とか『誰かを助けようとしたら車に引かれて死んだけど、それを見てた神がご褒美に~』とかってパターンばっかりですよね……何なんでしょうかその神とは?」

 

「うーん、一度も見てないから何とも言えないにゃん。 正直、今自分の目の前に居たらズタズタにしてやりたいけどね」

 

 

 他人は決して信じず、目の前の二人しか互いに信じない人外となりて。

 

 

「だな……。

どうも聞くところに依れば天使共が崇拝してたかつての神とは別物みたいだし、俺も実際目の前に居たらぶっ殺してやりたい」

 

 

 あらゆる脅威を蹴散らす為にひたすら進化した。

 親だろうが脅威になるなら殺せる非情さを持った。

 心を塗り替えられない為にひたすら三人は互いに依存し、心に一切の隙間を作らなくした。

 

 それは他人からすれば理解されないものなのかもしれない。

 異常だと嫌悪されるかもしれない

 

 いや……現に今の三人を知る人ならざる者やそれに準ずる者達はそう思っている。

 

 

「前の世界もそうだが、この世界は呪われてるのか? 何故ああも転生者とやらが増えるのか……」

 

「良い迷惑だにゃん」

 

「全くです」

 

 

 しかし三人はそれでも構わないと大真面目に思い、今まで生き続けてきた。

 自分達を脅かすあらゆる概念を蹴散らし、寄り添いながら……。

 

 

「ふむ、議論は此処までにしてそろそろ寝るか……よっと」

 

「にゃぁ……ん♪ 今日は私の番だね? えへへ、イッセーの息が胸に掛かかるだけでずっとお腹がきゅんきゅんするにゃん♪」

 

「…………。胸……生活パターンとか気を付けたのに前と変わらなかったです。いえ、先輩とこうする事が出来るんで全然問題とか無いのですが……」

 

「Zzzz……」

 

 

 互いが離れないように……いや離されることを恐れている本能が互いを求め合うように密着し、安心感を獲る。

 そんな生き方を三人はずっとこれまでもこれからも続けていく。

 

 

「あ、もう寝てます……相変わらず姉様と私にくっついてると寝付きが良いですね。ふふ、一誠先輩に求められてると思うと嬉しいです……」

 

「そうだね……昔の事があるにしても……その……正直私今幸せかもしれない――いや幸せにゃん。

…………………。抱き付いてくるだけで何もしないで生殺しばっかりだけ――あっ……!? い、イッセー……! そ、そんな……吸っても……私のは出ないにゃ……やぁん♪」

 

「また胸ネタ……ですか」

 

 

 

 黒神一誠

 所属・無し

 スキル・無神臓(インフィニットヒーロー)(永続無限)

 

 

 備考

 ver乱神モード

 ver改神モード

 ver終神モード

 ver矛神モード

 

 

 New……最神・壊神モード。

 

 

 塔城黒歌

 所属・無し(強いて言うならイッセーチーム)

 スキル・安察願望(キラーサイン)

 依存無限進化(無神臓)

 

 塔城白音

 所属・無し(強いて言うならやっぱりイッセーチーム)

 依存無限進化(無神臓)

 

 スキル……???

 

 

終わり 




補足

やっぱり一人でも傍らに居るか居ないかでやる気度は天と地ほどの差。


とはいえ口調で解る通り若干ヤサグレてますが。

その2
幻実逃否は封印したので使えません。
その代わり、マイナスが消えたことにより無神臓の無限進化速度がえぐいことになってます。


その3
無神臓の自覚無き裏技により、黒歌さんの安察願望に続き、妹の白音さんも遂にシリーズ初のスキル覚醒&一誠レベルの人外へ進化しました。

スキルは…………考え中。


その4

最後の一誠が何をしてたか。
 多分どっかをチューチューしてました。

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