色々なIF集   作:超人類DX

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555話からの『先生じゃないひとシリーズ』の続き。

タイトル通りの、ちょっとだけその後です。


過去ネタもの
ちょっとだけその後


 挑発は出来る限り出来た。

 

 坊やの血を取り込めれば、私はこの牢獄から解放される。

 

 

「フー……」

 

 

 もう約束を守らぬ奴を待つ気は無い。

 奴に閉じ込められたこの牢獄は自分で抜け出す。

 

 そもそもアテにしていたのが間違いだったのだ。

 

 この忌々しい呪いにしても、私の実力が不足していたからかけられてしまったのだ。

 

 ならばそのかけた相手に解いて貰うのではなく、己自身で解く。

 そうすれば私は本当の意味で闇の福音としての自信を取り戻す事ができる。

 

 この状況が誰かに課せられた運命だとするならば、私はこの運命を必ず壊してやる。

 運命という眠れる奴隷を解き放てた時こそ、私の完全なる勝利となるのだ……。

 

 

「マスター、来ました」

 

「わかっている。

行くぞ茶々丸……イッセー」

 

「おう」

 

 

 運命に真正面から抗い続けた男を知った今、私はもう待たない。

 

 

 

 

 

 時間制限付きながら、強引に魔力を戻したエヴァンジェリンは、呪いを解く鍵となるネギとそのお供――それと+α達と対峙し、存分にその力を示していた。

 

 

「そんなにイッセーを取り戻したければ、やってみせろ。

今ならまだ強いショックを与えて気絶させれば、戻るだろうからな」

 

「そのつもりアル……!」

 

「お主の事は色々と教えられた事で知った……。

故に先生は返して貰うぞ……!」

 

「……。相手をしてやれイッセー」

 

「…………………」

 

 

 異界の赤き龍の帝王という切り札(ジョーカー)を手にしているエヴァンジェリンに死角は無い。

 

 

「さて、では此方も始めよう。

あの男の倅がどれ程のものか、改めて試させて貰おう」

 

「ぼ、僕が勝ったら兵藤先生を元に戻し、父の事を教えて貰います!」

 

「勝てればな……くくくっ」

 

 

 ネギとアスナに同行した古菲と楓を洗脳されてる体にしているイッセーに任せ、エヴァンジェリンは従者の茶々丸と共にネギとアスナと対峙する。

 

 

「………………」

 

「……。やっぱり変アル」

 

「嘘か真か、自我を幽閉されている今の先生は何時もの先生とは違って弱体化している気がするでござる」

 

「……………」

 

 

 本気になる訳にもいかず、手加減の調整に内心四苦八苦しているイッセーに違和感を感じる古菲と楓だったり。

 

 

「くっ!?」

 

「あ、兄貴! ち、ちくしょう! やっぱり本物の闇の福音だけあるぜ……!」

 

「ど、どうするのよ!? 古菲と楓はイッセーを押さえ込むので精一杯なのに!」

 

 

 ネギ達はイッセーの血で力だけはある意味で全盛期を越えているエヴァンジェリンに手も足も出せない。

 逃げ回るのが精一杯なネギ達は最早万事休す……かと思ったその時だった。

 

 

「!? バカな! いくらんでも復旧が早すぎ――うわっ!?」

 

 

 エヴァンジェリンの想定よりも早く学園内の復旧が済んでしまい、ここで魔力が再び封印されてしまう

 イッセーの血を取り込む事で肉体的な力は全盛期を越え始めていたものの、予想外の展開に意識を取られたエヴァンジェリンは空から落下する。

 

 しかしエヴァンジェリンは堕ちなかった。

 

 何故なら……。

 

 

「ちょっと遊びが過ぎたな、互いに」

 

「……!」

 

 

 それまでずーっと黙って古菲と楓の相手をしていたイッセーが、最初から何でもなかったかの様に落下するエヴァンジェリンを抱き止めながらゆっくりと地面に着地したのだから。

 

 

「え、い、イッセーくん?」

 

「………………。やはり意識が幽閉されていた云々は嘘だったのでござるな?」

 

「………。ま、バレちゃったのなら仕方ないから白状するが、その通りだよ」

 

「で、では何故わざわざ洗脳されていたフリまでしてエヴァンジェリンさんに……」

 

「借りてるからな、コイツには色々と……」

 

 

 エヴァンジェリンを茶々丸に任せ四人と一匹の前に立ったイッセーはヘラヘラと笑う。

 その表情や様子は確かに何時ものイッセーであり、エヴァンジェリンも魔力が再封印された今、一件落着だとホッとしようとした………が。

 

 

「第一ラウンドはお前等の勝ちだ。

こっちが調子こいて慢心していたせいで敗けたも同然だからな……」

 

 

 戦いは終わらなかった。

 

 

「古菲。

お前、俺の本気が見たいとか前に言ってたよな?」

 

「え………」

 

「エヴァが動けないから終わり………なんて事を思ってる所悪いがよ―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――俺は動けるんだぜ?」

 

 

 

 人が放つにはあまりにも苛烈で、重苦しくて………強烈過ぎる純粋なパワーを全身から放つイッセーによる続行の宣言により。

 

 

「こ、れは……!?」

 

「な、なによアイツ……!」

 

「人が持つ気の大きさじゃないアル……!」

 

「これほどまでとは……!」

 

 

 星を震撼させる程の純粋なパワーの奔流を前に、エヴァンジェリンですらその力に魅入られる中、左腕を翳したイッセーは眠らせていた龍を呼び覚ます。

 

 

「起きなドライグ」

 

 

 赤き龍帝としての力を。

 共にその運命に抗い続けた絶対唯一の相棒(パートナー)を。

 左腕に纏われし赤き龍を宿す証にその場の全員が息を飲む中、イッセーは赤く燃え上がる様なパワーを―――

 

 

「カァァァァッ!!!」

 

『fast Boost!』

 

 

 解放する。

 

 

「う、嘘でしょ……? 素人目で見たってアイツがヤバイってのがわかるんだけど……」

 

「大きすぎて測れない……」

 

 

 放たれたパワーは星を更に揺るがし、学園全土に施されたエヴァンジェリンへの封印の壁を――――

 

 

「!? 私の魔力が……!」

 

「イッセー様の力により学園のシステムが完全に破壊された様です……」

 

「………くくっ! あのバカめ……!」

 

 

 完全に破壊する。

 そして、破壊した後でも尚上昇し続けるイッセーのパワーは佳境へと突入。

 

 

「フンッ!!」

 

 

 大地を震撼させる程のパワーが嘘の様に消え失せ、穏やかでクリアーなオーラに包まれると同時にイッセーの瞳は赤く輝く。

 

 

「エヴァ、動けるだろ? めんどくせーから学園のシステムを無理矢理ぶっ壊してやった」

 

「ああ、この脳筋バカめ。

だが……フフ、不思議な事に悪い気はせんよ」

 

 

 神々しさすらも感じる赤きオーラを纏うイッセーに言われ、エヴァンジェリンは笑いながらその隣に立ち……。

 

 

「くくく……! 頼むから一瞬で終わってくれるなよ坊や達―――――最終ラウンドだッ!!」

 

 

 真祖と呼ばれし闇の福音の時は再び刻み始めるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

『忠告してやろう。

アイツに対して何を思おうが自由なのかもしれないが――それ相応の覚悟はするんだな』

 

 

 

 以前、エヴァンジェリンに言われたこの言葉の意味を、古菲と長瀬楓は、一誠がただの用務員から体育教師にジョブチェンジしただけの、ちょっと強い青年ではなかったという意味で理解した。

 

 魔法というものを扱うネギやエヴァンジェリンとは明らかに違うし、明らかに異質な力。

 

 その力は最早強いとか弱いという概念を通り越したものであり、自分達では手の届かない領域だった。

 

 そういう意味では、確かにエヴァンジェリンの方がイッセーの本質を理解しているのだろうし、妙な距離の近さにも納得してしまう。

 

 何故なら、信じられない程に二人の息は合っていたし、とてもではないが太刀打ちできる相手ではたかったのだから。

 

 

『フッ、命までは取らんよ。

奴の血を引く坊やの血をほんの少し取り込めた今、私は完全に力を取り戻せたのだからな』

 

 

 殆どその言葉の意味は知らなかったが、エヴァンジェリンは強かった。

 それこそ、一誠と共に自分達を見逃すという形で共に去っていくのを見送るしかできなかった程に。

 

 だからこそ特に古菲はショックよりも悔しかった。

 一誠の本気の力を今まで知らなかった事や、上部だけしか知らなかった事に。

 

 ネギとアスナは何をしても通用しない程の差を見せつけられて意気消沈の様子だったが、それは古菲と楓も同じだった。

 

 だからこそ明くる日も、平気な顔して学校に来た二人に対して半日は話し掛けられなかったのだけど……。

 

 

「イッセーくん! 勝負アル!」

 

「確かに今の拙者達では触れる事も出来ないのかもしれない。

しかし、あくまでも『今の時点』であって、近い内に必ずその領域に到達してやる」

 

 

 基本的にポジティブな子達なので、半日で普通に吹っ切れたらしく、放課後になるや否や、財布の中身の確認しながら軽くため息を漏らしていた一誠に突撃するのであった。

 

 

「今大人らしいお悩み中だから、今度にしてくれよ……はぁ、150円じゃ肉まんも買えやしねぇぜ……」

 

「嫌アル! これ以上エヴァンジェリンにイッセーくんを取られたくない!」

 

「そういう事だ。

それに飲み物くらいなら奢るぞ?」

 

 

 一々声高らかに言うせいで、クラス者達が、微妙に困った顔をしているエヴァンジェリンに対してイッセーとの怪しい関係について質問責めを開始したりとそこそこにカオスな状況になっていても、古菲と楓は全く気にせず、教室を出ていこうとするイッセーに懐いた犬みたいについていくと、然り気無くネギとアスナも同行し、エヴァンジェリンはクラスメートに囲まれて身動きが取れなくなってしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

「……で、アンタはエヴァンジェリンの正体を知った上で封印を解く手伝いをしていたって事で良いのよね?」

 

 

 さて、そんな鬼の居ない間にを利用し、ネギとアスナが利用している寮部屋までイッセーを連行したアスナは、先日の事もあってかかなり警戒した様子でイッセーに質問をする。

 

 

「おう、そうだ」

 

 

 そんなアスナの警戒心とは裏腹に、イッセーはといえば平然と何時もの調子で頷いた。

 まるで自分のやった事を自覚してませんな言い種に、横に居たネギとネギの肩に乗ってる喋る小動物がエヴァンジェリンの危険さを訴える。

 

 

「そ、そんな! エヴァンジェリンさんは闇の福音と呼ばれる吸血鬼で力を封じてないととても危険なんですよ!?」

 

「アンタもヤバイが、ネギの兄貴が言ってた通り、力を悪用するってタイプじゃないがエヴァンジェリンはそうじゃないんですぜ!? それなのに……」

 

「アイツが封じられてた理由だの事情はある程度知ってるが、それがどうしたよ? 10何年も封印されたまま放置されてた時点で時効だろ。

それに、本来の力を取り戻したアイツが仮に暴れたりするんだったとしたら、その時は俺が止める――それじゃあ納得できないのか?」

 

『………』

 

 

 しかしイッセーは自分のした事を全く後悔していないと言い切り、もしエヴァンジェリンが再び悪さをするようなら、自分で止めると宣言する。

 

 これには、先日嫌というほど完全に力を取り戻したエヴァンジェリン以上に異質な力を解放していたイッセーにやられまくっていたネギ達も何も言えなかった。

 

 

「アイツが過去に何をしたとか、闇のなんたらとか呼ばれてるだとかなんてのは俺にとっちゃ関係無い。

俺にとってアイツはいい奴――だから封印を破壊する手伝いをしたまでさ」

 

「やっぱりアンタって単純ね……」

 

「ごちゃごちゃと考えるよりは前に進んだ方が建設的だろ? ガキの頃、散々失敗したきちゃった身だし」

 

「……だ、そうよ? まあ、コイツは見た通りな性格だし、エヴァンジェリンの事は暫くコイツに預けてみたら?」

 

「アスナさんはイッセー先生を信じるのですか……?」

 

「少なくとも今はね」

 

『……』

 

 

 何気に生徒の寮部屋に備蓄されてたお菓子を無遠慮にバクバク食べてるイッセーを見てる内に、疑うのも馬鹿らしいと思ったのか、アスナは言う。

 

 

「わ、わかりました……僕も先生を信じます」

 

「あ、兄貴!?」

 

「カモ君はまだ先生を知らないから、疑いたくなるのも無理はないかもしれないけど、あんなに強い力を持ってても、先生はこれまで一度も悪いことに使わなかったんだよ? それこそ、あれだけの力があったら、無理矢理女性に言うことを聞かせられる筈なのに……」

 

「ふっ、当たり前だ。

俺は結構プラトニックな恋愛派なんだよ」

 

「………。ま、まあ兄貴達がそう言うのなら。

しかし別の意味で心配ですぜ……なんというか、アホそうだし」

 

「………………。小動物にアホ呼ばわりされたくないんだけどな、流石に」

 

 

 ネギもそんなアスナの言葉を受け、イッセーを信じてみようと頷く。

 それもこれもこれまでのイッセーの行動を思い返した上での判断であり、カモと呼ばれた小動物も半信半疑ながら納得し、もしこの先エヴァンジェリンが悪いことを企てたら、絶対に手は貸さないという約束を交わす事になった。

 

 こうして、一応エヴァンジェリンについての話は終わったのだが、問題はここからだった。

 

 

「ネギ坊主が魔法使いとやらだったとか、エヴァンジェリンが悪い魔法使いで吸血鬼だったとか――まあ、諸々含めて驚愕の真実を知ってしまった事については、正直そこまで拙者と古菲にとって重要ではござらん」

 

「問題は、イッセーくんがエヴァンジェリンと同じ家に住んでるとか、仲良しなのが嫌アル!」

 

 

 ネギ達の秘密について然程関係無いと言い切る古菲と楓についてだった。

 秘密を知られたらオコジョに姿を変えられるという、魔法世界のルールが軽くスルーされてる事に、どこかの作為を感じさせるのだが、それよりも今二人の少女にとって重要なのは、イッセーが思ってた以上にエヴァンジェリンとの距離感が近すぎる事なのだ。

 

 

「仲良しが嫌って言われてもな、俺はそもそもアイツと知り合った事でここで働くようになった訳だし……」

 

「だとしたら、その事についてだけはエヴァンジェリンに感謝しても良いでござる。

しかし――」

 

「一緒に住んでるのはよくないアル!」

 

「そんなん言われてもな……」

 

「そういやアンタっていっつもお金が無いって財布見ながら肩落としてるけど、そんなに何時も何に使ってんのよ?」

 

「俺の口座って、全部エヴァに管理されててさ。

小遣い制なんだよ……月三万の」

 

「………………。マジで? まるで夫婦―――」

 

「「……………」」

 

「………いや、何でもないわ」

 

 

 どうせナンパしては散財していると思っていたアスナは、斜め上の事実を知り、ポロっとそのまま思った事を言いかけたところで、古菲と楓にジロッと睨まれてしまい、口を閉じる。

 

 

「なんでも、『お前に給料の全額を管理させたら、三日で消えてなくなるから、私が管理しといてやる』――って言うんだよね」

 

「そりゃエヴァンジェリンさんが正しいわ。

アンタって大金持たせたら、しょうもない女に散財するか、騙しとられるで溶かしそうだし」

 

「………。茶々丸曰く、これまででナンパした女に騙し取られた累計金額が300万……らしい」

 

「……………。そりゃ管理されて然るべきだわ」

 

 

 呆れた顔のアスナに一誠は最初から皆無だった威厳がマイナス地点になった気がしてならなかった。

 現にネギとネギの肩に乗ってる小動物も微妙な顔してるし、古菲と楓も同じような顔だった。

 

 

「な、ナンパなんてもうやめるアル」

 

「壊滅的に女運が無いし、そもそも何度か見たことがあるが、イッセーはナンパが下手過ぎるでござる」

 

「う、うっせーな! ガキに言われたかねーやい!」

 

 

 地味に突き刺さるような事をよりにもよって言われてしまい、軽く凹む一誠。

 しかし、無駄に強い癖にこういう間抜けさの方が多いからこそ、微妙に信用されているのだから皮肉なものである。

 

 学園長やタカミチも、封印を強引に破壊して全盛期のパワーを取り戻したエヴァンジェリンについて一誠に一任させたのも然り。

 

 結局の所、一誠が壊滅的にナンパが下手なお陰で色々とうまいこといっているのだった。

 

 

「騒がしい連中共に囲まれていてもお前は無視したな?」

 

「それ以上に騒がしい小娘に引っ付かれてたんだ。しょうがねーだろ」

 

「……まあいい。

それで? 坊や達はなんて言ってた?」

 

「散々お前が危険がどうとか言ってたから、お前がやらかしそうな時は俺が止めるって言って納得して貰ったよ」

 

「お前からそう言えば、坊や達は一応の納得するだろうな。

腹は立つが、純粋な殺し合いでは私はお前に勝てないし」

 

 

終了

 

 

 

 

 

 オマケ。

 

 ちょっと未来の頑張れクーちゃん

 

 

 エヴァンジェリンに対する対抗心を強めた結果、何時も以上に一誠に引っ付くようになった古菲。

 何気に楓も怪しいし、遊んではられないと一誠に突撃する頻度が増えた訳だが、この日の古菲は偶々近くの公園のベンチで居眠り中だった一誠を発見してしまう。

 

 

「zzz」

 

「む、寝てるアル。

起こす……のはちょっと可哀想だし、どうしようカ……」

 

 

 すやすやと眠る一誠の姿に、起こすのを躊躇う古菲は

自然と起きるまでイッセーが座り寝しているベンチのその隣ちょこんと座る。

 

 

「………」

 

「すぴー……」

 

 

 悪くない。

 最近ではすっかり『もはやイッセーの傍に居られるだけで幸せで仕方ない』という健気さと化していた古菲は、すやすやと起きる気配が無いイッセーの寝顔を眺めながら、とても幸せな気持ちだ。

 

 女にだらしないし、モヤモヤばっかりさせるけど、強いし優しい。

 そんなイッセーを何時からか本気で好きになってしまった古菲は、どうにかしてイッセーに女として見て貰いたいと努力を続けてきた。

 

 そして何時からか、例えこの先女として見て貰えなくても、傍に居られるだけでも良い思うようになった。

 勿論、そう見られたい気持ちはある……けどそれ以上に傍に居たい。

 

 イッセーに宿る赤い龍によって、友を含めた全て奪われ、人を辞めても尚血塗られた復讐を果たした最後の赤龍帝としての過去を知った時から……。

 

 

「うぅ……」

 

「……イッセーくん?」

 

 

 眠ったイッセーが過去の夢に魘される事も知っている古菲は、その辛さをどうにかして和らげてあげられないかと考えるようになった。

 

 イッセーの親友の一人に力を託されたあの日から、古菲はただ想いを寄せるだけではなく、支えてあげたいと思うようになったのだ。

 

 

「う……くっ……!」

 

「また魘されてる……。

ほら、大丈夫だよイッセーくん……」

 

 

 辛そうに魘されてるイッセーの身体を支える、起こさないように寝かせた古菲は、そのままイッセーに膝枕をしてあげると、ただ優しく魘されるイッセーの頬を撫でる。

 

 その表情や姿は、古菲のクラスメートの殆どが見たことのない程に慈愛に満ちており、いつしか魘されていたイッセーの表情が和らいでいき、規則的な寝息に戻っていた。

 

 

「すー……すー……」

 

「イッセーくん……」

 

 

 イッセーは強い。

 最初はその強さに惹かれた。

 

 けれど深く関わる程に、強さの中にあったイッセーの弱さを知っていった古菲はより強くイッセーを想うようになった。

 

 

「強くても、弱くても関係無いアル。

どんなイッセーくんでも私は好きヨ……? だから、もっと寄り掛かっても良いアル……」

 

 

 そう言ってイッセーの額にそっと口づけをする古菲は天真爛漫な少女でありながら、どこまでも慈愛に溢れた表情だった。

 

 これまでも、これからも……。

 

 

終わり




補足

超強引に封印されたものを超強引に破壊したので、全盛期にもう戻りました。

もっとも、一誠に対してオカン属性を発現させたので、悪さする暇も気もあんまり無くなってる模様。


その2
これまでの行動が別の意味での信頼を生んだのか、今のところは信用する事にしたネギ先生達。

イッセーの財布管理をしているのが彼女と知って、その信頼度を微妙にあげたのも、普段の行いのせいだ。


その3

くーちゃんは相変わらずだった。

エヴァとの距離感が近い事にぐぬぬ中。
ニンニンさんも何気にぐぬぬ中



…………別に続ける気はない
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