色々なIF集   作:超人類DX

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シリアスがどうにもこうにも消し飛ぶ


日常2

 最終学歴が幼稚園中退という事実は、人間社会的にも異常なのかもしれない。

 義務教育を受ける前に親が失踪してしまい、義務教育以前に普通に生きる事すらも儘ならなかったからなのと、潜在的に勉強自体から逃げてたせいだ。

 

 つまり俺達は学が無い。

 

 

 一応元の世界では拾った中学生レベルの参考書を二人で使いながらお勉強みたいな真似はしたけれど、やはり現役で学生をやっている皆さんと比べたらミジンコにも程がある学習レベルなんだと思う。

 

 つまるところ、何が言いたいのかと言うと……。

 

 

「ほむほむ先生~ この問題全っ然わかんないんだけどー」

 

「次、私の事をほむほむだなんて呼んだら二度と教えないわよ?」

 

「うぃー」

 

 

 ここ最近の俺達は現役の女子中学生にお勉強を教えて貰う事が多々ある……というだけの事である。

 

 

 

 

 出会ったその瞬間から非常識な男達だとは思っていたが、深く掘り下げたら二人して小学校にすらまともに通っていなかったと聞いて納得してしまうほむら。

 

 その理由も理由なだけに仕方ないのかもしれないとは思うものの、二人してヘラヘラしながら『いやー、俺達って親に恐怖された挙げ句逃げられたクチでさぁ』と宣うせいなのか、あまり悲壮感を感じない。

 

 だからこそ不思議なのは、何故そんな状況でも生きてはいけた癖に、今になって勉強をしようと思っているのか。

 それこそ、世界征服でもできそうな力を持っている癖にだ。

 もっとも、力はあれど無意味に振るう等はしない性格だから上手いこと付き合えているのだけど。

 

 早い話が二人とも子供っぽい。

 

 一応年は自分より上だけど、年上という感覚をまるで感じない。

 その異質な力を持つが故に迫害されてきた過去を持つ癖に、それを一切感じさせる程――好き勝手に生きている。

 

 そんな生き方にほむら自身は少し嫉妬のような気分を抱いたことはある。

 どこまでも笑いながら上を見上げて生きていこうとするその姿に苛立ちを感じたこともある。

 

 けれど、そんな気持ちごとイッセーとヴァーリは無自覚に受け止めてしまう。

 受け止め、止まってしまう自分に手を差し伸べてすらくれる。

 

 決して上からではなく、対等な目線で。

 

 

「最近ヴァーリくんが佐倉さんと会ってるみたいなのよね……」

 

「へぇ?」

 

「何か気になるような事でもあるのかしら?」

 

「喧嘩とかしていないかという意味では気になるのよ。

佐倉さんってヴァーリくんのマイペースさとか苦手そうだし……」

 

「ああ……」

 

「空間に入ってようが、出前のラーメン食ってるような奴だからなアイツは……。

しかし佐倉さんってーと俺と微妙にパーソナルカラーが被ってる八重歯ちゃんだよな?」

 

「ええ。

彼女とは色々あってね……隣町で魔女や使い魔を退治している子よ」

 

「まあ、巴ちゃんがそこまで心配することでもねーだろ。

アイツの場合、なにがあろうとも動じないだろうし、絡まれた所で問題ねーだろうし」

 

「そうだと良いのだけど……」

 

 

 ほむらにとって、この状況はまさに最後のチャンスだ。

 イレギュラー二人を味方に付け、巴マミも死なず、美樹さやかも今のところ契約していない。

 

 若干気にくわないのは、人妻だ年上の女性にアホ顔晒してナンパばっかりしているイッセーにまどかが懐いてしまっている所だが、そのお陰で例のインキュベーターからの話を最近はほぼ流していて契約云々以前らしいので、文句は言えない。

 

 後はそのインキュベーター共とその思惑をどうにかさえすれば……。

 ここまで上手く平和に事を運べた事のないほむらは、人知れず慎重だった。

 

 

「あのー……話を変えるようで悪いけど、質問いいかな?」

 

「? なに?」

 

 

 イッセーとヴァーリが近くに居る時に限り、キュウべぇはまどか達から離れてしまう。

 感情が無いと宣うインキュベーターに恐怖心があるとは思えないが、常日頃……男性でありながらキュウべぇの姿を捉えられるイッセーとヴァーリが、捕食者のような顔でキュウべぇをガン見しながら『美味そうだな……』と言いまくる事と無関係ではないと思いたい。

 

 話が本当だとしたら、イッセーとヴァーリは相当に食い意地がはっている悪食者なのだから。

 

 

「イッセーくんとヴァーリくんってここ――つまりほむらちゃんのお家に住んでいるんだよね?」

 

「ちょいと情けない話だけどね」

 

 

 そんな食い意地の汚さのお陰もあって、キュウべぇすら引き剥がせてるこの状況を逃す手は無いとほむらが思う中、でマミやさやかとまどかが、すっかりほむらの家で駄弁るような関係になった今日この頃。

 この日は魔女の気配も全くしないので、宿題でもしようかと皆がやって来て、ついでにイッセーに中学生レベルの参考書を渡してそのまま勉強を見てあげていた。

 

 その勉強中にマミが隣町の魔法少女が最近ヴァーリとなにかしているのが心配だという話題になった後、唐突にまどかが質問をしてきたのだ。

 

 

「じゃ、じゃあさ、寝る時とかどうしてるの?」

 

「は?」

 

「質問の意味がわからないのだけど……」

 

「だ、だから……。

まさかとは思うけど、一緒に寝るときもあるのかなぁって……」

 

「「は?」」

 

 

 その質問はどうやら最近の年頃女子にありがちなものだった。

 年上なのだが年上とは思えない。されど時折感じる包容力のようなものがあるせいで、最近すっかりイッセーに懐いてしまったまどかはとても気になるらしい。

 

 

「変な本の読み過ぎよ……そんなのあるわけ無いじゃない」

 

「そ、そうなの?」

 

「たまにアンタ達って気色悪いと思えるくらい仲が良いって気がするんだけどね」

 

「手の掛かる子供の面倒を押し付けられてる気分でしかないわよ私は……」

 

 

 

 無いと断言した途端、妙にほっとした顔になるまどかを見て、軽くイッセーに嫉妬気分を抱くほむらはツンとした態度でイッセーを見る。

 

 

「世話になってしまってる身分だから何も言えないな俺は……」

 

 

 そんなほむらにイッセーはヘラヘラと笑う。

 言いたくはないが、今となってはほむらにとってもイッセーとヴァーリは必要な存在なのだ。

 

 そして、さやかが何気なく言った通り、ほむらとイッセーとヴァーリはたまに異様に仲良く見えてしまうとまどかは思う。

 

 

「二問不正解ね」

 

「マジか……なにが違ってたんだ?」

 

「公式の使い方ね。この問題の場合はこの公式を当てはめないといけないわ」

 

「ほうほう……」

 

 

 

「お互いに自覚無しでやっているせいか、やたらと距離感が近いわね」

 

「ふ、二人の顔が近い……」

 

「むー……」

 

 

 特にイッセーの場合は、その性格故かほむらの方が面倒を寧ろ見る側に回ってしまうらしい。

 そのせいでさやかやマミの言うとおり、本人達は全く自覚はしていないが、さっきから一々距離感が近すぎる。

 

 別に仲が悪いよりは良い方が良いに決まってはいる。

 しかしここ最近のまどかはそんな一々近い距離感の二人を見ていると、変な気分になるとか。

 

 その理由は自分でもよくわからない。

 

 

 そんなモヤモヤを抱えたまま日々は過ぎていく。

 相変わらずキュウべぇはヴァーリかイッセーの姿を見た途端にどこかへと居なくなるし、担任の早乙女先生が最近出没してはナンパしてくるイッセーを不審者扱いして自分達に注意をするようにと言ってきたりと、魔女やら使い魔退治の件以外は概ね普通の日常だった。

 

 

「さやかに借りを返す為、地獄の底から這い戻ったぜ……」

 

 

 さやかの幼馴染みがある日を境に異常な回復をしたかと思えば嫌にマッシブとなって戻ってきたりという訳のわからない状況以外は……。

 

 

「さ、さやかちゃん、あの人って上条くん……だよね?」

 

「あー……うん、間違いなく恭介だよ」

 

「あ、あの……私の見間違いでなければ、事故の前より逞しくなられていませんか?」

 

「えーっとね、新しいリハビリをしたら効果てきめんだったんだってさ……」

 

 

 入院していた男子のクラスメートの豹変っぷりに、話だけでしか聞いていなかったまどかは、ちょいとマッシブというか、言動までマッシブ気味になっている気がするさやかの幼馴染みに友人と共に戸惑った。

 

 

「やあ鹿目さんに志筑さん、久しぶりだね?」

 

「う、うん……」

 

「ど、どうも……」

 

 

 無駄に爽やかな挨拶をする上条恭介だけど、鉄アレイを片手に持っているせいでシュールだった。

 一体全体何でこうなったのか……。

 

 それは――

 

 

「軽い相談のつもりというか、気分転換というか、恭介の事をなんとなくイッセーくんとヴァーリくんに話したんだよね。

そしたら直接会うなり、スパルタで色々とやらせたらしくて……」

 

「そ、そうだったんだ……でもなんとなく納得したかも」

 

「そのお名前は確か早乙女先生に色々とする変な殿方ですわよね?」

 

 

 鍛えたらなんでも直ると勝手に思ってるアホ二人の鬼畜トレーニングが元凶だったらしい。

 

 

「ふふ、僕は間違っていたよ! 筋肉こそパワー! 筋肉こそ全てを解決する! 事故で動かせなくなったのなら筋肉でカバーする! あのお二人に叩き込まれたお陰で僕は生まれ変わった気分さ! うははははは!!」

 

「「……」」

 

「ま、まあまたバイオリンがひけるようになったし、結果オーライって事で……」

 

 

 制服の上着を破りかねない勢いの上条恭介はこうして復帰した。

 そして後に彼は『世紀末救世主ヴァイオリスト』として駆け上がる―――かどうかは知らない。

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 全てにおいて斜め横に向く展開になってしまうとはいえ、ほむらの思い通り的な展開にはなった。

 さやかが契約する理由になっていた上条恭介は、知らぬ間にイッセーとヴァーリのやらかしによって契約関係なしに自力で復活したし、仲が拗れていた佐倉杏子と巴マミも最近になって直接会って話をするようにもなったらしい。

 

 後は例の巨大魔女をなんとかすれば――だが、これに関しては間違いなくイッセーとヴァーリとで何とかできる。

 

 つまりこの現状にほむらは割りと満足していた。

 

 

 強いて言うなら、何故か最近まどかにジーっと変な目で見られることだが……。

 

 

「ほむらちゃん、どうしてそんな状況になっちゃったの?」

 

 

 今ほど強く感じることは無かったと、ほむらは思うのだったとか。

 

 

「わ、私にもなにがなんだか……。

家に帰ってアナタ達が来るまで準備をしようと思って、リビングで寝ていたイッセーを起こそうとしたらこうなってしまったとしか……」

 

「ふーん……?」

 

 

 最近よくやるようになったまどかのジト目にほむらは言葉を詰まらせる。

 それもこれも全部この……人の事を抱き枕と勘違いしてスヤスヤ寝ているイッセーのせいだとほむらは恨んだ。

 

 

「い、今起こすから……」

 

「…………」

 

「ほ、ほらいい加減起きなさい! 私は抱き枕じゃないのよ!」

 

 

 とにかくまずはイッセーを起こさなければと、割りと強めにイッセーの頭をひっぱたいた。

 だがイッセーはといえば起きる気配も無く……。

 

 

「んー……」

 

「ちょっ!?」

 

「………!」

 

 

 もぞもぞと数多の世界のイッセー自身がよーくやっているような事をしながらスヤスヤと眠っていた。

 

 

「ば、馬鹿! スケベ! なにをしてるのよ!!」

 

「んー……ん」

 

「このっ! さっさと起きなさいってば!!」

 

「………いいなー」

 

 

 いくらひっぱたいても起きる気配の無いイッセーにますます焦るほむらと、ぽつりと呟くまどか。

 

 結局ここから更に10分は起きることは無く、漸く起きたかと思えば……。

 

 

「んー……悪かったなほむら。

けど意外と寝心地悪くなったぜ?」

 

「一言余計よ!」

 

「いやマジだって。

妙に安心できたっつーか、ほむらって割りと好きな匂いすっか――らべがっ!?」

 

「こ、この変態! 死ね! 死んでしまいなさい!!」

 

「いだだだだっ!? ちょ、助けてくれまどっち!」

 

「イッセーくんなんか知らないもん」

 

「な、なに怒ってんだよ?」

 

 

 アホコンビのお陰で今日も平和な日だった。

 

 

閑話休題2




最近お勉強までほむほむに教えて貰ってるらしい。

というより寧ろ二人の保護者になりかけてるらしい。


その2
良いのか悪いのかは知りませんが、上条くんは筋肉キャラに改造されたらしい。

 基本的にアホコンビが脳筋系統だから仕方ない。

さやかさんは相談相手を間違えたのだ。

そして、ヴァイオリンの前に筋肉だけで上半身の服を破ったりするかは知らん。


その3
どこででもやるのは変わらない。

やっぱりロリコンじゃないか……
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