色々なIF集   作:超人類DX

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蛇足みたいな小話


ゲーム前のある日

 

 

 

 割りと無茶苦茶な理由でライザー・フェニックスさんとレーティングゲームをすることになった私達。

 もしもこのゲームに負ければ何故か部長はそのライザーさんと婚約なんて話になっているけど、私から見てもライザーさんが部長に好意を持っているとは思えないし、寧ろああも罵倒され続けて好意がある方が驚きだ。

 

 大方互いのご両親が勝手に取り決めた話なのだろうというのが私の考えだったり。

 そんなこんなで私達はライザーさんへの嫌悪の極を拗らせている部長に言われるがままに学園をお休みして対ライザーさんの修行をすることになった。

 

 場所は部長の実家が所有する別荘地。

 

 

「小猫はイッセーと実戦感覚で身体を動かしなさい」

 

「はい……お願いします兵藤先輩」

 

「………」

 

 

 いくらレイヴェルや一誠先輩が好きだと言っても、私はあくまでリアス部長の戦車だ。

 そこに個人的な感情は持つわけにはいかないし、どうしても負けるわけにはいかない部長の眷属としてその望みを叶えなければならない。

 

 私にとっては部長だって恩人の一人なのだから。

 だから部長の指示に従う形で兵藤先輩と一緒に修行をする事になった訳だけど……。

 

 

「…………ぐっ」

 

「戦車の特性を利用するのは良いとは思うけど、少し攻撃が素直すぎる」

 

 

 兵藤先輩は正直言って強い。

 眷属になる前からどうやら強かったらしいし、戦車として全力で挑んでみたけど、私の攻撃は掠りもしなかった。

 

 

「もう少し相手の虚を突くようにした方が良いな。

例えばフェイントを混ぜるとか……」

 

「は、はい……」

 

 

 最近のこの人は結構落ち着いている。

 それはきっとライザーさんや一誠先輩が町から居なくなったからなんだろうと思うのだけど、代わりとばかりに私に絡む頻度が高くなった。

 多分表には出さないけど、私がレイヴェルや一誠先輩を好いている事への牽制と監視なんだろう。

 

 それは部長の命令なのかもしれない。

 

 

「それを踏まえてもう一度だ」

 

「はい……」

 

 

 確かに自分の仲間が気に食わない相手と仲良くしているのを見るのはいい気分ではないのだろう。

 その気持ちは私もなんとなくわかってしまう。

 

 その意味では私は部長の眷属としては失格だと思う。

 

 

(でも、それでも私は……)

 

 

 でも私は止まりたくはない。

 この気持ちを捨てたくはない。

 私でも誰かを好きになれるって気付かせてくれたこの気持ちだけは……。

 

 

「あぐ……!」

 

 

 それにしてもこの人本当に強い……。

 そういえばこの人が眷属に入ってから部長や副部長や祐斗先輩も強くなってるみたいだけど、だとしたら部長の眷属によくなれたなと思う。

 

 私? 私は最近もっぱらシトリー先輩――いえ、マスターに色々と教えて貰っていたりするのでちょっとは強くなれたと思うけど、ライザーさん達は大丈夫なのかな?

 

 ライザーさんと一誠先輩があのアーシアって人の為にレイナーレ一派を殲滅したのは知っているけど、どれだけの実力なのかは正直わからないし……。

 

 

 

 

 生徒会長が風紀委員会も兼任し始めた事で、先代となった霧島一誠がどれだけ見逃していたのかを半分は後悔と共に思い知る生徒達。

 それは生徒会の役員――そして眷属である者達も同様であり、霧島一誠が退学となって人間界から去ってしまった後の主の豹変さに困惑ばかりであった。

 

 

「会長が風紀委員会を兼任された事で、確かに学園内の風紀を守るものは多くなりましたが、少しやり過ぎなのでは……?」

 

「生徒達が息苦しさを感じていて、不満を持つ者も出てきています……」

 

「先代の委員長が見逃していただけで、私はその緩さを元に戻しただけよ。

つまり今の状態こそが基本であって、私もそこまで締め付けてはいないの」

 

 

 『会長』と『風紀』の腕章を身に付けるソーナは、部下であり眷属でもある者達からの報告をそう一蹴する。

 レイヴェル・フェニックスの眷属であり、先代の風紀委員長である霧島一誠のせいで主がおかしくなったと思っていたソーナの眷属達はその霧島一誠が消えた事でソーナも落ち着いてくれると喜んだのもつかの間、寧ろ霧島一誠の存在が無くなったせいでタガが完全に外れてしまった。

 

 それはまるで、今のソーナこそが本質であるかのように。

 

 大なり小なり眷属であった彼女等はここに来てやっとソーナ・シトリーの本質を知ってしまったのは皮肉な事なのだろうし、本質を隠していた頃のソーナに惚れてアレコレとした妄想を抱いていた兵士の少年は、今の現実がまだ受け入れられない。

 

 

「霧島のせいだ……霧島の……」

 

「さ、匙君……」

 

 

 確かに何も知らない者から見れば、霧島一誠がソーナに何かやらかしたからこうなったと思うのかもしれないし、現実を受け止められない匙元士郎はその典型であり、霧島一誠を荒らすだけ荒らして去っていった挙げ句、清楚なソーナを誑かしたクソ野郎と思い込む事で現実逃避をしている始末だ。

 

 

「会長、あくまでも霧島一誠はレイヴェル・フェニックス様の眷属です。

その……私達も今まで知らなかった会長のご趣味と合うからと贔屓にされたい気持ちはわかりますが……」

 

「贔屓? 何を言ってるの? 贔屓じゃないわよ?」

 

「は? では……」

 

「一目惚れよ、それの何が悪いのよ?」

 

『…………』

 

 

 そんな匙の為にソーナに物申した女王兼副会長の真羅椿姫に向かって爆撃のような発言をして絶句させてしまう。

 純血貴族のシトリー家の令嬢が他所の悪魔の転生悪魔の眷属に一目惚れなんて大騒ぎにもなりかねないスキャンダルなのだ。

 ましてや椿姫達眷属は最近兵士として加入した匙がソーナに惚れていることを知っている分、何故そんな他所の眷属なんだと思ってしまう訳で……。

 

 

「あーらら? 『他所の眷属――しかも周囲からの評判が相当悪い者に対して思うなんて……』って顔ね?」

 

「………。会長にはもっと相応しい男性が居るはずです。

正直私も霧島君は見ていましたが、会長には間違いなく相応しいとは思えません」

 

「も、もっと会長の事を大事にしてくれる人の方が……」

 

「あの人って女の人にだらしないと思いますし……」

 

 

 町に出てはライザーと人妻だの誰だのをナンパしまくってた光景を見ていたせいか、当たらずも遠からずな事を言う眷属達に、ソーナは鼻で笑う。

 

 

「相応しい、ねぇ? まるで私をアナタ達の知り合いとくっつけようとしているように聞こえるわ」

 

『………』

 

「既に幻滅しているであろうアナタ達を更に幻滅させるようだけど、相応しいとか相応しくないとか物差しで測ったような輩には興味なんてないのよ」

 

 

 己の本質を完全に解放しても尚変わらない。

 いや、変わらないどころかケタケタ笑いながら、『今のアンタの方が好きだな』と言うであろう存在は彼しかいないという確信が『良い子ちゃんなソーナ・シトリー』の仮面を壊していく。

 

 

「結果的にアナタ達を振り回す事になってしまっているのは申し訳ないわ。

でもね、それでもこの気持ちはどうしても抑えられないのよ――――だから私は悪くない。」

 

 

 それがソーナ・シトリーなのだから。

 

 

「………。わかりました。

しかし会長は何故『男子用のYシャツ』を中に着込んでいるのでしょうか? 明らかにサイズも合ってないようですけど……」

 

「思い出の為に譲って貰ったのよ……ふふ」

 

 

 

続く。

 

 

師と弟子

 

 

 リアス・グレモリーの戦車として今を生きる塔城小猫はまだまだ未熟な戦車なのかもしれない。

 

 だが塔城小猫としての顔はあくまでも表。

 少女は出会ったのだ――

 

 

「一秒で終わろうと永遠に続こうと、それがなに?

先のことを考えず今この瞬間だけを考えなさい。

私達の『探求』は生まれながら不自由なく大切に育てられる貴族の悪魔とは対極にあるのよ。

私達は最初から痛みを友とせねばならならい。自分に痛みを与えねば先を知ることはできないの」

 

 

 自分を解放できる師を。

 

 

「善だの悪だのという概念なんて所詮はどこかの誰かが勝手に決めた事でしかないのよ。

その概念を超えた私達にとって『まし』という言葉がなんの意味があるの? 

アナタはリアス・グレモリーよりマシなの? 姉である黒歌より優れている? その質問の答えはひとつしかない。命令を遂行するものがマシなの」

 

 

 

 当たり前のように聞こえるけど、どこか奥深さを感じるその言葉通り、白音としての自分を少しずつ解放していく。

 

 

「リアスはアナタの過去を考えて小猫だなんて名前を名乗らせたみたいだけど、そんな張りぼては必要ないわ。

まずは自分を解放しなさい。

結果を考えることはせず、不安は自分で物事を決めるための最初のステップになる。そして次は勇気が来る」

 

 

 自分を解放する。

 していたつもりで出来ていなかった事を解放師である彼女に言われるがままに解放すれば、少女は今までになかった解放感に包まれる。

 

 

「追うのではなくて呼びかけるのよ。

狙った獲物を目の奥で捉え、獲物が思わず近づきたがるものになりなさい。

求めるものを呼び寄せる時にも言えることよ。

相手が――霧島君が近づきたいものに、霧島君が魅せられ、近づかずにはいられないものになる。そうすれば必要な力だって思いのままにできる」

 

 

 その快楽を知ってしまった少女は少しずつ抑え込む事を辞めていく。

 好き勝手に――ただ身勝手に。

 

 

「私達のやり方は殆どの存在には身勝手で地に堕ちたと言うでしょう。

あるいは私達の行動はきっと『誰かのせいだ』と、誰かこんな行動をとらせたと、そうやって自分を納得させようとね。

でもそれは所詮憐れな正当化に過ぎない。

だからこそ、私達は最初から自分の精神に正直となって力の獲得に集中する。私達は決して言い訳を口にしない―――わかるわね?」

 

「はい……。

しかしマスター、私達が自分に正直になればなるほど、その火の粉が一誠先輩に飛んで行くのは……?」

 

「それで周りが彼に敵意を向けるのなら、私達が排除するまでよ。

それに、本当にそういう『関係』になってしまえば―――ね?」

 

「確かに……」

 

 

 秘密の師弟の暗躍はまだまだ続くのだ。

 

 

「それにしてもマスター。

どうやったら部長や姉様のような胸になれるのでしょうか?」

 

「突然変異としか言いようがないわね。

というかあんなに大きかったら邪魔にしかならないと思うわ」

 

「でもレイヴェルもちゃんとあるし、一誠先輩ってやっぱり大きい方が良いのかな?」

 

「……………。りょ、量より質よ……感度こそ大切よ!」

 

「そ、そうですよね……!」

 

 

 以上、ひんぬー師弟の秘密修行

 

 

 

 

 




補足

転生者としての力は確かに持ってます。

一応ね……


その2
もうここら辺からほぼ制御を止めはじめてるソーたん。
なのに何故かヘイトがどんどん一誠くんに向くというね……。


その3
こうして塔城小猫と白音を使い分ける事に……。
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