何やってるんだろ、俺…
「ますたー…どう、した…の?」
「なんでもないよ、心配してくれてありがと」
「ん」
納得したようにスリスリと擦り寄ってくる…
こいつには頼れる相手が俺しかいないのだと、そんなふうに感じてせめて自己満足でも一緒にいてやらないととそんなふうに思う。
まあそれはいいんだけど、とりあえず服ぐらい着て欲しいものである。
そんなことを思い、クローゼットを開けるものの男物の服しかない。
「…今度、フェイトに借りよう」
「おー」
ずっと俺にへばり付いて、小動物のヒナかコイツは…
「今はコイツで我慢してくれ」
「ん」
刷り込みって、こういうのなんだろうか。
特に何の文句も無く、着替え始める…訂正、着替えようとして止まった。
「ますたー」
「どうした?」
「これ、どう…する、の?」
「そこからか…」
生体デバイスにしたのは失敗だったかもしれない。
ここまで、生まれたばかりの子供のようだとは思わなかった。
「子育てって、大変なんですね…」
「なに、突然?それは確かに大変だけど、それってあなたの後ろの子に関係してる?」
「ええ」
さすがにこのままではまずいと、プレシアさんに相談に来てみることにした。
「詳しく話せる?」
「…はい」
俺は罪の意識から、事のあらましを包み隠さず話した。
結果、
「呆れたわ…馬鹿にも程がある」
もの凄く呆れられた。
「自分の娘のクローンを作った人の言葉とは思えないです」
「何か言ったかしら?」
「いえ、何も」
本当は、困ったら手に電気溜める癖は直してくださいって言ってあげたいです。
「それに今日からあなた、フェイトと一緒に残りのジュエルシード集めじゃ無かったかしら?大丈夫なの」
「大丈夫ですよ、簡単なルーチンワークですし」
「…あの子、結構苦労したって言ってたわよ?」
苦労って、一体何に?
確かに微量しか魔力の反応は無いから探し難いとは思うけど…
「ま、いいわ。約束の装置は完成したから、がんばってらっしゃい」
「了解です」
「…です」
プレシアさんと別れ、フェイト達の方へ合流する。
「遅いよ、凪斗!フェイトを待たせるんじゃないよ」
「あはは、ごめんよ。ちょっと、プレシアさんに相談しに行ってたんだ…って肝心なことを聞く前にはぐらかされてることに、今気が付いた」
「何やってるんだい、まったく」
呆れたように言うアルフさん。
アルフさんの背後にスタンバイする俺のデバイス…おい、何するつもりだ。
そのフサフサの尻尾は引っ張るんじゃないぞ?駄目だからな!?
コクコクと頷くデバイスさん。
よかった、分かってくれたか…
「えい」
「ヒャンッ!!?!?」
「アルフ!?」
分かってないじゃん!?
何で頷いたんだよおまえ…
と言うか、アルフさん案外かわいい悲鳴だなぁ。
「大丈夫、アルフ?」
「だ、大丈夫だよ、ビックリしただけだから…」
そこで言葉を止めてこちらを見るアルフさん。
俺は何もしてないよ。
「凪斗、その子誰だい?」
「え、デバイス?」
「何で疑問系なんだい…」
すると当の本人は何食わぬ顔でお辞儀していた。
何だか段々癒されるような気がしてきた。
「それじゃ、セットアップしてみるか?」
「ん」
いい加減時間が押しているので手早く済ませる。
「ますたー、名前…つ、けて?」
「あぁ、そういえばまだつけてなかったな…」
「え、まだ名前付けてなかったんだ」
フェイトが驚いた、という感じに声を上げる。
「そうなんだよ。いい名前が思いつかなくて、『ブック・エンド』とかどう?」
「さすがにそれは…女の子の名前なんだし」
「…いい」
「「え?」」
「ぶっく・えんど…かっこ、いい…」
目をキラキラさせて、思いのほか気に入ってくれたようだった…
「それじゃ、『ブック・エンド』セットアップ」
「ん、セットアップ」
そう、彼女が答えた途端、フッと体が消え去り一冊の本へと姿を変えた。
鋼色に輝く装飾の綺麗な本。
ただ、ブック・エンドって自分でつけておいて呼びずらいことが判明した。
「ブック・エンドじゃ呼び難いから愛称で呼んでいい?」
≪ん、わかった≫
「じゃあ、シフォンね」
≪ん≫
シフォンにした理由は、ブック・エンド→本・終→終・本→しゅうほん→シフォンである。
愛称なんてこんな感じで決めればいい。
「バリアジャケットは?使わないの?」
「何それ?」
そのあとフェイトが苦笑いして、ある程度のことを教えてくれた。
バリアジャケットはポケットのいっぱいついた深緑色のローブ。
これなら顔が隠せて都合がいいし、森にも夜にも紛れ易い。
「それじゃあ、行こう」
「期待してるよ、凪斗」
「了解、ちゃっちゃと済ませよう」
今日中だ。今日中に全部、終わらせてやる。
覚悟しろよ?腐れ銀髪野郎…!
他の小説を見るとよくオリ主の設定資料のようなものを見るのですが、需要があるなら書いてみますので言ってください。
感想や一言等、言いたいことは何でも言ってくださいね。