約一週間ぶりの我が家…
まぁ、実家じゃなくてアパート「
気持ちとしては、「私は、帰ってきた…!」的な?
この一週間は、いろいろあって疲れたなぁ。
ほんと、何で俺がこんな目に…
何はともあれ、時空管理局と手を結べたのは僥倖だ。
銀髪も引き込めたし戦力は、まあ足りるだろ。
問題は残りのジュエルシードだな。
「それにしても、銀髪が上手い具合に記憶を無くしてくれて助かったな…俺が正義の見方風に喋ったら簡単に信用しちまうんだから、自重を忘れそうになったわ」
ククク…ッと、黒い笑いが止まらない。
「…ますたー、じじゅう」
「悪い…」
「ん」
今は、おそらく艦長さん――確かリンディさんだっけ?が、放ったと思われるサーチャーも全部潰し終わって監視も無いので、シフォンを待機状態に戻している。
ずっと本のままでも構わないらしいが、俺が構う…
幾らチートだなんだと言っても、俺は俺なのでどこまでも一般人感覚が抜けないのだ。
女の子を動けなくして持ち運ぶとか…俺の精神衛生上無理だと判断した。
あの会談?のあと、一度時の庭園にも戻ってプレシアさんやフェイト達にも話は通してきた。
テスタロッサ家に総出で心配したと激怒されたのは余談だ。忘れたい…
「…ん?凪斗の坊やかい?えらく長いこと部屋を開けていたみたいだね…“コレ”の所かい?」
久しぶりに会った湯葉婆さんが、小指を立てて茶化そうと笑みを深める。
まったく、お茶目なお婆さんだ。
「あはは、いたら嬉しいんですけどね…」
「なんだい、違うのかい?」
こりゃ、当てが外れたね。と、面白くなさそうな顔をしていたが、ふと俺の後ろを見てまたしても笑みを深めた。
「それじゃあ、あの子はなんなんだい?これじゃあ、ないのかい?」
しまった、シフォンを待機状態にしたままだった…
「違いますよ。友達です。友達」
「へぇ~、まあそういうことにしておいてやろうかね…」
それだけ言うと、湯葉婆さんは自室に戻ってしまった。
最近、自分でも気が付かない内に嘘が上手くなってきている気がする。
「シフォン?行くよ?」
「ん」
呼べば、トコトコと付いて来るこの子が俺の友達ね…
自分で言ってなんだけど、俺なんかの友達とかこの子が可哀想だ。
そんなわけ無いのにさ。
部屋の中に入って、しっかり手入れがされていたことに驚きつつも「友達」という単語が妙に引っかかり、シフォンへ視線を移した。
そういえば、この子には友達がいないな。
見た目は同い年ぐらいの女の子で、ちゃんとしゃべれると言っても、この子はまだ生まれたばかりの赤ん坊と一緒だ。
俺に懐いてくれるのは嬉しいけど、それじゃ俺に依存してしまう。
そうなる前に、いろんな人と話させてコミュニケーション能力を上げた方がいいか。
「なあシフォン?」
「?」
「友達、欲しいか?」
するとシフォンは、しばらく考え込むようにして首を傾げたあと、こう言った。
「友達って、何?」
「そうだな、簡単に言えば一緒に遊んでくれる人の事…かな?」
「…なら、ますたーがいる、よ?」
もう、俺は駄目かもしれん…
純粋すぎて存在が浄化されそうだ。
「い、いや、ほら、俺以外にだよ」
「…?ますたー、遊んでくれないの?」
「グフォ…!?」
涙目…だと!?こやつ、何処でそんな高等技能を!?
「は、はは、そうじゃ、無くてな?俺以外にも友達はいた方がいいんだよ、シフォンの為にも」
「…ますたーは、しふぉんにともだち、いるほうがいい?」
「そうだな、いる方がいいとは思ってる」
「ますたーが、よろこぶなら、ほしい」
動機はどうあれ、取り敢えずは動物で様子を見るか…
そこから、他者との関わり方なんかを学んでくれるといいんだけど。
そう思い、インベントリから、白蛇を取り出して言う。
「ああ、まずはこの子と友達になってみてくれ、判らない事があったら聞いてくれたらいいから」
白蛇はスルスルと俺の手からシフォンの方へと這って行った。
この白蛇は普通の白蛇じゃない。
シフォンの前に作った試作型の一体だ。
もちろん昨日のうちに、シフォンを作ったときに得た情報を基にして手を入れてある。
「わかった…なまえは?」
「………その子にはまだ名前が無いから、シフォンが決めてやってくれ。シフォンが友達に送る最初のプレゼントだ」
「ん。なまえ…へび…しろ…」
また考え込み始めてしまったので、仕方なく他の事をすることにした。
そういえば、あの銀髪から切り落としたジュエルシードはどうなっただろうか。
かなり中身が育っていた様だったし、残りのジュエルシードを探して動き出していても不思議じゃないんだけどな。
後もうひとつ気がかりなのは、内の義妹の事なんだよな。
プレシアさんの話じゃ、銀髪に関する全ての記憶が抜けてるそうだけど…
◆
う、うぅ…
今日はさすがに凪にぃ、いるよね…
昨日はいなかったけど、さすがに昨日愛しの妹と喋れなかったんだから、今日はさすがにいるはずだよね。
「…あ、もしもし。魅音だけど、凪にぃいる?」
『やぁ、魅音か。久しぶりに声を聞いたよ、元気かい?』
「なんだ、お父さんか…ガッカリ」
『…久しぶりに、娘が電話してきたと思ったらガッカリされた。誰かもう少し僕に優しくしてくれないかな…』
たぶん今頃、床に手を着いて失意体前屈でもしているのだろうが見えないし伝わらないのでさっさと用件を済ますことにした。
「まあいいか、お父さん?凪にぃいる?」
『え?凪斗ならそっちに…あ、今の無し!!なんでもないからね?母さんには言わないでおくれ!?『…何を言わないでって?』ヒッ!?…ガチャン…プツッ…』
「凪にぃが、こっちに来てる…?何でこっちに来ないんだろ?凪にぃはシスコンだから、直ぐに私に会いに来ると思うんだけどなぁ」
電話の向こうで何があったかは知らないけど、凪にぃがこっちに来てると思うともう頭の中がいっぱいで、そっちはどうでもいいことに思えた。
「どうしよう、探しに行こうかな?4年ぶりに顔を合わせるから楽しみなんだよね!」
≪マスター、その、凪にぃという人物はいったいどういった人物なんだ≫
≪そういえば聞いたこと無かったね。度々、マスターの話に出てくるけど…≫
「え、んー?私の自慢の
この二つが、これ以上ないくらいに的確に凪にぃを表している表現だと私は自身を持って言える。
うんうんと、気分良く頷いていると、
≪いや、ちょっと待ってくれ…シスコンなのに自慢の兄なのか?≫
デネブがよく分からない事を言い出した。
「え?シスコンは自慢の義兄の第一条件だよね?」
≪え、えぇ…それはどうなんだろ…?≫
「むぅ、ベガまで…いいもん、1人で探しに行くから!」
二人を指から外してベットへ放り投げた。
≪お、おい!マスター!?≫
何か聞こえたけれど、無視して凪にぃを探すことにした。
◆
「…そうだ、シフォンの服買わないと」
「じょうかまほうで、きれいにするから、いい」
「いや、服はいるんじゃ…」
「いい…」
「そう?」
何故だろうか、さっきから買い物に行ってシフォンの物を買う話をすると全部拒否されるんだが…
未だに名前を決められずにジーと白蛇を見ているシフォンを見て、一緒に行こうかと思っていたのを諦めた。
考え事の邪魔をするのも気が引けるし、前方不注意のまま連れて行くのも危険だと思ったからだ。
「まあいいか。少し食材の買い足しに行ってくるから」
「わかった。…あ」
「どうかした?」
すっかり忘れていたとでも言うかの様な声だったので、気になって聞き返してみると、少し悩んで口を開いた。
「…いってらっしゃい」
「…ああ、行ってきます」
ちょっと身構えていた分、逆にキョトンとしてしまったけど、我が子が成長したような喜びがそこにはあった。
ただスーパーに買い物に行くだけの話なんだけどな?
銀髪との邂逅部分は完全にすっ飛ばしました。
何と言うか…そう、書きたくなかった。
それにしても、どんどん更新が遅くなっていく…
新作のゲームなんかを買ってしまうと、ついついそっちばっかりやってしまって全然話が進まなくなるんですよね…