Side 銀髪
俺の名は竜崎 剣也(りゅうざき けんや)、元高1の現幼児だ。
元高1って言うのは、俺が神の野郎にミスで殺されてこの世界、リリカルなのはの世界に転生したからだ。
でも、ある意味殺してくれてありがたかったかもしれない。
前世の俺はキモデブなオタク、所謂キモオタだった。
だが、神から与えられた4つの転生特典に『銀髪オッドアイの美形』、『ニコポナデポ』、『無限の剣製』、『SSSの魔力』を頼み、
転生した俺は、異様にカッコいい最強のオリ主になっていた。
コレならきっとどんな女もいちころだろう。
この世界でハーレムを作る。コレが俺の目標になった。
あれからいろいろあって俺は五歳になった。
今日は原作でなのはが公園で泣いているはずの日だ。
どうやって慰めようかと俺はウキウキしながら家を出た。
だが、公園についてみれば、なのはは既に友達がいてその娘と楽しそうに遊んでいた。
な、何だそりゃ!まさか、他の転生者?いや、イレギュラーか?
いや待てよ、逆に考えれば攻略対象が増えたんじゃ…
そう考えれば、やることは1つだった。
「なあ、俺も入れてくれねぇか?」
そう、この俺が頼めば入れてくれるはずだ。
なぜなら俺はカッコいいからな。
「えぇ、どうする?なのはちゃん」
「ごめんなさい。今日は2人で遊ぼうって魅音ちゃんと約束しちゃったの」
な、何!?断られただと!?な、何故だ…
そ、そうか!恥ずかしがってるんだな?
そんなの気にしなくてもいいのに。
「ふ、別に恥ずかしがらなくてもいいんだぜ?」
「ふぇ?」
俺は、恥ずかしがっているなのはの頭を撫でようと手を伸ばした。
が、直前で叩かれた。
「あんたねぇ、女の子の頭に軽々しく触れようとしない!」
「なんだよ?嫉妬か?」
そう言うと、見つめてくる。
やはり嫉妬か。
「なのはちゃん、行こう?」
「う、うん」
「な、ちょっと待てよ」
走って行ってしまう2人を追いかける。
そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに、かわいい。
すると、行く手を遮るように髪の長い(年上だろうか?)女性が現れた。
「あのさ、二人とも嫌がってるみたいだからやめてあげて欲しいんだけど」
「あぁん?誰だお前?それに、アレは嫌がってるんじゃなくて恥ずかしがっているだけだ」
嫌がってる?何を言ってるんだ?
目が曇ってるんじゃないか?
「こんな事言ってらっしゃるんですが?」
「「それは無い(の)」」
「フッ、恥ずかしがるなって!」
「2人は違うって言ってるけど?」
「さっきから何なんだお前は!?…あ、もしかしてお前も俺のことが好きで2人に嫉妬してるのか?」
良く見れば、コイツは2人がかわいい系だとするなら、綺麗系だ。
結構タイプかも。
「お、お前、もしかして『バイ』なのか?俺は男だぞ!?」
「何!?男ぉ!?…ッ!そうかお前も転生者だな!?」
そうか、俺と同じで転生特典に男の娘でももらったんだな?
俺の純情を弄ぶとは、許せない!
「?何のことだ?やっぱり精神科を進めた方が良かったか?」
この、シラをきるつもりか!?
この場で殺してやる!
「うるさいっ!喰らえ!!」
無限の剣製を使い干将・莫耶を作り出し切りかかる。
「あぶなっ!?」
ギリギリで避けられた。
ギリギリでしか避けられないのかよ!雑魚が!
「ちっ!上手く避けたみたいだな。次は外さない」
「殺す気か!?避けなかったら死んでたぞ!?」
「死ねぇ!」
このとき俺はあいつが余所見をしたことに気が付いた。
今だ!と思い、一気に加速し突きを入れる。
右手に握った干将から肉を抉った感触がし、ヤツは倒れた。
オリ主である俺の邪魔をするからこうなるのだ。
悪く思うなよ…な~んてな!!
「ふ、ふはは…やった?あははは…邪魔者が1人減ったずべぇ!?」
「おいこら、勝手に殺すな。それはダミーだ」
今殺したはずの相手から後頭部に強い衝撃を受けて、俺は意識を失った。
Side out.
Side 凪斗
「ふぅ、さすが非殺傷フライパン!相手を気絶させる武器は役に立つね、ホント」
パンパンと、フライパンを手で叩きつつ調子を確かめる。
何も無いところから出した為にいつの間にフライパンを!と思わせられるかもしれないが、これはMMORPGのアイテムだ。
要するに、同じくアイテムであるアイテムインベントリから取り出しただけ。
ついでにインベントリは何も無い空間に腕を突っ込んで取り出すタイプだ。
もう1つの種明かしは、
――回避スキル『空蝉』攻撃を受けたときダミーと入れ替わり相手の後ろに現れる技。再使用時間30分
俺の転生特典の1つ、死ぬ間際にしていたVRMMORPGのアバターのスキル。
その中の回避スキルの技の1つがこれだ。
実はこの『アバターのスキル』という特典は予想以上のチートだった。
同時に6つまでのスキル効果を得ることが出来るのがこの特典の効果だ。
例えば、剣術スキルをつけている間、剣術の腕が達人級になるとか。
料理スキルをつけている間、料理がプロ並みになったりするのだ。
つまり、スキルを付け替えれば一度に6つまでの才能を開花させることが出来るのだ。
さらに、スキルにはいくつかの技が設定されていて何回でも使える。
挙句、スキルにはステータス補正というものが付いている。
まさに、アホみたいなドチートである。
ただ、俺の覚えていたスキルしか使えないし、滅多な事では使いたくないのが本音だ。
こんなものを日常生活で使うのはなんだかズルをしているみたいで嫌だった。
「さて、魅音達を探すか…」