魔法少女リリカルなのは-4人目の転生者-   作:Wisadm

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7.俺って一体…

 

「うぅ、もう少し早く気付ければなぁ…」

 

ええ、そうです。

風邪を引きました。

アレだけ効果の高い魔法を使ったんです。

魔力が底をつきました。

どんだけ俺の魔力低いんだよ、泣くぞ!

まぁ、神に魔力を頼んでないのに魔力があったこと自体が奇跡に近いですけど。

 

「というわけで、魔法で直せることに気が付きました」

 

まさか、魔法が風邪にも効くとか思いもしなかった。

昨日使った『ヒール』とは違う、『リカバー』という状態異常回復用の魔法だ。

やったねこれで病とおさらばだ!

もう、寿命と即死以外じゃまず死なないね。

どんどん人間からかけ離れていく気がする…

 

さてと、具合も良くなったことですし、なのはの所の喫茶店にでも行こうかな。

え?朝ごはん?昨日、しんどいから明日はお願いしてもいいか魅鐘さんに聞いたらお許しが出たので任せました。

 

 

 

「で、何で魅音がついて来てるんだ?」

「見張りに」

 

何のだよ…

 

実は今朝ふと、翠屋の場所が分からないことに気付き、魅鐘さんに聞いてみた所。

 

「翠屋?ええ良く知ってるわよ。私常連だしね…あそこのものは大概なんでも美味しいのよ!それにね、あそこの……――……なのよ?もう凄いでしょう?それからそれk…え?場所?それなら…」

 

と、まあ主に店のいい所の話の後、異様に分かりやすく教えてくれた。

ただ、時間がかかりすぎて魅音に嗅ぎ付けられたのだ。

 

「まあ、女の子の家に野郎1人って言うのもアレだしちょうど良いか…」

「何か言った?」

「いや、何も?」

 

にしても、本当に不便だなぁ、五歳児ってヤツは…

歩いて十分って聞いてたんだけど、俺達には遠く感じるな。

 

「あ!あれじゃない?」

 

魅音の声のした方向に目を向けると、翠屋とデカデカと書かれた看板が掲げてあるオシャレな店が見える。

今の時間帯だと奥様方が多いようで店はそれなりに繁盛しているようだ。

中では、なのはをそのまま大人にしたような人が店を切り盛りしている。

見た目が、20前後に見えるので多分お姉さんだと思う。

もしお母さんだと言うならギリギリ犯罪じゃないだろうか…

ただ、少しやつれてないか?

 

「取り合えず何か食べるか?お金なら俺が出すから何でもいいぞ?」

「え!?いいの!?」

 

おい、何だその意外そうな目は。

しかも段々懐疑的な視線になっていく。

 

「まさか、お母さんの財布から…!?」

「しないよ!!これは全額俺の金ですぅ!」

「えぇ!?それおかしいよ!私と同じだけしかもらってなかったじゃん!なんで無くならないどころか、増えてるの!?」

「魅音と違って無駄遣いどころか、ほとんど使ってないからだよ…今、三万くらいあるんじゃないかな」

「…マジで?」

「オオマジ」

 

皮肉を込めてニッコリ笑って返してやる。

すると、少しずつ顔が青くなっていった。

いい気味だ。

 

「凪にぃは優しいから奢ってくれるよね?」

 

はぁ。この子はホントに…

 

「そうだな、貸し1つで手を打とう」

 

そう思いつつ甘やかす俺は、やっぱシスコンなのかな。

 

「やったぁ♪さすが凪にぃ。今ならお嫁さんになってあげてもいいよ?」

「散財しそうだからやだ」

「なっ!?」

 

本当に調子の良い義妹君だな…

 

「いらっしゃいませ!」

「あ、いえあの、なのはちゃんはいますか?」

「ああ、なのはのお友達の娘ね!ありがとう。あなた達のおかげで家族がばらばらにならないですんだわ。本当にありがとう」

「僕は何もしてないですよ。お礼ならこの子に」

 

そう言って、魅音を前に押し出す。

実際、俺には何のことか分からない位に関係していない。

 

「そう、あなたが…本当にありがとう」

「いえ、そんな…」

「それで、なのはちゃんはいますか?」

「あれ?凪斗くんに魅音ちゃんだ!何か御用なの?」

「あはは、遊びに来たんだよ。それとほら、約束もあっただろ?」

「あ、うん。お母さんちょっと出てくるね!」

「ええ、行ってらっしゃい。気を付けるのよ?」

「はーい!」

 

そして意気揚々と店を出た。

…のだが、しばらくして、魅音がピタリと止まった。

 

「どうした?」

「翠屋のケーキ…食べ損ねた…」

「あ、そう言えばそうだ。忘れてたな…」

「うぅ…、凪にぃ…」

 

涙目で見上げてくるな。

まあ、俺も食べたかったしちょうどいいか。

 

「はぁ。分かった分かった、帰りに買ってあげるから俺の服で顔を拭くなって!」

「やったぁー!さあさあ、さっさとお見舞いにレッツゴー!」

「ちょ、ちょっと待ってなの、魅音ちゃん!」

 

まったく、なのはより先に行ったら場所が分からないだろうに。

 

 

 

「なのは、ここで間違いないよね?」

「うん、ここなの」

「じゃあ、入るか」

 

病室のドアを開けて中に入る。

病室のベットでは、5歳の子供がいるとは思えないほどの男の人が眠っている。

――病室間違ってないよね?

 

「お父さん…」

 

マジであの人がお父さんか、なのはのお父さん若いな…

 

「そろそろ帰ろうよ」

「そう、だね」

「きっと良くなるって」

「うん」

 

病室の窓から外を見るともう暗くなり始めていた。

少し急いで病室を出て、外へ。

そろそろかな?

それなりに、病院から離れてからそれに気付いた振りをする。

 

「あ、ごめん2人とも、さっきの病室に財布置いてきたみたい。追いつくから先に戻ってて」

「え、ちょっ」

 

急いで、病室まで戻る。

それはもちろん財布のために!中身、三万円入ってるからさっさと取りに戻らないと!

 

――とかではなく、なのはのお父さんの治療のためにだ。

さすがに、二人の前じゃな…

 

「それじゃ、スキルを付けて…」

 

――魔導師セット

――治癒セット

――精神セット

 

魔導師…全ての魔道に通じる魔導師のスキル。

治癒…治療ではなく治癒、つまりは再生や自然回復を行うスキル。

精神…集中力や無意識を操作しやすくするスキル。

今回はこの三つを併用して使う。

 

「まずは、集中力を上げて…魔導師のスキルで魔力を操作、治癒の魔法をこの人に使う」

 

『集中』して、『制御』…『ヒール』と『リカバー』を同時使用。

細胞の活性化を確認、意識の回復を助長、睡眠状態を維持、明日の朝に意識が戻るようにして…

集中のスキルがあっても脳への負担が酷い操作を続ける。

 

「お休みなさい」

 

術式が終わって、額に大量に噴き出た汗を拭う。

 

――スキルをリセット

 

ああ、疲れた。

魔力ももう無いし、精神的にしんどいな…

 

「少し休んだら急いで、2人に追いつかないと」

 

それから1分ほどして、俺は走って病室を出ていった。

 

翌日、なのはの父親は意識を回復。

数日後には店でバリバリ働いている所を発見した。

 

それを見たなのはの笑顔が輝いていたのが、記憶に新しい。

きつかったけどそれなりに収穫はあったかな…

 

それからもたまに遊んだりしていたのだけど、いつまでもは続かなかった。

7月の終わりに秋さんの都合で、夜霧の家は引越しが決まったのだ。

 




無印の前はここまでにしようと思います。
次回からはそのまま無印に移行しようかと。

魔法二回で魔力切れになる主人公…
それ以外は結構チートのはずなのに、あんまり出せずじまい。
無印からは出せるように頑張っていきます。

感想もしくは駄目出し、アドバイスや評価など励みになりますのでいただけると嬉しいです。
それではまた次回。
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