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前回のあらすじ
パチュリー「やらせはせん!やらせはせんぞ!」
霊夢&魔理沙side
少し目を離すと珀雲がいなくなってしまった。
急いで探しに行こうと思ったがここは敵の領域………どんな敵が来てもおかしくはない。
それなら早く異変の犯人を倒した方が効率的で最も正攻法だという考えに至る。
そう霊夢と魔理沙が相談していたところに一人の銀髪の少女が突如として現れる。
いくら話しあっていたからといてさっきもいたとおり、ここは敵の本拠地………
油断など一ミリもしていなかった。なのに気付けなかった。彼女は
身長は霊夢よりは高く、美鈴と同じくらいだろう………そしてメイド服を着ている時点で
この屋敷の主に仕えていることが分かる。彼女は霊夢と魔理沙を一目見て溜め息をついた。
「まさか………囮作戦だったとわね。逆狩 珀雲だったかしら………彼はもうパチュリー様と交戦なされていますが、
貴女たちがいないことが不思議だったのでここに来てみれば………」
「珀雲め………抜け駆けは許さないぜ!」
「そういう問題じゃないでしょ。こいつは敵………」
「そっか!こいつを倒せば抜け駆けにはならない………」
「でも、珀雲を助けたかったら先に行きなさい。こいつの相手は私がやるわ。」
「う~ん。分かったぜ!そいつは任せた。」
魔理沙が箒に股がって飛び立とうとすると一瞬の内に銀髪の少女が目の前に移動していた。
不覚をとったと思うわけでもなく、魔理沙はニヤリと笑うと少女ははっと気づく。霊夢がいつの間にか隣にいることに………そしてまた一瞬で消え、階段の途中にこれまたいつの間にかいる。
彼女は苦虫を齧ったように顔をしかめる。
「ち!逃したか………」
「面倒な能力のようね………」
「そうでしょうね。この【十六夜 咲夜】の生まれたときから忌み嫌われたこの力………全て【お嬢様】に捧げるだけ!」
「こっちはさっさと倒してお茶が飲みたいだけよ!」
霊夢と少女が衝突した。咲夜は手にいくつかのナイフを持っており、それで霊夢を傷つけようとしていたが、霊夢はお祓い棒で防ぐ。お祓い棒は見た目どうり木で出来ているので少し凹みができる。
それをじっと見てから弾幕を放つ。咲夜はナイフを投げる。どこから出ているのかは分からないがほぼ無限に現れる。流石にキリがなさすぎである。
何かトリックでもあるのではないかと霊夢は目を細めて咲夜を見る。
咲夜がポケットから1枚のカードを取り出す。スペルカードだ。スペルカードとは大体、その人に合った弾幕が封印されている。
能力を持っている者は能力に依存したスペルカードが大半だということだ。
彼女がスペルカードを使えば、もしかすると能力が見抜けるかもしれないということだ。
「奇術【ミスディレクション】!」
彼女が使ったスペルカードは無数のくクナイのような弾幕がばらまかれる。
するとさっきまでいた場所に咲夜はおらず、その代わり、反対方向にいた。
そっちからは緑色のナイフが飛んでいく………さらに咲夜は追い打ちをかけるようにもう1枚のスペルカードを取り出して発動する。
「幻在【クロックコープス】!」
彼女がそう叫んだ瞬間。二人の間の空間に一瞬で無数のナイフがばらまかれている。
「!?」
驚きのあまり少しナイフが服をかすってしまう。
しかし霊夢は見ていた。咲夜が飛んでいた位置がナイフが突然出現したときにずれていたことに………テレポートするだけなら能力の説明は簡単だ。だが、どこか違う。
もう少し情報があれば分かるのだが………すると何かが見えた。
咲夜が………彼女がテレポートするときに【何か】が、霊夢は弾幕を精一杯避けながら
必死に思い出す。さっき見たものはなんだのか………金色のなにかだった。丸くて片手で持っていた。
なんだ………あれじゃない………これも………時計………そうだ!時計だった!咲夜が持っていたものがわかれば能力もすぐに分かった………そうしたら対策も簡単だ。
あとは………もうないかな?
「分かったわ。あんたの能力………【時を操る程度の能力】ってところかしら?」
「!?………参ったわ。隠し通せると思ってたのけど………」
「流石に分かりやすかったもの………さて、そろそろ反撃させてもらいましょうか………
霊符【夢想封印】!」
霊夢の十八番技………夢想封印が繰り出される。勿論、咲夜は時を止めて逃げようとする………が、体が動かない。慌てて足元を見ると御札が咲夜の足を囲むように張っている。
そう結界が作られていたのだ。痛みも何も感じないので気づかずに地雷を踏んでいるとも分かるはずもない。
咲夜はここで負けを認めていた。動きを封じられ、追尾弾を出されているのならもう勝ち目はない。
(お嬢様………すいません)
咲夜は目を閉じた。
咲夜が目を開けるとそこには目の前に霊夢が立っていた。
吃驚して飛び上がろうとしたが、さっきの痛みのせいで、動きにくくなっていた。
そして霊夢は咲夜が起きたのに気づくとはぁ………と溜め息をついてから、
「やっと起きたわね。さぁ、さっさと立ってあんたのとこの主の元へ案内しなさい。」
「………私は貴女に負けた身、敗者は勝者の言うことを聞く………勿論よ。こちらです。」
「そ、」
「言っておきますが、お嬢様は強いですよ?」
「そいつがどれだけ強かろうと私は私が信じた道を行くだけよ。」
「そうですか………私もです。私もお嬢様が勝つことを信じてます。」
「「………」」
そのお嬢様の部屋に着くまで彼女たちはずっと無言だった………
魔理沙side(第三者視点)
至るところにある廊下から手当たり次第に探している。
しかし、どこにもいない………さらに奥へ奥へと進んでいく………すると、
一人の女を見つけた。魔理沙には分からないが、こぁだということが見て取れる。
更にはその部屋の奥で誰かとしゃべっている………男の声だった。声の主を珀雲だと思って魔理沙はこぁを押しのけ部屋に入る。
そこにいたのは身長は珀雲と同じで珀雲が幻想郷に来る前に来ていた服と全く同じ服を着た一人の少年だった。
珀雲とは違い、髪型はオールバックで黒髪だが、それ以外は珀雲とあまり変わらない。
雰囲気はまるで違うが………
そしてその少年は魔理沙を見てかなり吃驚したような顔になる。
「そんな………【
「は?だ、誰だぜお前は………」
「(しかし、璃紗が幻想郷にいるなんてありえない)ブツブツ………」
「あ~言葉が通じてねえのか!?私は霧雨 魔理沙だ!………おい!珀雲みたいな奴!
璃紗って誰だよ!」
「珀雲!?そうだ。こうしちゃおれん。早く珀雲に会いに行かなければ………!」
「………本当に言葉が通じてないのぜ?」
魔理沙が呆れているとさらに廊下の奥から爆音が鳴り響く………
さっき押し飛ばした女が「パチュリー様!」と言って爆音が聞こえた場所に急いで走る。
それに続いて珀雲によく似た奴も走る。だが彼の場合、走るというよりはさっきエントランスホールで会ったメイドと同じようにテレポートして移動している。
それに呆然と見ていたが、はっと我に返ると、魔理沙も彼らに続く………
そういえばメイドもパチュリー様とかなんとか言っていた。
パチュリー様と交戦中だって………そう言っていたはず………ならば、今の爆音は珀雲がパチュリーとかいうやつと戦っているものではないのだろうかと思ったのだ。
魔理沙は自身の最高速度で爆音が聞こえた場所に向かって飛んだ………
珀雲side
「中々だな!パチュリー!」
「そっちこそ!はあ!」
「おわっ!と、お返しだ!」
「きゃあ!」
「もう一丁………む!」
パチュリーは珀雲が放った高速の弾幕に、珀雲はパチュリーが放っていたレーザーの微妙な残骸に被弾し、
ピチューンする。これでお互い残り残機は1となった。
しかし、体力が残っていたのは珀雲の方だけだった。パチュリーは倒れたまま、蒼白な顔になっている。
これはきっと貧血なのだろう………これでこの弾幕ごっこは幕を閉じた。
ドサッ!
さすがの珀雲も今回ばかりは体力を使いすぎたのだろうか………腰が砕けたように持ち上がらない。
だけれど顔はとても満足感でいっぱいだった。これだけ、楽しめたのは魔理沙と初弾幕ごっこをしたとき以来だ。それよりも前は………無かったと思う。やはり幻想郷はいい。
これは癖になりそうだ。暫しの間、体力の回復に努めた。
そして最後に気絶しているパチュリーに向けて聞こえないだろうが小さい声で
「【言葉は凶器】だ。覚えとけ………」
少し過去へと………
晴side
俺はまた珀雲の部屋に来ていた………
やはり気になる………あの魔法陣………何かを吸い込むような不思議な模様に興味が出てきた。
知的好奇心というものだ。彼が何をしていたのか分からないからこそ、あの魔法陣には何か意味があるのではないだろうかと
考えてしまう………そして魔法陣が描かれた紙を手に取る。やっぱりこれには何かがある。
本当に魔法があったのだろうか?いや、魔法陣なんてそもそも聞いたことがあまりない。
陣といったら、背水の陣とか、大阪夏の陣とか色々あるけど、その陣じゃなくて何か地面とかに描く方の陣ってたしか………転送魔法陣とか?………まさか!
そう思って紙を手放そうとしたが、もう遅かった。魔法陣は急に渦のように回り始め、
晴は本当に吸い込まれてしまった。
気が付くとそこは一面赤ばっかりの部屋だった。
そこにいたのは紫色の帽子を被っていて紫色の髪の寝巻き姿の女だった。
え?なんで俺はこんなところにいるの?なんでこんな超不気味な場所にいるの?
あれまじで転送魔法陣だったの?情報処理が追いついていない俺を横目にその寝巻き女は
後ろの幼女に話しかける。
「成功よ。【レミィ】………」
「やったわね。【パチェ】これで異変の可能性はぐんと上がったわね。」
「それよりも彼、分からないことだらけだと思うのだけど………」
「え?あ、そうね。こほん。お前………名を何と申す?」
若干というかとても古い言い方で言われた。この幼女………いや、【レミィ】とか呼ばれていたのは
歴史マニアなのか?それよりも名前か………
「………俺は皆原 晴。晴でいい。」
「そう………私は貴方を召喚した【パチュリー・ノーレッジ】よ。好きに呼びなさい。」
「そして私がこの【紅魔館】の主。【レミリア=スカーレット】よ。そう………晴というのね。
好みの血の味がするわ………」
屋敷の主!?この幼女が!?と思ったけど焦っちゃダメだ。よく考えたらそんな奴、外の世界にはどこにだっているじゃないか!
………ん?俺………今、【外の世界】って言ったか?
いや、まぁ………そうなのだろう………だってパチュリーは俺を召喚したと言っていた。
まさか、見知らぬ人にドッキリを受けるほど俺は馬鹿じゃないし、注意力がないわけでもない。それにパチュリーは普段、嘘をつかない人なのだろう………真実に聞こえる。
だったらこの世界は【異世界】ということか………っていうかレミリアさっきかなり物騒なこと言ってなかったか!?
血の味って………まぁ、確かに血は流れているけどさ。よく見るとレミリアには黒い羽が生えている。コウモリの羽とかなり似ている。つまり彼女は信じたくはないけど、【吸血鬼】ってことか!?
\(^o^)/オワタ
血を吸われてオワタ。
ここで俺の人生も終わってしまうのか………
そう俺が落胆していると心配そうにレミリアが話しかけてくる。
「ねえ?あんたさっきから何してんの?」
「だって………そりゃレミリアが吸血鬼だって分かっちゃったし………」
「………外の世界の住人のくせに結構物分りがいいのね。正解よ。私は吸血鬼よ。崇高なる………ね。でもあんたの血は吸わないわ。」
「ありがとう!レミリア!」(ガバッ)
嬉しさのあまりレミリアに抱きついた。レミリアの体は少し冷たかったが、俺が抱きついたら
急に暖かくなった。そのせいなのか、レミリアの顔が赤面している。
「なっ!なによ急に………!」
「い、いきなり抱きついてごめんね?でも、死なないって分かったら嬉しくてつい………」
「謝れとは言ってないのだけど………ま、まぁいいわ。貴方にはこれからこの紅魔館の【執事】をやってもらおうと思ったのよ。」
「………執事………ねえ。別に一度はやったことがあるけど………」
「やっぱり経験者に限るわね。ふふふ………」
レミリアが不敵に笑う。そんな顔が少しお似合いだとは言うまでもなかった。
俺はニコリと笑う。
「これからよろしく。レミリア。」
「っ~~!///え、ええ。(その笑顔は反則よ………)」
「大丈夫か?かなり顔が赤いが………」
「だ、大丈夫よ………///そ、そんなことよりも私とパチェ以外の紅魔館の住人の説明と私達の目的について話すわ。」
吃驚した。この【幻想郷】という世界を赤い霧で包み込むだって!?おいおい。まるで俺が悪役みたいな位置づけじゃないか。
まぁ………こんな【異変】というものを起こす理由は至って簡単だった。
外に出たいからだ。
吸血鬼とは直射日光に弱く、灰になってしまうそうだ。それを防ぐために霧を出す………
でもそれ折角外に出たのに赤い霧が出ていていい天気が台無しだと思う。
そう思ったから俺はメイド長の代わりに掃除するということになった。
異変には全く、これといっていいほど関与しないという条件の元、俺は執事をしている、妖精とやらもいて最初は戸惑ったが、結構単純な思考回路で、言ってはなんだが、馬鹿ばっかりで少し扱いやすかった。
よく考えたら図書館………【ヴワル図書館】だっけ?それよりも下があったはずなのだが………
気になる。よし、行ってみよう………
コツン………コツン………
静かに階段を降りる。少しずつ何かに近づいているという実感が湧いてくる。
恐怖とともに何かを感じる。黒い霧のようなものが風に乗せられ俺の皮膚に当たる。
やはり何かしっとりしたものが感じ取れる。
俺がたどり着いたのは牢屋だった。
そこからは歪な臭いと一つの赤い部屋がある。
そこに入ると一人の金髪の少女がいた。彼女は俺の存在に気づくと笑ってこちらに近づく。
見れば見るほど親友似ている目をしている。悲しみと憎しみが入り混じったような目だ………少女は金色のような濃い黄色のような髪をサイドテールにまとめ、その上からナイトキャップと呼ばれるドアノブカバーに似た独特な帽子を被っている。瞳の色は真紅。服装も真紅を基調としており、半袖とミニスカートを着用しており、
またその背中からは、一対の枝に七色の結晶がぶら下ったような特殊な翼が生えている………この子も吸血鬼なのだろう………
その幼い瞳からしてレミリアの妹かな………?
「ねえねえ!」
「何?」
「貴方………人間!?」
「そ、そうだけど………」
「生きている人間なんて初めて見た!」
「え?君………吸血鬼だよね?」
「そうだよ?あと、私は【フランドール=スカーレット】。屋敷の主の妹ってところかな。」
「じゃあやっぱりレミリアの妹なんだね?」
「そうだよ!貴方は?」
「あ、自己紹介がまだだったな。俺は皆原 晴。今日からここの執事になったんだ。」
「執事!?って何?咲夜みたいなもの?」
「そうだよ………そういえばさ。フランはどうしてこんなところにいるんだ?」
「私はね。お姉さまが出ちゃ駄目だよって言うからずっとここにいるの。もうかれこれ495年。」
「495年!?………俺だったら参っちまうよ………そんな年月。よく我慢できたな。俺からしたら凄い偉いことだと思うけど、
流石に長すぎだな。外に興味はないのかよ?」
「あるよ。でも、お姉さまの言うことを聞かないといけないの。でないとフランは【悪い子】になっちゃうの。」
「………………」
「でもね。これからお姉さまは異変を起こすの!それができたらお外に出てもいいって言ってくれたのよ!」
「成る程な。決して自分のためじゃなかったのか………」
「?………どうしたの晴?」
「フラン。お前は確かに【いい子】だ。ここまでレミリアの言うことを聞いてきたのだから………俺は外の世界の人間だけど、
俺もお前みたいに一切、外に出られなかった時期があった。」
「そうなの?」
「ああ………その時は親の言うがままだったんでな。俺は親を憎んだよ。今でもちょっとそれは無くなっていないさ。でも、その時だ。
俺の親友が外に連れ出してくれたんだ。俺は思った。もう【いい子】のふりをしなくていいんだって。俺は親友に感謝している。
お前の言いたいことは分かる。レミリアが自分を閉じ込めた原因で憎いけど、外に出ていいっていう許可をもらってからそれがわからなくなったんだよな。」
フランは無言で頷く。少し瞳に涙を浮かべている。レミリアに感謝している気持ちからなのか俺という自分の気持ちに気付いてくれる存在に
感謝しているのかはこの時は分からなかったけど、とても純粋な子だということは分かった。
「簡単だ。お前はレミリアに感謝すればいい。お前だって姉が好きだろう?俺だって親友が好きだ。
それに………あの時の俺によくも悪くもお前は非常に似ている。俺みたいな間違いを踏む前にレミリアに自分の今の気持ちを伝えてこい。
そうでもしなければ、後で後悔することになる。」
「うん。うん………ありがとう………晴。私、お姉さまのところに行ってくる!」
「ああ。行ってこい!思いっきり甘えてこい。」
俺は幸せだった。異世界に来て俺は第二の人生を迎えているようだった。
俺は誰かを救えた。それだけで俺は満足していた。だけど、
親友はほっといていいのか?――――と………
お前が幸せになって親友は苦しみながら、お前を憎みながら死んでいくぞ?――――と………
忘れられるわけもない。
それを俺が投げた。そんな俺でもアイツを助けたいと思った。もう一度だけでいいからアイツが笑った顔をみたいとそう願った。
現在………
そしてその一隅の
俺はお前の誤解を解く………絶対解いてみせる!
そして昔にまた戻るんだ!
これが俺の決意だ。
次回予告………
遂に博麗の巫女と異変の犯人が戦う。
異変の結末は如何に………!?
それと同刻………全てが壊れた少年と壊した少年が対峙する。
その時、幻想郷史上、最も酷く醜い弾幕ごっこが繰り広げられる!
勝つのは憎しみか後悔か………
「俺はお前を殺す!」
「俺はお前を正す!」
「また………まだ俺から奪うの?」
「信じているさ………」
「お前は………
次回「異変狂気 6面上」