東方傷心記   作:咲き人

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どうも最近の私のはやりはもっぱら小説をかくことの咲き人です。


其の拾参「異変終幕 EXTARSTAGE 上」

前回のあらすじ

 

珀雲は笑って爆ぜた。多分、リア充だからという理由じゃないはず。

 

 

 

 

「やった………やったやった!」

 

 

フランは狂気の笑顔でそんなことを言っている。

俺や周りの皆が………まさかのフランの登場に呆然としていた。

はっとして霧雨 魔理沙が珀雲のところに慌てて駆け寄ったのを見て俺も正気を取り戻した。

フランに対する怒りよりも珀雲の命の心配の方が大事だと自身の勘がそう言っていた。

 

 

「い、いやああああ!」

 

「珀雲!」

 

 

俺たちが珀雲の肩を持つと分かる。急激に体温が下がっていることに………

今すぐにでも死へ近づく速度を0に………

 

 

すると珀雲が震えている手で俺の肩を叩き言った。

 

 

「もう、いい。体は動かん………口ぐら、いしか………」

 

「喋るな!今すぐ止血して………」

 

「ま、魔理沙………ごめん。」

 

「な、なんだよ………死んじゃ駄目だからな!?今………」

 

「晴………ありがとう。」

 

「え?」

 

 

珀雲の言葉に俺は思わず手を止めてしまった。

 

 

「俺………知ってたんだ。お、前が皆のごか、ゲホッゲホッ!誤解を………解こうとしてるって………」

 

「何言ってんだよ………俺たち親友だろ!当たり前じゃないか!」

 

「皆ね………?迷ってたんだ………俺がやったことと正反、対なこと言うから………決断が出来なかったんだ。」

 

「珀雲ぉ………もう駄目………」

 

「魔理沙、と一緒に、居た時間………とても………長く………」

 

「私はまだ!珀雲と一緒に行きたいところがいっぱいあるんだぜ!だから死んじゃ嫌ぁ………!」

 

「こ、れ………お守、り。」

 

 

そう言って珀雲が精一杯の力で取り出したのは1枚のスペルカードだった。

痛符【モアペインスパーク】………それはかつて魔理沙と対決したときに用いた

珀雲の十八番のスペルカードだった。魔理沙の弾幕はパワーという法則に則って

作られた、謂わば珀雲と魔理沙の絆のスペルカードなのだ。それを涙ながらに受け取った。

そして珀雲は笑顔でそれを見ると、

 

 

「信、じて………た………よ。」

 

 

珀雲は力無く崩れ落ちた。その瞳からは一粒の涙がこぼれ落ち、珀雲の体が冷たくなりきった。

それでも心臓はまだ動いている。まだ死んではいない………

俺は咲夜と回復を試みる。その光景を見ていたフランは面白くなさそうに腹立っている。

 

 

「なんで?晴お兄様を虐めたのを排除したのにそいつに肩入れするの?

フランが壊したからもう戻らないよ。」

 

 

その言葉に堪忍袋の緒が切れそうな思いだったが、自分のフランに対する怒りよりも

霧雨 魔理沙の怒りの方が圧倒的にでかかった。目の前で好きな人を失われる悲しみは

俺にはとてもじゃないが想像できない。

 

 

魔理沙はフランを睨むと怒りの言葉を投げかける。

 

 

「許さないぜ!よくも、珀雲を………!」

 

「それってフランと遊んでくれるってこと!?良かったぁ~霧が無くなっちゃたからつまんないと思っていたところなの。」

 

「ああ、たっぷり遊んでやるぜ………自分のやったことを後悔させてやるぐらいな!」

 

「フフフ………アハハハ!コワレナイ?ナラ遊ボウ!コワレチャダメダヨ………コインイッコダカラ………」

 

「そんなんじゃコンテニュー1回分もないぜ。」

 

「アンタガコンテニューデキナイノサ!」

 

 

そして魔理沙とフランの弾幕が始まってしまった。

 

 

 

 

晴side

 

 

俺は咲夜とともに珀雲に緊急治療を行っている。

どうやら俺の能力で死への速度を0にすることはできないようだ。

まあそれは当然というものだろう………人という存在を侮辱したようなことだからな。

不老不死ってのは………っと、そんなことよりも珀雲だ。

フランの能力………【ありとあらゆるものを破壊する程度の能力】を知っている咲夜からすれば

傷が少ない方とのことだった。元々原型を留めさせず壊すものだが、たまに珀雲のように壊れにくい体があるのだそうだ。

しかも、珀雲の場合ある程度のダメージは能力で軽減していたらしいが

先に精神が壊れてしまい、残ったフランの能力のダメージが肉体に来てしまい、腹が真紅に染まってしまったということだ。

止血はできたが見事に血が足りない。幸いここは吸血鬼(レミリア)の屋敷なのでもしものことのために

人間の血がストックされているらしい。咲夜はそのことを思い出すと時を止めて急いで行った。

珀雲の血液型はB型………レミリアはたしか、B型の血が好物だと言っていた。

レミリアの性格から言って好物の血をストックしておくものだろうかと疑問に思ったが咲夜があると記憶していたというのなら

間違いはないのだろう。俺は珀雲の手を取って言った。

 

 

「俺は………弱い。親友を守れず、何もかも気づけなかった馬鹿者だ………それでも………」

 

 

俺は奥のフランを見た。あの狂気の笑みは作り笑顔なのだろうと思った。珀雲は何回も見せたからか………

もしかしたら珀雲は俺の弱さを指摘していたのではないだろうか?

そうだ………きっと珀雲は俺に伝えたかったんだ。俺の弱さに………

 

 

晴はフランを見ると小声で呟く。その言葉に珀雲が薄く笑ったように聞こえた。

 

 

「フラン。俺はお前を正すからな。親友が気づかせてくれた俺の弱さで………」

 

 

俺は俺の全てを賭けてフランを救う。珀雲が一番、それを望んでいるから。

 

 

 

 

レミリアside

 

 

非常にまずい!さっき変な違和感を覚えて逆狩 珀雲の運命を見たらフランに殺される!?

そんなことになっていれば晴が壊れてしまってもおかしくはない。

それだけは阻止しなければ………!一応晴の発狂の可能性を消しておいたけど………

それでも不安は拭えない………そしてエントランスホールにたどり着く。

その時、咲夜が慌てて図書館の方から来た。

 

 

「お嬢様!」

 

「咲夜!やはり逆狩 珀雲は………」

 

「ご、ご存知でしたか!いえ、ま、まだ死んではいません!血のストックさえあれば………」

 

「!そう………なら急いで、私はフランを止めてくる!」

 

「は、はい!」

 

 

咲夜はまた時を止めて走り去っていった………と言っても実際に見えているわけではないのだが………

さっきの私たちの話を聞いて霊夢も焦りだす。まだ霊夢には珀雲に不吉なことが起きるだろうと

しか言っていないのだが、それだけでも不安材料の一つには十分になりえるだろう。

私は霊夢に今の珀雲の状況だけを伝えた。それを聞いて霊夢は吃驚していた。

あんなに他の人には興味のない霊夢だったのだが、流石にあちらも不安が拭えないのだろう

それから口を閉じたまま私について来ていた………

 

 

ヴワル魔法図書館につくと目の前には床に倒れ伏している逆狩 珀雲と必死に

手当を施している晴………奥では霧雨 魔理沙がフランと戦っていた。フラン()を止めるのは

レミリア()の使命だというのに………じっと霧雨 魔理沙を見る。

彼女も復讐に燃える者………晴と同じく、目の前で珀雲を失ってしまったということなのだろう。

それもこれもフランのせいと責め立てることも出来ないのを弾幕ごっこにぶつけるというのか………

 

 

 

 

魔理沙side

 

 

「ホラホラドウシタノ!?ソレトモ、モウオワリニスル!?」

 

「冗談じゃないぜ!すぐに終わらせてたまるか!」

 

 

と強がってみるもののフランの弾幕は流石ラスボスと言わんばかりの激しいもので

反撃をしても圧倒的反射神経によって躱されてしまう。

だが、こちらも中々にしぶとく、通常弾幕は突破したも同然だった。

それを見て少しフランの表情も険しくなる。さっきまで笑って遊んでいるようだったのに

急にイライラがこもった瞳で魔理沙を睨んでくる。確かに通常弾幕だけでは楽しめないなと

思ったのか1枚のスペルカードを取り出す。ラスボスのスペルカードともあって魔理沙には必要以上に警戒を強める必要があった。

 

 

「禁忌【クランベリートラップ】!」

 

「うおっ!?」

 

 

スペルカードが発動した瞬間に、いきなり数体の魔法陣を召喚されていて、

弾幕が大量に縦横に移動しつつ、魔理沙狙いの弾幕ばかりが飛んでくる。

迫り来る馬鹿でかい弾幕がとまったちょうど当たらない部分に行き、このスペルカードを突破した。

するとまたさっきのような紅弾が何方向にも一列で連なって飛び交いながらフランの行動に反応して

魔理沙に襲いかかってくるが、さっきみたばっかりの攻撃のため突破は簡単だったが問題はここからだった。

次に取り出されたスペルカードの絵はとても禍々しく珀雲のものと似た不気味さを感じたが珀雲のものよりも

おぞましく今日で何度目かも忘れてしまうほどの恐怖を覚えた。

 

 

「禁忌【レーヴァテイン】!」

 

 

もはや弾幕でも何でもないものだと思うのだが、フランのスペルカードによって現れたのは

なんと剣だった。しかも本物(鉄とかそういう素材、または材料)の剣ではなく妖力………ではなく炎で出来ているようだ。

それは弾幕に含まれるのか?という疑問はさておき魔理沙は焦った。流石に相手は殺す気だということが

肌で伝わり、嫌な汗が出てくる。

その剣をもってニヤリと笑うとフランがものすごい速度で迫ってくる。

すかさずマジックミサイルで後退しながら応戦するもフランにはかすり傷一つおっていない。

こんなの反則だと思っていてもこれは遊戯(殺し合い)なのだから致し方ないというものだ。

だが、ここで戦況は一気に変わってくる。何故ならフランが禁忌【レーヴァテイン】を発動しているにも

関わらずもう1枚のスペルカードを発動したからだ。一応、弾幕ごっこでスペルカードの重ねがけは

OKなのだが如何せんラスボスだということによる反則が更に加速するということが

よもや状況を飲み込みやすくなってしまった。

 

 

「禁忌【フォーオブアカインド】!」

 

 

なんとフランの数が4人に増えている。それに実力が弱い偽物というわけにも思えない。

まるまるラスボスが4倍になったと換算してよいだろう。いや、そんなことを言っている場合ではないのは分かっているが

ここまでくると恐怖を通り越してうすら笑いをしてしまう。

しかし、自分の身に危険が迫っていることはもはや言うまでもない。

魔理沙はここではフランの攻撃を耐えしのぐことは出来ないことを判断すると紅魔館に入ってきたときに

一番最初の部屋………エントランスホールに誘い込もうと考えた。

あそこなら本だらけのここよりも広く感じるし、何より貴重な本たちが無くならなくて済むという2つの

理由から導き出された答えだった。早速魔理沙はフランに背を向けてひたすらににげる。

それを格好の餌食だと言わんばかりにレーヴァテインを振り回して4人になったフランが追い回す。

魔理沙は猛スピードで珀雲が倒れている廊下を移動する。一瞬だけだが珀雲のからだの状況をみた。

唇や手などはもう既に紫のような青のように変色しており、もう触れないでも体が冷たくなっていること

がわかってしまう。珀雲を見てギリリと下唇を噛み、廊下を渡りきろうとしていた。

 

 

 

 

晴side

 

 

晴はもう珀雲が手遅れだということがわかっていた。それは血液を他からもらっても無理だということだ。

咲夜が遅かったからとかそういう問題ではない。自分の弱さのせいだった。でも、それを噛み締めて

生きるものなんだと教えてくれたのは他でもない珀雲だった。魔理沙がこちらに向かって

かなりのスピードでくる。そして一瞬こちらの方というか珀雲の方を見て下唇を噛んだところを見て

彼女も珀雲が手遅れになってしまっていることが分かってしまったのだろう。

とても申し訳ない気持ちになったが今更遅いんだと自分を叱り、フランを見る。

4人になっているのはスペルカードのせいなのだろう。これは魔理沙一人では到底攻略は不可能だろう。

それにフランを救うのは自分だという使命感が晴の背中を後押しした。

自然と迷いが消えていた。そして珀雲の足元に落ちていた【草薙剣】を拾い上げる。

神器ではあっても珀雲が使った武器………すなわち代わりだ。草薙剣など到底使いこなすことは無理だろうが

少しでも珀雲を労わる気持ちに同情して力を欲しいと願うばかりではあったが、なんだか暖かい力が流れ込んできているようだった。

そうしてフランの後を追いかける。その時、親友(珀雲)の声が聞こえた気がした。

 

 

「ほら………行きなよ。」

 

 

――――と、アイツはそう言っている。フランの狂気を追い払うんだと俺は決意を胸に

フランの後ろ姿がぼんやりとしてしまうぐらい速度に差が出始めたときに能力を使用する。

時間の流れる速度を0にする。と言っても咲夜ほどには遠く及ばないが一瞬だけではあるが

他の存在は全てが止まる………その時に移動したので他から見るとテレポートしているように見え、

魔理沙が最初に晴の移動している姿を見たときにそうなっていたのはこの能力のおかげであった。

そしてあっという間にフランに追いつく。どうやら四人の中の二人だけが俺を直視している。

このフォーメーションで攻撃も防御もバッチシということかと俺は一人で納得する。

でも………

 

 

「無駄だ!停止【時トマル俺ノ世界】」 

 

「!?」

 

 

フランの内二人はすぐ行動に移そうとしていたのだが、遅かった。

このスペルカードはその名のとおりに俺以外の時が止まる。さっきの移動に使用していたのは能力の質が違う。

このスペルカード発動中だけは咲夜よりも時が止まった空間にいられる。

早速ナイフを二人のフランに向けて投げる。

グサグサと刺さり、そして三人目、四人目を狙おうとした瞬間に異変に気づく、三人目、四人目が動こうとしているのだ。

恐らく能力で自身の周りの時が止まる現象を壊しているのだろう。完全に動かれたらまずい!

俺は周囲にナイフをバラ撒く。そして能力の時間が過ぎる。最初にナイフが当たったフラン達はそのまま消えてゆく………

どうやら偽物だったようだ。そして残ったフラン達は俺を睨むと標的を霧雨 魔理沙から変更した。

霧雨 魔理沙は俺がいつの間にかここにいることに驚いているのだろう………その場で固まっている。

フランの声は少女としての声を失い、俺を憎んでいた頃の珀雲のようなドス黒いオーラがその言葉に含まれていた。

 

 

「ナンデ!?ナンデハルオニイサマハフランノコト【良イ子】ッテイッタノニ!ソレナノニ………」

 

「もう………そういうのはよせ。お前はフランじゃない。理由はそれだけだ!」

 

「チガウ!ワタシハフランダモン!」

 

「違うのが違うさ………お前はフランという器にどっぷり浸かっているような奴………狂気そのものだろ!」

 

「………………」

 

「元々フランのことはレミリアからも紅魔館の全員から聞いていた。皆が彼女の能力を恐れていたように

思えたけれどそうじゃない。皆がフランが陥りやすい狂気に恐れていたんだ。狂気から見えれば

フランの器は大きいのに彼女はそれに見合わないちっぽけな存在だったんだろう。

それに漬け込み、狂気はフランの器を満たすように彼女の体の中に入って来たんじゃないのか!?

フランは格好の餌だったんだ………少なくとも俺はそう思っている。違うか!」

 

「………ククク。マサカキヅカレルトハナ………ゴメイトウダ。

ダガシラレタイジョウ………ケス。ワタシハツヨイ。ナゼナラ【フランドール・スカーレット】ソノモノナノダカラ………」

 

「倒す相手が変わっただけだぜ!」

 

 

魔理沙は少しフランに対して戸惑いを持っていたのだろう………確かに好きな人(珀雲)が目の前で殺されたとしても

本当にフランという少女を殺すべきなのか迷っていたんだ。それが本体がいることが分かってホッとしたのか

その目には迷いという霧は無かった。

 

 

そして俺&魔理沙VSフラン(狂気)との弾幕ごっこが再開した………

 

 

 

 

珀雲side

 

 

俺は死んだ。でも、俺は本当に死んだのだろうか?気が付くとそこは俺の家の玄関だった。

いつの間にか俺が来ていた香霖さんのおさがりも前の制服に変わっていた。

それだけ確認すると光景は別の場所に移動する。学校だ………

それも俺が化け物と呼ばれ始めた日の………

 

 

「おい、アイツ………」

 

「ああ、化け物だ。近づいたら殺されるぞ………」

 

 

今日も俺に聞こえるようにわざと喋る。本当にうんざりする奴等ばっかりだ。

そう思っていると急に光景は教室の廊下になる。そこには晴の妹の璃紗がいた。

璃紗は相変わらず生徒を注意している。そして俺の存在に気づくと途端に嫌な目つきになる。

それもそうだろう。俺が晴を怪我させてしまったのだから………

 

 

そして目の前にもう一人の俺が現れる。多分、ここから璃紗の過去になったのだろう。

俺が自分の教室に行こうとしている最中に勿論のことだが沢山の生徒達とすれ違う。

その時に発される罵声の数々に俺は苛立ちを覚えていたが璃紗はなんだか申し訳ないような

表情になっていた。確かにこのあと璃紗が俺に対して起こしたことは謝罪に繋がることだったのだろうが

俺からすれば都合の良いことばかりだということを今でも鮮明に覚えていた。

 

 

そしてまたまた光景が変わる。そこは自宅。ここらで最近有名な暴力団達が突如として押しかけ

殴る蹴るの暴行を加えて帰っていた。しかも家は派手に荒らされ金品は根こそぎ奪われていた。

あんな奴らに簡単に負けてしまった自分よりも親にも汚名を着させてしまった自分が恥ずかしいし、憎い。

全部の仕業が晴の両親だと知ったときは勢いで目が失明してしまうような目眩を感じた。

そしてただ憎むことしか無かった。その時に晴と璃紗や他の連中共を恨むという選択肢はなくなっていた。

 

 

俺が何かを書いている。それは渦のように吸い込むような第一印象を与えた。

なんだそれは?俺の記憶にはない光景が見えている………

それに自分の部屋に飾ってあった写真立てに写っている晴と俺のツーショット………

その二人の顔………というか写真そのものをマッキーかネームペンのような物で真っ黒にしている。

馬鹿な!そんなことを俺はしていない!俺のそんな声に反応するように

俺が見ている【俺】がこちらを見て笑う。

 

 

「何を怒っている?」

 

「なっ!」

 

「驚きのあまりに声も出ないか?」

 

「こ、これは俺の記憶なんかじゃない!お前は誰なんだ!」

 

「嘘つけ。こんなに晴を璃紗を連中を恨んでいたくせに………」

 

「違う!俺が恨んでいたのは………晴の両親だ!」

 

「ほお………」

 

「なんだよ………?」

 

「ならお前は復讐するか?」

 

「は?」

 

「その晴の両親に復讐するか?」

 

「今更復讐なんか意味がない。俺の居場所は幻想郷固定だ。」

 

「なら今まで蓄えてきた憎悪はどうするというのだ?」

 

「知らん。俺にそんなもの必要ない!」

 

「だが貴様の能力は少なくともそれが………」

 

「いらない!代わりに【これ】がある!」

 

「なっ!」

 

 

俺のような存在も流石に俺が【これ】を知っているとは思っても見なかったのだろう。

驚きを隠せず声に出している。そしてクククと笑い始めると俺に真剣な眼差しで見つめると

こう言った。

 

 

「分かっていたのなら尚更死んではならぬ。」

 

「え?」

 

「貴様の――――と引き換えに生き返るがよい。」

 

「な、何言って………」

 

「もし、次に会うとしたら………本当に死んでしまうぞ?」

 

 

俺のような存在が背を向けるとそこから光が差し込む。とても眩しく白い光だ。

太陽のようなギラギラとしたような光とは違い、なんだか表現しづらいが、

なんというかサラサラしていると言った方がよいうのだろうか、兎に角優しい光であったことは確かだ。

 

 

そして眩しさのあまり俺は目を瞑る。

 

 

 

 

恐る恐る目を開けると目の前にはパチュリーとメイドがいた。

二人は驚いて俺から離れると俺もそれに驚いて飛び上がる。

その時に自分の体が異様に寒いことを感じる。

 

 

「寒っ!」

 

「え!?え!?な、なんで………生き返った?いえ、それだったらどう考えてもおかしい。」

 

「な、何が起きているの?」

 

 

パチュリーとメイドは現状が分かっていないようで何が起きたのか

理解するにもとても時間がかかりそうだ。

それはともかく………

 

 

「体が重いな………」

 

 

そうなのだ。まるで魂だけ抜けていたように体の扱いがまるで出来ていなかった。

それでもなんとか立ち上がるとパチュリーとメイドの方に近づいた。

 

 

「なあパチュリー。」

 

「む、むきゅ!?」

 

「(なんだ?その反応………)晴と魔理沙はどこにいる?あと、あの子もどこにいるか知っている?」

 

「あ、あの子………妹様ね………妹様なら晴と魔理沙を追ってエントランスに………

そ、それよりも珀雲、貴方体は大丈夫なの!?」

 

「そんなに時間が経っているのか………まぁ、大丈夫だ。」

 

「そ、そんな………仮死状態でさえ蘇生可能の時間から軽く離れているというのに………」

 

「過程よりも結果を見てくれよ。俺は生きている。できれば喜んで欲しいもんだ。

なあ、メイドさん?」

 

「さ、咲夜です………え、ええ。驚きのあまりなんと言っていいかわかりませんが兎に角、

良かったです。」

 

「そ、そうね………」

 

 

パチュリーは何かに気がついた。

俺の口調が優しくなっていることに気づいたのだろうか………

流石に人に当たるのは良くないからな………少し優しくするとこんなに驚かれると

俺の性格そんなに怖いかな?

 

 

さてと………二人に喜ばれたお陰で少しまともに動けるぞ………

急ぐか………待ってろよ二人共!おっとその前に………

 

 

「パチュリー、咲夜!一緒についてきくれ!」

 

「………ええ。私もレミィに貴方のことを説明しなきゃね。」

 

「私もお供します。」

 

「ありがとう二人共!」

 

「べ、別にそんなのいいわよ///」

 

「と、当然です///メイドですから………」

 

 

俺達は走り出した。廊下をひたすらに………

走っている途中に俺の箒が飛んでくる。それを土台に立ち、二人は座ると

今の俺の最高速でエントランスに向かってとんだ。

 

 

 

 

次回予告

 

 

「もう壊れちゃったからな。」

 

「コウナッタラ………」

 

「行くぞ!三人とも!」

 

「分かってるぜ!」

 

「当たり前よ!」

 

「勿論だ!」

 

「もうこれ以上………」

 

「ヒャハハハハハハ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【言葉は狂気】………ククク………」




次回「異変終幕 EXTARSTAGE 下」
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