東方傷心記   作:咲き人

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どうも最近のアニメを見ていない咲き人です。



其の拾肆「異変終幕 EXTARSTAGE 下」

魔理沙がエントランスにつくとすぐに霊夢が視界に入る。

霊夢は慌ててこちらに向かって飛んでくるが直後、フランが襲撃してくる。

 

 

「な!?」

 

 

霊夢はほぼ直感的に回避したがグレイズよりもギリギリだったようでトレードマークである巫女袖がビリビリと引き裂かれる。

霊夢はフランを聞いてはいても初めて見るため、改めておぞましい気配を感じたのだろう………身震いが止まっていない。それほどまでの実力がフランには………狂気にはあるのだろう。

ほっとしたのも束の間、偽物のフランはレーヴァテインを持って魔理沙に斬りかかる。

それを紙一重で回避するとお返しと言わんばかりに魔力弾を放つが圧倒的スピードで避けられてしまう。

 

 

レミリアはフランを見るととても悲しそうな顔をして叫ぶ。

 

 

「フラン!」

 

 

と、だがその悲痛の言葉に返された言葉はなかった。

フランはレミリアの声には反応せず狂気の笑みを崩さないままに魔理沙と霊夢にそれぞれが襲う。

いくら魔理沙と霊夢が反撃を試みてもどっかの天狗みたく捉えられない。

 

 

「くそ!」

 

 

魔理沙から舌打ちが聞こえる。半ば焦っている風にも思える。それもそうかもしれない。珀雲を失ったと思っている以上、早めに仇を取りたいのだろう。だが、そうは問屋が卸さない。

フランの速度についていけず一方的に回避に専念するしか出来ない。その時だった。

 

 

「零符【0time】!」

 

「ッ!?」

 

 

フランがその声の方向に振り向こうとしたとき、急にフランの動きが止まる。

その目線の先には晴が存在していた。晴のスペルカード………零符【0time】は対象の動きを極限まで制限させ、大量の弾幕で精神ごと殺そうとする恐ろしい弾幕である。

フランは動きを制限されているにも関わらず右手を晴に照準を合わせるように移動させようとする。

さっきに比べれば非常に遅い方なのだが、このスペカを作った本人からすればそこまで動けるのかとツッコミたくなった。

だが、その間に攻撃する余裕は十分に存在していたため、晴は魔理沙と霊夢に向かって叫んだ。

 

 

「今だ!博麗の巫女と霧雨 魔理沙!」

 

「敵に助けてもらうなんて複雑ね………」

 

 

と言いつつ、晴が作ったチャンスを無駄にするわけにもいかず、札を大量にフランに投げつける。

 

 

「………味方なんだろうけど………なんか複雑だぜ………」

 

 

魔理沙も霊夢と同意見だったようで首を傾げながらも魔力弾を放つ。

それらはちゃんとフランの元へと向かっていき、目の前で爆ぜる。よし!とガッツポーズした魔理沙には非常に言いにくかったがアレは偽物なんだと晴はひっそりと口にしながら本物のフランを凝視する。

どうやら最後の偽物がいなくなったことに切れているのかフランは晴を憎むような眼差しで睨みつける。思わず怯みそうなぐらいの眼力だ。

それに引かずに晴はフランの動きを止めようとする。今まで一切描写無かったが念じるだけで能力を動きを止められるのだが、実際は自身の目に映っていないものを止めることはできないため、簡単にこの能力から逃げるためには一瞬の内に晴の視界からいなくなることだ。そのことをフラン(狂気)は分かっていたようだ。

喰らってからでは遅いが、喰らう前だったら行けるわけだ。瞬時に背後に移動したかと思い、晴が後ろを向いてもフランの姿はおらず、耳をすませると一箇所に留まらず、色んなところを飛び回っているように聞こえた。

霊夢も魔理沙もレミリアも目が追いついていない。晴にも一瞬赤い何かが通った程度しか判断できていない。

これは殺られてしまう!晴がそう思って必死に目を凝らそうとしたその時………

高度の魔力に近く感じられて不意にそちらの方向に振り向いた。魔理沙が両手を器のようにしヒュンヒュンと飛び回っているフランに照準も合わせないで一点にだけ振り絞って放とうとしている。

流石の霊夢も魔理沙のこの行動には驚きが隠せない。

 

 

「私は………こういうまどろっこしいのは大っ嫌いなんだぜ!」

 

 

魔理沙はカッコつけているのだろうか………いやそうなんだろうけど!とツッコミたくなる。

だが、その晴や霊夢の想いには気づいていないのだろう。一気に手のひらから魔力が放出される。

その魔力はどちらかというと黒く、禍々しいものほどではないがなんだか嫌な気持ちになってしまうものだという第一印象を晴に与えた。

霊夢はこれを1度見たことがある。だが、【これ】を使ったのは決して魔理沙では無かったため、魔理沙が使ったこと自体に驚いたのだろう。ここに来て霊夢は驚いてばっかりである。

 

 

「痛符【モアペインスパーク】!」

 

「ナンダソレハ!?」

 

「見つけたぜ!」

 

「シマッ!」

 

 

盛大な爆発音がエントランスに鳴り響く。そして煙が晴れていく………そこには

 

 

「グッ!コンナ二ダメージヲクラウトハ………」

 

 

フランが握っていたはずのレーヴァテインがなくなっている。恐らく魔理沙のスペルカードを避けられないと踏んで身代わりに使ったため直撃では無かったのだろうか。

右肩から血が流れていた。

右肩を抑えながらフランは魔理沙を睨む。それに対して魔理沙は

 

 

「さっきから睨むだけか?大したことないぜ!」

 

 

と挑発する。確かに焦りや怒りは動きに制限や衰えるものだが、ここら辺でいうと死亡フラグのように聞こえるのだが?と晴は心のなかで疑問を語る。

フランには怒りが沸騰になるには十分の挑発だったようだ。声はもはや大人の男並に野太く低くなってしまい、フランとは思えないものとなってしまった。

 

 

「コロス!」

 

 

殺気に直接飛ばし、さっきまでの晴への怒りは何処へやら………魔理沙に対象が絞られてしまっている。

周りが見えてないようだ。魔理沙へと超光速で移動し、酷く伸びた爪で引き裂こうとするが、霊夢が顔面に蹴りをぶちかます。ベキベキと嫌な音がしたが、どこも折れてはいなかった。これが吸血鬼の回復力というものなのだろうか………

 

 

「あら?この程度かしら?」

 

 

丁寧な言葉遣いで優しく挑発する霊夢。フランはその言葉を取り消せと言わんばかりに

襲いかかろうとするが今度は晴が動きを止め、ナイフを2,3本刺す。どれも足に深く刺さり、羽と言えないか弱く、綺麗な七色の羽で飛ぶしか移動手段がなくなった。

 

 

「ガアアアアアア!」

 

 

そして突如フランは怒り狂い辺りの壁やエントランスから2階に続く階段を破壊し始め、次々に被害にあった物を見るも無惨な姿に変えてゆく………

 

 

「な、何なんだぜ!?」

 

 

魔理沙が驚くのも無理もない。さっきまで冷静というほどではなかったのだが、

起こっている割には大分落ち着き払っていた。と言っても魔理沙の攻撃に当たってからの今のフランの様子を見る限り、まるで時間がないかのように焦っているような感じだ。フランの正気が抵抗しているのだろうか。

 

 

「フラン!【約束】はどうした!」

 

「!?ヤ、ヤメロ………グゥゥ!」

 

「【良い子】いるんじゃなかったのか!」

 

「お、お兄ちゃ………アアアア!」

 

「フラン!」

 

 

晴は慌ててフランの元へ駆け寄る。危ないという霊夢と魔理沙の注意も聞かないで

でもと言い訳なんかしている暇ではなく、確かに危ない存在だ。ただ、晴は

聞こえたのだ。

 

 

「もう………壊したくない。」

 

 

という言葉に………そうだ。フランは純粋なんだ。そんな彼女が好き好んで何かを壊したいわけがない。

きっと狂気の破壊衝動に侵されただけなんだ。そんな一番の狂気の被害者を救い出さない理由がない!

 

 

「フラン!」

 

 

彼女の名を呼びかける。でもフランの反応はない。葛藤しているのだろうか。

 

 

「フラン!」

 

 

もう一度。そしてゆっくりとフランの体が動く……………

にっこりと眩しい笑顔を作る。本物だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ナーンチャッテwwww」

 

「なっ!?」

 

 

狂気は払いきれなかったのかと思うよりも能力を発動しようとしたが、

フランのさっきの笑顔が頭の中でノイズとなり、動きを止めることがもう手遅れだと気づき、目を閉じる。霊夢と魔理沙はフランが笑顔をした瞬間に漏れ出した少しばかりの殺気を感じ取り、走り出していたが遅かった。

 

 

「シネ。」

 

 

フランはさっきのように爪で晴の心臓を突き刺そうとする。

霊夢と魔理沙は陰陽玉とマジックミサイルを放った瞬間とほぼ同じであった。

だが、そのほぼという部分でフランの方が早かった。それでも、霊夢と魔理沙とフランの三人の中では………だったというだけのことだ。

 

 

「ラストワード………」

 

「ナンダト!?」

 

「え!?」

 

「嘘だろ!?」

 

「………ああ………」

 

 

「最期【ブロークンハート(気持ちが壊された)】!」

 

 

珀雲だったのだ。晴の身代わりとなったのは。見事に心臓に刺さっている。

フランは驚いたまま、我に還った瞬間にさっと後ろに飛び退いた。

珀雲は心臓を刺されているにも関わらず吐血の一つもせず、傷一つさえない。

してやったと言わんばかりにニヤリと笑うと晴に顔を向けて話しかける。

 

 

「………お前らしいな。敵にさえ情けをかけるとは………」

 

「るっせぇ………お前こそ遅いんだよ。」

 

「そうかもな。だが、そーゆーのは後にしようぜ。」

 

「ハハ。かもな。」

 

「ナ、ナゼダ!?ナゼイキテイル!?」

 

「Elle avait l'habitude d'etre plus casse. Ou trouve? Le Alt deux patients durant systeme!

(もう壊れちゃったからな。わかったか?このゴスロリ系中二病患者が!)」

 

「な、何言ってんだぜ?」

 

「多分、フランス語だ。」

 

「でもどうして生きてるのよ?」

 

「ラストワードだよ。」

 

「ラストワードダト!?

 

「ああ。最期【ブロークンハート(気持ちが壊された)】はダメージを変換出来ない唯一の状況を突破するために作ったもんだ。

ダメージを変換出来ない時ってのはお前が俺を殺そうとしたあんな即死級の大ダメージの場合だ。あれは俺の精神が崩壊してしまったために肉体にもダメージが来てしまった。だが、あの時からラストワードを使わなかったらまじで危なかったがな。

と、いうわけでいい加減気づいたろ?このラストワード発動中の俺は精神が壊れていたとしても肉体のダメージを変換できる。」

 

「ソ、ソンナバカナコトガ………」

 

「勿論分かっている♪チートこそがラストワードってもんだろ。その分デメリットもあるぞ?俺は精神崩壊状態だからな。誰から痛みや憎しみなどの負の感情以外のものを与えてもらわなければならない。」

 

「そんなもの渡すと譲渡が可能なのか?」

 

「現実見ろ。無理な話さ。でも俺ならできる。何故なら………」

 

 

何かを言いかけて珀雲は口を閉ざし、魔理沙の方へてくてくと歩いていく………

キョトンとしている魔理沙にニコリと笑うとガバッと抱きつく。

 

 

「っ~~///!?」

 

「ここまでする必要はないんだけど………どうだ?魔理沙………」

 

「ど、どどどうって………え?」

 

 

魔理沙には何かが見えているのだろうか。明らかに目が遠くを見ている。

フランがここで攻撃もせずおとなしくしているのはきっと珀雲の能力に興味が出たからなのだろう。

魔理沙は今何が見えているのかを説明してくれた。

 

 

「皆に………ハート型の器?みたいなのが見える。皆は満杯の水が入ってて、

珀雲にはヒビが入っている。フランには2つの器があって1つは皆と同じなんだけれど、もう1つは粉々になってる。」

 

「魔理沙説明ご苦労。もう離れていいぜ。っというわけで分かったかな?今の俺の能力は………【(珀雲)(珀雲)が触れた者は傷を理解する程度の能力】ってところだな。

この能力で正の感情を取り込める。ギリギリだけどな。」

 

「………マサカフタツメノノウリョクガアッタトハナ………」

 

「とはいえ、だ。ラストワード中は他のスペルカードが使えないから今はただの壁だがな。」

 

「これが肉壁か………」

 

「それ言うな晴。ってこんなこと言ってる場合でもないな。さてフラン。再戦だ。」

 

「ヨカロウ………」

 

 

と言ってフランは身構える。狂気とはいえ流石は吸血鬼ということもあってかカリスマを感じる。

これはレミリアにも引きを取らないほどだ。

 

 

フランが紅弾を大量に放つ。その瞬間に霊夢の結界が皆を守るが一気にひびが入る。

魔理沙は箒に乗っており、晴はナイフを構えて結界が消える瞬間を狙う。

するとフランは1枚のスペルカードを取り出し宣言する。

 

 

「禁忌【カゴメカゴメ】!」

 

 

結界が壊れたその時に緑の弾幕が上下左右から飛んでくる。

 

 

「面倒だな………」

 

「そのとおりだな。おっと!」

 

 

晴もどうやら少し明るさが戻ってきたようでヘラヘラとまではいかないが、

笑みを浮かべている。だが、劣勢に立たされているということに代わりはない。

緑の弾幕は徐々に視界と逃げ道を狭めていく………

 

 

「周囲の弾幕達よ!俺の傷を理解しろ!」

 

 

珀雲の一喝で言葉どおりに緑の弾幕にヒビが入り、壊れていく………

ただ、弾幕の量が多すぎるため、珀雲の能力でも耐えられるのも難しいかったが、なんとかノーダメージで突破できたようだ。

 

 

「コウナッタラ………」

 

 

フランはまだ幾つものスペルカードを持っている。だが、珀雲の登場により、

少しスペルカード自体が心許ないのだろう。そして選んだ結果は………

 

 

「リョウデセメルカ………禁忌【恋の迷路】!禁忌【スターボウブレイク】!禁弾【カタディオブトリック】!」

 

「三枚連続だと!?」

 

「おいおいおい………」

 

「これは………かなりどころか相当やばいわね。」

 

「卑怯すぎるぜ………」

 

 

1枚1枚の説明をしよう。恋の迷路はその名のとおりとは言ってはなんだが、フランの周囲に弾幕を巻き散らすが、一箇所(人一人分)だけ空いていて普通はそこを通って避けるスペルカードなのだが、スターボウブレイクはフランの羽のような色をした弾幕を散らべ攻撃するスペルカード。カタディオブトリックはとてもでかい蒼い弾幕を先頭に沢山の弾幕が列を成し、壁(見えない)に当たると反射してくる。

ラスボスのスペルカードなのでインチキ効果も大概にしろ!と怒りたいところなのだが………否、言い訳する理由もなく、フランの方がインチキだ。1対4とはいえ、それさえも軽く凌駕するフランのスペルカードが3枚もだ。そりゃ弱音も吐きたくなるというものだ。

 

 

だが、珀雲には何か策があるらしく、霊夢にそっと近づく。

 

 

「何?」

 

「ちょっと耳貸して。ゴニョゴニョ。」

 

「ふんふん………やってみる価値はありそうね。ただ、死んだら殺すから。」

 

「おお、怖い怖い。」

 

「そんな減らず口言ってる暇があるならさっさとしなさい!」

 

「ああ………行くぞ!三人とも!俺達の力見せつけてやろうぜ!」

 

「分かってるぜ!」

 

「当たり前よ!」

 

「勿論だ!」

 

 

もはやスペルカード3枚分の弾幕を避けるのは気合でも不可能だろう。

だが、四人にとって躱せるという自信しかなかった。珀雲は霊夢の手に触れ、霊夢は1枚のスペルカードを取り出した。

それは霊符【夢想封印】………だが、珀雲の能力により、【夢想封印】が傷を理解し、それを越える力を自身で取り入れた。そのためスペルカード自体が変化した。

霊夢と珀雲が二人同時に呪文を唱える。

 

 

「「傷を未然に守るが如く!全てを大きく包み込む結界よ!悪しきを取り除き、平和を齎せ!霊痛【夢想封印――傷――】!」」

 

 

霊夢と珀雲のスペルカードは一瞬にして全ての弾幕を四人から弾き返し、フランに跳ね返す。

勿論このスペルカードはそこまで長い時間の間発動することができないので、すぐ消えてしまうのだが、フランを驚かすには十分であった。

 

 

「ナン………ダト………?」

 

「次は………」

 

「ああ!行くぜ珀雲!」

 

「どうやらイメージはバッチシのようだな魔理沙!」

 

「ク!サセン!」

 

 

今度はフラン自身が襲いかかってくるがもう遅い。魔理沙の手を握り、【モアペインスパーク】を放つ姿勢になる。

魔理沙のスペルカード………恋符【マスタースパーク】がより痛々しいぐらいの厨二病感が溢れんばかりの色合いとなる。これはさすがに引くなと思いつつもフランを視野に入れると魔理沙と同時に叫ぶ。

 

 

「「痛みや傷は時折それさえも歪んだ愛の形となる!さあ!嘆き、喚け!それも愛だぜ!痛恋【サディスティックマスタースパーク】!」」

 

「更に俺の一つ目の能力もつけて狂気に直接攻撃だぜ!」

 

 

刺刺しいほどのマスタースパークはフランに向かって一直線に伸びる。

フランはもちろん回避するが直後、恐ろしき光景を目撃してしまう。

なんとあの高密度のマスタースパークが曲がってもう一度こちらめがけて襲いかかろうとしているのだ。

そうマスタースパークは常に直線的だった。直線こそがマスタースパークの特徴なのだが、故にそれが弱点であった。恋のような想いみたく、まっすぐだったマスタースパークは傷を理解し、痛みや傷さえも()だと誤認してしまったのだ。

そのため対象(ターゲット)を痛めつけるためなら何千里も飛ぼうとするその想い(弾幕)はまるでストーカー。逃げ、疲れ果てた対象に情けをかけず、追い回すその姿は恐ろしいまでドSっぷりをフランに見せつけた。

フランがいくら吸血鬼であろうと圧倒的執念の前にはどうすることもできなかった。

 

 

「グハッ!」

 

 

被弾する。ここまでしつこいと当たるのが当たり前のような気がしてならない。

フランの疲労も表に出てきた。と言ってもフランの意思自体が動いているわけではなく、狂気が乗っ取っているので精神も狂気のものとなる。そして珀雲の能力………

【肉体と精神のダメージを反転する程度の能力】で精神を巣喰う狂気自身を攻撃したのだ。

 

 

そして珀雲は晴の元に近づく。ついさっきまで殺し合っていた敵同士だが、

その瞳には自身が溢れていた。

 

 

「晴。」

 

「なんだ?」

 

「剣返せ。」

 

「ああ………ほらよ。」

 

「サンキュー。」

 

 

晴は珀雲に草薙剣を渡す。それを左手に持ちかえるとニヤリと笑って右手で晴の左手を掴む。

 

 

「行くぞ!」

 

「「傷を受けし過去さえも時間の流れによって消えゆき、それさえも愛おしい歴史となる!世界と共に生きる力よ!一意攻苦【痛ミガ止マリヤスイ俺達ノ世界】!」」

 

 

スペルカードが発動した瞬間、大量の弾幕が飛び散り、フランの弾幕が全て消える。

さっきの3枚のスペルカードの弾幕の残りしかフランが放った弾幕は無かったが被弾する可能性は確実に無くなったと言っていいだろう。

 

 

「ソンナ………グアアアアァァァ!」

 

 

フランに弾幕がぶつかり、ピチューンという音がする。

この弾幕ごっこの勝敗が決した。

 

 

霊夢と魔理沙はやっとこさ終わったことを実感すると疲労がこみ上げてきたのか

その場にへたりと座り込んだ。レミリアも咲夜もパチュリーも終わったことを確認した。

珀雲と晴はフランのもとに急ぎ、珀雲はフランに触れる。

 

 

「くっ!結構強いな………」

 

「コウナレバキサマニノリウツッテ………」

 

「珀雲!」

 

「もうこれ以上………好きにはさせん!」

 

「ヒャハハハハハハ!【言葉は狂気】………ククク………」

 

「グゥゥゥ!こ、ウなレば………」

 

 

珀雲の体に狂気が入り込む。だが、フランの時と同様に珀雲の精神に再び入ったのが

運の尽きだった。珀雲は持っていた草薙剣で自分を斬りつけた。

いくら精神を乗っ取ったとしても肉体も乗っ取るまでには時間がかかるため、

一歩的な虐殺遊戯(ジェノサイドゲーム)だ!ということになった。

つまりは珀雲の【肉体と精神のダメージを反転する程度の能力】で

狂気自体にダメージが来て、更には【珀雲と珀雲に触れた者は傷を理解する程度の能力】で狂気に傷を理解させてそう消滅した。完全に………

 

 

「はあ………はあ………終わった。」

 

「珀雲………大丈夫かぜ?」

 

「魔理沙。おう………ただ、草薙剣を一瞬早く抜いておかなかったらまた死んじまいそうだった。」

 

「笑えない冗談だぜ………もう、そういうのはやめてくれだぜ。」

 

「そうだな。」

 

 

けらけらと笑うほどの余裕があるということを魔理沙に見せる。

それに釣られて魔理沙も少し笑う。そうして紅霧異変は完全に終わった。




後半雑になってしまった。

次回「※ネタバレ注意 「キャラ設定」」
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