今、俺こと逆狩 珀雲は初めて酒を飲めよ飲めよと誘われている。
俺は勿論のこと未成年だが、その前にこういうふうに至った経緯を語ろう。
俺は異変解決直後死んだように眠った。
その次の日、魔理沙に誘われて博麗神社に行くともう吃驚。宴会が開かれていた。
見たこともない妖怪達が酒を飲み騒いでいた。ここって神社だよな?
神聖な場所なはずなのにこんなに魑魅魍魎が跋扈していいのだろうかと疑問に思い
魔理沙に聞いたところ、博麗神社は人里というか幻想郷全域で妖怪神社と呼ばれているらしい。
よくそんなんで生きていけるな。ある意味感服するわ。と、いうわけでもう酔っ払ってしまった
魔理沙に酒を勧められているのだった。
晴side
まさか異変の犯人グループである俺達が宴会に参加するとは思わなんだ。
というかおかしすぎるだろう………なんでこんなに妖怪が多いんだ。
まるで妖怪神社じゃないか(そのとおり!)
まぁ、宴会ということもあるしこちらは吸血鬼という最上級の妖怪がいるということもあって
恐れてこちらに襲いかかろうとする物好きもいないため静かに宴会を過ごせそうだと思ったのも束の間、
酒を飲めよ飲めよとうるさい。主にレミリアが………
お前も見た目未成年だろ!と言ってみたもののレミリアの好物は血入りのワインだそうだ。
それなら仕方ない………のだろうか?と言っても俺なら能力で酔えなくなるので酔った姿を晒し出すという
辱めを受けなくて済むのだが、珀雲は………二つ目の能力でなんとかなりそうだな。
「というわけでお前の盃を交わすことぐらいなら容易いぞ。」
「そ………執事としての仕事としたらでかすぎる仕事かもしれないわね。」
と言いつつ俺はレミリアのワイングラスにワインを注ぐ。
ニコリと笑い、グビグビと喉に通す。ここら近辺は霊夢と魔理沙と珀雲がわあわあ騒いでいるところを見えて
なんだか楽しそうにしているのが見える。
レミリアもあちらに興味があるのかてくてくと歩き出す。
俺もフランを連れてレミリアについていく………あれからフランは紅魔館の全員と異変解決者の全員に謝罪し、
自身の能力をできる限り抑えようと心がけるようになった。
俺の目からあまり離れていないうちは能力で狂気に染まる速度を0にして抑えて協力している。
「よお………」
「だから呑まないって………お、おう晴か………」
「らから………ひっく。呑めよぉ………」
「大変そうだな。」
「全くだ………」
「あら?霊夢。貴女は珀雲に絡まないのかしら?」
「はぁ?冗談じゃないわよ。いつもは魔理沙に絡まれてるから珀雲には感謝しているわ。ってかなんであんた達がここにいんのよ。」
「別にいいじゃない。大勢の方が楽しめるというものよ。それに私はこういうの好きなの。」
「知らないわよ。あんたの好みなんて………」
珀雲side
「どうやら
「こっちはこっちで大変なんだけどな。」
「あははは!珀雲が四人もいるー!」
「こいつ………酔っ払いすぎだ………全く。」
と言って珀雲は魔理沙の手を握り、念じる。するとはっと我に還ったように魔理沙の酔いが覚める。
「あ、あれ?私は………」
「うっぷ。」(酔いを能力で吸い込んだ)
「だ、大丈夫かぜ?」
「だ、だいじょ………うっ。」
「まじで大丈夫か?俺の能力は………あー。手遅れだったら意味ないんだったな。」
「ちょ、ちょっと
珀雲は博麗神社の敷地内の森に移動する。そこからは人里が少しばかり見える程度である。
気持ち悪いのだろうかなり顔色が悪くなりながらそばにあった木に背をもたれる。そしてある程度時間が経ったところで
気分も少しずつ優れていったのか、はぁとため息をつくと腰に手を置いて立ち上がる。
そこから見える人里の光景に笑みがこぼれる。自分が生まれ育った町さえもこういうふうに高いところから見たことがなかったため、
なんだか新鮮な気持になった。そこから誰かが見えた。人里の人達の服装というのは昔でいうところの
江戸時代のものなのだが、ここから見えた人は明らかに人里ものではなく、そして………
――――とてつもない痛みを持っていた………
???side
その男は長い髪を束ねて服は茶色と灰色のとりどりの幻想郷では珍しい服装だ。
そしてその男と話している男はとても巨大な図体で顔は虚無僧のような仮面をかぶっている。
服装はもう一人の男と同じような服装だった。
「あっちゃ~~失敗したね。」
「お前、計画性、無い。おでなら、上手く、やれる。」
「そうは言ってもねえ、おっさんは元々成功すると思ってやったわけじゃないし………」
「でも、失敗は………失敗。次は、おでの、番。」
「はいはい。分かってますよん。じゃあおっさんはのんびりしてますか~。」
珀雲side
「な、何なんだアイツ等?」
珀雲は震えが止まらなかった。痛みや傷は見ても自分以上のものはいなかった。
アイツ等の過去はとても想像できるようなものではないことは分かったが、一体どういう経験を積んでいるのかは
分からなかった。その【分からない】が恐怖になった。
すると後ろから物音が聞こえ、反射で振り向くと晴がいた。
晴はいつまで経っても戻ってこない珀雲を心配してきたようだ。
「酔い………じゃないよな?その震え。」
「あ、ははは………ちょっと………な。」
「………そういえば。」
「?」
「前にもあんなことがあったよな。」
あんなことというのはやはり異変のことなのだろう。珀雲には思うところがあった。
それを晴も感じていたのだろう。
「ああ。」
晴は少し俯くと再び顔を上げたときは笑顔だった。それに釣られて珀雲は笑顔で返す。
「俺は次はもうあんな失態を犯さないから。絶対この関係を破らないからな。」
「今更そんなこといいさ。」
「………それでも償いをしたい。で、考えた。もう一度、お前の親友になるってな。」
「………――――――――」
「!………ははは。」
珀雲の返事は期待したものとは少し違っていた。それでも晴のことを良く思う言葉だった。
晴は珀雲が博麗神社に戻っていく姿についていきながらその言葉を木霊のように繰り返していた。
「………ならさっさとしろ」
無愛想な言葉だった。
今回はちょっと短かったですね。
次回コラボ回「思想で何でも出来る存在」