あれは嘘だ。傷心記は火曜の夜10時に投稿します。
あと、蛇足ですが多分この作品のメインヒロインは魔理沙になることでしょう。
タグにもそうあるしね。そ・れ・だ・け☆
魔理沙が人里についてまもなくあの男の目撃情報が出てきた。
どうやら人に声をかけられる度にビクッと驚き、疾風の如く走り去っていく………
とのことだ。魔理沙が人間が苦手なのかと勝手に思いながら男が逃げていった方向に
行くと魔法の森に着いてしまった。まさかここに入ったのだろうか………
それは危ない。普通の人間がここに入って大丈夫なわけがないし第一妖怪がうようよいる。
と、最初はそう心配したが油断していたとはいえ、自分に傷を負わせたほどの人間だ。
そう簡単にはやられないだろうがやはり心配になってしまう。
???side
どこだここは………人に声をかけられて吃驚して目の前の森に駆け込んだのはまだいいが、
ここまで鬱蒼としていたとは思わなかった。
それにしても、なんだろう。とてもあの子に申し訳ない気持ちが目を潤す。
やはり、面と向かって謝罪するべきだったのだろうか………
いや、それは嫌だ。どうせ、駄目なんだ。俺を………『壊した奴等同様』に。
そう思うのはお門違いだろうと首を振って自分の疑問を否定する。
が、やはり過去にトラウマを植えつけられてしまった以上、そういった
疑いをどうしてもかけてしまう。どれだけ心が澄んだ人間にも………
そう自分の性格というか今の状態を直そうと叱咤激励していると
一際大きい木が目の前に現れる。その木は幹や根を動かしている。つまり木だと思っていたのは
化け物だったということだ。そんな冷静な分析をしている余裕は男には無かった。
「グオオオォォ!」
化け物の幹の部分が裂け、口のように開く。食べる気なのだ。
俺を………嫌だ!こんな奴に殺されたくない!殺されるぐらいだったら………
殺ってしまおう………そうだ。あいつは化け物ナンダカラ………
人ジャナインダカラ殺シテシマオウ………
意識が何かに奪われる。男は不敵な笑みを浮かべて、木の化け物に襲いかかる。
いきなりそんな行為をされて木の化け物も動揺したのだろう。
反応に遅れてしまう。一瞬で終わってしまった。左拳で木の化物の幹と根の間らへん
をへし折って男はそのまま両手を合わて謝った。
「ごめんな。」
木の化け物はギシギシと自分の枝が絡みあった音とともに崩れていった。
そしてふぅ………と溜め息をつくと木の化け物で最初は気付かなかった人物を見る。
そこにいたのは
口を開けて呆然とこちらを見ている魔理沙だった………
少し時間を巻き戻して魔理沙の場所から………
魔法の森というだけあって魔力があちらこちらで蠢いているため、
人などを探すのは至難の技だが、それは逆に霊力を持っている者を探すのは簡単だということだ。
そのためすぐに突き止めた、例の男がいる場所を………しかしそれと同時に一つの魔力が近くにいた。
そこまで強くはないがあの男が勝てるような存在とも思えなかった。魔理沙は急いでそこに向かった。
そして、そこで見たのは思いもよらぬ光景だった。
あの男が木の妖怪を殺しているという………信じがたい光景だったのだ。
「あ………あ………」
恐怖しているような喋り方だが、単に驚いて声が出ていないだけなのだが、
あの男はむっとした表情になり、こちらをにらんでくる。
またか………と言いたそうに見てくる。嫌われている気がしてならないのだが一応確認する。
「お前………さっき『博麗神社』で会った………よな?」
「………俺に関わるなといったはずだぞ?」
「いや!それとこれとは別だぜ!なんてったってこの近くに私の家があるからな!」
見苦しいがしつこいと言われたくないため嘘をついてみたが………
「ほぉ………?どう見ても家らしきものはお前の後ろの方にあったが?」
「っ!」
どうやら通用しないらしい………図星だった。
確かに私の後ろに『霧雨魔法店』がある。
なんとか嘘をつこうと考えるがその考えは一瞬で消し去った。何故なら私はそんなキャラじゃないからだ!
「おい!」
「(ビクッ!)な、なんだよ………」
「私と勝負しろ!」
「やだね。」
「即答!?」
「ったりめーだ。俺は女の子を虐める気はないし………あ!逆もまた然りな!」
逆ってどういうことだ?意味わからんぜ………
「それに………」
「それに………?」
「あの腋巫女から聞いたけど『弾幕ごっこ』だっけ?それ出来ないから………」
「出来ないってどういうことだぜ………って………あ!そっかここに来たばっかりだもんな………よし分かった!
私が教えてやるぜ!弾幕ごっこのやり方をさ!」
「………揉め事はそれで決めるって聞いたけど………」
「そうだぜ!いや、そんなことよりも………弾幕はパワーだぜ!」
「ゴリ押しかよ!もうちょっと捻ろよ!」
やっと男がツッコミを入れた………そうだ。名前を聞いてなかったぜ。
「そういやお前名前は?………私は霧雨 魔理沙だぜ!」
「………
「そうか!じゃよろしくな珀雲!」
「………ふ。」
珀雲は何を思ったか微笑んだ。
よく見れば髪がどうも曇っているような青色でとても悲しみのような色を現わしているように見えた。
でも珀雲の顔はどこか吹っ切れたようでさっきとは打って変わって明るい表情で
ついつい私も笑っていた。
すると笑いが込み上がってきたのか私に笑いながら語りかけた。
「ははは………魔理沙とやら………」
「何だぜ?」
「気に入ったよ。」
「?意味がよく分からないんだが………」
珀雲はひと呼吸置いて私に話かけた。
「………俺にここまでしつこく俺に話しかけてきたのはお前がはじめてだ。」
「お、おう………それで?」
「だから気に入った。そうだな………俺は時々人に大胆と呼ばれることが多くてなぁ………」
私は珀雲が言っている意味が全くわからなかった。
だが、珀雲の顔が少し赤らんでいることに気づいたら頭に一つの答えが出ていた。
「やっとその意味が分かったよ。」
「!?」
いきなりのことで何が起きたのか理解できなかった。
だけど『それ』が終わって珀雲がさっきまで言っていたことが分かってしまい、
私も顔を赤らめてしまった………何故なら珀雲は………
私にキスをしてきたのだ。
予想外だった。「気に入った」と言われたから少し嬉しかった。
しつこく構って欲しいと言ったような口ぶりで言ったかいがあったってもんだぜ!
で、でも流石にいきなりキスは驚いたぜ///
べ、別に嫌な気持ちにはならなかったけど///………寧ろもっとやってくrゲフンゲフン!
珀雲はかなり至近距離で私をじっと見てくる。
私もそれ相応の笑みで返す。そして、珀雲は爆弾発言をしてくる。
「魔理沙。実は俺………
お前に『一目惚れ』しちまったらしい。」
一目惚れ!?一目惚れってあれか!?
1度見ただけで運命の赤い糸を感じてしまうアレか!?
な、なんで珀雲が私なんかと………い、いやそれよりも私の手を握っているんだぜ!?
ま、満更でもないけど………わ、私も………
「好きだぜ………」
「両思いってやつか………」
「へ!?こ、声にでっちゃってたのぜ!?」
「うん。でっちゃってたのぜ。」
「ま、真似するんじゃないぜ!」
「こっちのセリフだぜ!」
「か、被せんなよー///」
「はっはっは!魔理沙はからかうと面白いってことが分かった。」
「むー!」
「怒んなよ………まぁ、怒った魔理沙も好きだぞ?」
「ふぇ!?」
最後に半分冗談だとだけ言い、珀雲は私の家に………
ってなんでいきなり入ってんだ!そこは「お邪魔します」の一声でもかけろよ!
家主がここにいるとしても(お前が言うな)
そんなことしたら………泥棒だぞ!(だからお前が言うな)
やれやれだぜ………と溜め息をつきながら自分の家に戻った。
すると、妙に片付いている部屋がお目にかかる。
なんで?どうして?自分で言うのはなんだけどとてつもなく汚かったはずなのに………
これはもしかして………珀雲がいることによって私が働かずに掃除できるってことじゃないか!?
これはいい奴を惚れた………もとい見つけて来たもんだぜ。
―――――――――
今日から日記を付けることにしてみた。
元々興味のあるものしか手を出さなかったからこれもいつまで続くかわからないけど
兎も角やってみようと思った。
今日の収穫はなんといっても私が一目惚れした男………逆狩 珀雲だろう。
私が何となく気になっていたのだがあれが恋煩いだとは思いもしなかった。
私の彼氏になるまでの時間が短すぎるため、一旦居候ということになった。
もう少しお互いを知ってから………ってほ、本格的に恋人みたいになってしまって毎日大変だぜ。
恥ずかしさで手が震えるから今日はここまでしておくぜ。
展開が早すぎる。
次回「茸狩りという名のデート」