東方傷心記   作:咲き人

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どうも咲き人です。今回………一部怖いことになってます。


其の弐拾参「争奪する愛(珀雲君涙目)3面」

橙が怪我をしていたのはどうやら魔理沙に挑んで返り討ちにあったからだそうだ。藍はおのれ魔理沙と言っていたがようは橙の実力不足なのではないかとツッコミを入れたかった。それにまだまだ実力不足なのは同じ猫に嫌われるというところだ。咲夜なんか橙がいたところに住んでいた猫全員と仲良くなっていたというのに。

 

 

閑話休題………

 

 

霊夢と咲夜は魔法の森の上空を飛んでいる。すると、霊夢が気づく。ここら辺は霧雨魔法店があるということに………あの後どうなったのかは分からないが話が終わったのだったら恐らく珀雲はここにいるはずだと思い咲夜にそう告げる。咲夜は途端に笑顔になり、すぐに降りようとはしゃぐ子供のようになって霊夢は苦笑した。全く………魔理沙も咲夜も珀雲のことになったら我が先と言わんばかりに周りのことが見えなくなるのだからと………

 

 

魔法の森に降りるとそこは霊夢の気づきどうりに霧雨魔法店の真ん前に降りたてた。そこには先客がいたらしくどんどんと扉を叩いている。だが、中に誰もいないことが分かるとすごく落ち込んでしまった。なんなのか彼女は?心なしか咲夜も残念そうだ。いや、それよりも彼女だ。容姿は金髪で、一見すると人形のような姿をしている。瞳の色は、褐色・金色系統だ。青のワンピースのようなノースリーブに、ロングスカートを着用していて、その肩にはケープのようなものを羽織っており、頭にはヘアバンドのように赤いリボンが巻かれている。そして手には一冊の魔力が宿った本を持っている間違いないと咲夜は思った。パチュリー様と同じ魔女………または魔法使いと呼ばれる種族。人という概念はなく膨大な魔力を持っているためそういう種族として認識されている。

 

 

彼女は霊夢と咲夜を見ると異変解決をしに来ていることが分かったのだろう。自己紹介をしてから説明してくれる。

 

 

「あら?貴女たちは………なるほど。異変解決に来たのね。博麗の巫女にいつぞやの騒がせた紅魔館の………」

 

「メイド長の十六夜 咲夜よ。」

 

「そう。咲夜ね。私は【アリス・マーガトロイド】。ここに住んでいる魔法使いよ。貴女たちは【これ】が分かるかしら?」

 

 

アリスがそう言うとアリスの後ろにいた人形が動きだし、その両手に持っているものを見せる。それは紛れもなく桜の花びらだった。アリスがそれに説明を加えてくれる。

 

 

「これは【春度】。異変の首謀者はこれを集めているの。」

 

「はぁ?何のために?」

 

「知らないわよ。そんなこと………でもこれはこんなふうにあるものはそうそうない。春というのはその人個人の考えで生まれたものだから………大体はここ………心にあるものなの。

それを持って死んだ人魂が上空に飛んでいっているの。これはそれが偶然春度だけ落ちてきたのを拾ったの。」

 

 

「じゃあ、人魂を管理する場所が怪しいと?」

 

「そうなるわね。と言っても大体そこは【冥界】としか呼ばれていないからすぐに分かるわよね。」

 

「なら冥界に行って首謀者をぶん殴ればいいのね。」

 

「殴っちゃだめでしょ。」

 

「………貴女本当に博麗の巫女かしら?」

 

「正真正銘博麗の巫女よ。文句あんの?」

 

「なんて横暴な………」

 

「と、とにかく霊夢。つまり今は地上の人魂を回収するために冥界には入りやすいはずだから行きましょう。」

 

「いや、それはいいんだけど。アリスだっけ?あんた魔理沙に何か用なの?生憎魔理沙は異変解決で………」

 

「違うわよ。私が用があったのは珀雲よ。」

 

 

アリスがそういった瞬間、咲夜の表情が一瞬強張るがすぐに平静を保つ。くそ!なんだこのアマ。珀雲さんを呼び捨てで言いやがって………付き合いが私よりも長い霊夢と魔理沙は百歩譲ってこいつの話は紅魔館では話されていなかったということは私よりも知り合って間もないというのに………

 

 

アリスは咲夜がそんなふうに憎悪の念を送っていることも露知らず事情を説明した。

 

 

「彼の春は凄い量なの。だからもしかしたら貴女たちみたいに知らないかもしれないから話そうかなって思っていたのだけど………」

 

「………いないみたいね。」

 

「残念だわ………」

 

 

そういうとしゃっと飛ぶ。その瞬間ナイフがアリスが立っていた場所に刺さる。もうこれ以上喋らせたら自分の我慢の限界だったのだろう。アリスはふふふと笑いながら咲夜を見る。

 

 

「そう………つまり………」

 

 

どうやら咲夜が何を言いたいのか察したようだ。そして右手を挙げる。するとさっきの人形たちが槍と剣を構える。戦いの準備は万全のようだ。咲夜も目が血走って息も怒っているように「ふー、ふー!」と犬みたいに威嚇している。霊夢ももしかしたら………と思っていたためあまり驚かなかった。さっきも言ったとおり、珀雲のことになると周りが見えないため、味方の霊夢がいるというのにも関わらず、咲夜は大量のナイフをばらまいている。流石は咲夜………一度戦った相手だけあって実力は分かっている。だからこそ、ここ数ヶ月の間でどれほどの実力をまた身につけたのかが手に取るように分かる。あのアリスとかいう女がいくら人形を使ったトリッキーな攻撃手段を用いてくるが咲夜の能力には手も足も出ない。否、能力のせいで手も足も出せないといったほうがいいのだろうか………明らかに咲夜のほうが押している。

 

 

「こうなったら………!白符【白亜の露西亜人形】!」

 

 

露西亜人形とはマトリョーシカと呼ばれる人形で人形の中にそれよりも一回り小さい人形が入っており、更にその人形の中が入っているという別名エンドレス人形とも呼ばれている?らしい(霊夢が聞いた珀雲からの情報)。このスペルカードは人形が炸裂して、そこから米粒弾が飛び出す仕組みになっているっぽい。感動的だな。だが無意味だ。咲夜もお返しと言わんばかりに1枚のスペルカードを取り出し宣言する。

 

 

「幻符【殺人ドール】!」

 

 

ナイフが大量に現れ、全てがアリスに向かって飛んでくる。あまりの出来事にアリスは何もできずにナイフに刺される。ピチューンという音がなり、勝敗が決まる。勿論咲夜の勝ちだ。咲夜は倒れているアリスに参ったかと言いたげな顔をして霊夢を連れて空を飛んでいった。アリスは苦虫を噛むような表情で気を闇に葬った。

 

 

 

 

珀雲side

 

 

「ひっ!?」

 

「ど、どうした………?」

 

 

珀雲は背筋が凍るような悪寒を感じ取った。どうやら何が起きたのかわかってないらしく、キョロキョロと周りを見回している。晴もいきなり珀雲の様子がおかしくなったので心配しているがどちらも原因がわからず、もう気にしないで先に行こうという結論に至った。

 




怖い主に咲夜さんがヤンデレになってそうで………紅魔館世紀末………

次回「三重合奏 4面」
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