一日一時間という制限をかけて制作しています。
今、俺こと逆狩 珀雲は魔理沙と一緒にキノコ狩りに出かけている。
実質デートと同じなのだが、そう思っているのは俺くらいだろう。
それにしてもここは魔理沙の家からそこまで遠くはないのだが、あたり一面、茸だらけだ。
魔理沙は魔法の材料に使うと述べているが、ベニテングタケとか魔力あるのか?
と、言いたいが魔法なんてまだ習っていないので否定はしない(肯定もしない)
なんか魔理沙の持ってきた袋から飛び出てきそうなぐらい大量の茸がその袋に入っていて、
俺は思った。………今日は鍋だな。――――と。そんなことよりも【あれ】を持つのか?
やめてください。死んでしまいます!
すると一際大きい茸の横を通り過ぎようとする。
かなりの大きさに思わず立ち止まって二度見してしまった。
これは………すごく………大きいでsってやかましいわ!
いや、これは本当に大きいぞ。魔理沙もこれなら喜ぶかも?まぁ、一応種類も聞きたいし、呼んどくか………
「おーい!魔理沙ぁー。ここに超でっかい茸があんだけどさー!」
「まじ!?今いくぜ!」
魔理沙は茂みにもろ顔を突っ込んでいたため、葉が頭や服に沢山ついていた。
それでも形振り構わず走ってくる姿を見て、珀雲は思わず笑いそうになった。
そしてすぐそばにある茸が妙に激しく揺れ動く、風が吹いているとはいえ、この動き方は大袈裟だし、異常だ。
やっと気づく、こいつはただの茸じゃなくて………茸の形をした【妖怪】だと。
それにまだ気づいていない魔理沙は茸の方はあちらからは見えない位置にいるため、まさか妖怪と鉢合わせているとは
思ってもいないだろう………そして茸の妖怪は木の妖怪と同様にいつの間にか口らしき物が開き、
そこから胞子のようなものがふわふわ飛んでくる。この程度の速度だったら目を瞑ってもよけられるが、
如何せんそこまで俺の思考は焦っていない訳ではないので、【魔理沙を庇う】としか考えがまとまらなかった。
否、それさえもまとまっていなかったのだが、思考より先に体が動いてしまったというのが本音だった。
魔理沙side
~♪~♪今日は珀雲とデートだぜ!いや~嬉しいな~。
で、でも一応は魔法の材料である茸を狩るっていう名目上致し方ないんだよなぁ………
しっかし、今日は茸が沢山だぜ!これなら今日は鍋になるかもな。
今日は珀雲が料理してくれるって言ってたし、楽しみだぜ☆
それにしても珀雲はどうしてあんなのに周りばっかり気にしてるんだぜ?
性格はかっこいいんだし、もっと男らしく堂々としていればいいのに………
もしかして香霖と似たような感じなのか!?い、いや多分違うだろう。
結構大胆だって言ってたし………ふふっ♪なんだか楽しくなってきちゃったぜ☆
お!噂をすれば何とやらだぜ珀雲が呼びかけてくれてるぜ。
私に聞きたいことがあるのかな?嬉しくてついついはしゃぎすぎちゃった気がするし、
寂しくて呼んだのかな?と試行錯誤なんて私らしくないことをしていると急に珀雲が
私の前に飛び出てきた。私は一瞬の出来事で反応できなかった。珀雲が何をしたのか分からなかった。
でも目の前にいた茸のような容姿をしていた妖怪が何やら口を開き、
その周りから変な色をした胞子みたいなのが空気上に漂っていた。珀雲がうずくまって苦しそうに呻いている。
きっと
「珀雲!」
「だ、大丈夫だ………そ、それよりあいつを先に………」
珀雲の容態はそこまで悪くなく、恐らく抗体でも持っていたのかは分からないが一応の無事を確認すると、
私は目の前の茸の妖怪を睨みつける。こういった妖怪が出てくることを先に言っておくんだったと
自分を責める。そんな感情を含め、珀雲を驚かそうと今まで隠していた【スペルカード】を取り出す。
私の………………私の………大切な………
「珀雲を襲った罰だぁー!恋符【マスタースパーク】!」
私が持っていたミニ八卦炉から高出力の魔力が吹き出す。
それは太いレーザーになり、目の前の茸の妖怪目掛けて地を這う。
そして香ばしく、焼ける匂いと共に茸の妖怪は塵一つ残らず、消えてしまった。
消滅したということだ。これでめでたく妖怪退治が完了したわけだが、珀雲の苦しんでいる声を聞くと
すぐに珀雲の傍に駆け寄る。見た感じ、どこも怪我は無いようだが安心は出来ない。
なんせ、毒を真正面から喰らったのだから………
「珀雲………」
「………す、すまないが………」
珀雲が物騒なことを言い始めようとする………ように聞こえた。
そんなの聞きたくないし、何か方法があるはずだと言い聞かせようと今日で何度目かの
試行錯誤をしようとしたが、元々そういうのは向いていないからか、
口から思ったことを言ってしまうぐらいに脳が故障してしまった。
「い、嫌だぜ!た、確か家に解毒薬があったはずだぜ!今とってくる。」
「………毒は喰らって………ない、ぞ。」
「へ?」
「ちょっと………辛、いだけだ。」
確かに珀雲は胸を抑えて苦しんでいる。
毒を喰らったとは言えそこまでピンポイントな場所を抑えるというのは
スゴ技というものだろう………なっていったって毒を喰らって自分に害が及ぶ部分
が分かっているというものだからだ。だからこそ、疑問に思う。
どうして真正面から毒を喰らって毒ではないとしたら逆に何が辛いなのだろうか………
だが、分かることは毒ではなくても珀雲は苦しんでいるということなのだ。
それが分かれば落ち着ける場所と言ったら自分の家………魔理沙の家ということだが、
そこになるはずだ。目的地に着いた瞬間、珀雲が倒れる。気絶しているようだ。
魔理沙はほっとして珀雲の腕を自分の肩にかける。
珀雲side
気がついたら魔理沙の顔がすぐ近くにあった。
思わず、声をあげて驚きそうだったが、魔理沙はどうやら長い時間俺を看ていてくれたのだろう………
今は寝ている。そのため声を出したい気持ちをぐっと堪え、魔理沙の肩から毛布をかけてあげた。
今日の魔理沙は多分とても疲れているだろうから、そっとして、俺はさっさと夕飯の支度をしますか。
電気設備無しで料理なんて2年ぐらいやったことなかったなぁ………
でも、まあ今日は頑張った魔理沙と俺のためにもういっちょ頑張りますか!
早速、俺は支度にかかった。まずは鍋や食材などを一旦全て確認してから………って
鍋………これ、変な粉が付いてんだけど、一体何に使ったんだとツッコミたかったが、
今は我慢して、黙々と鍋やら食器やらを洗うところから始まった。
暫くして、誰かが見ているという気がしてならなくなってきた。
いや、最初からそんな気がしてはいたのだが、今はどこから見ているのかもわかってしまうぐらい
気配がレーダーのように強く感じる。勿論、魔理沙はまだ寝ている。
どうやらかなり疲れていたようだ。夜眠れなくなりそうだな。
そんなことより………この見られている状態が続いている。くそ!声に出すな!
と自分の体に言い聞かせる。俺の恩人である魔理沙に対する態度の現れを汲み取ったのか
その気配は徐々に遠くなっていく………ふう………と一息をついたところで、茸鍋もできたようだ。
魔理沙を起こそうと後ろ振り向いた瞬間、魔理沙が立ってこっちを見ていたので思わず
「おわあ!?」
とかなりオーバーなリアクションをしてしまった。
それだけでなく驚きのあまり後ろに転倒してしまう。後ろといっても後ろには鍋があったので
咄嗟に体の軸をずらしたらまな板に後頭部をぶつける。すると、まな板の上に乗っていた
包丁が目の前を通って、床に勢いよく刺さる。頭をぶつけた痛みで前に出ていたら
死んでいただろう………あまりの出来事に思わず「ハ………ハハ」と顔を引き攣って笑っていた。
恐怖のあまり人はついつい笑ってしまうと聞くが本当のことだとはこのとき初めて知った。
魔理沙は俺の不幸っぷりにどうやら笑いを堪えられなかったのだろうか、
腹を抱えて「アハハ!」と笑っていた。
「おお!うまいなこれ!外の世界の男って料理できんのか?」
「どうだろうな。俺が知っている奴は殆どの奴が作れなかたけど………別に教えれば人が全員ができるわけじゃないぞ?
人には向き不向きっていうのがあるからな。意外な人もいる。」
「ふーん。例えば?」
「そうだな。体がムキムキで顔が超怖い奴が実は超料理が美味かったり優しかったり、
なんでもできる系の美人が実は妄想癖が凄かったりとか………」
「な、なんだよそれ………」
「気にするな『ただの』経験談だ。」
「それを『ただの』で済ましちまうお前が怖いぜ。」
「逆に俺の周りが酷いんだ。俺のせいにするな。」
「お、おう悪かったぜ。ん!これも美味いな。」
「ふっ………お前の口に合ってて良かったよ。それにしても魔理沙は料理をしないのか?」
「い、いやぁ………私、いつもは霊夢に縋ってるからな。」
「………俺が料理を教えてやろうか?霊夢のためにもお前のためにもな。」
「う!………お、お願いします。」
「じゃあ明日からやっていくぞ。いつか俺に料理してくれる日が来るのを待ってるぜ。」
「う、うん!///」
「その代わり………」
「その代わり?」
「弾幕ごっことスペルカードを教えてくれよ。」
「分かったぜ!」
茸鍋を全て食うと魔理沙もさっき料理を教えてもらうと言ったばかりなので洗うのを手伝った。
他にも収集癖が酷い魔理沙のためにも収納術などを教えてあげた。
そして少しずつ綺麗になっていく自分の部屋にいちいち吃驚していた。
「アハハ………」と俺は声をあげて笑っていた。
そして俺も沢山のことを学んだ。この世界では揉め事を弾幕ごっこで決めるということは
勿論のこと、スペルカードなどの力を駆使して戦うということなど………
そして最後に魔理沙は「弾幕はパワーだぜ!」と言っていたのである程度それも参考にしておこう。
………宛にはならないが………
実際いきなり世界が変わって最初は戸惑ったが結果的には良かった。
生まれて初めての一目惚れも経験したし、何より…………俺を蔑まない、
拒まない、それどころか、受け入れてくれる。この世界は………
やっと自分の生きられる場所を見つけられた。やっと自分の幸せを見つけられた。
今までが嘘に思える程、楽しく、退屈しない毎日だ。これからが楽しみになった。
【あの時】とは全く違う。あんな世界にもう戻らない。戻りたくない。
二度とこの場所から離れたくないと願うようになった。
それよりもこの世界は【能力】が不思議ではない。
それが一番俺が喜んだ理由だった。何故ならこの【能力】のせいであの地獄を見る羽目になったのだから………
不便な力ではあるが、この世界を生きていくには必要不可欠だ。
俺はこの【能力】を憎んでいた。この力のせいで色々酷いことをされたから………
でも、この世界だったらそんなことはされない。やっとこそ俺は自由になれるのだと確信したのだった。
――――
今日は珀雲とデート(茸狩り)した。とても楽しみで舞い上がっていたら
突如として珀雲が妖怪に襲われちゃったんだぜ。とても焦って………珀雲が言うには
外の世界ではテンパるっていうわしいけど、つまりそれをしちゃって判断が追いつかなくて………
あぁもう!って頭の中がグチャグチャになってその妖怪に向けてマスパを放っちまった。
自分でもいくら珀雲が襲われたからってカッとなりすぎだと反省しているぜ。
面倒な小説だ。
だがそれがいい。
次回「博麗神社で戦う?」