さて………オリジナル展開(異変)は来るのでしょうか?
そして初弾幕ごっこ。
俺と魔理沙は博麗神社にやってきた。
魔理沙の料理の腕はまだままならないので、致し方ないが博麗神社にやってきたのだ。
博麗神社の巫女………【博麗 霊夢】とやらに料理を代わりに教えてもらうという手もあったが、
魔理沙曰く、本人は異常なまでの面倒くさがりなので当てにならないらしい。
ならなんで博麗神社に来たのかだって?それは………遊びに来たからだ。
「霊夢!遊びに来たぜ!」
「はぁ………暫く平和だったのに………」
「まぁまぁそんな寂しいこと言うなよー。」
と魔理沙は霊夢を宥めているが、等の本人は面倒くさそうだ。
これなら魔理沙の言っていたことだよくわかった。だが、霊夢もどこか嬉しそうな顔をしていると
俺は思えた。やはり、どんな面倒くさがり屋でも暫く会えなかったから少し寂しく感じるものだろう………
それが、ほぼ毎日来る人物だったら尚更だ。
俺にそんな友は居なかった………いや、【友】そのものが居なかったな。そういえば………
しかし、霊夢が若干嬉しそうな顔をして、魔理沙も笑顔なところを見ている俺は一人寂しくなってきた。
霊夢に寂しい思いをさせてしまったのは自分だとわかってしまうから………
それにどこか俺という存在を二人が避けているように見えてくるからだ。
やはり………俺は………――――だといっつも思っている。
いくら魔理沙が俺のことに好意を抱いていたとしても、俺の過去を知らないのだから
徐々に不気味に思えてくるだろう………まぁ、それも………【アイツ】がここに来なければの話だがな。
俺は作り笑顔をして魔理沙達のいる場所に向かって歩いた。
そこでやっとこさ霊夢が俺の存在に気づいたらしく、話しかけてきた。
「あら?あんたはこないだの………」
「久しぶりだな。博麗………霊夢だったな。俺は逆狩 珀雲だ………よろしく霊夢。」
「あんたの名前なんぞどうでもいいわ。ただなんであんたが魔理沙と一緒にいるのよ?」
少しイラっときてしまったのは俺の心の中だけでの秘密だ。
俺は女子に感情を抱くことはないだろうと思っていたのだが、この世界に来てから色んなことが
覆されている。主に【霊力】とか【魔力】とか【妖怪】だとか【妖力】とか【神力】とかetc………
俺が生きてきた世界がまるで偽物だったかのようにこの世界は俺に適している。
ここは俺の住人になれたと思うとなんだか心が救われるようだな思いだった。
そして、長く下を向いていた………素直に伝えるべきか否かということだが、俺は素直に言うことを決めた。
魔理沙は恥ずかしそうにチラチラとこちらを見てくる。それに無言で笑って答えた。
「俺か?俺は魔理沙の家に居候させてもらってんだ。」
魔理沙も「そ、それなら………」と小言のように呟いたがこれは確かに嘘ではない。
ただ………俺と魔理沙が両思いだということを伏せているだけだ。
それを聞いた霊夢はまたつまらなそうに「ふ~ん」とだけ言ってお茶をすすった。
言い忘れていたが、今俺たちは博麗神社の居間に座っている。
俺の隣に魔理沙、その向かいに霊夢でさながら相手の親に娘との結婚の了承を頂きに来ているかのようで
少し緊張していた。まぁ、こんなの外の世界だけだろうから魔理沙や霊夢には分からないだろうから
言い出しにくかったため、心の奥底にしまっておいた。
そして急にまるで今思い出したかのように驚いて「あ!」と声を張り上げる。
何かと思って俺と霊夢は顔を見合わせてから魔理沙の顔を見る。若干口元が上がっていて
なんだかよからぬことを考えている顔だなと思った。そして思っていたことを口にだした。
「丁度いいぜ!珀雲、弾幕ごっこだ!」
「ちょ、ちょっと魔理沙!いきなりそんなことは………」
「いや、いいよ。」
「さっすが珀雲だぜ!話が分かってこっちも説明する手間が省けたよ。」
「どうせYESと答えるまで引き下がらないだろうからな。」
「ふふん♪じゃあ早速始めようぜ!」
「(たった数日で魔理沙の性格を完璧に捉えている………居候とはいえ、かなり冷静で情報を確実にまとめるタイプね。
あの魔理沙相手にどこまで行けるか観ものだわ)」
この時、珀雲が霊夢の興味の対象の一つになったのは言うまでも無かった。
珀雲と魔理沙はお互い平等な距離に離れて位置についた。
どうやら審判は霊夢が努めてくれるようだ。流石はスペルカードルールを創った者ではある。
そして、俺が今回戦うのはその霊夢と肩を並べ、同じ異変解決者である霧雨 魔理沙だ。
勝ち目はほぼと言ってもいいほどないだろう………だが、こっちにはスペカがある。
魔理沙に見せていないスペカがな。それに【ラストワード】なるものも作ってみた。
自分の能力と相まって半ばチートだ。近くをほっつき歩いていた妖怪で試してみたが1秒も持たず終わってしまって
凄さがあまり感じられなかったが多分大丈夫だろう………
さて、弾幕ごっこ
「いきなり飛ばしていくぜ!」
「くっ!」
宣言どうり唐突に弾幕が降り注ぐ。それを苦い顔をしながら俺は避けていく、
ここまでは簡単だ………今の俺は空を飛ぶことは出来ない。魔法の空飛ぶ箒も今は試している
期間中だ。だから、俺は神社の敷地内を駆け巡って魔理沙が箒に股がって落としてくる弾幕から逃げている。
魔理沙side
「ほらほらどうした?逃げてばかりじゃ私は倒せないぜ!」
「………………」
言葉が聞こえないほど遠くに行ってはいないので、何か秘策でもあるのかと
期待をしているが何一つ珀雲自身が行動を起こさずただただ時間が過ぎていく………
霊夢に関してはつまらなそうにお茶を啜っている。
ここで一つの疑問が浮かび上がった。
何故珀雲は攻撃してこない?
そうなのだ。一切攻撃してこない。弾幕が出せないわけではい。練習してすぐ弾幕を出すことはできたし、
何回もやっていた。なのに今は弾幕の一つも出していない。何故だ?きっと理由があるはずだ。
別段、私を攻撃したくないからという理由は考えられないだろう………
練習のときは特に躊躇っている様子も見られなかったし、
あと、私の弾幕を避けるので精一杯という考えもないだろう………だって珀雲の表情は【無】なのだから。
焦っていたりしていたら少しでも同様の一つでも見られるものだが珀雲からはそれが見られない。
珀雲side
そうだもっともっと考えろ!疑問を増やしていけ魔理沙!
お前は元々考えて行動するのは向いていない。
この数日でそういうのが弱点だというのは知っていた。
そして、お前はそろそろ考えるのが面倒臭くなってくるはずだ………
そう、お前は必ずマスタースパークを撃ってくる。知っている。お前がそういう性格なのは………
だが、そうすれば………魔理沙………お前の負けだぞ?
魔理沙side
くっ!私は元々こういう考えて行動する派じゃないんだぜ!
いつまでも珀雲に被弾しないんじゃらちがあかない、こうなったら………特大のをお見舞いしてやるぜ!
「喰らえ!珀雲!」
「!」
「ま、魔理沙あんた一般人に………!」
珀雲side
霊夢が驚くのも無理はない………魔理沙が取り出したのは一枚のカード。
そう………【スペルカード】だ。自分の得意とする力をカードに閉じ込めるというなんという必殺技なのだろうと
聞いたときは思ったが、よくよく考えても見ろ。【必殺技】とは【必ず殺す技】だ。
それで殺さなかったら必殺技ではないではないか。それだから必殺技という言葉の意味どうりにそれらしい
スペルカードを創った………霊夢。確かに俺は外来人だが………外来人が、否。
異世界人がチートなのは今に始まったことではないのだということをお前達はまだ知らない。
「恋符【マスタースパーク】!」
「ふ!それを待っていたぞ。」
「何!?」
「スペルカード………引力【非常な暴力の溜まり場】」
俺が宣言したスペカの効果が発動する。カードから飛び出るように球体が出現する。
それは月と似たデザインでただその場から一切動こうとせず、魔理沙が放ったマスパがそれに吸い込まれていく………
その光景を見た魔理沙と霊夢は唖然としていたが、魔理沙は俺にスペカの正体を聞きたそうにこちらを見てきた。
流石にこれを隠そうという気は起きなかったので何一つ隠さずに教えてあげた。
「折角だから説明してやろう。このスペルカードは所謂、防御スペカというもので、
通常弾幕以外の【力】をさっき出てきた月みたいなのに引き寄せる………っていうものだ。
ま、勿論あれが壊れたらおしまいだけどな。」
普通なら自分の十八番が敗れたら悔しがるものなのだが、魔理沙は違った。
どこか嬉しそうな笑みを浮かべている。どうやらまだあちらには策があるようだ。
それを見てこちらもニコリとして笑って返した。双方何も喋らずに弾幕ごっこが再開された。
魔理沙はさっきとは全く違う弾幕を出してくる。
どうやら魔力でできたミサイルと言ったところだろう。それがほぼまっすぐに飛んでくる。
珀雲に向かってくる弾幕を無表情で躱す。ただ、状況はかなり珀雲の不利だろう。
弾幕を出してもあちらは機動力の高い空飛ぶ箒………それに加えあちらの方があきらかに弾幕ごっこの上級者だ。
また勝ち目のない振り出しに戻ったようなものだ。さっきのようにスペカを使ってくるとはも思えない。
ならば………と考えを始める。また意表をついた行動をするしか勝ち目はないのだが、
そのようなことができるほどの体力が今はない。体力には自信があった珀雲も流石に初弾幕ごっこということもあってか
全ての弾幕を回避するのが少しずつ辛くなってくる。
少し、大胆に行くか………そういう考えに至った。
思い返せば魔理沙はいつも「弾幕はパワーだぜ!」と言っていた。それが彼女の決め台詞なのだろうが、
少しぐらいは知略を練って欲しいと思ったことがある。だが一向に聞かなかったので、もう自分が作ってみようという発想になった。
そのスペカはもう少し後で………というか使わなくていいだろうと思っていたのだが、
この際迷っている暇などないと開き直る。勝ち負けにこだわるタイプではないんだが挑まれた勝負にみすみす負けるのも
おかしい。よし!行くぞ魔理沙!これを【回避】できるかな?
「魔理沙………」
「ん?どうしたんだぜ、もう降参か?」
「ああ。ただ………俺の最後の一撃を避けられたのならな。」
「!………上等だ!」
魔理沙が身構える。魔理沙は最初から俺を初心者として扱わず、戦ってくれた。
自分が手加減するのはまだいいのだが、女の子に手加減された日には自殺しかける。
そのため魔理沙のその相手に対する敬意を汲み取って、こちらも奥義を見せてやる。
一泡吹かせてやるぞ!魔理沙………
魔理沙side
珀雲は言った。「最後の一撃」だと………ということは万策尽きていたということだ。
それでもまるでまだ何か策があるのではないか?という疑問をさせるような演技力には感服した。
でも、私も異変解決者として負けるわけにはいかないんだぜ!
こうなったら私も取って置きの奴で向かってやるぜ!
「来い!珀雲!」
魔理沙が一括すると珀雲はポケットから1枚の白紙のカードを取り出す。
それに命を吹き込むかのようにそっと息を吹きかける………すると、そのカードに色が滲み出し、
絵づらが顕になる。そこには真っ黒な背景に血飛沫のように赤色が飛び散っているというとても不気味な絵だった。
あまりの恐ろしさに背筋がゾッとしてしまう。
顔には出さなかったが嫌な汗が首から背中を伝って思わず胴震いしてしまった。
そして不敵な笑みを浮かべながら珀雲が高らかに叫ぶ………スペルカードの名を………
それに合わせて、箒に立ちミニ八卦炉を取り出し、こちらも1枚のスペカの名を叫ぶ。
二人が自信の最後のスペカの名前を叫んだのはほぼ同時だった。
「痛符【モアペインスパーク】!」
「魔砲【ファイナルマスタースパーク】!」
双方の馬鹿でかい力同士がぶつかり合う。魔理沙が放ったマスパがレインボーに輝いているのに比べ、
珀雲が放った弾幕は赤黒く、邪念のようなものが漂っている。霊夢はあまりの出来事に口を開けたまま
呆然としていた。それもそうだろう………魔理沙の弾幕と真正面からぶつかった弾幕というのは中々見られないものなのだ。
それにしても、珀雲が放ったのはとても禍々しく、今すぐにでも災害が降り注ぎそうなものであった。
そしてやがて二人の自慢のスペカに時間が来たようで消滅する。だがその時、巨大な爆発が二人を襲う。
霊夢は声には出さなかったが「神社の老朽箇所がまた増える………」と思って煙に包まれている二人を睨んでいたそうだ。
そして………立っていたのは………
爆発のさいにどこかのコントのように髪がボサボサになっている珀雲だった………
珀雲side
ゲホッゲホッ!あ~畜生、してやられた。うわ………髪型が酷いことに………
もう後で直そう。それより今は魔理沙だ。
珀雲は自分の髪型に落ち込んだが、気を取り直して魔理沙が倒れている場所に向かった。
魔理沙side
魔理沙は一人倒れて暫くぼ~っとしていた。負けた………そんなことばかりが自分の周りで回っている。
珀雲の力を甘く見ていたというのもあるが、それよりも珀雲みたいなタイプが自分の意見を採用してくれたことに驚いてた。
だから珀雲に負けたというよりも自分に負けてしまったというのが正直な感想だった。
でも、その【自分】を使ったのは珀雲なのだから、結局のところ、珀雲に負けたのもあまり変わらないじゃないかと
自分で突っ込んで少し笑ってしまった。その顔を珀雲に見られているというのに………
!?思わず思いっきり飛び上がったが、すぐそこに珀雲がいたため、頭を珀雲の顎の部分に当ててしまう。
「「痛ったぁ~~!?」」
「「………ぷっ。アハハハ!!」」
珀雲side
二人して笑い出す。あまりにおかしくてつい笑ってしまった。
良かった。魔理沙が自分が倒れたことを悔しんていたらどうしようと思っていたが、そんな心配は無用だったようだ。
いつもの魔理沙だ。そしてゆっくり立ち上がって、魔理沙に手を差し伸べる。
俺のその行為を魔理沙はじっと見ると少し恥ずかしそうに顔を赤らめながら手を取る。
そして魔理沙の瞳を見つめながら俺は静かに告げる。
「これで少しは………お前のために強くなれたかな?」
「わ、私は守られるほど………弱くないもん///」
プイっと顔を赤らめたまま視線をずらす。それがどこか愛おしくて可愛らしかった。
ジロジロ見ていたからか「こっちみんなよぉ………」とだだをこね始めた。
霊夢は俺たちの仲の良さに驚いていたのか暫くこちらに声をかけなかったが、
急に魔理沙の耳元でボソッというと魔理沙の顔からボっと湯気が吹き出る。どうしたのだろう………?
「そろそろ日が暮れてきたし………帰ろうか魔理沙。」
「お、おう………」
「どうしたんだ?さっきから何か変だぞ?」
「な、なんでもない!」
「え、あ、ちょ!俺置いていかないでよ~!」
魔理沙は恥ずかしそうに珀雲の言葉に反応したが、珀雲が心配した瞬間、血相を変えて箒に乗って帰ってしまった。
珀雲はどうやって帰ればいいのか見当もつかないため、取り敢えず、追いかけていった。
霊夢side
二人が自分の敷地内から出ていくのを確認すると、少し微笑んだ。
魔理沙がまさかあんな反応をするとは思わなかったからだ………
「お熱いことね。魔理沙。そんなに彼が好き?」
冗談のつもりだったのだが、あそこまでリアクションされたとなると脈アリなのかもしれない。
けど………逆狩 珀雲。彼は【おかしい】。どこかが違う。さっきのスペルカードみたいに禍々しいものが
漂っているような気がするのよねぇ………ま、勘だけど。ただ………彼が最後に放ったあの弾幕………
どこか【妖力】に似ていたのだけど………完璧に人だったし、気のせいか………
――――
今日は珀雲と弾幕ごっこをした。珀雲の作戦の見事を引っかかってしまい、負けてしまったんだぜ。
でも珀雲が「弾幕はパワーだ」と言ったときは少し面白くて思わず吹いてしまった。
負けて悔しい反面、少し珀雲の言葉が心に響いた。その代わり、霊夢にからかわれて恥じらいでしまった。
………いつもからかっているため今日くらいはその罰を甘んじてうけた。
他に思いつくことがないので今日はここまでにしておこう………
次回「少年を壊した少年」