俺は今【霧の湖】のほとりで釣りをしている。今日ぐらいは贅沢をして魚料理……特に刺身が食べたいと思って魔理沙といっしょに釣りに行った。釣り竿なんかは案外香霖さんが売っていたのでそんなに高い値段をはたかずに手に入れることができた。クーラーボックスも売っていてよかったと思いました(マル)。
さてと霧の湖に住んでいるチルノと大妖精も興味ありげに俺と魔理沙の横に座って垂れている釣り糸を眺めている。まだ二人ともHITしていないが四人もいるため、話のネタが底をつかない。とても面白おかしく話を盛り上げて騒ぎ立てているから魚が寄ってこないのではないかと後ろめたいこともあったが、楽しんでいるうちに俺の方の釣り糸がチャプチャプと沈んだり、浮かんだりを繰り返し、そして……チャプン!と音を立てて餌を釣り竿ごと引っ張ろうとする。慌てて釣り竿を引き、リールを巻いて引き寄せる。他の三人からの声援は嬉しいが、頼むから集中させてほしいものだ。約一分の格闘であったため、とても短い時間の中だったのだが、とても長いような時間であったそんな感じであった。
「取ったーー!」
釣り竿を引き上げると釣り竿の先には……一匹のマスがピチピチと体をうねうねと動かしているとても活きがいい。
「凄いです!」
「それ食べるの?」
「へえー。湖の割にはこんな魚も取れんのか……いや、まあ深いことだから突っ込まないようにしよう。」
「とてもうまそうだな。よし!私もなんか釣ってやるぜ!」
「あたいもやってみたーい!」
「お、じゃやってみっか。ほれ。」
「よーし!あたいも大物釣ってやるぞー!」
「チルノちゃん頑張って~!」
「任せろ大ちゃん!」
数十分後……
「お!かかった、かかった!」
「落ち着け魔理沙。興奮しすぎだ。」
「よっしゃー!大物……」
「「「「え?」」」」
魔理沙が釣ったのは大物中の大物……人魚であった。
「し、しまったわ!私としたことが目の前の餌にホイホイとついっちまった!」
「に、人魚……?」
「何かしら青髪の?私は【ワカサギ姫】よ。」
「姫?」
「私たちあったことありませんね。」
「じゃあ引き籠もりか?パチュリーみたいな奴かぜ?」
「引き籠もりじゃないわよ!外に出る意味が無いだけよ!」
「引き籠もりだな。」
「引き籠もり?」
「引き籠もりですね。」
「引き籠もりだぜ。」
「う、うわぁぁん!」
ワカサギ姫は釣り糸の餌を吐き出し、泣きながら湖の底へと潜っていった。
「あんなのいんのかよ。」
「知らなかったね大ちゃん。」
「そうだね。」
「人魚って食えんのか?」
「食えば不老不死らしいぞ。」
「よし釣るぜ!」
人一倍不老不死に目がない魔理沙はもう一度あのワカサギ姫を取って食おうと釣り竿を振り、釣り糸を投げた。珀雲はそれを見てはあとため息をついた。
次回予告
今度の異変は月が満月より少し欠けた状態のままが続いてしまう。この異変に立ち向かうために魔理沙はお決まりかのように珀雲を叩き起こしに行く。だが、すでに珀雲はおらず、どこかへと姿をくらましてしまう。珀雲のことを心配する魔理沙………その時、珀雲は!?
そして紅魔館でも異変が起きた。急に晴が置き手紙を残してどっかへ行ってしまったのである。手紙の内容には珀雲と晴の秘密のことについて語られてあった。
「時折重なる天からの鳴き声………狂わせるような穢れなき理想郷………人の目を紅く染め上げるような志に全てを魅せられ生きてきたのに………私は変わってしまった。一人の人間に恋したおかげで………私は自由でいられる………」
次章「永夜異変~不死の山から這い上がる者~」
次回「夜は長く、月は薄く」