愛を告白する日   作:AYA55

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第1話

時はバレンタイン、好きな人に恋を伝えるそんな時、そして恋人は

さらに愛を深める、それに興じたチョコレートを作るメーカーが忙しくなる。そんな日だ……だけど

 

 

「はぁ………」

 

「おい、宗まだへこんでるのか……」

 

 

この男は友人と言えばいいのかな。

黒桐だ。俺なんか比べ物にならんくらいのお人よしだ

 

 

「藤が、さあ……お前も聞いただろ」

 

「藤乃ちゃんか、この前あったけど、凄い美人なってたな」

 

「そうそう、ほんと、俺にはもったいないくらいの美人で……って藤にあったことあんの?」

 

「うん、この前少しね、前より美人なってた気がする。で、その藤乃ちゃんに何をしたら、あんなに怒られるの宗は」

 

「うう………俺は良いと思ったんだよ」

 

「????」

 

 

事の発端は、デートで雨で寒くなってきて、それで俺が藤に、寒いだろっていって、もちろん藤は断って

俺に気を使ったんだけど、そんなことお構いなしで、俺は羽織ってるものを着せて

その結果藤は、風邪ひかなかった……けど、俺は風邪とまでいかないけど……それに近いのをもらって

 

 

「その結果宗があんなことになったらね……それじゃあ藤乃ちゃん怒っても仕方ないよ

藤乃ちゃんの性格、僕が言わなくてもわかるだろ」

 

 

そんなこと言わんでもわかる、でもやっぱ男なんだから

何とかして守ってやりたいってのが男だろ

 

 

「まあ宗の言いたいこともわかるよ、でも藤乃ちゃんの気持ちも考えないと」

 

「わかってるよ、そんなのお前に言われなくても」

 

「ふふ」

 

「なんだよ……」

 

「宗も変わったなと思ってさ、以前のお前は誰も信じない奴なのに」

 

 

そんなやつと付き合ってたこいつも相当変わり者だ。藤と出会い、俺は変わったのだろう、

だからこそ、だからこそ……何とかしてやりたいと思って、柔らかくなっていったんだろうな

 

 

「お前のせいだよ、お前のお人よしが映って藤のこと気にしていって」

 

「はいはい、何べんでも聞いたことだよな、で?藤乃ちゃん、あれから何も言ってくれないの?」

 

「何べんも電話したよ、メールも何べんも、全然帰ってこねえよ……」

 

 

さすがにやばいと思ってる、ついにあの女神の浅上藤乃もお冠かと思った

俺のためにといったのに、俺が押し通すもんだから

 

 

「うーん、藤乃ちゃん、そんな子じゃないと思うけど、きっと宗お前がたるんでるんだよ、

女に現ぬかす前にがんばれそういいたかったんじゃないのか?

もちろん宗の気持ちも藤乃ちゃんちゃんとわかってる、だから宗は宗の出来ることをすればいいんだ」

 

「そんなことお前に言われんでもわかってるよ、でもあんがとな、お前もそういや付き合ってるんだっけ?」

 

「ああ、もう結構長いし、近いうちに籍もいれると思う、お前にも今度見せるから」

 

「はは、じゃあな」

 

 

それからもちろん、ちゃんとあいつの言うとおりにやったし

いや正直なところ目が覚めたのかもしれない、それまで俺はちゃんとやっているつもりでも……どこかでそんなところが

もちろん藤に毎日連絡した、もちろん何もなかったわけだが……

 

 

・・・・・

 

 

trrrrr

 

 

今日も宗一郎さんから電話やメールは来ます

私自体別にどうも思ってません、ましてや……私のためにと今では思っています、

確かに私なんかのために風邪なんかひいてしまってと怒ってしまったのも事実です。

 

 

でも嬉しいんです。それなのにどうしてこう電話も取らないのか

 

 

「鮮花、こんなことしていいのかしら……

私はもうああいっただけで怒ってないし……」

 

 

「駄目よ、藤乃が私に聞いてきたんでしょ、なら尚更

バレンタインの前、だからこそ確かめなきゃあ

藤乃だって、もう無茶はしてほしくないわけよね」

 

 

それはそうですが……

 

 

「宗一郎さんに嫌われますねきっと………」

 

「電話できてるからそれはないでしょ」

 

「分かんないですよ、私に愛想尽かせたのかもしれません……彼なら私よりよっぽどいい人いっぱいいますから」

 

「いい、藤乃、これはチャンスなのよ」

 

「チャンス?」

 

「そう、お互いの気持ちを確かめ合うチャンス

もしお互いが好きならそれはきっと深め合うチャンスなんだから」

 

 

確かめ合うも何も、私と宗一郎さんはとっくに……

 

 

「大体、藤乃、彼はプロ野球選手なんだから、彼には少し練習に集中してもらわないと

もしあなたの想い描いているような男なら、きっと帰ってきたら謝る……違わない?

その時、藤乃は言えばいいんじゃないかしら」

 

 

それはそうですけど……確かに宗一郎さんは怒らないとは思いますけど……

 

 

「納得してない顔ね、そんなに言うならバレンタインくらい少しのチョコ上げれば

藤乃、宗一郎さんに会うとき一番いいの渡すつもりならまず、軽いのからしてあげれば

手紙もそえて」

 

それならば、宗一郎さんもきっと来てくれる、そう納得した私は

 

「うん、わかった。本当に鮮花、大丈夫なのこれ」

 

「ええ、ほら、旦那さんが帰ってくるまでにおいしい料理できるように頑張らなきゃあ」

 

「まだ、旦那さんになったわけでは、ったく鮮花、楽しんでるんでしょう」

 

「さあね、ただあなたたち二人飽きないのよみてて」

 

 

そういうのを楽しんでいるっていうんですけど、私は言うのをやめた、言ったところで疲れるだけですから

そのあと、私は結局鮮花の言うとおり、宗一郎さんが好きと言っていたものを懸命に作りました。

もちろん、あれも忘れてはいませんでした

 

 

「(あったら、謝らないと、謝って、宗一郎さんに、宗一郎さんに会いたい……)」

 

 

なんてことが流れていきながら、あの日を迎える

 

 

ズバーーン!

 

 

「おっいいボールじゃないか」

 

「なんだお前か」

 

 

俺に話しかけてきたこいつは高校の時からの付き合いで

プロとしてのキャリアはすごいものがある、3割30本100打点の常連で守備の名手の三塁手だ

 

 

「なんかいい顔してるな、浅上さんと何かあったのか?」

 

「うーーん、まあそのことなんだけどな、まだ停滞中」

 

 

説明するとこいつには藤乃のことはいってる、もちろんあのこと自体は言ってない

 

 

説明したのは、黒桐がプライベートの友人ならこいつは、プロ野球での真の友人だからだ

喋りを聞くとわかるが長距離打者のくせして物腰が凄い柔らかい、

俺が柔らかくなったのは間違いなく黒桐とこいつのせいだ

 

 

「にしちゃあ、あれだな、なんかすっきりしてんな?」

 

「藤のことは確かに気になるけど、俺の本文は

野球で稼ぐことだし、まずは目の前のこと一生懸命やらないとな」

 

「宗も、大変だったな、良く持ち直したなここまで」

 

「お前もこんな俺をよくここまで見たもんだよ、感謝してる。

だからこそ俺はもう手放したくないんだ」

 

 

もう辛い思いをするのなんて沢山だ……だから今は……

そして、ホテルに帰り着いたときだった

 

 

「宗、今年もチョコ来てるぞ」

 

 

まあ俺は既婚者じゃないし、来ても不思議じゃないがきっと……あいつからは……

そう思いつつ、受け取ってチョコを見まわしてみると

 

 

「あれ……」

 

 

チョコのところに手紙が添えられていた、見てみると

 

 

 

「藤………そうか、贈ってくれたのか……ごめんな」

 

 

そう安堵したのもつかの間だった

 

 

【宗一郎さんいつもお疲れ様です。小さいのしか用意できませんでしたが、本当なら直接会っていいたいことがあるのですが、それもかないませんので

キャンプが終わったらいつものお店に来てください、そこで話したいことがあります】

 

 

そう記されていた。

 

 

「(そっか、いよいよなのかもしれないな)」

 

 

trrrrr

 

 

「あっ、なんだ黒桐かよ、なんだ」

 

「いや、今日、宗には来たのかなって思って」

 

「確かに来たけど……」

 

「どうしたの?」

 

 

そういうとあの件のことを伝えた

 

 

 

「藤乃ちゃんがねえ……考えすぎじゃないか……?チャンスあるわけだろ」

 

「あるとは思えないし、ならなおさら電話を未だ取らないなんておかしいだろ……はあ………」

 

「まあその日は俺もちょうど俺の彼女と行く予定なんだよ、もし空気よかったら会ってみろよ」

 

「お前とねえ、ホント変わってるな」

 

「僕もいいたくないけど、宗とくっつく藤乃ちゃんって何がどうなってこうなったんだろうね……まっ頑張って」

 

 

 

遠まわしに励まされていき、時期は過ぎていく中で

危機を募らせていたが、変わるわけでもないのでキャンプでの練習を頑張って、そして藤の待つ喫茶店に入った、そこに藤はいた

 

 

「藤………」

 

「お待ちしていました宗一郎さん、今日という今日を本当に待ちわびていました」

 

「あ……ああ」

 

 

笑顔も何もない、きっと別れだろう……

まっ俺がしでかしたことだ、ただ理由は聞きたいなあ、遠まわしに聞こう

 

 

「俺が来たってことは、届いたことだってわかるよな」

 

「はい、宗一郎さん、今日という日を待ちわびていました」

 

「なあ、なんで今日まで連絡を絶っていた?そりゃあ俺も悪かったさ

藤が俺のこと気遣ったのはわかるよ、だけどさ、ちょっとは俺の話も聞いてほしかったんだよ」

 

「………」

 

 

藤は最初に会った時みたいに押し黙ったまんまだ

 

 

「藤、俺はこういうやつなんだよ、大事な奴は何があっても守りたい、それが大事な、世界で一番好きな奴ならなおさらな、

だけど俺もバカだった、いくら藤のことが好きだからって現ぬかしてた

このままじゃあだめだと思った、だから俺見つめなおして、いい練習ができた、

それもひとえに藤が見直すきっかけをくれたからだ、藤、改めて言うよごめん」

 

「………宗一郎さん、私、言いたいことがあります」

 

「ん?」

 

 

そういうや否や、あいつはなんでか、頭を下げた、当然俺は

 

 

「ごめんなさい、宗一郎さん」

 

「えっ???なんで???藤が謝るの……?何も悪いことしてないだろ」

 

「ごめんなさい、本当はどうも思っていなかったんです。怒ってなかったんです……

本当にごめんなさい」

 

 

まあたあいつかったく……

 

 

「ねっ藤乃だから言ったでしょ、大丈夫だって」

 

 

そういうとあいつが割り込んできた

 

 

「またお前か………ったく藤だから笑って済ますんだぞわかってんのか」

 

「わかってるよ、大体あなた見てるとちょっといじってみたくなっちゃうのよ、じゃあ藤乃気を付けて」

 

 

 

そういうとたのしそうにあいつはさった

 

 

「ったく………ほんと、でもなんか教えられたな

あいつのおかげで俺吹抜けてたのわかったし、見た目以上におせっかいだわ」

 

「鮮花のことそんなに責めないでください、彼女」

 

「わーってるよ、あいつもおせっかいだよ。藤乃もそんな感じで会ったのか?」

 

「はい、詳しく話すと……」

 

「まあ大体わかる、しかしごめんな」

 

 

首を横に振る仕草がすっかり戻ったようだ

 

 

「大体謝る必要ねえし、そんなに気を使うことないんだよ、藤は悪くない、俺が悪かったし、

藤は気を悪くせんでいい、おかげで俺は自分を見つめなおせたんだから」

 

「ありがとうございます。でも宗一郎さん、

無茶はほんとしないでくださいよ、宗一郎さんもう一人じゃないんですからね

宗一郎さんが私に何かあったら悲しむように、私も同じだということを忘れないでください」

 

「わかった、お互い気を付けよう」

 

 

・・・・・

 

 

「で、どうしようか????」

 

「あと一個別の件があるんです」

 

 

そういい、藤は何か自分のバックを漁って、視力回復したとはいえ、常人の目の悪いのより

視界が見えないわけだから、時間かかったが

 

 

「これです」

 

「なんだ、包んでるけど、俺に?」

 

「開けてみてください」

 

 

そういい、開けてみると

 

 

「お、おい、これ!?」

 

「お口に合うかわからないかもしれません、この前のは買ったものですけど、

宗一郎さんにじかに会うこの日は私の手作りできました」

 

「えっ……」

 

 

待てよ、ひょっとして……

 

 

「藤、お前このために呼んだろ」

 

「はい」

 

 

ほんと、藤は素直な子だ。俺にはもったいない。

要するに、謝りたかった、でも電話で言っても意味がない、本人の前でいいたかったんだろう、でも謝るのは

 

 

「ごめんな」

 

「いいえ、本当私、この喧嘩らしいこともしなかったです。常におとなしい優しい子って……そんなつもりで育てられましたし……

だからこそ、爆発してああなったのでしょうけど、そういうことでも、そして宗一郎さんだからこそ

本当にこうして本音で何でもできるようになったことに感謝しています。私のほうが謝るべきです、優しい宗一郎さんにいらない心配をかけてしまいました」

 

 

それは俺のセリフだ、俺ももっと藤に甘えるだけじゃだめだ、

それでみんなに迷惑かけたし、できることはさせてやらないといけないし、確かにふ抜けてた

 

 

「お前のおかげで気付かされたんだ、優しすぎてもいけない、自分のやることをやって、

それでだめならその時は助ける、それがよくわかった、だからいいんだ……ほんとありがとう、これ食べてみてもいい?」

 

「そのためにここに呼んだのですから」

 

 

にこりとして促した

 

 

「………」

 

「や、やっぱりお気に召しませんでしたか……ごめんなさい、柄にもないこといたしまして」

 

 

満面の笑みで

 

 

「おいしい、とろけそうだった……藤……ありがとう………これからも一緒にがんばろうか」

 

「はい、宗一郎さん」

 

 

そうして、話を進めていくと

 

 

「宗一郎さん、ここに来たのはもう一個わけがあるんですけど」

 

「ん??後なんかあるのか???」

 

「ええ……宗一郎さんなら、事件の経緯も知ってますし、あの当事者についても知っておいたほうがいいだろうということで

その方が今いるんです、会っていただけますか?」

 

 

藤もそこまで俺を見てくれていたのか……俺としても藤がそこまでするならぜひ………

俺にはそうする義務がある。すべてを知ったうえで藤と一緒になると決めたのだから

 

 

「さあ、こちらです宗一郎さん」

 

「あっ………この前の……」

 

「浅上……そうか、来たのか、あんたは会ってるな」

 

 

ああ、そういえば、藤のとこにいた…式……さんだっけ?

 

 

「そうだな、で、藤になんなんだ?」

 

「その浅上から言われたんだよ、当事者として会ったほうがいいって、お前もなんかいえ」

 

 

そういいその彼氏らしき人が顔を上げると………って、おい!

 

「お前がなんでいるんだよ!!!!」

 

「式の彼氏だからね」

 

 

なんてことを平然と言ってきた……っていうか、これって………

 

 

「おまえ、知ってたんだな………」

 

「ああ、藤乃ちゃんと会った時すぐわかった、たまたま最近会ってな、宗が愚痴る数日前かな…………」

 

「で?お前はなんで藤のこと知ってんだ?」

 

「お前は事件のこと藤乃ちゃんから聞いたんだって……藤乃ちゃんからそう聞いたけど」

 

「ああ………話を聞けよ、なんでお前知ってるんだ」

 

「式と藤乃ちゃんの関係を知ってるんだよな宗一郎は」

 

 

ああ、それも聞いてる、でもどうして………

 

 

「俺も当事者だからだ、宗を呼んだのはそのためだ」

 

「そっか………あ……そっか……藤が電話を取らなかったのも」

 

「ああ………俺の妹だ。この件は知らないとは思うけど、

いや知ってるかも、藤のことは知ってるらしいから、まあそんなことはどうでもいい

宗、今でもお前藤乃ちゃんのこと好きなのか?」

 

 

それは紛れもなくはいだ。どんなことだって藤だ

それに藤は人一倍優しくて、聡明で、そして大事な俺の大事な女だ

 

 

「ああ、お前にも言っただろうけど、藤は人一倍優しくて、聡明で、俺の大事な女だ、同じことを何べんも言わせんな、

それが人とは違う力でもだ。そんなこと関係ない、だから俺は藤と一緒になったんだ、これもお前に言ったはずだ」

 

「宗一郎さん………」

 

「ったく兄妹そろって、おせっかい焼きなことだ、おまえら似てないようでそっくりだよ」

 

「はは、あれで妹はかわいいんだ大目に見てやってくれ」

 

「ああ、そんなことどうでもいい、宗一郎っていうのか、日髙宗一郎、俺は両儀式だ」

 

「んで?その式さんが???」

 

「こいつから聞いてはいたが、本当にこいつと一緒になるのか、あんたは」

 

「ああ、あんたとの経緯もよく知ってる、だけどそれ以上に藤に対しても良く知ってるし

散々藤にも言ったことだ、曲げるつもりはない」

 

 

そう俺が返すと、その言葉を待ってたのだろうか……

 

 

「はっまさか、お前以上のいや……同等のお人よしがいるなんて思わなかったよ、ほんとお前がつるむようなやつだから仕方ないか」

 

「それならこっちもいってやるよ、あんたこそ、物好きだよ、黒桐とくっついて」

 

「そ、そんなんじゃねえよ、行くとこ行くとこ

こいつが来るからそうなってるだけだ、勘違いするな、ほら、お前もそんな目で見んな」

 

 

藤とは違う正反対だが、だが本質は同じような気もする

 

 

「はは、まあお互いってことだ俺は俺、そちらはそちらだ」

 

「そうだな、まあいいや、こういうとは思っていたし、俺も留める気はないよ

周りに危害を加えなければいい、だが、俺は良いんだが、あいつがうるさい、もっと詳しい経緯を知りたいとは思わないのか?」

 

 

くわしい………

 

 

「どんなことだ」

 

「浅上のことさ、それで詳しく知ってる人がいる、宗一郎、俺の雇い主だ、会ってみないか?

もっと知らないといけないって思ってんだろ」

 

「まあ確かに」

 

 

俺は良いが……

 

 

「宗一郎さん、私がそうお願いしたんです。もう間違いをしたくない、全部の私を知ってほしいから」

 

 

まあ藤がそういうなら

 

 

「わーった、近いのか?」

 

「ああ、藤乃ちゃん、本当にいいんだね?」

 

「はい」

 

 

そういい、来てみると薄暗い中に小さな事務所があって、そこに案内された

 

 

「おや、黒桐本当に連れてきたのかい」

 

「ええ、両者とも一致したようなので」

 

「あんたが日髙宗一郎かい、よく来たね、黒桐からよく聞かされてるよ、最近テレビでもよく見る」

 

「どうも、それで話というのは……」

 

「そうだったね、じゃあちょっとついてきて、式・黒桐あんたたちはここにいて」

 

「いいのか?浅上に」

 

「そんな心配はいらないよ大丈夫、私ならへーきだから」

 

 

・・・・・

 

 

 

「さて、どのくらい日髙君は知ってるのかい」

 

「藤から大体は聞いたつもりです」

 

「無痛症も?魔術もかい?」

 

「いえ、藤と接触したのも父親の依頼ということも、藤の気のせいかもしれませんが

でもかわいそうで……」

 

 

おおよそ知っていることを全部話した

 

 

「驚いたねえ、本当に浅上はほとんど話してるんだね…………」

 

「はい」

 

「そうか父親のこともねえ、契約だからね言えないんだけど」

 

「いえ、お察しします」

 

 

そうか全部聞いたんだねと藤に話して

 

 

「なら、あんまり面倒がなくていいかな、話というのは今後のことだ」

 

「はい………でもどんなことがあっても俺は」

 

「それも聞いてる、だけどそうならないとも限らない。私たち魔術師は、

いつどうなるかわからない、浅上だっていつどうなるか、私たちもそれには答えられない、それでもかい?」

 

 

もう何度も言われたこと迷いはない

 

 

「はい、なんといわれようと俺は藤と一緒になるって決めた、藤がいなけりゃあ、今の俺なんてないですから、

藤がいなくなるまで俺は無力ですけど、藤のこと、最後まで守るつもりです」

 

「宗一郎さん………」

 

「そっか、曲げる気はないんだね」

 

「ええ」

 

 

ほっとしたのか、なんだったのか、その反応を見て

 

 

「くくく、あははは」

 

「な、なにがおかしいんですか???」

 

「いやいや、魔術を持っているものはどうしてこうお人よしを好むのかなって思ってね」

 

「お人よしですか?黒桐ならわかりますけど」

 

「そっちもだよ」

 

「そんだけっすか???まさか、こう俺も何かされるかもって……」

 

「まさか、身辺調査はしたけど問題なさそうだね、ほら君の持ってるチョコ見たらそんな気も失せるって」

 

 

そういわれると……少し食べただけで話を持ちかけられて、でも持つのは忘れてなかったようで……

 

 

「ちょっと……こんなとこまで見ないでくださいよ……」

 

「くく、ほほえましいし、浅上もこんな男とならって、そりゃあおもっちゃうよ

何かあったら相談にきな、なに君ほどの野球選手じゃあ困らない金額にしてやるからさ」

 

「そうでなくても、ちょくちょく来てもいいですか?」

 

「どうして?」

 

「黒桐に興味を抱く式さんってあんまり話したことないから、ねえ式さん」

 

「くくく、バレバレだぞ式」

 

「お断りだ、さっさと帰れ」

 

「じゃあ」

 

 

・・・・・

 

 

「ごめんなさい、宗一郎さん、黙ってこんなことして」

 

 

申し訳なさそうに藤は、謝る、謝るのは俺のほうだ

 

「謝るのは俺のほうだ、ごめんな、こんな思いしてたんだもんな、俺が思ってるのは一つ、

最後の最後までお前を守り通すことだけだ、だから泣くな」

 

「はい………」

 

 

・・・・・

 

「式、心配そうに見てるけど大丈夫そうだね」

 

「心配じゃねえよ、余計なことに気を使わせたくねえだけだ」

 

(宗、頑張れよな)

 

 

そして家路につく、もちろん藤と一緒だ

 

 

「今日は本当にごめんなさい、宗一郎さん、なにからなにまで」

 

「そうでもねえよ、嬉しかったぞ俺は」

 

「うれしい???」

 

 

そういい、髪を撫でて

 

 

「そうじゃないか、俺のこと信用してる、だからあの人のところに行ったんだろ、

だったら俺はうれしいさ、そりゃあショックだったときもあったよ、でも藤はずっと俺のこと思ってて

謝るとしたら俺のほうだ」

 

「宗一郎さんが何で???」

 

「藤がこんなにも考えていたのに、別れられたらどうしようとか考えてた俺情けねえなって思って」

 

「いえ、そんな………」

 

「でも俺頑張るわ、藤がこうやって頑張ってるんだから、藤………今年野球終わったら結婚しよう」

 

 

そう、覚悟が足りないだから藤のほうが一歩先を行ってるんだ、俺も逃げてられない

 

 

「はい………でも宗一郎さん、いい加減その手に持ってるチョコ食べてはどうですか?」

 

 

「あっそうだな……おいしい………藤、一緒にがんばろうな」

 

「はい」

 

 

色々ありましたし、問題もありました。でも乗り越えようとしています。

その力をくれたのは宗一郎さんです。だから私はこんなにもあなたと一緒に居られるんです

 

「………」

 

 

本当に良かった。

結局俺は浅上藤乃が好きでたまらない

 

 

藤に言ったら怒られるんだろうけど

そういう意味で俺は藤に凶られたんだろう

 

素直じゃない心を素直にしたんだから

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