魔刃   作:秋ノ原春助

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なんか思いついたんで書きました

刑事ものとかPSYCHO-PASSみたいだなーとか思いながら書いてますw

感想おねがいします


静寂の刃

信号が変わるのをやめ、ただ赤色の光が点灯し、静寂が支配する時間

 

その静寂を撃ち破るが如く、複数の発砲音が響きわたっていた

 

「ヴあ、ががぃ、がぁヴィ」

 

言葉を知らぬ生物がいくつもの銃弾に被弾しながらもなおスピードを落とさず追随する

 

「来るなよ! バケモンがぁぁっっ!」

 

銃弾をさらに消費しカランカランと銃創がむなしく音を立てるたてるが状況は何も変わらずむしろ悪化していく

 

恐怖で足がすくみ逃げることができない

 

必死に心の中で助けてと叫ぶが誰もそれに応答せず、恐怖は目の前まで接近する

 

ニヤリと口元を緩めた姿はまさしく化物のそれだった

 

体からどろりと血を流している手で男の頭を掴むとグルリと真後ろを向かせるよう回転させる

 

男は糸を失った人形のようにだらりと力を無くし目を白目にして倒れた

 

「ぎひっいひひぎぎぎぎぎ」

 

玩具で遊ぶ子供のように化物はその後も男の身体を弄り回し朝になると—

 

「四肢をもがれて頭が潰れてやがる」

 

酷い、と述べ死体をブルーシートで覆い合掌する

 

死体があった場所にはkeep outと書かれたビニールが貼られ事件現場は封鎖されている

 

その近くには何台ものパトカーが駐車されており、緊迫感がそこにはあった

 

「『殺刃』(さつじん)の仕業だな…………」

 

これで何件目だ……………

 

悪態をこぼすこの男性は土野剛三郎(ひじの ごうざぶろう)、警官になりすでに20年が経つ大ベテランだ

 

そのベテランは不可解な事件を目の当たりにする

 

それは刃物のような物でバラバラ殺人をするというものだ

 

ただ、それならば不謹慎ではあるが普通といえよう

 

不可解な部分とは世界中でそのような事件が多発しているのだ

 

当初は同時多発テロだと思われたがその考えはすぐに消えることとなる

 

なぜなら殺人を犯した者は一日前まで普通に会社に勤務していた者や主婦、または子供、最近では政治家までもが殺人に手を染めている

 

殺人者たちはある点を除いて共通点は全くなく、普通の一般人であった

 

「うっ、どうしてこんなエグイことが出来るんですか」

 

声をかけてきたのは先日、剛三郎の部署に派遣された新人の春川秋優(はるかわ あきひろ)である

 

秋優は警察学校を主席で卒業した為か論理的な思考を好み、足で稼ぐなどの昭和を匂わせる行動は嫌うが、熱い情熱を秘めたところを剛三郎は気に入っている

 

「おう、秋優。お前は『殺刃』のことをどう思う。なんの目的で人をバラバラにすると思うよ」

 

「………そうですね。犯人は昨日までは何の以上も見られない一般人でだと資料にはありましたし、バラバラにすることが目的だとするならば単なる悦楽としか考えられませんね」

 

「ふん、私利私欲で殺人か………物騒な世の中になったもんだ」

 

「剛三郎さん、さっきさつじんとか名づけてましたけれどなんですかそれ?」

 

「おう、『殺刃』な。絶対に刃物で人を殺すからよ。殺す刃物と書いて『殺刃』だ」

 

「安直ですね」

 

「事件は安直な方がいいんだよ。変に考えて頭に残ったらどーすんだ」

 

たたた、と若い警官が近づき報告する

 

「警部、やはり鉱物以外新しい物は何も残ってはいませんでした」

 

「やっぱりか……………」

 

ふと剛三郎は殺人現場をみやる

 

するとそこには太陽の光を反射する銀色の鉱物があった

 

「いつも事件現場にありますよね。その鉱物」

 

「あぁ、何なのか分かんねぇ新しい鉱物だとよ。科捜研は騒いでたぜ」

 

「解析はおそらくもっとかかるでしょうね」

 

「かっ、こんなものを調べたって犯人は特定出来ねぇのによ」

 

「分かりませんよ。もしかしたらこれが何か手がかりになるかも」

 

「そんな可能性信じるなら聞き込み調査でもした方がましだ」

 

「足で稼ぐ、ですか?」

 

「そぉだよ。お前の大っきらいな昭和を匂わせる行動だ」

 

ニヒルに笑う剛三郎は事件現場から離れ秋優と共に近辺の聞き込み調査を行なった

 

 

 

—午後五時過ぎ

 

「はぁ、やっぱり何も目ぼしい情報は無かったですね」

 

「バカ野郎、こんぐらいで音をあげるやつがどこにいる」

 

「こんぐらいって『殺刃』の事件に関わってこれで34回目ですよ。このうちで得られた新しい情報なんてひとつもなかったじゃないですか」

 

「んなすぐに情報が舞い込んでくるかよ。果報は寝て待てっていうだろ」

 

「僕は寝ずに日々歩いてますけどね」

 

「戯言はいーんだよ。ほら飯にすっぞ飯に」

 

剛三郎は聞き込み調査の後は決まって居酒屋に連れていく

 

それは秋優への労いの証だった

 

「だと思いたい」

 

「おらぁ! 飲め飲め、秋優! お前は24になっても結婚してないとはどういうことだ。お前には男らしさが足りねぇんだ。ほら飲め! 一升瓶は飲め!!」

 

「無茶言わないで下さいよ! それだけ飲めばアル中になってしまいますよ」

 

剛三郎はいつものごとく酒に溺れ、こうやって秋優に絡んでくるのだ

 

顔を真っ赤にした剛三郎は呂律が回らないのかだんだん言っていることが分からなくなってくる

 

「だきゃらなぁ、そぅいいやつはだなぁぁ、ぶっとばすぅいいい」

 

呂律が回らないということは今回も秋優が家まで送らなければならないという合図であり、その度に秋優は溜息を漏らすのであった

 

「……………部署を変えたい」

 

居酒屋で精算を終えタクシーを不運にも捕まえられなかった秋優は仕方なく肩を貸しながら剛三郎の千鳥足を支えて帰路についていた

 

「へへっ、すまねぇな。秋優」

 

「そう思うのなら次からは飲みすぎないで下さい」

 

「善処する」

 

「その言葉は35回聞きました」

 

「へへへ、ん?……………止まれ秋優」

 

急に真面目な声音で話す剛三郎に驚き反射的に足を止めた

 

「どうしたんですか、急に真面目になって」

 

「前を良く見ろ。アイツ人間か?」

 

剛三郎に向けていた視線を向けるとそこには、紅い眼光を走られながら両腕から液体をこぼす何かが立っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 




気になったらすいません!

これ不定期更新なんでまだ投稿のメドがたってないんです

ここからバリバリバトルしていきたいですね

バケモンとか喰種みたいですね!

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