何時の間にか書いてた
反省してます
「はぁ、疲れた…」
自転車を押しながら家への帰り道の途中、そう口から零す。
「ブラックすぎるぞあのバイト…
というか働けよ店長…セクハラだけして帰んなよオーナー」
口から溢れるのは仕事についての愚痴ばかり…
なんでこんなことしてるんだっけ…
高校卒業して夢を叶えるために専門学校に行ったはずなんだが…
何時の間にか学校を辞めてただの半ニートだ。
「はあ、日雇いなのが救いか…」
俺はこの時に自転車に乗ってさっさと家に帰っていればよかったのだろうが、いかんせん体力が尽きていた。
後ろからくる酔っ払い運転に気がつかなかった。
「え?」
気づいた時には全てが遅かった。
俺がいた場所は橋だった。
別に下が崖とかではなく、普通の川なので背中を打つぐらいで済むはずだった。
そう、上から酔っ払い運転の車両が落ちてこなければ…
さらに言えば、その車両がタンクローリーでなければ…
川に弾き飛ばされた俺は予想通り背中を打った。
さらに服はずぶ濡れで今の季節は冬。
追い討ちをかけるように上から降ってくるタンクローリー…
止めの車両の燃料とタンク内の燃料のダブルの大爆発。
俺はなにか悪いことをしたのだろうか?
ただ、俺が最後に思ったことはこんなことではなく…
「あ、新作の対魔忍まだインストールすらしてないのに…」
バカ丸出しの言葉だった。
「おい、起きろ」
頭を蹴られることで、俺の意識は覚醒する。
頭に響く痛みに耐えながら起き上がると、俺の体は五体満足どころか何時もよりも更に調子が良かった。
「そうか、車に撥ねられ、押しつぶされて、爆発に巻き込まれることで覚醒したのか!!」
俺の考えは間違っていなかった。
人間は死にかけると覚醒するんだ。
「んなわけあるかバカが。お前は消し炭になって死んだよ」
声の主のいる方向を見るとそこには誰もおらず唯唯光があった。
「うおっ、まぶしっ!?」
「おう、こっちを直視すると死ぬぜ?」
「死んだはずなのにまた死ぬとはこれ以下に…」
目を閉じても先程の光が残響のように瞼の裏に焼き付いている。
「ふむ、最期の言葉が気に入ったから輪廻の輪から引き抜いてきたが…
お前、俺の暇つぶしのために転生する気はあるか?」
「え、死んじゃったしいいけど?」
「ほう、えらくあっさり決めたじゃねえか…
なにが目的だ?」
「特典をちょうだい」
俺は目の前の神様っぽい相手に交渉を始める。
「ほう…おもしれえ
それだけじゃないんだろう…」
「いや、特典だけで十分だ
後はお楽しみにって奴だ」
「ははははははははははははははははははははははは!!!」
神様は笑い声を上げて光を強める。
というか、目を閉じてるのに更に眩しくなっているんですが…
「おもしれえ!!いいだろう!!許可してやろう!!」
神様は落ち着いたのか光を抑えて立ち上がる。
「それで?お前は何を望む?
王の財宝か?
無限の剣製か?
神滅具か?
直死の魔眼か?」
「俺が望むのは『対魔忍アサギ』シリーズに出てくる忍術全てだ」
「はっ!!今までにも転生してきたやつは見てきたが、手前ぇみてぇなやつは初めてだぜ!!
それじゃあ、逝ってきな!!
ちゃんと特典は送ってやるよ!!」
俺の意識は再び途絶えた。
本当に面白いやつだ。
だが、これだけじゃつまらん。
俺が楽しめないからな…
そうだ『アサギ』だけじゃつまらん。
『ムラサキ』に『ユキカゼ』も追加しておかないとな…
おっと、記憶は消しておかないとな…
くけけけけ!!!
これだから人間は面白い…
次回がいつになるかわかりませんが
次からはもう少し長めに書きます