僕を憶えていますか?   作:夢持ち少年

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寂しがり屋の月。

 放課後。

 無月は一夏に誘われ、第三アリーナにて一夏と箒とセシリアの訓練を見物していた。いや、訓練というよりも一夏を痛めつけているように見えるこの2対1のIS戦は始まってから大体20分は経っており、一夏は既に息切れしている。それでも食らいついて行っているのは男の意地なのだろうか。

 一応無月も最初の辺りは一緒に訓練していたが、やはり恋する乙女達。どちらが好きな人(一夏)と一緒に訓練するかで揉め始め、喧嘩に発展しいつの間にか一夏も巻き込まれこの状態となった。やることがなくなった無月は『見ることも訓練だ』とまえに千冬から言われたような言われてないような······まあ、そんな気がしてぽけーっと戦闘を見ている。

 傍から見ると今の無月は自身のISを纏ったまま器用に体育座りをしておりとてもシュールである。一応流れ弾を警戒してファンネル【天月】を展開してクルクルと無月の周りを回っており、安全は確保している。

 

 

「うおおおおお!!」

 

「甘いですわ!」「どこを見ている一夏ッ!」

 

「ちょ、まっ──ごふッ」

 

 

 一夏がセシリアに攻撃しようとした瞬間、二人による一斉攻撃にてシールドエネルギーが無くなったようで決着がついた。一夏墜落。大の字で寝っ転がり息切れしていて、そのすぐ側に箒とセシリアの二人が近づく。ISは既に解除されていた。

 

 

「では、今日の訓練はこのあたりで終わりましょうか」

 

「···ぜえ···ぜえ」

 

「不甲斐ないぞ一夏。鍛えていないからそうなるのだぞ」

 

「い、いや···二人を···一緒に···とかむり···」

 

 

 どうやら今日の訓練は終了のようである。

 息を整えた一夏は起き上がり箒たちと話し始める。それからすぐに ハッ···と一夏が気づく。

 

 

「あれ、そういや無月は···」

 

「「···あ」」

 

 

 その言葉に二人も思い出したようだ。あたりを見回すとすぐに見つかる無月。未だにISを展開したまま一夏たちを見ていた。ヒュゥ···と普段は気にならない風の音が大きく聞こえる。

 

 

「······」

 

「······」

 

「······」

 

 

 静寂のなか無月はISを解除しする。それでも体育座りのままの無月はなんだか哀愁が漂っていた。そして突如ピコンッと音が鳴る。これは無月があの吹き出しで会話する時の音で、この静寂を断ち切るように鳴った。

 

 

 

 

 

『( ・...・)オタノシミデシタネ』

 

「「「······ごめんなさい」」」

 

 

 

 

 

 

 

     ◇◇◇

 

 

 

 

 体育座りのままの無月へ三人が謝ったあと、流れで解散となり無月ら一夏、箒、セシリアの四人はピットへ戻った。無月はそそくさと着替え終え、ピットから退出した。ピットの中では一夏と箒が未だに話している。自室に戻る途中、ペットボトルとタオルを持った凰とすれ違ったときに一夏の居場所を聞かれたので答えると、笑顔でお礼を言われ凰は立ち去っていった。まるで嵐のようだったと無月は思うわけがないがそんな感じだった。うん。

 

 無月は自室に着くとシャワーを浴び、それが終わると高性能なウサミミ付きであるパジャマに着替え束から貰った例のアレをベッドに座り読み始めた。

 今回無月が読んでいるところはその本の半分近くで題名が『束さんが教える 束さんの全て! 第三十五項「ウサギとネコの冒険!」』である。やはり意味がわからない内容である。まあ、『冒険』と書かれてあるので物語かなにかなのだろうが、その中に出てくる単語を少し上げてみよう。

 

【笹の葉】【リンリン】【短冊】【もちつき】【願いごと】とまぁ上げては見たものの、やはり意味がわからない。いや、無月にとって意味がわからなくてもいいのだ。無月の好きな人からの贈り物ということだけて嬉しく思うのだから。

 

 少し時間が経ち、もうそろそろ夕食の時間。無月は本を閉じて本棚にしまうと食堂へ向かうためドアを開けた。その瞬間。

 

 

  ガツンッ!

 

「ギャンッ!?」

 

 

 開けたその瞬間誰かがその開けたドアにぶつかった。無月は何の音なのかと不思議に思い確認するとそこには、涙目で頭を抑えながら蹲る凰鈴音がいた。

 

 

 

 

 

 











やっとのことで更新しますた。
楽しみに待ってくれていた様々な読者様にお詫びと感謝を。

ごめんなさい。ありがとうです。
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